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話題の『HIIT』は効果ないって本当?論文を参考にエビデンスを追究!

2020年11月24日

短時間で脂肪燃焼効果があり、痩せたという口コミやビフォーアフターがネットで多数見られるトレーニング法HIIT。しかし実際は、体重を減らすのが目的のダイエットには効果がないという証言も。今回はHIITの効果について論文を基に解説します。



【監修】パーソナルトレーナー 野上鉄夫

健康運動指導士/NSCA-CPT/JATI-ATI/トレーニング指導歴34年/指導人数1万人以上/Twitterフォロワー数15万人/YouTubeチャンネル登録者数1.5万人/ブログPV300万PV以上

今話題の『HIIT』は効果がないって本当?

HIITはHigh-Intensity-Interval-Trainingの頭文字を取った用語で、「高強度インターバルトレーニング」という意味を持ちます。従来のエクササイズと異なる点は、短時間で集中的に強度のトレーニング=無酸素系の運動を短時間の休憩、または軽い有酸素系の運動を挟みながら繰り返し行うということ。

そんな話題のHIITですが、中には「なかなか痩せることができない」という声や「効果が実感できない」と悩んでいる方も見受けられます。強度な運動にも関わらず、HIITによる効果の差が分かれるのはなぜでしょうか?この記事では本当にHIITは効果がないのかエビデンスを基に解説していきます。

HIITはダイエット効果がないと言われる理由

短時間ではあるものの運動量が多く、激しいトレーニングであるHIIT。無酸素運動を繰り返し行なった後は、痩せたように感じます。しかしながら、ダイエットの主な目的である体重減少やボディラインの引き締まりが実感できなければ、あまり効果を感じることができません。では、HIITがダイエット効果がないと言われる理由は何か迫っていきます。

消費カロリーは少ないから

高強度の無酸素運動を繰り返し行うHIITは、消費カロリーも大きいと思われがちですが実は事実ではありません。HIITのトレーニング法の中でも有名なタバタ式トレーニング。この発案者である立命館大学教の田畑泉氏の論文にて、4分間のトレーニングで約100キロカロリー以下と示しています。これはおにぎり1個分にも相当しません。

運動後に酸素を取り込む際に消費するカロリー「運動後過剰酸素消費量(EPOC)」はおよそ100キロカロリーと言われています。なお最近では、食事後に消費されるカロリー「食事誘発性熱産生(DIT)」がタバタ式トレーニングで消費されることが発見されました。食事誘発性熱産生が高めることによって、代謝が高まり太りにくい痩せ体質に繋がります。

田畑氏によると、最大酸素摂取量と持久力が高い傾向に見られる方は、DITの値が高いと語っています。最大酸素摂取量とは、1分間に体重1キログラムあたり取り込むことができる酸素の量を指します。最大酸素摂取量が高いと強度の強い運動にも耐えることができ、結果的に運動量が増えることでダイエットで成功する確率が高まります。

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野上 鉄夫

最も有名なHIITは、この記事で紹介されている田畑先生の提唱されている20秒全力で動いて10秒休憩を8セット繰り返す通称タバタメソッドです。20秒10秒と言う言葉を聞いた事のある方も多いのではないでしょうか?

心肺機能を向上させる運動のため

田畑氏によると、運動生理学的に見てHIITなどの高い強度のトレーニングは脂肪を消費せず糖質を消費すると述べています。そのため、田畑氏自身もYouTuber山本義徳氏との対談で、減量するダイエットとしてのトレーニングではないと断言しています。ダイエットを目的とするのであれば、HIITではなく脂肪燃焼効果がある有酸素運動が適しているでしょう。

HIITは心肺機能を向上するトレーニングであり、長時間運動できる持久力を高めるトレーニング法です。それに加えて、無酸素運動と有酸素運動の両方の機能を高める事ができるので両方の分野を同時に鍛えたいアスリート向けと言えるでしょう。

(HIITの効果については以下の記事も参考にしてみてください)

タバタトレーニング | 特集 | RS WEB | 立命館大学

出典:タバタトレーニング | 特集 | RS WEB | 立命館大学

HIITで効果が出ない原因と対策

HIITでダイエット効果は出ないものの、正しいやり方でHIITを行なっていれば持久力がつき運動機能は向上します。しかし、辛いHIITをしているのにも関わらず効果を感じられないという方もいるのではないでしょうか?そこで今回は、HIITで効果が出ない原因と対策について徹底解説していきます。

正しいやり方を知らない

HIITは最大心拍数が80〜90パーセントの間になるようにトレーニングするのが良いとされています。最大心拍数は220-年齢で求めることが出来るので、まずはじめに自分の最大心拍数を確認しましょう。例えば、年齢が30歳とした場合の最大心拍数は220-30=190となります。なので最大心拍数190の80パーセントは152となり、トレーニングの目安となります。

最大心拍数80パーセント以上は、体に相当の負荷がかかる運動です。息が上がり話す余裕がないほど全力で行えているか意識しましょう。インターバルの時間について、長すぎると高強度の運動の効果が薄れてしまいます。20秒運動したのであれば、10秒インターバルの時間として取るのを目安にするのが良いでしょう。

また、HIITのメニュー内に難しいフォームなどがある場合は専門のトレーナーをつけて行うのがおすすめです。間違ったフォームは効果が薄れてしまう他に、怪我をする可能性もあります。正しいやり方と正しいフォームでHIITの効果を高めましょう。

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野上 鉄夫

HIITはこの20秒10秒が有名ですが、他にも時間の組み合わせは多様にあります。1分全力で動いて30秒休む、40秒全力で動いて20秒休むなど、自分の体力に合わせて行いましょう。

トレーニング頻度が適当ではない