筋トレは脳を活性化させて賢くなるって本当?
筋トレと聞くと、筋肉の肥大化や健康のためだけにやるものと思っていませんか?しかし筋トレは、筋肉を鍛えるだけのトレーニングではないことが明らかになりつつあります。
最近の研究では、筋トレを行うことで脳が刺激され脳細胞が活性化し、新しい脳細胞が作り出されて記憶力や学習力が上がることが判明しました。記憶力や勉強への効果を具体的に解説していきます。
ランニング×脳の関係性|適度な刺激で良い効果が出る理由を論文を元に解説
出典:Slope[スロープ]
筋トレで脳が活性化されて賢くなる理由
筋トレを行うと、脳細胞の成長を促すホルモンが促進されるために賢くなります。ここからは研究結果をもとにした脳の活性化と細胞の面からみた脳の変化について説明していきます。今までの筋トレの定義が変わってくるので、リンクもしっかり見て参考にしてください。
アメリカの研究結果
ジョージア工科大学研究チームが行った筋トレによる脳の活性化についての研究は以下の通りです。
・46人の被験者にパソコンに映る90枚の写真を見てもらう
・写真には子供から大人まで各年齢層の写真を用意
・被験者を2つに分けて「筋トレをするグループ」と「同じ時間ただ椅子に座ったまま過ごすグループ」に分ける
・2日後に被験者を集め、前回見せた90枚の写真に+90枚を足した180枚の写真を見てもらい、見たものを覚えているか確認
結果は筋トレを行ったチームは平均60%の正答率で、座っていたチームは平均50%と筋トレをしたチームが10%も多く覚えている結果になりました。筋トレチームの唾液を調べたところ、脳内のノルアドレナリンが働いていることが確認されています。
ノルアドレナリンは記憶の定着・覚醒や集中・意欲・思考の柔軟性・に関わる物質です。筋トレをすることによってノルアドレナリン分泌され、脳を刺激し学習力を高めていくことがこの研究で分かりました。
Lift weights, improve your memory
出典:Georgia Tech
細胞レベルから見る賢くなる理由
ここからは、筋トレで分泌されるホルモンと役割について説明していきます。
・BDNF(脳由来神経栄養因子)が脳細胞の機能向上・成長・促進・強化、細胞が死ぬのを防ぐ
・インスリン様成長因子、血管内皮成長因子などが脳細胞を活性化し結び付きを強くする
・線維芽細胞成長因子が新しい毛細血管・脳細胞を作る
これらのホルモンが生成されることによって「情報伝達スピード」・「記憶の定着率」が上がり、勉強したものを脳内に素早く蓄えておけるということです。ほかの作用として作られた細胞は生活全般の情報処理能力を高めてくれるため、入ってきた情報をもとに効率よく脳が学習して行動へと導いてくれます。
筋トレに有酸素運動やトレーニング自体に複雑な動きを取り入れることによって、新しい脳細胞・血管を作りだしながら細胞同士の繋がりを強くするので、より一層脳の認知機能が上がることになります。トレーニング間隔は週に2・3回で20〜30分を行うだけで脳を鍛えられるので、生活に取り入れやすいでしょう。
(筋トレによるホルモン分泌について以下の動画を参考にしてください)
【健康】運動をすると脳由来神経栄養因子(BDNF)によって脳機能が高まる!
出典:YouTube
番外編(食材から脳細胞を増やし、賢くする)
BDNFは海馬と血液中で存在し加齢・うつ・認知症によって減少していきます。日本の研究結果によると、国際的な老年学・老年医学分野の国際トップジャーナルで、カマンベールチーズの白カビがBDNFの血中濃度を増やし、認知症予防に効果があると掲載されました。
筋トレとチーズというのが脳活性化させるのにとても有効なものと研究で出ています。筋トレとカマンベールチーズの両方を習慣化させることで、日頃から物忘れや指示語での会話が減り、学習力を上げる効果が期待できます。ぜひ色々な勉強に挑戦して、日常生活の能力レベルの低下を食い止めましょう。
(細かな脳への作用については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレで脳への効果を実感した人の体験談
これまで研究結果や細かな細胞の面で難しい説明が多かったですが、理論よりも実際に体感されている方の生の声を聞きたい方も多いでしょう。そこで今回は、実際に筋トレによって脳への変化があった方を紹介します。体験談を読んで、普段の筋トレのモチベーション維持にしてください。
筋トレで脳を刺激し心の安定を感じる
毎朝筋トレをしています:ok_woman:筋トレするとセロトニンやドーパミンなどのホルモンが分泌されて朝からメンタル向上します:v:️ただ、起きてすぐの運動は脳梗塞や心筋梗塞のリスクがあるので、起きたらまずしっかり水分補給して、1時間30分後くらいから筋トレを始めます:bulb:筋トレで心身ともに健康維持:blush:
— とも@旅×写真 (@tm47prefectures) November 20, 2020
こちらでは記憶力などの認知機能ではなく、脳を刺激したことによる神経伝達物質が分泌されてメンタルを向上することが出来ています。朝に筋トレする注意点として、朝の急な筋トレは血管が収縮しているところに急激な血流を流すためことで血管が破れて脳梗塞などを誘発してしまいます。
(朝の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレによる「脳の機能維持」や「集中力維持」として行なっている
筋トレはちょいちょい継続してやっています。一番の目的は見た目や健康よりも「脳の機能維持」としてやっています。運動不足は集中力低下やストレス耐性の低下など「脳」への悪影響が大きいです。逆に筋トレで筋力も維持できて脳へも効果的となればやらない手はないです。可能な限りやり続けます。
— 櫻井拓也*経営者の目のつけどころから可能性を広げるヒントを (@sakurai_takuya1) October 31, 2020
続けていて良かった習慣と聞かれると、テックキャンプに入学した時期辺りから取り組んでいた自宅筋トレかな。
— ケースケ@30代で介護職から開発系エンジニアへ転職した人 (@K_studyingIT) October 29, 2020
10分程度の短時間でも効果あり。
運動により脳への血の巡りが良くなるためか、集中力が増し、食後の眠気も改善される。
(運動しない日は、食後に必ず睡魔に襲われるほどの自律神経の弱さ)
筋肥大など見た目の変化にこだわるだけでなく、脳の機能維持を目的にして筋トレが行われています。筋トレを行うことで集中力低下を防ぎ、ストレス耐性も上がるとあれば、やらない理由はないでしょう。仕事で集中力が必要な人によっても、筋トレは欠かせないルーティーンです。
筋トレ以外に有酸素運動も取り入れてる
筋トレを行うと認知機能の維持向上に効果がある。
— ロッキー |好奇心強め男子 (@rockyy_blog) April 8, 2019
※認知機能とは何かを知覚、判断、決定する能力
人間は何かを選択するときに悩んでストレスを抱えるという。
つまり、筋トレをすると脳科学的にもストレスへアプローチできる。
単体の有酸素運動よりも有酸素運動+筋トレが認知機能へ効果がある!
運動は脳のアンチエイジングにも効果があり、特に認知機能の維持向上には適している。有酸素運動にプラスして筋トレを行えば、有酸素運動のみ行った場合よりも認知機能への効果が高く、高齢者の記憶力向上にも繋がるので、保険に金をかけるくらいなら、運動に投資した方がいいぞ。
— 大将様@エストニア生活5年目 (@T_I_SHOW) August 16, 2019
筋トレ+有酸素運動で新しく細胞などが新しく作られ、細胞同士が繋がりを強くして認知機能が向上していく話がありましたが、今回の体験談によって実際に効果が認められました。
ここまで脳への効果を実感できた人の体験談を紹介してきましたが、今まで加齢で脳の細胞が減っていくことは皆さんご存知だとは思いますが、細胞が増加することが見込めるのは今まで情報が少なかったはずです。この体験談をもとに効果の高いトレーニングを行い、様々な方に効果を伝えていきましょう。
最後に注意点があります。筋トレをやり過ぎると横紋筋融解症という病気になり、腎不全を起こしたりなど体調を悪くする原因になりますので、やりすぎは注意しましょう。
筋トレは体だけでなく脳への効果も多い
筋トレは筋力向上や認知機能全体の向上の効果もありますが、筋トレで分泌されるホルモンは精神面の改善効果もあります。精神状態は脳の働きが関係しているので、セロトニンの分泌を増やし脳内のストレスをリセットして快適な生活を送ることができます。日々ストレスを感じている方は、ぜひ筋トレに挑戦してみてください。