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筋トレ・運動の知識

筋肥大に最適なインターバルは3分?短いと意味なし?論文を元に正しい時間を解説

2020年11月05日

筋トレにおいてインターバルをとることは重要です。筋肉を休めることによりアデノシン三リン酸が補充され筋肥大を促進することができます。では筋肥大に最適なインターバルを知っていますか?正しいインターバルを知り効率的に筋トレをしていきましょう。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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筋肥大などの目的で最適なインターバルは変わる?

皆さんが筋トレをする目的とはなんでしょうか?筋トレをすることによって得られるメリットは多々ありますが、それぞれの筋トレの目的によって最適なセット数や回数・レップ数の他にインターバルの長さも変わってきます。したがって、効率的な筋トレをする為には目的を意識することが非常に重要になってきます。

筋トレの目的

健康面やダイエットといった具合に、人それぞれ筋トレに求める目的は多々あるでしょう。しかし突き詰めると筋トレの目的は大きく3つの項目に分けることができます。

・筋力を上げること
・筋肥大
・筋持久力を上げること

筋力とは瞬発的に発揮される力のことで、重いものを持ち上げたりする時に使う力になります。筋肥大とは筋肉を大きく太くすることです。筋持久力とは筋肉が繰り返し継続することのできる力のことです。ただ闇雲に筋トレをすれば良いというのではなく、それぞれの目的にあった方法をとることが大切になります。

その為には先ず、自分が筋トレに求める目的を意識しましょう。例えば筋肥大を目的としている人が筋力や筋持久力を上げる筋トレをしても効果は薄いでしょう。筋トレの回数を増やしているのに目的の効果がでないと感じている人は大抵の場合、間違った筋トレをしていることが多いです。時間やお金を無駄にしない為にも今一度自分の求める理想を考えてみましょう。

(筋肥大については以下の記事も参考にしてみてください)

目的別インターバル

各目的に応じた最適なインターバルをとることで、筋肉の負荷や疲労を回復し効率的な筋トレができます。インターバルの割合としては、筋力を上げたい場合は長く、筋肥大をさせたい場合は中間、筋持久力を上げたい場合は短くといった具合に調整しましょう。この記事では筋肥大に目的を絞って具体的なインターバルの時間をこの次から説明していきます。

筋肥大に最適な筋トレのインターバルは3分?

筋肥大させるには3分のインターバルが良い、と聞いたことがある人もいるかもしれません。筋肥大にかかわらず、筋トレにおいてインターバルとは筋肉の疲労を回復させ、より多くの負荷を与える上で重要な要素です。科学的な観点から筋トレを考え、正しいインターバルの知識を身につけましょう。

「インターバルが短い方が良い」は間違い

最近まで筋肥大に最適なインターバルは1分程度だとされてきました。筋トレ間の短いインターバルによって一時的に成長ホルモンが分泌され筋肥大の効果を促進させると考えられてきたのです。実際に科学的にもインターバルが短いほど成長ホルモンの分泌量が多くなることはクルディスタン大学の研究によって証明されています。

しかし、2012年にマックマスター大学が行った実験によると、一時的な成長ホルモンが筋肥大を促進させるという効果はないことが証明されました。筋肥大に必要なのは成長ホルモンではなく筋肉の細胞内機構による作用だということが分かったのです。つまり、筋肥大には1分程度の短いインターバルが最適だという説は間違っていたということになります。

それでは筋肥大の効果を促進させる為に最適なインターバルとはどれくらいなのでしょうか?

最適なインターバル

2016年にバーミンガム大学がそれぞれインターバルを短くした場合と長くした場合の筋肥大の効果の違いを検証しました。結果はインターバルを長く取った方が筋肥大の効果を促進させることが分かったのです。インターバルを長めに取ることで筋タンパク質の合成率が飛躍的に上がりました。具体的にはデータ上で4割もの差がでたのです。

この実験結果から総合的に考察すると筋肥大に最適なインターバルは3分程だということが結論付けられました。また、インターバルを長めに取ることで疲労した筋肉を回復させることができるというメリットがあります。筋肉の疲労を回復させることで結果としてより多くの負荷を与えることができます。

ただし、体への負荷が軽い自重トレーニングの場合はインターバルが長すぎてしまうと筋肉が完全に回復し、効果が薄れてしまうので注意が必要です。

自重トレーニングのインターバル

自重トレーニングは場所を選ばずに気軽に行える筋トレです。しかし、体にかけられる負荷が軽い為、インターバルを長くしてしまうとあまり効果がありません。自重トレーニングの場合はできるだけ短いインターバルで多くの回数をこなすのが理想ですが、少ない回数でも反動をつけずに正しいフォームで筋肉に負荷を与えることも効果的です。

インターバルは30秒程を目安に設定して筋肉に最大限の負荷を与えましょう。

(自重トレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)

筋肥大目的の場合インターバルは長いが種目で変えれば問題なし

筋肥大に最適なインターバルは3分と長めです。その為、筋肥大を目的として筋トレをする場合はどうしてもインターバルに時間がかかり筋トレの総合時間が長くなってしまいます。筋トレは長ければ良いという訳ではありません。メリハリのある筋トレをする為にはどうしたら良いのでしょうか?

筋トレは長すぎると逆効果

筋トレは長くやりすぎると逆効果になります。理由としては体内にコルチゾールというホルモンが分泌されるからです。コルチゾールとは心身にストレスを感じると大量に分泌されるホルモンで、ストレスホルモンとも呼ばれています。コルチゾールは筋トレには大敵で、筋肉の生成の為に必要なエネルギーを分解してしまうのです。

筋トレの効果を上げるにはコルチゾールの分泌を抑制する必要があります。その為には筋トレの時間を長くても1時間以内にすることが効果的だとされています。1時間以内という制限を逆に利用して、メリハリのあるメニューを組み立てる際に役立てましょう。

(短時間の筋トレに効果があるかどうかについては以下の記事も参考にしてみてください)

コンパウンド種目とアイソレーション種目でインターバルを変える

対策として考えられるのが、筋トレのインターバルを種目別に設定するということです。細かく種目別にインターバルを設定すれば、筋トレの総合時間を自分でコントロールすることができます。ウエイトトレーニングを例えにして考えてみましょう。ウエイトトレーニングにはコンパウンド種目とアイソレーション種目があります。

複数の筋肉を鍛えるのがコンパウンド種目、特定の部位を鍛えるのがアイソレーション種目です。この2種目には扱うウエイトの重さに違いがあります。デットリフトのように筋肉疲労の重めなコンパウンド種目に対して、アイソレーション種目は比較的筋肉疲労が軽めです。

その為、コンパウンド種目の時はインターバルを長めに設定し、アイソレーション種目の時はインターバルを短めに設定します。そうすることで効率的にインターバルの効果を狙うことができます。また、インターバルの時間を明確に意識する為にアラームを利用したりするのも良いでしょう。メリハリのある筋トレになり、より正確なインターバルの効果が見込めます。

(アイソレーション種目とコンパウンド種目との違いについては以下の記事も参考にしてみてください)

インターバルを長く取って筋肥大を実感した人の体験談

今まで経験や、なんとなくでインターバルを取ってきた人もいるでしょう。しかし、正しいインターバルの効果を体感するには時間を正確に取ることが重要です。もちろん、最適なインターバルには個人差があるかもしれませんが、この記事で説明してきた科学的な根拠や統計から導きだされたインターバルは筋トレをする上で役に立つはずです。

それでは実際にインターバルを長く取ることで、筋肥大の効果やメリットがあったと実感した人の体験談を紹介します。ここで挙げる体験談はほんの一部ですが、実際にインターバルを長く取ることで筋肥大の効果を感じている人は多数存在します。筋肥大の効果に伸び悩んでいるというはぜひこの記事の情報を参考にインターバルを長くとってみてください。

筋肥大の効果を実感できた



インターバルを長めに取ることで筋肥大の効果を実感できたそうです。今までインターバルを適当に取っていたり短めに設定していた人は試しにインターバルを長めに取って効果を検証してみてください。筋肥大には長めのインターバルが効果的だと実感できるはずです。

セット毎の集中力が増す



インターバルを取ることで筋肥大の他に集中力が上がったという人もいました。結果的に筋トレ全体の質が向上したといえます。ただし、筋トレの総合時間を考慮し、メリハリのある筋トレメニューを組みましょう。

回数を維持できる



長めのインターバルが筋肉を回復させることにより、各セットの回数が乱れずに維持できます。安定した回数はそのまま筋トレの成果に直結します。意識的に取り入れるようにしましょう。

(筋肥大しない原因については以下の記事も参考にしてみてください)

筋肥大目的の場合はインターバルをしっかり取るべき!

筋トレの目的は筋力、筋肥大、筋持久力といった項目に分けることができます。それぞれに適したインターバルも違います。筋肥大を目的とした場合はインターバルを長めに設定すると良いです。理想は3分程ですが、種目や筋トレ全体のバランスを考えて、あなたに最適なインターバルを設定してください。正確な時間を把握して効率的に筋トレをしましょう。

ここまでの内容を整理すると上記のようになりますが、筋トレにおける常識は日々進化しています。科学的にも証明できるようになりました。積極的に情報収取をすることが大切です。今日までの自分の筋トレが正解だとは思わずに柔軟に知識を取り入れてください。それが理想の体を手に入れる一番の近道になるはずです。