筋トレはストレス解消に効果的!論文を元に軽減できる理由〜体験談まで紹介!

昨今ストレス社会と呼ばれ、筋トレによってストレス解消を考える方も多いのではないでしょうか。しかし、どうしてストレス解消に役立つかあまり知られていません。今回は論文を元に筋トレによってストレスが軽減される理由を踏まえてご説明していきます。

監修 |パーソナルトレーナー Riku
instagramTwitterHPTRIGGER POINT Performance Therapy 認定トレーナー2ndpass認定トレーナーBODYBOSS認定トレーナー 法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。王様のブランチなどメディアにも複数出演。お客様のパートナーとして食事管理やトレーニングの指導はもちろんのこと日常生活や仕事での悩みなど身体&精神的な不調に関わることに対してサポート致します。

目次

  1. 筋トレでストレスが解消できる?
  2. ストレスホルモンの抑制に関わる海馬の萎縮
  3. 自律神経のバランスの異常
  4. 筋トレでストレスを解消できる理由
  5. コルチゾールの分泌サイクルの正常化
  6. オキシトシンの分泌
  7. セロトニン(幸せホルモン)の分泌
  8. 逆に筋トレでストレスがたまる人も?
  9. ストレス解消×筋トレの向き・不向き
  10. 筋トレがストレス解消に向いている人
  11. 筋トレがストレス解消に向いていない人
  12. 筋トレがストレス解消に向いていない人の対処法
  13. 筋トレをストレス解消にしている方の口コミ
  14. 筋トレはストレス解消に最適!

筋トレでストレスが解消できる?

筋トレでストレスが軽減できることを知っている方も多いのではないでしょうか。これは、筋トレに伴い分泌される"セロトニン"の働きやストレスホルモンである"コルチゾール"の分泌サイクルなどに関係しています。人は精神的、肉体的ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンを急激に分泌します。

ストレスを感じる方もそうでない方もコレチゾールの瞬間的な分泌量は変わらないと言われています。では、ストレスが溜まり精神的に不安定になっている方はどのようになっているのでしょうか。

ストレスホルモンの抑制に関わる海馬の萎縮

海馬は、短期記憶や空間把握能力に関係する脳の器官です。コルチゾールの分泌に関係するHPA系(視床下部ー下垂体ー副腎)は分泌が増大した場合、ネガティブフィードバック制御によって分泌が抑制されますが、長期間ストレスに曝されると抑制機能が損なわれ、海馬が萎縮してしまいます。そうすることで、精神的に参ってしまったり、うつ病になってしまったりします。

その海馬の萎縮には、BDNFと呼ばれる神経栄養因子の発現低下が関わっているのですが、このBDNFは筋トレによって増加することがわかっています。そのため、ストレスに過剰に反応しないための筋トレは非常に重要なことの一つです。

自律神経のバランスの異常

身体は、自律神経によって筋肉を働きやすくして身体を活動させたり、内臓を働きやすくして食物の消化吸収をしやすくしたりコントロールされています。この自律神経は、ホルモンと一緒に身体を調整しているため、自律神経のバランスも非常に重要です。

特に現代では、交感神経が優位になっている方が多いと言われており、そうすることで自律神経のバランスが崩れ、ストレスを身体に与えてしまいます。

筋トレでストレスを解消できる理由

筋トレによってストレス解消ができる理由を、科学的な根拠をもとに解説します。

コルチゾールの分泌サイクルの正常化

人はストレスを感じた場合、脳の視床下部から副腎に働き"コルチゾール"というホルモンが急激に分泌されます。このホルモンは通常、ストレスを感じなくなると分泌が低下します。しかし、慢性的にストレスを感じることでコルチゾールの分泌が低下しづらくなっているため、元のサイクルに身体を戻す必要があります。

このサイクルの正常化に効果的なことが、筋トレです。筋トレは、筋肉を肥大したり免疫力を上げてくれたりするだけでなく、メンタル面を強くすることでも知られています。ストレスを感じた時と同様に筋トレによって一旦コルチゾールの分泌を促しますが、筋肉を使った運動後には、コルチゾールの分泌が低下します。

これによってコルチゾールの分泌サイクルを正常化できるだけでなく分泌も徐々に低下していきます。そうすることで精神的に安定し、ストレスに対して過剰に反応することがなくなっていきます。そのため、トレーニングは筋肉を鍛えるだけでなく、精神的にも鍛えることができるため効率の良いメンタルトレーニングの一つになります。

オキシトシンの分泌

オキシトシンは愛情のホルモンとして有名ですが、それは愛情を感じる時や親切心のあるやりとりをしている時、異性と触れ合っている時に分泌されるホルモンだからです。このホルモンは、生殖行動に関わったり、摂食や摂酒の抑制をしたり骨格筋の維持をする働きがあります。それだけでなく、ストレスの緩和にも作用します。

そのため、オキシトシンの分泌は、ストレス緩和による精神安定だけでなく筋肉の維持にもつながります。しかしこのホルモンは対人関係の中でこそ分泌が促進されるため、誰かと一緒に筋トレをすると、オキシトシンの分泌を促すことができ、筋肉と精神の両方のトレーニングになるため非常に効果的です。

セロトニン(幸せホルモン)の分泌

セロトニンは幸せホルモンとして有名なホルモンであり、その分泌はコルチゾールと分泌量の推移が似ているためストレスコントロールには重要なホルモンになります。体内のセロトニンは90%が消化管に存在し、脳内セロトニンは女性に比べて男性が約50%生成能力が高いと言われています。

このホルモンが不足すると、イライラしたり、向上心が喪失したり意欲の低下など精神面に作用するだけでなく、不眠を引き起こしたりします。分泌促進するには、日に当たることや呼吸のほかにリズム運動が効果的です。

そのため、ダンスやジョギング、筋肉を一定のテンポで使うスクワットなどのトレーニングに加えて、食事中の咀嚼を意識してみましょう。特に日照時間が減る冬季は一定のテンポで行うリズム運動で、セロトニンの分泌を促され精神的安定性を一年中保つことができます。

(筋トレとセロトニンとの関係については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレでセロトニンを分泌!活性化の理由〜幸せホルモンの効果を徹底解説!

逆に筋トレでストレスがたまる人も?

精神的、肉体的にストレスを感じた場合、コルチゾールというホルモンが副腎皮質から分泌されますが、これは筋トレでも同様に分泌されます。特に重いおもりを用いて筋肉に多大な負荷をかけるトレーニングは、それだけ筋肉や神経にストレスをかけます。

それではストレスがたまっているのにさらに精神的にも肉体的にもストレスをかける筋トレをする事は意味がないと思う方もいるのではないでしょうか。もちろんトレーニングでオールアウト(力尽きる)まで追い込むとオーバートレーニングになり、筋肉の減退や精神的に落ち込み抑うつ状態になりかねません。

筋トレでメンタルへの効果を期待する場合、適度な筋肉を使った運動と休息が重要です。2-3時間のトレーニングはコルチゾールの分泌が高まるため、軽い重量や自重でのトレーニングを少し疲れたと思う程度で1時間ほどにしましょう。

ストレス解消×筋トレの向き・不向き

筋トレは、メンタル的にも肉体的にも成長を促すことができるため、ストレス解消には非常に重要なソリューションですが、誰しもが筋トレによってストレス解消できるわけではありません。では、筋トレによるストレス解消が向いている人、向いていない人についてご紹介します。

筋トレがストレス解消に向いている人

では、まず筋トレでのストレス解消に向いている方の特徴です。

・運動が好き
・自分の見た目に対して関心がある
・地道なことを続けられる

筋トレは、筋肉を使って行う運動を指すため、ジムだけではなく自宅でもトレーニングはできます。しかし、脳への刺激量を増やすために、たまには自宅ではなくジムや公園など場所を変えることをおすすめします。また、筋トレでのストレス解消で重要なのは続けることなので、筋肉を使った地道なトレーニングを続けられるメンタルがある人に最適です。

筋トレがストレス解消に向いていない人

では次に、筋トレによるストレス解消に向いていない方の特徴です。

・肉体的疲労度が高い
・運動が苦手もしくは運動初心者
・運動する環境が近くにない

筋トレは、運動経験がある方にとっては簡単な行為ですが、運動が苦手な方や運動初心者の方はそうではありません。運動経験が少ない場合、筋トレの動きを難しく感じることが多々あります。そういった方は、運動での目標達成ができないために報酬系のホルモンの分泌が促進されず、ただメンタル的に自分を追い込んでいるという状態になりかねません。

また、運動経験が少ない場合、筋トレによって筋肉に負担をかけると強烈に筋肉痛が来ることも少なくありません。そのことがさらにストレスになってしまいます。その他にも肉体的疲労度が高い方は、筋トレによって筋肉を酷使すれば怪我のリスクが上がる可能性があるため、疲労度の少ない時に行いましょう。

筋トレがストレス解消に向いていない人の対処法

筋トレによるストレス解消が向いていない方は、以下のことから初めてみましょう。

・早い時間からの睡眠を心がける
・少し息が上がる程度のウォーキングを行う
・関節を大きく動かす

特に関節を大きく動かすことは、神経や筋肉が関節を安定させるために働くので、筋トレの前準備として非常に効果的です。また、睡眠は早い時間に寝るほど深い眠りの割合が高いため、22時ごろに就寝できると肉体的疲労が抜けるだけでなく、メンタル面でも効果があります。

また、筋肉を使ったトレーニングを行う前段階として公園で早歩きを行ってみましょう。歩くことは大きな筋肉を多く動員するため、筋トレによる過剰な筋肉痛を抑えることができます。

筋トレをストレス解消にしている方の口コミ

実際に筋トレでストレス解消を行っている方の声をみていきましょう。継続して行っている方は、みなさんストレス解消を実感しており、精神的に安定する筋トレに非常にいい印象を持っています。

しかし、メンタルが酷く消耗している場合は、筋トレではどうしようもないという声も。その様な場合は、しっかりとした睡眠や健康的な食事によって緩和されます。また精神的に少し回復したら、メンタルも筋肉も鍛えるのに有用なトレーニングを行ってみましょう。

筋トレはストレス解消に最適!

筋トレは、メンタル面だけなく数多くの悩み事を解決することから「最強のソリューション」であるといわれています。

ストレス社会と言われる現代では、精神的にも肉体的にも疲弊しがちです。そのストレス社会で生き抜いていくためには、ストレスホルモンである"コルチゾール"とうまく付き合っていかなくてはいけません。筋トレは、ストレス緩和につながるホルモンの分泌を整えてくれます。

数多くのメンタル面での効果が見込めるのが筋肉を使ったトレーニングです。メンタル的にも安定し、筋肉がつくことでかっこいい身体にもなれる筋トレ。ぜひみなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか。