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筋トレは限界まで追い込むべき?限界の基準〜正しくオールアウトする方法まで解説!

2020年12月07日

筋トレで筋肉を限界突破させて超回復を狙うオールアウトは、筋トレ停滞期を突破するには欠かせない中上級者向けのトレーニングです。しかし、目的によっては筋肉を追い込む限界点が変わってきます。この記事では限界の基準や正しいトレーニング方法を解説します。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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筋トレは限界まで追い込むべき?

同じ筋トレを続けていると、筋肉が刺激に慣れてしまって筋肉が大きくならない停滞期が訪れます。そんな方には、より筋肉を追い込むオールアウトがおすすめです。

オールアウトとは「全てを出し切る」という意味があり、筋肉が極度の疲労によって運動が続けられない状態のことを言います。限界ギリギリまで負荷をかけることで、通常の筋トレ以上の効果を得ることができます。

筋肉が回復する時間も十分にとる必要があるため、オールアウトに挑戦するのは週1回が適切とさせています。過度な筋トレは筋肉を萎めてしまう可能性があるため注意をしましょう。

そもそも筋トレの本当の限界ラインは?

そもそも筋トレの限界には、脳がブレーキをかける心の限界と、身体がブレーキをかける肉体の限界の2種類があります。

人には自己防衛本能があり、肉体の限界を超える前に脳は危険を察知して早めにブレーキをかけてしまいます。スポーツ初心者の場合は60%程度でブレーキのサインを出すことが多いと言われ、精神的に追い込めず、余裕を残した状態で筋トレをやめてしまいます。

筋トレを長く続けることでサインを出す感覚をコントロールしていき、心の限界と肉体の限界を限りなく近づけることができます。オールアウトの基準とされるのが、筋トレの負荷指標であるRM(最大挙上重量)です。1RMの70~80%を目安にすれば効率的に限界へと導けます。

筋トレを限界まで追い込むべきかは目的で変わる

筋トレによって筋肥大、筋力、持久力などが得られますが、どれを望むかによって限界の基準は変わってきます。とくに筋肥大と筋力は似ているため、同じものだと思われている人がいますが、正確には違っています。

筋肥大が目的の場合

筋肥大は筋繊維を太くすることです。筋肉が盛り上がり、ボディービルダーのような見た目の変化が得られます。限界突破して破壊された筋肉が回復するときに、前よりも少し太くなって修復されます。筋肉が悲鳴をあげた状態から最後の1回を追加するような、オールアウトが最も効果的なトレーニングです。

筋力アップが目的の場合

筋肥大と筋力の違いは神経の存在です。筋肉の中にはさぼっている筋繊維もあるため、筋力アップでは、脳が合図を出して稼働率を上げます。より多くの神経が反応すれば、筋肉量が同じでも、より重い重量を持ち上げることができます。筋力アップの場合は、オールアウトの手前で止めておかないと、収縮が早くて良質な筋繊維まで傷つけてしまいます。

持久力アップが目的の場合

マラソンなどの持久力が求められるアスリートには、オールアウトはおすすめできません。筋肥大すると、エネルギー使用量が増えてしまい、長い時間をかけて効率的に稼働させる肉体ではなくなってしまいます。持久力を求める場合は反復運動をベースに、弱い負荷で回数を重ねるトレーニングが向いています。

筋トレを限界まで正しく追い込む方法

オールアウトでは全ての力を出し切るために、覚悟が必要なトレーニングが多いです。今回は限界まで正しく追い込む4つのトレーニング方法を紹介します。

コンパウンドセット法

コンパウンドセット法とは、ひとつの筋肉に対して2種類のトレーニングで筋肉を追い込む方法です。筋肉は刺激に慣れると筋トレ効果が下がります。途中のインターバルを入れずに、負荷のかかり方が違う2つ目のトレーニングにすぐに移行することで、違う刺激を与えることができます。組み合わせを変えることで筋トレの倦怠期予防にも繋がります。

3種類の場合はトライセット、4種類以上の場合はジャイアントセットと言います。インターバルをとらずに集中して行えるため、筋トレの時間短縮にも繋がります。

(コンパウンドセット法については以下の記事も参考にしてみてください)

ドロップセット法

ドロップセット法とは、セット数を重ねる度に重量を少し落として、同じトレーニングをひたすら続ける方法です。1セット目は通常の重量で始めて、これ以上持ち上がらないところまで続けたら、重量を20~30%軽くして2セット目を行ないます。セット数を増やす度に20~30%軽くしていき、4~5セットは続けます。

回数はあまり気にせず、持ち上がらなくなる限界まで追い込むことがポイント。短時間で全てを出し切ることができる、効果的なトレーニング法です。

(ドロップセット法については以下の記事も参考にしてみてください)

スーパーセット法

スーパーセット法とは、拮抗する筋肉を、インターバルを取らずに連続して刺激する方法です。拮抗する筋肉とは、例えば、大胸筋と広背筋、大腿四頭筋とハムストリングスのように伸縮の対称となる筋肉のペアのことを言います。一方がブレーキの役割を担うため、連続してトレーニングをすることでブレーキ機能を弱めて、筋トレのパフォーマンスをあげます。

(スーパーセット法については以下の記事も参考にしてみてください)

フォーストレップス法

フォーストレップス法とは、自分1人ではこれ以上持ち上げられなくなった後に、トレーナーなどに支えてもらいながら追加で1~2回強制的に追い込むトレーニング方法です。声掛けなどのサポートもしてくれるために、心の限界を突破しやすく、より肉体の限界に近づくことができます。信頼できるトレーナーは必須となります。

筋トレを限界まで追い込む際の注意点

限界に追い込むと言うことは、その分、反動やリスクが存在します。注意点を事前に理解した上でトレーニングを行なってください。

激しい筋肉痛への対策

筋肉を追い込んだ筋トレは筋繊維を激しく傷つけるため、追い込めない筋トレを比べて激しい筋肉痛が起こります。運動後に適切なマッサージをして血行を促進し、血流に疲労物質を溜めないなどの筋肉痛対策は念入りに行いましょう。また、筋肉が回復する際には栄養補給と休養も必要になります。筋肉が回復するまでが筋トレの一部であると理解しておきましょう。

初心者のうちは怪我の可能性も

初心者のうちはフォームが安定しておらず、限界突破を意識し過ぎるとフォームが崩れてしまいます。場合によっては怪我や事故に発展する危険性があります。オールアウトは基本的なトレーニングができている中上級者向けとなります。初心者のうちはフォームの確認や基礎的なトレーニングを優先し、オールアウトに挑戦することは控えましょう。

専属トレーナーのサポートを受ける

限界をギリギリまで追い込む筋トレはリスクがあるため、一人で挑戦するのは危険です。安全や正しいフォームの確認なども考慮して、専属のトレーナーの指導下で行いましょう。専属トレーナーなら、心のブレーキがかかって筋肉を追い込めないときなどにも適切なサポートをしてくれます。心強い味方を増やしておきましょう。

筋トレを限界まで追い込むことに関する知識を付けておこう

オールアウトは非常に厳しいトレーニングなので、簡単ではありません。リスクが高く、専属トレーナーなど安全を確保した状態で行う必要があります。ですが、その分、通常の筋トレでは得られない筋肥大効果があり、高い達成感も味わえることができます。オールアウトに挑戦する前に、筋肉に関する深い知識を身に付けておきましょう。