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射精は筋トレに悪影響?タンパク質・集中力・筋力が低下する?体験談も!

2021年05月10日

今回は射精と筋トレの関係について解説します。射精をすると筋トレに悪影響が出ると聞いたことはないでしょうか。筋トレの前後に性欲が高まり自慰行為であるオナニーをして射精をすると、タンパク質やホルモンが減少し筋肉にも影響を及ぼすのは本当なのか検証してみましょう。

【監修】パーソナルトレーナー 高津諭

トレーニング指導歴22年。大阪・兵庫を中心に活動するパーソナルトレーニングを提供しています。現在、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のマスタートレーナーとして、またJOTスポーツトレーナー学院の校長として後進の育成、指導にも尽力している。HP / ブログ / Twitter

射精は筋トレに悪影響があるって本当?

女性にモテたいという理由で、筋トレに励んでいる男性は大勢いることでしょう。特に夏場は海で自慢の筋肉をアピールして、素敵な彼女をゲットしようと考える人も少なからずいるはずです。しかしそのような願望が叶わずムラムラとした性欲をどうやって解消するかというと、男性の多くは射精によって性欲を解消してることでしょう。

射精はセックスや自慰であるオナニーに伴う行為で、性的な快感を得られる効果があります。成人男性の70%が週1回程度オナニーによる射精を行っていると言われていますが、この射精が筋トレに悪影響があるというのです。一体どんな悪影響があるのか、今回は射精と筋トレの関係について解説していきます。

(タバコと筋トレの関係について興味のある人は以下の記事も参考にしてみてください)

射精が筋トレへ悪影響と言われる理由

射精はメンタル面に良い効果があるといわれますが、筋トレに対して悪影響だと言われる理由について解説していきます。セックスやオナニーに関わらずある程度の頻度で射精をする機会がある人は、どのような理由があるのか確認していきましょう。

タンパク質が減るから

まず射精が与える筋トレへの悪影響として挙げられるのが、体内のタンパク質が減ってしまうというとです。これは射精の際に分泌される精液や精子の主成分がタンパク質からできていることに根拠があります。

では1回の射精でどれぐらいの量のタンパク質が体外へ放出されるのか、『精液中組織プラスミノーゲンアクチベーターと精液精子数およびタンパク質量との相関性』という論文の記述を紹介しましょう。

13名の正常ヒト精液サンプルを用い(精液量1.8~6.6ml)、精液中に存在する精子数およびタンパク質量の測定を行った。(中略)その結果、測定したヒト精液検体中の総精子数および精漿中の総タンパク質量は、3.24×10の7乗~5.26×10の8乗および7.2~59.4mgにそれぞれ分布し、その精液内存在量は差が大きいことが認められた。総精子数およびタンパク質量の平均値はそれぞれ(2.01±1.61)×10の8乗および22.3±13.6mgであった 。

引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscc1971b/24/1/24_20/_pdf/-char/ja

論文によると1回の射精で放出する精液には22.3~13.6mgのタンパク質が含まれていることがわかります。タンパク質は体内の筋肉を維持することや、筋トレをして鍛えた筋肉を成長させるためには必要不可欠な栄養素であることは良く知られています。つまり射精によって筋肥大に必要なタンパク質が減少してしまうことに繋がってしまうのです。

筋肥大に必要なタンパク質の摂取量は、味の素株式会社が発表した『いつどれくらい食べる?筋トレとたんぱく質の多い食事の関係』という記事によると、体重1kg当たり1.2~2gと言われています。射精1回で体内にあるタンパク質が全部無くなってしまう訳ではありませんが、減少させてしまうことは間違いないでしょう。

(筋トレに必要なタンパク質の摂取量については以下の記事も参考にしてみてください)

体力・筋力が低下するから

オナニーなどにより射精をすることによって体力や筋力が低下してしまうことも、筋トレや筋肉に与える悪影響として考えられます。セックスやオナニー自体が何かしらの運動を伴う行為なので、程度の違いはあれど少なからず体力が消耗してしまうことは避けられないことです。

また射精が起こりオナニーが終わった後は、強う疲労感や脱力感を感じる人が多いのではないでしょうか。これは性欲が一気に解消されることで、失った体力を回復させるために示す体の反応です。さらに体力と同時に筋力も下がってしまっている状態なので、このような疲労感や脱力感を感じてるときに筋トレをするのは、力が入らず逆効果と言えるでしょう。

(ランニングのデメリットに興味のある人は以下の記事も参考にしてみてください)

テストステロンが減るから

射精をすると減少してしまうのはタンパク質だけでなく、テストステロンという男性ホルモンも減ってしまうと考えられています。テストステロンは精巣で作られるホルモンの1つで、モチベーションの維持や気持ちが前向きになれるといったメンタル面に効果があるだけでなく、筋肉の成長にも効果があるとされています。

通常筋トレをして筋肉を鍛えることによってテストステロンの分泌が盛んになりますが、射精をするとこのテストステロンの分泌が滞り値が下がってしまうのです。その結果射精をした直後に筋トレをしても筋肉の肥大は難しいと言えるでしょう。

しかしテストステロンの減少に加え、タンパク質や体力・筋力の低下は射精後にタンパク質の補給や休息を取ることによって回復させることができます。それでも射精によって分泌されると筋肉に厄介なホルモンもありますので続いて解説していきます。

(テストステロンの減少が筋トレに与える影響について詳しくは以下の記事も参考にしてみてください)

ドーパミンとコルチゾールが減るから

人間の体内ではドーパミンとコルチゾールというホルモンも分泌されています。ドーパミンは快楽ホルモン、コルチゾールは筋肉の生成に関わるホルモンで、射精後に分泌されるプロラクチンの作用により、この2つのホルモンの減少が筋トレや筋肉に悪影響を与えてしまうのです。

プロラクチンは射精後の疲労感や脱力感の原因ともなるホルモンで、このホルモンの分泌によってドーパミンが減少すると筋トレへの意欲を減退させます。またコルチゾールが減少することで筋肉の分解を引き起こしてしまうのです。筋トレをした後に射精をすると、せっかく鍛えた筋肉も台無しになってしまうので注意してください。

射精と筋トレの付き合い方

ここまで射精が筋肉と筋トレに与える悪影響について確認しました。意外な悪影響があることが分かりましたが、ここからは射精と筋トレの付き合い方について解説します。オナニーや射精をするタイミングなど、筋トレの効果を損なわないように注意すべきポイントを押さえましょう。

射精と筋トレの時間間隔を設ける

まずは射精と筋トレの時間間隔をしっかりと設けるようにしましょう。射精をしてから筋トレをするか、筋トレをしてから射精をするのか、人それぞれにタイミングがありますが、射精と筋トレの間にそれぞれ体力の回復やタンパク質などの必要な栄養素を補給しておくことが大切です。自分の性欲をしっかりとコントロールしつつ、筋トレにも励むようにしてください。

回数や頻度をコントロールする

オナニーなどによって射精する回数や頻度は個人差があるのは当然ですが、筋トレの効果を確実なものにするためにも射精の回数や頻度をコントロールするようにしましょう。射精の適切な回数や頻度については諸説ありますが、成人男性のオナニーの平均回数が2日に1回と言われていますので、この回数と頻度を参考にしてみてください。

筋トレと射精に関する体験談

ここからは筋トレと射精に関する体験談を紹介していきます。リアルな声を聞いて、筋トレと射精の関係性をチェックしてみましょう。

筋トレ前に射精すると集中力がアップする



こちらは筋トレをする前にオナニーによって射精することで、より筋トレに集中できるという口コミです。射精によって気分の切り替えが上手くできる人もいるようです。

射精しない方が体力がある



この体験談では射精をしない方が体力があることを実感していることが分かります。オナニーをしない方が筋トレに打ち込めるということは、体力にも余裕があるのでしょう。

オナニーの頻度をコントロールする



筋トレを続けるにはオナニーの頻度をコントロールした方がいいという体験談です。書き込みの通り、射精をするとテストステロンの減少するので、筋トレにも影響があると分かります。

筋トレ後に射精したくなる



筋トレをした後に射精したいという衝動に駆られる人もいます。こちらの体験談のように筋トレ後にオナニーがしたくなる場合は、時間の間隔を空けると悪い影響が緩和されます。

射精すると筋トレの調子が悪くなる



中には射精すると筋トレの調子が悪くなるという体験談もあります。射精やオナニー自体は体に悪い行為ではないので、回数や頻度は筋トレに影響が出ない程度に抑えましょう。

筋トレも射精も適度に行えば大丈夫!

今回は射精と筋トレの関係について解説しました。射精することによって性欲の解消や快楽を得るといったメリットはありますが、筋トレや筋肉には少なからず影響があると分かりました。しかし射精の回数や頻度をコントロールすることによって、悪い影響を減少させることも可能です。筋トレと同じく射精も適度に行うようにしましょう。