スパイ映画の服装・スーツがイケすぎ。真似る際のアイテム〜コーデのコツを解説

非日常的なシチュエーションやアクションで人気のスパイ映画は、メンズの心をくすぐる要素が多く盛り込まれています。特に、登場するキャラクターの服装・スーツがおしゃれですよね。スパイ映画の服装・スーツにも、普段のメンズファッションに使えるコーデのポイントがあります。作品別にスパイ映画の服装・スーツを見ていきましょう。

まずはスパイ映画の代名詞とも言える007から、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを務める「007 SPECTRE」。イギリスが舞台のスパイ映画ですが、服装・スーツは英国式だけでなく、イタリアやアメリカのブランドアイテムも着用しています。ジェームズ・ボンドと言えばイタリアのBrioniでしたが、現在はTOM FORDのアイテムが多い傾向です。

本作のポスター等で印象的な白いジャケットは、ラグジュアリーブランドTOM FORDのタキシード、Windsor Off White Sport Coat Tuxedo Dinner Jacketです。しかし現在は販売されていないので、購入は難しいと言えます。真似る際のポイントはボックスシルエットのジャケットでしょう。ボンドのようにメンズ感溢れるスパイコーデになりますよ。

モロッコでのシーンで着用しているのはイタリアのブランド、Brunello Cucinelli（ブルネロ・クチネリ）のライトブラウンのメンズジャケットとカーキのチノトラウザーズパンツ、ブラウンのベルトです。ブラウンのネクタイとサングラスはTOM FORD。真似る際には、黒を使わずアースカラーでまとめることがポイントです。

▼着用アイテム

・サングラス：TOM FORD（23,100円）

ローマのシーンで着用しているスリーピーススーツもTOM FORDのもの。このWINDSOR THREE PIECEはBOND COLLECTIONとして販売されていたこともあるようですが、現在は在庫が見つかりませんでした。真似る際には、細身のシルエットと胸を大きく見せるようなラペル（襟）の形を重視しましょう。

▼着用アイテム

・サングラス：TOM FORD（26,000円）
・シューズ：Crockett & Jones（99,800円）
・手袋：DENTS（27,480円）
・時計：OMEGA（1,089,000円）

007シリーズで人気の高い登場人物、ベン・ウィショー演じるQのスーツスタイルもおしゃれですよね。ウィンドウペンチェック柄の英国式オッドジャケットにカジュアルなシルエットのパンツを合わせています。Qに関してはブランドが不明ですが、シャツとネクタイの上にはニットを着用したコーデなので、真似しやすい服装ですね。

2006年に公開され、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの第一作目にあたる「007 カジノ・ロワイヤル」。上で解説した「007 SPECTRE」はTOM FORDのスーツが多い傾向ですが、今作まではイタリア・ローマ創立の高級スーツブランドBrioniを着用していました。世代によっては、ジェームズ・ボンド＝Brioniという方もいるでしょう。

007シリーズには欠かせないタキシードもBrioniのオーダーメイドです。モンテネグロのカジノでのシーンで着用していましたね。イタリアブランドのスーツに白いドレスシャツに黒いボウタイと王道クラシカルな組み合わせですが、英国式スーツのような大きく張った肩やボックスシルエットが真似る際のポイントです。

衣装やシューズ、小物は現在購入できる場所がありませんでした。特にスーツやシャツに関してはオーダーなので同じものを入手するのは困難と言えます。

本作でカジノシーンと並んで印象的だったピンストライプのスリーピース。シャツやネクタイもブルー系でまとめ、ジャストサイズながら少し太めのシルエットがとても美しいですね。真似る際のポイントはジャケットの裾丈、パンツの幅やシルエットを重視しましょう。

こちらも着用アイテムは入手困難で、シューズに関してはJOHN LOBB（ジョン・ロブ）のルフィールドというモデルを着用していますが、現在は入手できないようです。

カジノ・ロワイヤルではマッツ・ミケルセンが悪役ル・シッフルを演じました。全身黒のタキシード姿が役柄を表しているようで、とてもかっこいい着こなしでしたね。真似る際のポイントは黒の中にも素材感の違いを出すこと。ジャケットのラペルやシャツ、ネクタイなどレイヤードのバランスを見て生地の素材を選びましょう。

こちらの着用アイテムは、ブランドの情報が見つかりませんでした。オーダーメイドの可能性が高く、同じものを入手するのは難しいでしょう。しかしパーツごとに見ればシンプルなので、真似しやすい服装ですね。

英国直属のスパイを描いた映画キングスマンは、表向きでは高級スーツのテーラーということもあり服装にも英国式スーツがたくさん着用されていました。英国紳士の精神が強く反映されたスパイたちの立ち振る舞いや、メンズの心をくすぐるスパイアイテムにハマった方も多いのでは？英国式を強調したシルエットのスーツがおしゃれなスパイ映画ですね。

キングスマンは実際にロンドンのサヴィル・ロウにあるハンツマンというテーラーがモデルですが、作中の服装・衣装はオンラインファッションブランドMR PORTERが担当しています。英国式の構築的なジャケットや重厚感のあるシルエットが特徴です。こちらはダブルジャケットのメンズスーツを着用しています。

▼着用アイテム

・スーツ：MR PORTER（208,429円）
・シャツ：Turnbull＆Asser（33,656円）
・ネクタイ：Drake's（15,971円）
・シューズ：George Cleverley（95,099円）
・傘：London Undercover（36,341円）

キングスマンの2作目映画ゴールデンサークルでは、エグジー役のタロン・エジャトンが着用するオレンジのタキシードジャケットが印象的。こちらも英国式スーツらしい重厚感がありますね。メンズファッションの普段使いにオレンジが難しい場合にはもちろん黒でもOK。ボウタイや特徴的な眼鏡を取り入れるだけでもかなり近寄ります。

▼着用アイテム

・ジャケット：MR PORTER（163,859円）
・シャツ：MR PORTER（45,721円）
・ネクタイ：Drake's（12,349円）
・パンツ：MR PORTER（57,391円）
・シューズ：George Cleverley（93,659円）
・眼鏡：CUTLER AND GROSS（32,609円）

キングスマンの制服ともいえるこちらの服装は、ネイビーのダブルジャケットとパンツのスーツスタイル。マーク・ストロング演じるマーリンは作中でセーターを着ていることが多いですが、要所ではこのスーツを着用していました。肩と胸がしっかり張った英国式スーツ、かっちり締めたネクタイが真似る際のポイントです。

▼着用アイテム

・スーツ：MR PORTER（20,8429円）
・ネクタイ：Drake's（17,100円）
・シューズ：George Cleverley（9,5099円）

トム・クルーズ主演のスパイ映画「ミッション：インポッシブル」は現在までに6作品が製作されていますが、衣装についての詳細は公開されていません。最新作にあたる「フォールアウト」では映画衣装デザイナーのジェフリー・カーランドが担当していることから、オーダーメイドのメンズスーツを着用している可能性が高いようです。

主人公のスパイ、イーサン・ハントのスーツはブルー系の色味が特徴です。ライトブルーや深いネイビーを着用していることが多く、しなやかなシルエットになっています。襟のVカットが鋭く、ボタンを開けたシャツと相まってセクシーな着こなしですね。真似る際にも爽やかなブルーとメンズらしいセクシーなシルエットをポイントにしましょう。

ブランドが公表されていないため不明ですが、ブルー系のスーツやシャツは比較的手に入りやすいアイテムです。全く同じものは難しくても、似たアイテムは探しやすいですね。

イーサン・ハントの服装というとこちらのレザージャケットスタイルを思い浮かべる方もいるでしょう。6作目の「ミッション：インポッシブル／フォールアウト」では、黒のレザージャケットに黒のTシャツ、黒のデニムパンツと全身黒のシーンもありました。

こちらのレザージャケットはHUGO BOSSのものと言われていますが、現在は販売していないようです。真似る際のポイントはシングルのライダースジャケットと細身シルエットのパンツです。Tシャツはクルーネックのものを選びましょう。

ジェレミー・レナ―演じるウィリアム・ブラントのメンズスーツは明るいグレーベージュ。黒は使っていませんが、ネクタイを締めた少しかっちりめな着こなしをしています。こちらもブランドは公表されていませんが、明るい色味のジャケットとパンツ、ネクタイにダークブラウンのシューズを合わせるとウィリアムに近いコーデになりますよ。

冷戦でのCIA、KGBのエージェントを描いたスパイ映画「コードネーム　U.N.C.L.E.」では、主役スパイ2人の性格を服装に表したと言われています。CIAスパイのソロは高級オーダーメイドスーツ、KGBスパイのクリヤキンはタートルネックがトレードマーク。60年代のレトロな服装がおしゃれです。

ヘンリー・カヴィル演じるCIAスパイ、ナポレオン・ソロの衣装は、英国のテーラーTIMOTHY EVEREST（ティモシー・エベレスト）のオーダースーツです。ネイビーのストライプ柄ジャケットとパンツは英国式の構築的なスーツ。袖丈が短めになっており、真似る際にはシャツのカフスが目立つように着用することがポイントです。

シューズにも英国ブランドGEORGE CLEVERLEY（ジョージ・クレバリー）やCROCKETT＆JONES（クロケット＆ジョーンズ）を使用していますが、スーツを含め全てオーダーメイドのため販売はしていないようです。

アーミー・ハマー演じるKGBスパイ、イリヤ・クリヤキンのスエードジャケットは、Ralph Lauren（ラルフ・ローレン）のヴィンテージもの。ブラウンのスエードジャケットにタートルネックを合わせたメンズスタイルなので、比較的真似しやすい服装ですね。作中ではグレーのハンチングを被っていることもあり、相性抜群です！

イリヤ・クリヤキンと言えばタートルネックですが、作中ではスーツを着用しているシーンもあります。ダークグレーの英国式メンズスーツにミントグリーンのシャツ、ダークグリーンのネクタイを合わせたおしゃれな着こなしですね。こちらもブランドは不明ですが、真似る際にもグレーとグリーンのカラーコーディネートがポイントになります。

冷戦下での英国とソ連の秘密情報部を描いたスパイ映画「裏切りのサーカス」では、主演のゲイリー・オールドマンをはじめ数多くの映画スターたちがスーツ姿を披露しています。他のスパイ映画のような激しいアクションというよりは、心理戦を繰り広げるスリラー。登場人物それぞれの個性を表現した服装・スーツも見どころです。

主演ゲイリー・オールドマン演じるジョージ・スマイリーの服装は、シンプルなグレーのスリーピーススーツ。英国式スーツの特徴である重厚な作りになっています。真似る際のポイントとしてはスーツはもちろん、襟高のシャツと特徴的な眼鏡でしょう。ポール・スミスが衣装アドバイザーを担当していますが、服装・小物含めブランドは公表されていませんでした。

テイラー役を演じたコリン・ファースは、おしゃれな色使いのスーツスタイルが特徴です。モノトーン、シンプルといったスマイリーとは反対に、ベージュやブラウンなど明るい色のジャケット・パンツにブルーや赤系のネクタイを合わせています。ブランドは公表されていませんが、真似る際には英国式のメンズスーツとカラーコーディネートを意識しましょう。

ベネディクト・カンバーバッチ演じるピーター・ギラムは、映画の舞台である70年代らしいシルエットのメンズスーツが特徴です。肩先は反り上がったコンケーブショルダーのジャケットや、フレアシルエットのパンツを着用しています。こちらもブランドは公表されていませんが、70年代風の英国式スーツと明るいブルーのネクタイが真似る際のポイントです。

2015年に公開された「SPY／スパイ」は日本では劇場公開されなかったものの、世界的に人気の高いコメディスパイ映画です。メンズ人気の高いアクション俳優ジェイソン・ステイサムやジュード・ロウのスーツ姿を見ることができます。

ハードなアクション映画のイメージが強いジェイソン・ステイサムですが、本作はコメディ色が強い作品。CIAエージェントという役柄ですが、普段とはちょっと違う一面が見られますよ。ブラウンのジャケット・パンツにブラウンのタートルネックニットを合わせたワントーンコーデがおしゃれです。

衣装に関しては情報が公開されていないようなので、ブランドは不明です。真似る際にはジャケットのシルエットがポイント。ウエストのくびれが少ないボックスシルエット、さらに肩先がなだらかなものを選びましょう。

同じくCIAのエージェントを演じるジュード・ロウはタイトめな黒いスーツでした。対照的なのはウエストラインと肩先の形でしょう。シャツ・パンツともにシンプルな組み合わせのコーデですが、細身シルエットをチョイスしてくださいね。こちらに関しても情報公開されていないため、ブランドや詳細は不明でした。

今回はスパイ映画の服装・スーツを解説してきました。キャラクターごとに個性のある着こなしをしており、普段使いにも真似しやすい服装が多かったですね。スタイリッシュなシルエットでかっこいい服装・スーツのスパイを参考に、ぜひ日常のメンズファッションにも取り入れてみてください。