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超人体質『ミオスタチン関連筋肉肥大』とは?メカニズム〜有名人の例まで紹介

2020年11月05日

生まれつき常人の倍以上に筋肉が発達するミオスタチン関連筋肉肥大。人間だけでなく牛や犬など動物の例もあります。ミオスタチン関連筋肉肥大は日本人の格闘家や有名人にもいるのか、後天性や関連するサプリ、アニメキャラにまでいるって本当?といった疑問についても解説します。

【監修】パーソナルトレーナー 高津諭

トレーニング指導歴22年。大阪・兵庫を中心に活動するパーソナルトレーニングを提供しています。現在、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のマスタートレーナーとして、またJOTスポーツトレーナー学院の校長として後進の育成、指導にも尽力している。HP / ブログ / Twitter

バーバラ・アクロバ

出典:https://a.boredomtherapy.com/s/people-lift-heavy-objects?nogdprc=1

現在ウクライナでサーカス団の一員として活躍する1992年生まれのバーバラ・アクロバ。生後3ヶ月目にして両足で立ち上がった彼女は、5歳にしてとんでもない重量のバーベルを持ち上げます。その後弱冠7歳にして重量上げ大会で220ポンド(約100kg)、14歳で330ポンド(約150kg)を持ち上げたとされ、ギネスブックにも登録されています。

出典:https://www.fitmoment.com/engine/common/AMP/?id=strongest-girl-ever

両親が彼女を病院で調べてもらったところ、ミオスタチン関連筋肉肥大とは診断されなかったものの、遺伝的に常人とは違う質の筋肉の持ち主だと判明したそうです。

リアム・フックストラ

出典:https://www.mlive.com/news/muskegon/2011/01/year_end_the_most_popular_stor.html

2005年生まれのリアム・フックストラはアメリカのミシガン州在住。彼もミオスタチン関連筋肉肥大と診断された一人で、筋肉がミオスタチンを拒絶するタイプです。生後2日目で立ち上がってから、1歳に満たないうちに鉄の棒を曲げ、十字懸垂も軽くこなしたとか。

「釣りとホッケーは人生だ」と語るリアム少年。現在は地元ミシガンのマスキーゴンでアイスホッケーの選手としても活躍中です。

ミオスタチン関連筋肉肥大は他の動物もあり得る

出典:https://www.scoopnest.com/user/NatGeoUK/753274811191877632-male-red-kangaroos-continue-to-grow-throughout-their-lives-the-kangaroo-king-starts-at-9pm

これまでは人間の例について取り上げてきましたが、ミオスタチン関連筋肉肥大は人間以外の動物でもあり得ます。ここから実際の例を紹介します。

牛・ベルジアンブルーの例

出典:https://domesticanimalbreeds.com/belgian-blue-cattle-breed-everything-you-need-to-know/

ベルジアンブルーは、数十年かけた品種改良によって生まれた牛の一種です。突然変異でミオスタチン産生に関わる遺伝子が欠損しており、生まれつき通常の倍の筋肉が付いています。体脂肪が少ないその赤身肉は、高級ステーキのひとつとして珍重されています。

犬・ウィペットの例

出典:https://funnyjunk.com/Crack+dog/wxXcMjk/

これはウィペットと呼ばれる、グレーハウンドという種とテリアという種を交配させて生み出された犬種。本来はスリムな体つきの犬種ですが、この犬はミオスタチン関連筋肉肥大により筋肉が異常発達して、まるで違う犬種のように見えます。

豚・実験動物の例

出典:https://www.nature.com/news/super-muscly-pigs-created-by-small-genetic-tweak-1.17874

この豚は、韓国のソウル大学の研究で生み出された特別な実験動物です。遺伝子を編集するゲノム編集という技術により、ミオスタチン関連筋肉肥大で筋肉が異常発達した豚なのです。食用として家畜に応用されることが期待されているそうです。