洗えるスーツ『ウォッシャブルスーツ』の洗い方・干し方・アイロンを徹底解説！

近年さまざまなブランドから発表され、人気急上昇中のウォッシャブルスーツ。洗えるスーツとも言えるウォッシャブルスーツの特徴は、型崩れに強く自宅の洗濯機でも洗えるという点にあります。クリーニングの回数も抑えられるため、経済的とも言え大変魅力的です。

この記事では、ウォッシャブルスーツの洗い方を、前準備から乾かし方まで詳しく解説していきます。また、おすすめのセットアップもご紹介しますので、ぜひ年中使える、洗えるスーツを選ぶ際の参考にしてみてください。

ウォッシャブルスーツの代表的な洗い方は、洗濯機を使う方法です。ただし、脱いだまま洗濯機に入れて回してしまっては生地の傷みの原因になりかねません。

まずは洗えるスーツを洗濯する前準備の方法や、洗剤の選び方、また最適な洗濯頻度をみていきましょう。最初コツをつかむまでは大変かもしれませんが、習慣になれば臆せず生活に取り入れられるようになりますよ。

洗えるスーツに、明確な洗濯頻度の指定はありません。汚れた時にはすぐ洗うことができます。ただし、ワイシャツと同じくらい毎回洗っていては生地に傷みが出るのも早くなってしまいます。

ウォッシャブルスーツを長く着るためにも、おすすめは月に1～2度の洗濯頻度です。それ以上にならないよう、スケジュールを見て調整しましょう。

洗濯前のたたみ方も重要です。正しい順序は以下の通りです。

はじめに：ポケットの中身が空っぽになっているか確認する
①ジャケットはボタンが開いた状態で身頃と袖を整える
②スラックスのファスナー・前カン・ボタンを閉める
③スラックスのプリーツを整え、3つ折りにする
④折りたたんだスラックスをジャケットの胸部分に置く
⑤左右の袖を折りたたみ、身頃を重ねる
⑥洗濯ネットに入れ、洗濯槽に沿うように静かに入れる

ウォッシャブルスーツを洗濯機で洗うときは、かならずネットに入れましょう。ネットはなるべくたたんだスーツを入れて、ちょうどになるサイズを選ぶことをおすすめします。

もしジャケットとスラックスを一緒に入れられるサイズのネットがない場合は、別々にたたんでそれぞれ違うネットに入れても構いません。この際も、なるべくそれぞれの大きさに合ったネットに入れるようにしてください。

ウォッシャブルスーツを洗うときは中性洗剤を使用しましょう。市販の洗剤でもエマールやアクロンなど、いわゆる「おしゃれ着用」の洗剤が適しています。一般的なアルカリ性の洗剤は洗浄力が強すぎるため、生地の傷みのもとになってしまいます。同じ理由で、柔軟剤や漂白剤の使用も控えましょう。

もし袖口や襟などに目立つ汚れがある場合は、洗濯機に入れる前にあらかじめ部分洗いしておくことをおすすめします。洗剤を柔らかい布などに取り、少し濡らしながら汚れを浮かせるように叩きましょう。それで洗濯してみても汚れが落ちないなら、クリーニングに出してもいいでしょう。

それではいよいよ洗濯機でウォッシャブルスーツを洗う際の正しい方法をお伝えします。洗えるスーツといえど、大事なメンズスーツであることに変わりはありません。なるべく長くきれいに着るために、洗濯機での洗い方にも気を配りましょう。

前準備のところでも述べましたが、ジャケットやスラックスのポケットの中身はかならず確認しましょう。スーツのポケットには携帯や名刺入れ、財布など大事なものを入れる人も多いはず。大きいものだけでなく、こまごましたものが隠れていることもあるため「うっかり洗ってしまった」ということがないよう気をつけてくださいね。

メンズスーツは毛などが織り込まれているものもあり、非常に繊細なものです。熱いお湯で洗ってしまうと、生地が変色する可能性があるため注意しましょう。最近の機能的な洗濯機だとお湯洗いがウリの商品もあるでしょうが、ウォッシャブルスーツを洗濯する際はモードに気をつけて設定してください。

水温と同様、水流についてもダメージを避けるためには配慮が必要です。洗濯機によって呼び方は異なりますが「ソフト」や「弱流」「手洗い」など、おしゃれ着向けのやさしいコースを選択するといいでしょう。

せっかくソフトモードで大切に洗っても、長時間脱水をしてしまうと生地の繊維を傷めたりシワの原因になります。深くついたシワはアイロンがけでも伸びない可能性があるので気をつけましょう。脱水は最短の1分程度にとどめてください。

メンズスーツは上下同じタイミングで洗いましょう。ジャケットだけ、スラックスだけ別に洗う回数が増えると色の違いが出てくることがあります。2パンツスーツなども多いですが、ジャケットとスラックスの枚数が異なる場合は色の差が出ないよう、洗濯する回数を工夫するといいでしょう。

また、自宅で洗えるスーツでもクリーニングに出せるものがほとんどです。汚れやにおいが気になる場合は、クリーニング店に持ち込み相談してみましょう。汚れが取れないから、と無理に自己流で洗ってスーツの寿命を縮めるより、プロにお願いするのも一つの方法です。

洗えるスーツを長持ちさせるためには、洗い方だけでなく干し方にも気を配りましょう。丁寧に洗っても、干し方を間違うと型崩れやシワの原因になってしまいます。ここでは型崩れしないような干し方についてお伝えします。

乾燥機は、スーツの縮みやシワの原因になるため使用しないようにしてください。もちろん家庭用乾燥機だけでなく、コインランドリーの乾燥機もNGです。洗濯後、乾ききるまではメンズスーツの縫製時に使われる溶剤の臭いが出る場合がありますが、乾くと臭わなくなります。この溶剤は人体には無害なので心配はいりません。

1分の脱水だとまだ水分が残っていることも多いでしょう。その場合は、洗濯ネットからスーツを取り出し、軽く絞りましょう。雑巾絞りのように強く絞ってしまうと、これも生地を傷めることにつながります。シワにならない程度に、軽くだけ絞るようにしてください。

上着、ジャケットは肩幅に合う太めのハンガーを使いましょう。スラックスは物干しピンチで吊り、着た時と同じ形での筒干しがおすすめです。裾にタオルを詰めることで、よりシワを防ぎながら乾燥できます。

ハンガーにかけたジャケットとスラックスは、直射日光の当たらない場所で陰干ししましょう。ウォッシャブルスーツ全体をパンパンと軽くたたいて、シワを伸ばすときれいに乾きます。

ウォッシャブルスーツがしっかりと乾いたら、最後はアイロンをかけるとよりきれいな仕上がりになります。ただし、ここでもやりすぎには注意。生地のシワを徹底的に伸ばしたいから、と熱いアイロンを長く当てすぎるとかえってスーツの寿命を縮めてしまうことになりかねません。

ここでは、洗えるスーツにアイロンがけをする場合のポイントについてもお伝えします。実際にやってみる前に、一読してみてください。

高温でのアイロンがけは、生地の繊維をつぶすことになりスーツの傷みを早めてしまうので避けましょう。適切なのは140～160度の「中温」もしくは「毛」の温度です。きれいにシワを伸ばしたいからといって、やりすぎないようにしてください。

またウォッシャブルスーツにアイロンをかけるときは、かならず当て布をしましょう。スラックスは元の折り目に沿ってアイロンをかけることで、形態安定加工が活かされます。

生地を傷めないよう、シワが伸びる程度にサッとかけるのもポイントです。間違っても、アイロンを置きっぱなしにして洗えるスーツを変色させないようにしましょう。

実は、ウォッシャブルスーツはシャワーでも洗えます。メンズスーツを洗濯機で回すのに抵抗がある、手っ取り早く手洗いしたいという方にもおすすめです。出張先で洗いたいときにも便利な方法なので、手順を覚えておきましょう。

洗えるスーツにシャワーを使う際は、基本的に洗剤を使わずにぬるめのお湯をかけて洗います。洗い方の順番は、以下の通りです。

はじめに：ポケットの中身が空っぽになっているか確認する
①ジャケットは袖ごと、スラックスもすべて裏返す
②シャワーを40度ほどの熱すぎない温度にして出す
③3分程度スーツ全体にまんべんなくかける
④ジャケット、スラックスを表側に返す
⑤表面にも3分程度シャワーをかける

シャワーで洗った後は軽く絞り、ハンガーにかけましょう。水滴がしたたらなくなったら、風通しのいい場所へうつし陰干しにしてください。表・裏ともしっかりと乾いたらお洗濯完了です。

洗えるスーツの魅力や洗濯方法がわかったら、ほしくなってきたという方も多いのではないでしょうか？ここではウォッシャブルスーツを扱うおすすめのメンズ向けブランドをご紹介します。代表的なアイテムも取り上げますので、ぜひリンクから詳細も確認してみてください。

B.C STOCK（ベーセーストック）は使いやすい柄のウォッシャブルスーツを取り揃えています。もちろん自宅で洗濯できますよ。しかもセール価格なら、セットアップのメンズスーツが相当お得に購入できるチャンスもあります。ぜひチェックしてみてください。

PSFAもたくさんの洗えるスーツを出しています。こちらのスリーピースはパンツが洗えるウォッシャブルなもの。見た目がカチっとしていて、しっかり高級感もありながら洗えるスラックスというのはうれしいですね。

COMME CA ISMもウォッシャブルスーツを展開しているブランドのひとつです。コーデュロイ素材など、おしゃれも楽しめる一着が見つかりますよ。ジャケットとパンツ、それぞれ選んで購入できるのも魅力ですよね。

TETE HOMME(テットオム)の洗えるスーツも優秀です。こちらは、上下左右に伸びる4WAYストレッチが効いているので、動きのあるお仕事の方にもおすすめ。WEB限定のラインナップもありますよ。

老舗の紳士服店、TAKA-Qのウォッシャブルスーツもぜひチェックしておきたいアイテムです。こちらのスリムなバーズアイ柄のメンズスーツは、細身ながらストレッチが効いており着やすくなっています。内ポケットにも工夫がある、こだわりの一着です。

もちろん今回ご紹介した以外にもウォッシャブルスーツには数多くの種類があります。ぜひあなたのお気に入りの一着を、人気アイテムのリンクから見つけてみてください。ビジネスシーンや季節に合わせて、カラーやデザインを選ぶのも楽しいですよ。

ウォッシャブルスーツは自宅で洗濯でき、オールシーズン活躍します。さらにクリーニングの頻度も減らせるため、経済的にも助かるアイテムです。正しい洗い方を身に着けたら、これまで洗えるスーツを着たことがないという方も、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。