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筋トレ後のサウナはアリ?ナシ?
筋トレの後にサウナに入ってもいいのか、といった議論をネットなどで目にしたことがありませんか?ジムでトレーニングする場合は特に、筋トレ帰りにサウナでリフレッシュするという方も少なくないはず。実は、これは今でも賛否両論分かれている問題なのです。
筋トレ後のサウナは「効果的」「いや効果的でない、むしろ有害だ」など様々な意見が飛び交っています。そうした主張はトレーニングやサウナの人体への影響についての学術的な研究結果が根拠になっているものもあり、それぞれの主張が大きく間違っているわけではありません。
ただ、最近は筋トレ後にサウナに入ることのプラス効果について科学的に分かってきたことも増えてきました。少なくとも「筋トレ後のサウナはデメリットしか無い」といった説は正しくないのです。それは一体どういうことなのでしょうか。どのような効果があるのかも含めて、順に見ていきましょう。
(筋トレ後のお風呂の効果については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレ後のお風呂で筋肉が成長!疲労回復は別?何分後に何分が効果的など入り方まで解説!
出典:Slope[スロープ]
筋トレ後のサウナで得られる効果
否定的な意見も少なくない筋トレ後のサウナですが、筋肥大や疲労回復、ダイエットなどしっかりとプラスの効果があるのです。プラス効果を高める入り方もセットで知っておく必要はありますが、まずはサウナのプラス効果の中身から見ていきましょう。
ヒートショックプロテイン効果で回復が早まる
筋トレ後にサウナに入ると、HSP(ヒートショックプロテイン)の生成による効果で筋肉の回復が早まるとされています。HSPとは、細胞の修復や防御の役割を持つタンパク質で、筋肉が熱にさらされた時にも生成されます。これが生成されるることで筋肉の回復速度が速まるため、筋トレ後にサウナに入るメリットのひとつとなっています。
日本の研究者の論文「Heat induces myogenic transcription factors of myoblast cells via transient receptor potential vanilloid 1」によれば、マウスを使った実験により、マウスの細胞を42度の熱で30分以上加熱するとタンパク質の発現レベルが活性化することが認められたとのこと。
これは動物実験の結果のため、そのまま人間に当てはめられるわけではありません。しかしHSPの仕組みは人間と共通であるため、筋肉細胞を温めることのメリットという点ではひとつの根拠になります。
血流が促進されて筋肉痛を解消
サウナで体が温められることで血流が促進され、筋肉痛の解消にも効果的です。老廃物の除去が進むとともに筋肉に栄養も回りやすくなり、代謝が活性化します。それがHSPの効果と相まって、疲労と筋肉の回復が早まるのです。
筋肥大に効果的
サウナには筋肥大に繋がる効果があるといわれています。サウナに入ると成長ホルモンの分泌、インスリン感受性の改善、血行の促進などの効果がありますが、これは筋肥大に繋がる大事な要素です。インスリンや成長ホルモンが十分に分泌されて血行も良くなると、体が筋肉が作られやすい状態となるのです。
(筋トレと筋肥大の関係については以下の記事も参考にしてみてください)
【筋肉の付け方】初心者向けに筋トレ・食事など筋肥大を効率的に起こす秘訣を解説
出典:Slope[スロープ]
サウナ後の水風呂で自律神経の働きが整う
サウナには基本的に水風呂もセットで設置されていますが、サウナの後の水風呂は自律神経の働きを整える効果があるとされています。アスリートなどの間では、サウナで体を温めた後に水風呂に入って冷やし、また温めるということを順番に繰り返す交互浴が実践されてきました。
ただし、この交互浴はサウナや水風呂に単独で入ることに比べて血流促進効果が低いことが分かっています。その結果、筋肥大の効果が抑えられてしまうため、筋トレの目的によってはメリットが薄くなる場合もあります。サウナ後に水風呂に入るかはその点を考慮して判断しましょう。
ダイエット効果が高まる
サウナでダイエット効果が高まります。サウナに入ると甲状腺ホルモンが増え、代謝が上がって脂肪が燃焼しやすくなるためです。それだけでなく、睡眠の質の向上にも繋がり、サウナ中だけではなく普段の代謝も上がり、結果的にダイエット効果が高まるというわけです。
(サウナのダイエット効果については以下の記事も参考にしてみてください)