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筋トレにアルコールがNGな理由5つ。筋肉に影響のないお酒の飲み方テクも解説!

2020年08月25日

大人になれば避けられないお酒の席。そんな中、筋トレをしている方で「お酒飲むと筋肉の成長に悪影響?」と気になっている方も少なくないでしょう。そこで今回は、筋トレにアルコールが与える悪影響〜筋トレをしていてもお酒が飲めるコツを詳しく解説していきます。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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筋トレをしててもお酒は成長に関係ない?

出典:https://orcarl.com/kintore-nomikai/

大人になればお酒の席や家でお酒を飲んで息抜きをするという方も多いでしょう。そんな中で筋トレも頻繁に行っている方は、お酒は筋肉の成長の妨げに関係ない?といった不安を持ったことがあるのではないでしょうか。反対に体が大きな人はお酒が強いというイメージもあり、筋トレをしててもお酒は筋肉に悪影響ではないと思い込んでいる方も多いです。

そこで今回は、筋トレにアルコールが与える悪影響や、筋トレとお酒をうまく両立する方法を解説します。それでは、筋トレにアルコールが与える悪影響から確認していきましょう。

筋トレにアルコールが与える悪影響

出典:https://www.athlete-collection.com/workout/alcohol-care-enzyme/

アルコールは何も考えずに摂取し続ければ筋トレだけでなく、体全体に悪影響を及ぼします。そこで今回は、筋トレとお酒の関係性に特化してアルコールが与える悪影響について詳しく解説していきます。

①筋肉の分解が進む【筋トレにアルコールが与える悪影響】

人の体は筋トレ中に筋肉が分解され、筋トレ後に再合成することで筋肉がデカくなります。その工程の途中にお酒を飲んでアルコールを摂取することにより『コルチゾール』という筋肉の分解を促すホルモンが多く分泌され、筋肉の再合成を妨げてしまうので注意が必要です。

コルチゾールは適量であれば、筋肉の炎症やコリなど痛みの緩和や、血糖値の維持に役立つため必要なホルモンです。しかし、増えすぎるとタンパク質をどんどん分解してエネルギーに変えてしまい筋肉の成長を妨げてしまうので、筋トレをした日にお酒を飲むのは避けた方がいいでしょう。

②筋肉の再合成を阻む【筋トレにアルコールが与える悪影響】

前途した通り筋トレ後にアルコールを摂取すると筋肉の再合成を阻んでしまいます。これは、筋トレ後にお酒を飲むことにより筋肉の分解作用がある『mTOR(タンパク質キナーゼ)』が活発化してしまうからです。

論文のデータでも筋トレ後にアルコールを摂取することにより37%再合成率が低下したという研究結果がでています。このことからも筋トレをした日にお酒を飲むのは控えた方がいいということがわかりますね。

③テストステロン分泌量の減少【筋トレにアルコールが与える悪影響】

テストテロンはタンパク質を合成させ筋肉を作るという働きがあります。主に筋トレをすることにより分泌されるホルモンです。テステトロンには筋肉の分解を抑制する働きもあるため、筋肉をデカくするには必須になります。

しかし、お酒を飲むことによりテストステロンの分泌量が減少してしまうので、日頃から大量にアルコールを摂取する方は適量にすることが重要です。

(テストステロンによるデメリットについては以下の記事も参考にしてみてください)

④脱水症状になる【筋トレにアルコールが与える悪影響】

アルコールの分解には体にある多くの水分を使用します。さらに、アルコールにより利尿作用が活発するので、お酒を飲んでいる時間はどんどん体の中の水分が失われてしまうのです。

筋肉自体にも多くの水分が含まれており、筋肉への栄養伝達に必要となります。水分は筋肉の発達の他に筋力を出す際にも重要となり、脱水症状の状態で筋トレを行ってしまうとパフォーマンスの低下や、怪我のリスクによって筋トレの効果を半減してしまう可能性も高いので注意が必要です。

論文で飲酒後は最大60時間は筋力が22%低下するという研究結果もでているので、次の日も筋トレを行う場合は避けた方がいいでしょう。

⑤糖質&塩分過多になる【筋トレにアルコールが与える悪影響】

お酒を飲むとなると欠かせないのが食事の他、おつまみなどの食べ物です。お酒と一緒に食べるものとなると脂っこいものや、塩分が強いものを選びがちになります。さらに、お酒が進むと同時に食べ過ぎてしまうので糖質も多く摂ってしまうでしょう。

お酒自体にも糖質は含まれているので、考えずにお酒を飲んで食べ物を食べてしまうと糖質過多になることは確実です。余分な糖質は脂肪に変わり体の中に残ってしまうため、内臓脂肪や皮下脂肪も増えてしまいます。

したがって、筋トレとお酒を両立する際には一緒に食べる食べ物まで気を配らなくてはいけません。

結論:筋トレをした日には飲酒を控えた方がいい

以上、筋トレにアルコールが与える5つの理由により、筋トレをした日にお酒を飲むのは控えた方が良いと言えます。しかし、定期的にお酒を飲まなければストレスが溜まるし、筋トレもやる気が起きないという方がほとんどでしょう。

そこで、アルコールを摂取しても筋肉の成長を阻止しないような筋トレとお酒の両立の仕方について解説していきます。

筋肉に影響のないアルコールの飲み方

前途した通り筋トレをしているからと言って、アルコールの摂取を禁止すればストレスが溜まり何事もうまくいかなかったり、筋トレさえもやる気が起きなくなるリスクもあります。

そこで以降では、なるべく筋肉の成長に悪影響を及ぼさないお酒の飲み方について詳しく解説していきます。

①筋肉の成長に影響の少ないお酒の種類を選ぶ

「どうしてもお酒を飲みたい」けど筋肉の成長も妨げたくないといく方は、お酒の種類選びにこだわりましょう。

多くの方が飲むであろうビール・ワイン・日本酒などの醸造酒は糖質を多く含むため、筋肉のことを考えるとNGです。なのでどうしてもお酒を飲みたい場合は糖質がほとんど含まれていない焼酎などの蒸留酒を飲みましょう。蒸留酒にはウイスキー(ハイボール)・ジン・ウォッカ・テキーラが該当します。

蒸留酒の中でも特に焼酎がおすすめです。焼酎は糖質がゼロであり、カロリーも他と比べてかなり低いという特徴があります。お店で出される一般的な量で比較すると、焼酎ロックは約70kcalで生ビールが145kcalで明らかに差があることがわかりますね。

②お酒の量を抑える

お酒を日頃から飲む方や、お酒の席が多い方はどうしても飲み過ぎてしまうということが多いでしょう。しかし、そんなお酒もアルコール摂取量を意識すれば筋トレと両立することができます。

論文の結果によると『体重×0.5gのアルコール』であれば、ほとんど筋肉に影響が無いとされています。よく飲まれるお酒の種類別のアルコール摂取許容量は下記の通りです。

ビール:500ml(ロング缶1本)
日本酒:180ml(一合)
ウイスキー:60ml(ダブルショット1杯)
焼酎(25度):100ml(グラス半分)
ワイン:200ml(グラス2杯)
チューハイ(7%):350ml(ロング缶1本)


こうみると「全然飲めないじゃ無いか!」と思う方も多いでしょう。しかし、これは影響の無い許容量です。お酒の席では沢山飲む・抑える回数を週で決めたり、家では許容量を遵守するなど工夫してお酒を飲むことをおすすめします。


③筋肉の再合成が行われる筋トレ後は避ける

筋トレ直後は筋肉が合成される期間であり、合成を妨げてしまうアルコールの摂取はNGです。さらに、トレーニング後は喉が乾いているため飲み過ぎてしまうリスクもあるので気をつけましょう。

筋トレ後はアルコールの吸収スピードが速くなっていて普段より酔いやすい、脱水症状を起こしやすい状態になっているので危険です。どうしてもお酒を飲みたい場合でも筋トレ後はプロテインなどタンパク質の摂取を優先しましょう。

お酒を飲む予定が入った日は、筋トレをオフにする勇気を持つことが筋肉の成長にも繋がります。

お酒は太らないから筋肉に問題ないって噂は?

出典:http://fitness-blog.dk/wp-content/uploads/2010/11/Alkohol-og-Sundhed.jpg

筋トレにアルコールは悪影響があり、うまく両立することが重要ということが理解できたでしょう。しかし、「お酒は太らないから大丈夫」という話を聞いたことがあり、まだそんなに気にすることはないと思い込んでいる方もいるのではないでしょうか?

そこで、「お酒は太らない」という噂の真相について詳しく解説していきます。

エンプティカロリーとは

お酒には摂取した後すぐに分解されてエネルギーに変換されるという『エンプティカロリー』という特徴があり、お酒は太らないという噂が広まっていきました。

しかし、アルコールのカロリーをエネルギーに変えている場合は食事のカロリーによるエネルギー変換が後回しにされます。よって、食事のカロリーも残ったままアルコールによってどんどんエネルギーが蓄積し、エネルギー過多の状態に陥ります。その場合、余ったエネルギーが脂肪として体に蓄積されるので、結果的に太ってしまうので勘違いは禁物です。

お酒による食欲増進

エンプティカロリーのように体の仕組み上の問題もありますが、お酒を飲むことによって脂っこく、塩分&糖質が高い食べ物が進むことにより脂肪が増えるというリスクもあります。

何も食べずにお酒を飲み続けるという方は少ないのではないでしょうか?多くの方は、お酒と共に食事を楽しみます。皆さんの経験上わかると思いますが、お酒を飲むとつい食欲が増して食べ過ぎてしまいます。食欲を抑えられなければお酒が直接的な理由で太るのではなく、間接的に太る原因となってしまうので要注意です。

以上のことより「お酒は太らない」という夢のようなことはあり得ませんので、筋トレとお酒を両立する場合は自己管理の徹底が必須です。

筋トレ前の筋トレは絶対にNG

お酒は筋トレの効果を落とす悪影響も沢山あるが、うまく両立すれば問題なく飲めるということも理解できただでしょう。しかし、筋トレ前にお酒を飲むのは絶対にNGとされています。

以降で筋トレ前の筋トレが絶対にNGな理由について解説していきますので、確認しましょう。

トレーニング効率が下がる

前途した通りアルコールを摂取すると筋肉分解作用のあるコルチゾールの分泌量が増加、筋肉増量作用のあるテストステロンの分泌量の減少が起きます。

このことにより、筋トレをしても筋肉が分解される一方で大きくなるための過程が阻まれてしまうのです。よって、筋トレ前の筋トレは効率が下がるのでNGとされています。

怪我をしたり高血圧になる可能性が高まる

当たり前ですがお酒を飲んで酔っ払っている状態だと、フォームが不安定になり器具を落としたり、転んでしまったりして怪我をするリスクも高まります。さらに、アルコールは血行を促進するので高血圧になったり、怪我をした際に悪化しやすく治りも遅くなるので注意が必要です。

お酒を飲んで気持ち良くなって筋トレをしたくなる気持ちはわかりますが、メリットが一切ありませんので筋トレ前にお酒を飲むのは絶対に止めましょう。

筋トレをしててもお酒は飲める!

今回は、アルコールが筋トレに与える影響〜うまく両立してお酒を飲む方法を詳しく解説してきました。前途した通り筋トレをしていてもお酒を飲むことに関しては全く問題ありません。しかし、お酒を飲むなら筋トレだけに限らず自己管理の徹底がじゅうようとなるので、うまく両立できるように工夫して楽しみましょう。