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チーティングはやり方次第で効果的!メリット〜NGな反動の使い方まで解説!

2020年09月30日

本来、筋トレでは、反動などを利用したチーティングトレーニングはNGとされています。しかし、場合によってチーティングは、トレーニング効果を向上させ、筋肥大に効果的な影響を及ぼします。そこで今回は、チーティングのメリットや正しいやり方を紹介していきます。

【監修】パーソナルトレーナー 柴山智幸

『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成+機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。
【所属】出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表
【SNS】HP / Instagram / Twitter

チーティング法とは?

チーティング法とは、トレーニングにおいて、その種目が本来目的とする筋肉以外に負荷をかけ、より楽に重量を持ち上げる方法です。

例えば、ベンチプレスにおいて本来負荷がかかる筋肉は胸筋です。補助筋群として上腕三頭筋などがありますが、足を床につき、内転筋群に力を入れることにより重い重量を持ち上げることができます。ほかには、反動を利用するなどの方法があります。

本来であれば、反動などを利用せず、できるだけ負荷がかかるべき筋肉のみを利用するストリクト法で鍛えるのが理想です。ですが、チーティング法もうまく活用すればトレーニングの幅を広げることが可能となります。今回はその方法を注意点やコツなどを交えながら詳しく解説していきます。

チーティング法を用いるメリット

楽にウエイトを持ち上げるというネガティブなイメージがあるチーティング法ですが、うまく活用するとマンネリ化や停滞期を打破する高負荷のトレーニングにもなります。ここからはチーティング法を用いるメリットを紹介していきますので、今のウエイトをなかなか超えられないという方は参考にしてみてください。

現状打破のトレーニング法となる

筋トレではウエイトを徐々に重くしていくと筋肥大が起き、筋肉が成長していきます。しかし、成長は常には起こらず停滞する時期があります。それをプラトー(停滞期)と言い、場合によっては長く続いてしまうこともあります。

また、筋トレではこれ以上は限界で持ち上げられないという地点があります。この地点をステッキングポイントと言います。例えば、ベンチプレスであれば、胸から少し離して維持はできるものの、それ以上あげることができないという状況です。

通常ならばこの種目はここで終了です。ですが、プラトーを打破するにはこのステッキングポイントを超えなければなりません。チーティング法であればより重い重量を持ち上げられるため、限界点を超えたハードなトレーニングが可能となります。

筋肥大を目的としたトレーニング法となる

日常のトレーニングでは、十分に筋肉に刺激を入れられていないというときがあるかもしれません。そんな時、チーティング法を取り入れると、自分の目的とする筋肉への刺激を獲得することができるようになります。

例えば、筋肥大を目的とするトレーニングでは70%程度の強度で10回を2~4セット行うことが効果的ですが、途中でステッキングポイントを迎えてしまったら望んだ効果は得られません。ですが、チーティング法を用いれば最後までできたり、それ以上のトレーニングができる可能性があります。つまり高負荷のトレーニングが可能となるのです。

チーティング法で瞬発力を鍛える

チーティング法は単に筋肥大させるためだけの筋トレ法に留まりません。反動を利用してウエイトを持ち上げるという動作は、バリスティックトレーニングにもなるからです。バリスティックトレーニングは、一気に加速して動作を行うトレーニングです。チーティング法にて反動をつけ、バリスティックトレーニングを行うことで瞬発力を鍛えることができます。

チーティング法の正しいやり方&悪い例

チーティング法は、やり方を間違えると、重りを楽に持ち上げるだけで目的の筋肉に刺激を入れることができないという状況になってしまいます。正しいやり方と悪いやり方を比較して正しいやり方を理解しましょう。

悪い例①腰を反って反動をつける動作

まずはよくやってしまいがちな悪い例として、上半身の筋トレで腰を反って反動をつけてしまう動作があります。確かにステッキングポイントは超えられますが、これでは反動で楽に持ち上げただけで、目的の筋肉に刺激が入っていない可能性があります。

悪い例②常にチーティング法を利用する

常にチーティング法を使ってしまうのもよくありません。チーティング法は、限界を迎えたときにのみ有効な筋トレ方法です。筋肥大を目的とした筋トレとしては、常にチーティング法を使うことによりトレーニング効果を減少させてしまいます。

ですが、バリスティックトレーニングを目的とした筋トレ時は、正しい方法で行うことで効果を得ることができます。

チーティング法の正しいやり方

正しいチーティング法は、動作限界のステッキングポイントを迎えてからチーティング法を利用します。反動のつけ方は、シャフトやダンベルを持ち上げたいベクトルに反動を起します。例えばアームカールでは、膝を曲げた状態から背伸びをするように勢いをつけます。それにより垂直方向へのベクトルが発生し、ステッキングポイントを超えることができます。

チーティング法のコツ&注意点

チーティング法は、テクニックを必要とします。コツを掴むことで誰にでも使用することができますが、筋トレに有効な方法ということ以外に、多くの注意点が存在し、技術なく使用することはとても危険です。

ここからは、普段の筋トレにチーティング法を用いるときのコツ&注意点について紹介していきます。

反動を利用するのは少しだけ

ステッキングポイントを迎えた状態では、ウエイトをさらに持ち上げることはできませんが、状態の維持は可能です。この状態で、たとえ少しでも持ち上げる方向に力が加わればトレーニングを継続することができます。そのため反動は必要以上に加える必要はありません。

反動を使うと楽に持ち上げることができますが、筋肉への刺激は小さくなります。この反動の勢いをうまく制御しなくてはならないことから技術が必要と言われています。

ネガティブ方向の追い込みを意識する

筋の収縮様式の動的収縮には短縮性収縮と伸張性収縮があります。アームカールで例えると、肘を曲げていく動作を短縮性収縮(ポジティブ)、肘を伸ばすとき伸張性収縮(ネガティブ)が働いています。この2つの収縮様式を共に鍛えることで筋肥大効果を得られます。

ですが、先に限界が来るのは短縮性収縮で伸張性収縮には余力が残ります。そこでチーティング法を用います。チーティング法にてポジティブを完了したら、重力に逆らうネガティブをゆっくりと動作します。これにより伸縮性収縮を追い込むことができ、筋肥大効果をフルに得ることができます。

あくまでも基本はストリクトで

チーティング法を使うのはあくまでもストリクトで追い込んでステッキングポイントを迎えてからです。さらに、初心者の方は利用を避けたほうが良いです。上記でもありますがチーティング法は技術を必要とするため、慣れないうちに行うと負傷する可能性があります。

オーバーワークに注意

チーティング法は、限界を超え、追い込む方法です。そのため、容易にオーバーワークとなります。オーバーワークは、筋肉が限界を迎えているため、大きな故障の原因となります。チーティング法は、プラトー期やマンネリを感じたときのみに時々使ったほうが良く、常に使うことは避けたほうが良いです。

(オーバーワークの基準&対策については以下の記事も参考にしてみてください)

筋力発揮が大きくなることによる負傷に注意

反動を使うことにより、いつも以上の筋力を発揮することができます。これは、メリットであると同時にデメリットも抱えています。デメリットとは、主に肉離れをする危険性です。肉離れは、自分の筋肉が耐えられる筋力以上の筋力を発揮してしまったときに発症します。

例えば、レックカールでは、ハムストリングを鍛えることができますが、肉離れをしやすい部位でもあります。ここでさらに反動を加えたトレーニングを行うことになります。さらに、筋肉の動きが悪くなっている中での使用になるため、危険性はより高まります。

チーティング法は危険性の高い方法であることを認識し、注意を払いながら行うことが重要です。

チーティング法の実践動画

ここからは、実際にチーティング法を用いたトレーニング風景を紹介していきます。やり方は人それぞれありますが、ぜひ参考にしてみて下さい。







自重でもチーティングを使うことにより負荷を調整することができます。



このようにチーティング法を使わないように工夫した方法もあります。ぎりぎりまでストリクトでトレーニングすることでより効率的な効果を得ることができます。

チーティング法で筋トレ効率を上げよう

今回は、トレーニングで追い込みをする方法の1つとしてチーティング法を紹介しました。筋トレでは、追い込むことにより筋肥大へとつながります。ですが、チーティング法は、テクニックを必要とするため、簡単には行うことができません。負傷へとつながる場合も大いにあります。そのため様々な注意を怠らず上手に付き合っていきましょう。