キネティックチェーンとは?
キネティックチェーンとは、動作に対して筋肉と関節が連携して繋がる仕組みのことで、和訳では運動連鎖と呼ばれています。簡単に言うと、人が動作をするとき一つの筋肉で動くのではなく、複数の筋肉を順番に使って動いているということです。
例えば野球のピッチング、テニスのサーブやゴルフのスイングといった動作には、下肢→殿部→体幹→上肢という順に筋肉が連携して力を伝えていきます。このように動作によって筋肉が順に連鎖していく流れがキネティックチェーンです。全ての動作に関係するのでスポーツのみならず日常においても活用されています。
開放運動連鎖と閉鎖運動連鎖
キネティックチェーンは、次の二種類に分けられます。一つは開放運動連鎖(オープン・キネティック・チェーン)といい、手や足が固定されず自由に動く状態の運動です。分かりやすく言うと、椅子に座って、手と足の末端を壁や地面に固定しない状態で行うということです。ベンチプレスやレッグカールといったものが開放運動連鎖の運動になります。
もう一つは閉鎖運動連鎖(クローズド・キネティック・チェーン)といい、手や足が固定された状態の運動です。分かりやすく言えば、手や足の末端が壁や地面に固定された状態で行うということです。スクワットやプッシュアップ、スポーツ全般は閉鎖運動連鎖の運動になります。
キネティックチェーンが機能すると得られる効果
キネティックチェーンのメカニズムは筋肉の連携を意識するものです。キネティックチェーンが機能するとどんな効果があるのでしょうか?キネティックチェーンが機能することで日常生活やスポーツに効果を生み出します。ここでは、キネティックチェーンによって得られる効果を紹介していきますので、参考にしてください。
負荷を調節したリハビリができる
キネティックチェーンはリハビリにも活用されます。開放運動連鎖でのトレーニングは、他の筋肉にも負担を掛けずに、目的の筋肉のみを鍛えることが可能です。また、負荷も自由に調節ができるので、手術後すぐといった著しい筋力低下の状態に活用できます。
身体機能の改善
全ての動作は運動連鎖が関係していて、日常生活の身体機能にも影響を及ぼします。日常生活の動作の中でスムーズに連携していかない場合、弱い筋肉にはストレスがかかり体の痛みやケガを引き起こす原因となりかねません。キネティックチェーンが機能すれば原因となる筋肉にもアプローチでき、ケガの予防や改善に効果があります。
スポーツのパフォーマンス向上
スポーツでパフォーマンスを上げたいと考えるときに、キネティックチェーンは重要な要素です。筋トレで一部の筋肉を鍛えたとしても、連携する筋肉がバランス良く作用しなければ効果を100%発揮することはできません。スポーツにおいて、キネティックチェーンが機能すると筋肉の連携による動力が得られるためパフォーマンスを向上させることができます。
キネティックチェーンをうまく機能させる方法
キネティックチェーンを機能させるには、メカニズムを理解してスムーズに動力を伝えていくことが重要です。正しく機能すれば、スポーツや日常に良い影響を与えてくれます。そのためには、キネティックチェーンを最大限に活用するための方法を理解しなければいけません。
ここでは、キネティックチェーンをうまく機能させる方法を紹介していきますので、参考にしてください。
身体の構造を知る
キネティックチェーンを機能させる上で、身体の構造を理解しておく必要があります。関節や筋肉がどのように作用するか、動きの連携など正しく知っておかなければ、ケガをしたり効率を低下させてしまうことになります。動きによって必要とする身体の構造をあらかじめ知っておくことが重要です。
正しいフォームで行う
スポーツや筋トレは正しいフォームで行わないと、キネティックチェーンは機能しません。人は行った運動が間違っていても運動学習をしてしまいます。間違ったフォームで行っていると、筋肉の連携が悪くなり部分的な筋肉や関節に負担がかかり、ケガの原因になったりパフォーマンスの低下を起こしてしまうのです。
正しいフォームでトレーニングして、キネティックチェーンをうまく機能させることが重要となります。
開放運動連鎖で部分的に筋肉を強化する
キネティックチェーンの機能させるためには、動きに必要な筋肉をバランス良く鍛えておかなければいけません。開放運動連鎖によるトレーニングで、あらかじめピンポイントに筋肉を鍛えておくことが必要です。開放運動連鎖は、筋肉の連携には作用しないので、あくまで単独の筋肉を鍛えるという目的になります。
閉鎖運動連鎖で連携を良くする
閉鎖運動連鎖は、多くの関節や筋肉を使い連携させるトレーニングです。同時に複数の筋肉を使い体幹部なども刺激されます。閉鎖運動連鎖は、複雑な動きのトレーニングになるので正しい方法で行うことが必要です。日常やスポーツの実践に近い動きのため、キネティックチェーンの動力の連帯を強くするために重要なトレーニングになります。
キネティックチェーンを学んだ人の口コミ
キネティックチェーンを理解することは、あらゆる動きに影響を与えます。それでは、学ぶことで実際にどんな効果があるのでしょうか?実際にキネティックチェーンを学んだ人たちの、実体験や効果などの口コミを紹介していきます。
キネティックチェーンの仕組み
【キネティックチェーン】
— ちびっ男。 (@chibiotoko_) September 28, 2020
🟢体で力を発揮する際の筋肉の流れ
🟢うまく作動しないと力が発揮できない
🟢全身に存在する筋膜のつながり
🟢運動連鎖という言い方もする
軟部繊維、関節、神経系、心肺機能が協調して働くファンクショナルな動作が生まれる#ファンクショナルトレーニング#鍼灸師
一つの筋肉でなく複数の筋肉が連携するという説明をしています。筋膜の繋がりも大切で、筋膜は第二の骨格とも呼ばれ、キネティックチェーンの連携にとって欠かせない組織です。このように、身体の構造を理解することはキネティックチェーンを機能させるために重要になります。
日常生活の改善
人体解剖学を勉強し出してから、身体的知性がバク上がりした。
— みっちー (@178michi) September 16, 2020
キネティックチェーン(動力学連鎖)を意識した時に、患部が痛みの原因でない場合が多い。
例えば肩の痛みは鎖骨下のリンパ腺と僧帽筋をリリース、上腕筋をストレッチするだけで一発で改善された。
キネティックチェーンで痛みの原因を改善することもできます。運動連鎖の原理によって、本質的な原因がみえてくることもあるのです。このように、キネティックチェーンには日常生活の悩みを解消することもあります。
キネティックチェーンでパワーを強化
ホームランバッターはパワーがすごいイメージがあります。
— M -Strength- Fitness Gym (@strength_m) August 18, 2020
もちろん体格が良くパワーがあるバッターも多いです。
しかし身体が小さくても運動連鎖(キネティックチェーン)沢山の筋肉を連動させて動かす事。
これが出来る事でより強いパワーが生まれます。 https://t.co/LFB34oO7Nw
一つの筋力が強くなくてもキネティックチェーンを機能させれば、筋肉の連携によって力を生み出すことができます。スポーツの実践において、正しいフォームとキネティックチェーンを意識すればより高いパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。
キネティックチェーンを学んで運動スキル向上へ
運動スキルを上げるためには、実践による練習とともに身体の構造や運動の原理を学ぶことも必要です。学んでいるのと、学んでいないのでは上達に大きな差がでてきます。正しいフォームとキネティックチェーンを理解すれば、最大限の力を発揮することができるようになるのです。