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プロテインの副作用による『抜け毛』は根拠なし!むしろ予防・改善に役立つ?

2021年02月06日

プロテインの副作用による抜け毛は、根拠がありません。副作用どころか、タンパク質であるプロテインは抜け毛の予防や改善に役立ちます。男性ホルモンや筋トレと抜け毛の関係性を解説するので、プロテインを飲むことができなかったハゲや薄毛で悩む人はぜひ読み進めてください。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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プロテインの副作用で抜け毛が起こるって噂は本当?

かっこいい体づくりのために、筋トレをするだけではなく、プロテインも飲んでいる人は多いですよね。一方では、プロテインの副作用で抜け毛が増えるという噂があり、プロテインを飲むのを避けている人もいます。

もし噂が本当で、プロテインを飲むと抜け毛が増えるのであれば、ハゲや薄毛で悩んでいる人にとっては特に大問題です。ところがこの噂には科学的な根拠はありません。抜け毛のメカニズムとプロテインが体に効くメカニズムには、相関関係はないということです。

タンパク質は筋肉だけでなく、髪の毛や皮膚などの身体の器官をつくっているのですから、むしろ抜け毛の予防や改善に役立つとも考えられます。では、なぜプロテインの副作用で抜け毛が起こるというまちがった噂が広まっているのでしょうか?

プロテインの副作用で抜け毛が起こると言われる理由

まず大前提として、抜け毛は起こるものだということを理解してください。どんなに正しい生活を送り、正しい栄養補給をしても、抜け毛はなくなりません。そもそも、毛髪は抜け落ちていくものだからです。約10万本あると言われている毛髪の内、1割は成長が止まっています。つまり、その1割の毛は抜け落ちることで生え変わるものだということなのです。

それ以外の異常な抜け毛の原因は、「過度のストレス」「脂質の多い食事」「栄養不足」「睡眠不足」「遺伝」等が挙げられます。プロテインの副作用で抜け毛が起こるという科学的な根拠はないのですが、そう言われる理由は主に2つ考えられるのです。


(抜け毛の本数については以下の記事も参考にしてみてください)

筋肉増強剤を勘違いしている人がいるから

一つは、プロテインを筋肉増強剤と勘違いしている人がいるからです。筋肉増強剤はステロイドホルモンが成分で、これによって男性ホルモンが増加しますが、プロテインはタンパク質であって、栄養を補助するものでしかありません。元々は牛乳や大豆などから生成されたものなので、プロテインと筋肉増強剤は違うものです。

ところが一昔前は、プロテインを飲むのは一般的ではなく、アスリートだけでした。そういった環境の中で、アスリートが飲むものは筋肉増強剤という思い込みから、「プロテイン=筋肉増強剤」というまちがった認識が広まってしまったと考えられます。

最初にプロテインの副作用で抜け毛が増えると言い始めた人は、プロテインを筋肉増強剤と勘違いしていた可能性があるのです。

「筋肉増強剤」の副作用で抜け毛が増えることは起こり得る

実は、「筋肉増強剤」の副作用で抜け毛が増えるということは、起こり得ることのようです。筋肉増強剤の副作用で抜け毛が増えるメカニズムを説明します。

まず、筋肉増強剤は男性ホルモンを増加させ、テストステロンの分泌を増やします。テストステロンは、「5αリダクターゼⅡ型」という酵素と結合し、「ジヒドロテストステロン」という化学物質に変化すると、毛髪の成長を抑えます。

このように、”筋肉増強剤の副作用で抜け毛が起こる”ということがあり得るのです。さらに筋肉増強剤は、体質によっては抜け毛を起こすという場合もあるようです。

筋トレの影響でテストステロンが増加するから

プロテインの副作用で抜け毛が起こると誤解されるもう一つの理由として、筋トレの影響でテストステロンが増加することが挙げられます。

筋トレをすると男性ホルモンが増加し、テストステロンの分泌が増えます。テストステロンが「5αリダクターゼⅡ型」と結合すると毛髪の成長を抑制するのですが、筋トレでは「5αリダクターゼⅡ型」は増えないのです。テストステロンだけでは抜け毛が増えるという作用は起こらないので、筋トレによって抜け毛が増えるということはありません。

栄養不足で抜け毛が増えることは起こり得る

基本的には筋トレが直接の原因になって抜け毛が増えることはありません。ただし、ハードな筋トレをしすぎると、筋肉の修復にエネルギーが使われ過ぎて、毛髪に十分な栄養が行かなくなることがあります。それによって結果として抜け毛が増えるということはあるようです。

特に、ダイエット目的で筋トレなどのハードなトレーニングをしている人は、栄養が十分でなくなっている可能性もあります。筋トレがハゲや薄毛の原因と思ってしまう人は、むしろ栄養不足である可能性があるのです。

そうして一時的に抜け毛が増えた人がプロテインを飲んでいた場合、抜け毛の原因をプロテインの副作用だと思ってしまうことがあるのでしょう。

(筋トレとハゲの関係性については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインは副作用どころか抜け毛の予防・改善に役立つ?

ここまでで、プロテインの副作用で抜け毛が増えるというのが間違った情報だということを説明しました。実はプロテインは、副作用で抜け毛が増えるどころか、抜け毛の予防や改善に役立つとされています。

発毛治療を専門におこなうDクリニック大阪メンズによると、タンパク質であるプロテインはむしろ髪の毛をつくるものだということです。抜け毛とは反対の作用をもたらすというわけです。

タンパク質は、筋肉や内臓、血液や爪、髪の毛や皮膚、骨など身体の器官をつくっているだけでなく、免疫抗体をつくる原料となったり、ホルモンやエネルギーなどに形を変えて身体に作用しています。

引用元:https://www.osaka-clinic.com/column/1549#i-8

また、薄毛治療のための発毛サロン「スーパースカルプ発毛センター」によると、プロテインを飲むことで育毛の効果が期待できるとのことです。

髪の毛の主成分は、『ケラチン』と呼ばれるタンパク質でできています。nn主成分であるタンパク質が不足すると、髪の毛を作ることができなくなります。nnそこで、プロテインを飲むことで髪の毛を作るために必要な栄養を摂取することができ、育毛の効果が期待できるのです。

引用元:https://scalp-shinjuku.co.jp/column/1363#i

プロテインは、副作用で抜け毛が増えるどころか、髪の毛を作るために必要な栄養であり、ハゲや薄毛の予防や改善になると考えることができます。ただし、育毛のためには、プロテインの他にビタミンや亜鉛などの栄養も摂取しなければならないので、バランスのいい食事やサプリメントの補給が重要です。

また、プロテインの副作用によって抜け毛が起きないからといって、プロテインを取りながら筋トレをする人は注意も必要です。タンパク質に限らずほとんどの栄養素は、取り過ぎると人体に害を及ぼす可能性があります。なので、プロテインを摂取する際にも、量には十分気を付けながら、かっこいい体づくりを目指しましょう。

(プロテイン摂取の注意点については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインの副作用で抜け毛が起こることはない

プロテインの副作用で抜け毛が増えることはないことがお分かりいただけたでしょうか。むしろプロテインは髪の毛にとって必要な栄養です。ハゲや薄毛でお悩みの方は、生活習慣や食生活を見直して、筋トレの際はプロテインを上手に取りながら、体づくりに励むといいでしょう。