目次
筋トレ後にお風呂は入っていいの?
昨今筋トレとお風呂の関係についてはさまざまな意見が飛び交っている状況で、筋トレの前にお風呂が良いのか、後が良いのか、はたまたお風呂に入ること自体がNGという意見も出ていて混乱している人もいるのではないでしょうか。
結論から言えば、筋トレ後にお風呂に入るのはOKです。ただし、筋肉の成長を目的にするのか疲労回復を目的にするのかによってその入り方は変わってきます。この記事では、それぞれ何度のお湯に入り何分後にどうする、などの入り方まで詳しく解説していきます。
また、なぜこれまで「筋トレ後のお風呂がNG」というような説が出ていたかについても解説してみましたので「筋トレ後のお風呂がマイナスに働かないかどうか、どうしても心配」という方も、まずは下記をチェックしてみてください。
(筋トレはお風呂上がり・前のどちらがよいかについては以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレはお風呂上がり・前どっちが効果的?各メリット・デメリット〜入り方まで解説!
出典:Slope[スロープ]
筋トレ後にお風呂に入ると筋肉が成長する理由
「温熱とヒートショックプロテイン(HSP)とその意義」や「体を温めると増えるヒートショックプロテイン(HSP)があなたの健康を守る!」といった近年の研究で、筋肉を温めるとヒートショックプロテインが増え、発達促進になるということがわかっています。
このヒートショックプロテインはHSPとも表記されるタンパク質の一種で、熱を加えることで傷んだ細胞を修復したり、免疫細胞の働きを強化する力を持っています。このことから、筋トレ後に温かいお風呂に入るのが筋肉増強に効果的と言えるのです。
筋肉増強に効果的なHSP入浴法の手順
では、ヒートショックプロテインを増やすのに効果的な、HSP入浴法の手順をご紹介します。事前準備から実際の入浴、また最後の保温というように進んでいきますのでぜひ下記を確認してみてください。
<事前準備>
①40~42度の熱めのお風呂を入れる
②あらかじめ近くに着替えとバスタオルを用意しておく
③お風呂のフタを開け、温かいシャワーを出し浴室全体の温度を上げる
<入浴手順>
①心臓から遠い手足から、体の中心に向かって掛け湯をする
②同じく足→手→体の順に浴槽に浸かる
③浴槽に浸かりながら舌下で検温をする
④体温が38度まで上昇したらあがる
⑤入浴後は10~15分保温する
入浴時間についてはお風呂の温度によって変わってきます。42度であれば約10分、41度で15分、40度で20分ほどが目安です。ただし、熱いお湯が苦手だけど時間が取れないという人は、血行促進が期待できる入浴剤を使うと時間短縮できます。この場合は40度のお湯に15分程度の入浴でも体温を効率よく上げることができるでしょう。
入浴後の保温の仕方
この入浴法で実は最も重要なのが最後の保温です。せっかく入浴によって体温を上げても、すぐ水風呂などで冷やしてしまうとヒートショックプロテインが増える効果が半減してしまいます。このヒートショックプロテインは、体温37度以上で増えると言われています。入浴後はしっかりと体を拭き、冷やさないよう服を着た状態で最低10分は体を保温しましょう。
このことから、冷たい飲み物も厳禁です。筋トレ後の湯上りにすぐ冷えたものを飲みたくなる気持ちはわかりますが、まずは常温もしくは温かい飲み物で水分補給を行いましょう。夏でも冷房をかけず、冬なら暖かい部屋で保温ができると効果的です。そして、保温タイムが終わってから冷たい飲み物を飲んでください。
HSP入浴法を実践する際の注意点とポイント
この入浴法では時間を決め、体温を上げながらお風呂に入ります。もともと心臓疾患などをお持ちの方は、まず医師に相談するようにしてください。また、体力に不安のある方は半身浴からはじめるなど、無理をしないようにしましょう。半身浴の場合も、肩にカバーをしたり、お湯をかけたりするなど上半身を冷やしすぎないようにしてください。
また、気温差による入浴事故にも注意が必要です。このためにも筋トレ後には浴室自体の温度を先に上げておくなど、ヒートショックプロテイン入浴法の際には事前準備と対策を怠らないようにしてください。
なお、筋肉増強を狙う場合、この入浴法は週に2日程度にとどめましょう。毎日熱いお風呂に長時間入ると、徐々に細胞がショックを感じにくくなってしまうからです。また、ヒートショックプロテインの効果のピークは入浴後すぐではなく約2日後と言われていますので、入浴日を決める目安にしてみてください。
筋トレ後にお風呂で疲労回復を狙う場合は温冷交代浴
筋肉増強を促進するためには、先ほどのHSP入浴法が効果的だとお伝えしました。しかし、ハードな筋トレ後には、やはり疲労回復を狙い入浴したいという方もいるでしょう。その場合に効果的なのが、温冷交代浴です。
温冷交代浴では温かいお風呂と冷たいシャワー、またはサウナと水風呂などを交互に続けますが、これにより交感神経と副交感神経がそれぞれ働きます。そうすると自律神経が整い、疲労回復に役立つと言われています。
さらに、熱い・冷たいを繰り返すことで血管も拡張・収縮され、血行促進も期待できます。血行が良くなれば全身に酸素や栄養が行きわたりやすくなりますので、これも筋トレ後の疲労回復には効果的と言えます。
アイシングと温冷交代浴
スポーツをする人なら、酷使した筋肉をアイシングする必要性についての理解があるでしょう。じつは腫れや痛みを抑えるだけでなく、疲労回復にも効果があるのです。アイシングをすることで筋肉の血管を一時的に収縮させ、その後の温熱効果で血流を増加させることができます。これにより筋トレ後の疲労回復が早くなるのです。
「筋トレ後のアイシング」と「筋トレ後のお風呂」は一見結びつかないように思えますが、温冷交代浴はアイシングの一種ともいえるため、より血管の収縮・拡張効果を高めることにつながります。効率よく疲労回復するためにも、ぜひ取り入れていきましょう。