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筋トレ・運動の知識

筋トレ後のサウナは筋肉に良い!メリット&入り方〜NGとも言われる理由まで解説!

2020年11月09日

賛否両論ある筋トレ後のサウナ。長く続くこの論争を目にした方も多いでしょう。否定的な主張も多い中、近年では筋トレ後のサウナがもたらすプラスの効果が科学的に分かってきています。デメリットを最小限にしつつ、プラス効果を最大限にするサウナと水風呂の入り方の紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー 高津諭

トレーニング指導歴22年。大阪・兵庫を中心に活動するパーソナルトレーニングを提供しています。現在、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のマスタートレーナーとして、またJOTスポーツトレーナー学院の校長として後進の育成、指導にも尽力している。HP / ブログ / Twitter

風邪をひきにくくなる

25人のボランティア被験者を対象に定期的なサウナ入浴と一般的な風邪の発生率について調査した研究論文「Regular sauna bathing and the incidence of common colds」によれば、半年間の観察期間中にサウナに入った集団の方が、そうでない集団に比べて風邪にかかる割合が有意に低かったという結果が出ています。

他にもサウナに定期的に入ると体内の炎症や酸化の度合いが低いという研究結果もあるなど、サウナが免疫力向上に繋がっている可能性が高いことが示唆されています。

筋トレ後の効果的な入り方

サウナに入るメリットが分かったところで、次は効果的な入り方についても押さえておきましょう。

サウナにかける時間は?

時間をかけてじっくりと入るのもサウナの醍醐味ですが、筋トレ後の場合は5〜6分、長くても10分を大きく超えない程度と時間をかけずに入りましょう。

筋肉を使うと筋肉に炎症が起きている状態になります。筋肉への負荷の高い筋トレを行うと炎症の度合いも上がり、サウナでHSPの効果があるとしても、時間をかけ過ぎるとかえって炎症も悪化するといわれています。そうなる前に、サウナを短時間で切り上げるのが最適というわけです。

HSPは体温が38度あたりになった時に生成されます。サウナは短時間で一気に体温を上げるため、そのタイミングを見計らって早めに切り上げれば、炎症が悪化する前に回復効果を最大化できるのです。

サウナに入るタイミングは?

サウナに入るベストなタイミングは筋トレの何時間後でしょうか。それは筋肉痛が出たタイミング、概ね12〜24時間後です。ポイントは筋肉の超回復です。

超回復が始まるのは筋トレ後の48〜72時間後ですが、その前に疲労を回復しておくとサウナの効果が高まります。一般的に筋トレ後は概ね12〜24時間後あたりで筋肉痛が出始めるため、そのタイミングで入るのが最適なのです。

(筋トレと超回復の関係については以下の記事も参考にしてみてください)

サウナに繰り返し入る回数は?

筋トレ後のサウナでは、前述したサウナと水風呂を交互に入る交互浴を前提に、3回は入るのがおすすめです。サウナに数分入った後、水風呂に1〜3分入る、というサイクルを3回繰り返します。最後はお湯に使って体を温めてから上がります。

(筋トレ後のお風呂効果については以下の記事も参考にしてみてください)

その他の注意点は?

注意したい点で忘れがちなのが、水分補給です。サウナに入ると、たとえ短時間でも大量の汗をかきます。サウナの前に十分な水分を摂ることで脱水症状を防ぐとともに、発汗もより促されて老廃物の排出も促進されるメリットもあるのです。

筋トレ後のサウナは短時間でよいからといって怠らずに、たとえ数分程度のサウナでも必ず入る前に水分補給を行うようにしましょう。

筋トレ後のサウナがNGとも言われている理由

ここまでは筋トレ後のサウナの効果やメリットを見てきましたが、一方で逆にそれはNGだとする意見もあります。NGだと考えられているのは理由があります。筋トレ後は筋肉に炎症が出ている状態ですが、炎症を鎮めるためにはその患部である筋肉を冷やすのが常識とされてきました。それゆえ、サウナは筋肉の回復にとって逆効果であると考えられたのです。

たしかに過度な傷みや腫れなどがある場合にはもちろん冷やすことが必要です。特にハードな筋トレを行った場合は筋肉の炎症度合いも比例して高くなるため、場合によってはサウナは避けた方がよい場合もあります。しかし、だからといって体全体を冷やすのはそれこそ逆効果ともいわれています。

最近の研究の結果なども踏まえると、適切なやり方で入ることさえ忘れなければ、筋トレ後のサウナはメリットが大きいといえます。