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筋トレとブランクの関係性!効率よく再開〜MAXまで戻すポイントを解説!

2020年12月14日

さまざまな理由で筋トレを途中で止めてしまった人が、もう一度再開するという場合、どのような筋トレをすればブランクを乗り越える効果が期待できるのでしょうか?筋トレのブランクがある場合の、マッスルメモリーを生かした効率のよい再開方法について解説していきます。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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筋トレのブランクがある時は普通に再開してOK?

それまでは習慣として筋トレを続けていたのに、ある日を境に続けられなくなってしまうという事態も考えられます。理由はさまざまですが、事故やアクシデント、予期せぬ病気や環境の変化により断念せざるを得なくなったという方もたくさんいるのではないでしょうか?

筋トレができない期間が続きブランクが空いてしまったが、筋トレを普通に再開してもよいものか悩みます。でも大丈夫です。筋トレはブランクがあっても再開可能で効果も期待できます。

筋トレにブランクがある時に再開するポイント

ブランクが空いていた筋トレを再開する際には注意点もあります。再開直後にいきなり激しいトレーニングをやってしまい、怪我や故障をしてしまっては困ることになるでしょう。この失敗を防止するためのチェックポイントがあります。

ボリューム

それまである一定期間でも筋トレをしていた人が一旦トレーニングを止めてしまうと、筋力・持久力・心肺機能の低下が始まります。それと同時にトレーニングの中で培った勘も鈍くなる現象が現れるのもデメリットです。まずは正しいフォームを保ち、バーベルなどを挙げる1回分の最大量(1RM)を全盛期の6割程度のところから開始してみましょう。


▼筋トレ再開でのボリュームの付け方
①トレーニング量を分割する
②60%1RM で1回3セットが理想
③徐々65%・70%とあげていく
④普段よりタンパク質を多く摂取する

動画では自粛明けというテーマですが、これらは自然に起きる現象といえるでしょう。筋トレ再開に起こり得るのだと意識しておいて欲しいです。最初のトレーニングボリューム(重量×回数×セット数)は全盛期の50%程度から再開し、徐々にペースを上げながらボリューム調整をしていくことが重要です。

(RMについては以下の記事も参考にしてみてください)

頻度

ブランク明けともなれば、もう一度最初から筋トレメニューを作り変える必要があります。その際に気をつけておきたいポイントです。初心者向けではありますが、中級以上の方でもおさらいの意味で役に立ちます。

▼ブランク明けの筋トレでの頻度
①分割法でおこなう
②大きな筋肉をトレーニングしたら72時間は休ませること
③小さな筋肉をトレーニングしたら48時間は休ませること
④目安として筋肉痛があるときは休ませる
⑤時間がないのなら上半身下半身に分けた2分割法でやる
⑥慣れてきたり時間があれば5分割法でやる

自分の体重を使った筋トレであれば毎日こなしても大丈夫ですが、トレーニング器具での大きな負荷をかけて行なうのであれば、頻度を考えて再開するようにしましょう。全身満遍なく週2回はトレーニングして、必ず筋肉を休ませる時間を与えることです。

負荷

筋トレ再開したての頃は以前のようなコンディションに早く戻したいと焦りがちになります。しかし焦ることが失敗の原因になると考えられているのです。失敗しない再開方法としては負荷の掛け方を上手にしていくようにしましょう。

▼筋肥大に効果的な負荷のポイント
①最大筋力の80%1RMで8~12回がベスト
②コンパウンド種目を行う
③アイソレーション種目を行う
④回数はコンディションによって多少変えても可

コンパウンド種目とは多関節種目とも呼ばれ、ベンチプレス・デッドリフト・スクワットなど複数の筋肉を使う運動のことです。またアイソレーション種目は単一の筋肉と関節だけの運動をするため単関節運動とも呼ばれています。主にダンベルカール・バーベルカールなどの種目です。

1年ないし2年前くらいのピーク時は限界まで追い込んだハードトレーニングをした方もいるはずです。ただし再開直後は絶対にそれはしないでください。最低でも1週間は軽い負荷でのトレーニングを行いながらある程度余力を持たせるくらいが丁度いいでしょう。

筋トレにブランクがある時の再開後のスケジュール

原則として筋トレを2週間以上怠った場合には筋力が落ちるとされています。しかも落ち方はそれまでに筋トレを積んだ期間が長ければ長いほど緩やかに落ちていく傾向があるのです。

一旦は衰えた筋肉もマッスルメモリーという記憶が残っていて、正しいトレーニング再開の仕方をして続けることで再び元の状態に戻すことができます。では筋トレを再開してからMAXに至るまでの再開後のスケジュールについて解説していきましょう。

一度鍛えた体はマッスルメモリーがある

筋トレを長年続けていたのに止めてしまった場合、時間経過にともなってその環境にあった筋肉量に戻るようになっています。当然筋肉量が落ちてしまいますが、そのブランクから再開した時の回復は思った以上に早く訪れるのが人体の特徴です。

細い体型から元の筋肉に戻るのは難しいことではありません。それは一度鍛えた体型はマッスルメモリーにより体が覚えているからです。筋トレの再開はマッスルメモリーを呼び戻すことにより成功します。

最初の1週目はボリューム50%で行なう

トレーニングを再開した1週目については、ボリュームもほどほどに50%程度から始めてみましょう。その後最低でも1ヶ月くらいはリハビリのつもりで基礎筋力向上のためにコツコツと焦らずに行なうことがポイントです。その際は細かいボディメイク・重量についての考察などは一切考えないようにします。

2週目から1ヶ月目は徐々にウェイトを上げていく

最初の1週目をある程度こなすコツは、胸筋などを使う感触を思い出しながら続けてみることです。バーがぶれないくらい上げ下げできるようになったら、そこから徐々に重量を増やしていくとよいでしょう。目安としては10kgずつ増やしてみてはどうでしょうか?2週目以降の目標はプラス10kgを10回くらいこなします。

効果的な筋肥大のために休息の間隔を考える

筋トレで鍛えた部位は最低48時間から72時間は休ませないと肥大化しません。そこで筋肉を休ませることが前提になるスケジュールを組むことです。そのためには分割方式にするとよいでしょう。

例えば週の前半は上半身だけをトレーニングし、週の後半は下半身だけに集中するというスケジュールでしばらくやってみることです。週の前後半で体の半分は休息状態になるのでおすすめです。そのルーティーンに慣れてきたらさらに細かな部位に分割してスケジュールを立て直すようにします。

まずは7週間続けて8週目のMAXを目標にする

筋トレを再開したのであれば、とにかくまずは7週間を目安に続けてみるとよいでしょう。マッスルメモリーとして筋肉のDNAに記憶があるため、根気よく7週続けてみると既に筋肥大の傾向がでてくるからです。

8週目になる頃にはほぼ以前のMAXな状態に近づく可能性が高まります。当然個人差は多少ありますが諦めずまずは8週目をゴールにメニューをこなしていきましょう。

(マッスルメモリーに関しては以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレのブランクを戻すプログラム例

1つの例として、シンプルな方式でありながら効果的なプログラムの「BIG3」をおすすめします。BIG3は筋トレの基本的な動作でもあり、すべてのエネルギーと集中力を掛けることができます。その3つの内容はスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目です。

ただひたすらこれら基本種目だけに注いでブランク明け8週間を過ごすのがポイントです。本来は初心者向けに筋肉を付けるためのメニューですが、ブランク明けの方にも通用します。なおセット数や回数は基準値より少なめな設定です。個人差もあるので各人で決めて調整してもよいでしょう。

1週目

第1週目は軽めな調整を行います。スクワットはウォームアップセット、メインセット5回を2セット、セット間休憩は120秒くらいです。以下、ベンチプレス、デッドリフトも同回数をこなして、最後にクールダウンを忘れないようにしましょう。1日トレーニングしたら72時間は休めるようにします。重量の負荷はブランク前の30%程度でキープしましょう。

2週目

第2週目も1週目とほぼ同様なトレーニングを繰り返します。スクワットとベンチプレス、デットリフトを各々5回の2セット、セット間休憩を120秒とります。くれぐれも張り切り過ぎてペースを急激に上げないように注意してください。この週あたりから重量負荷をブランク前の50%前後にUPしてもよいでしょう。

3週目

第3週目のトレーニングもBIG3を引き続き行ないます。回数とセット数も今までと同様に5回2セットです。重量負荷はブランク前の60~70%にまで引き上げて行ないます。

4週目

3週目まで特に問題がく続けていけたのであれば、いよいよ第4週目よりセット数を増やしてみましょう。BIG3を各5回3セットにし、重量負荷はブランク前の80%にまで引き上げて行ないます。

5週目

第5週目も前回と同様に5回3セットを続けていきます。ただし負荷は90%にまで上げてやってみるとよいでしょう。もし2セット目の時点でまだ厳しいと感じたようなら、3セット目の重量を一旦下げて行ってみても構いません。この段階でも決して焦らず無理をしないことがコツです。

6週目

第6週目も5週目の延長と考えて行なっていきましょう。BIG3の行程を各5回3セットで行ないます。この時点絵での負荷はブランク前の95%にまで引き上げて行なえれば理想的です。

7週目

いよいよ重要な第7週目に入ったら、ブランク前と同じ重量負荷の100%に引き上げてBIG3をこなしてみましょう。この時点で難なく5回3セットができるようなら一旦成功したと思ってよいでしょう。またここから筋トレ生活が始まるのだと解釈しておくことです。

8週目

ブランク明け2ヶ月に該当する第8週目までスケジュールが組まれる理由は、マッスルメモリーの理論を基にして以前のMAX重量を更新させる目標のためにあります。BIG3の5回3セットを以前の重量負荷よりも105%UPさせてトライしてみましょう。もしこれで成功したら、半年後、1年後、2年後とそのまま更新できる可能性があります。

筋トレのブランクに関する口コミ

ここでは事情があって一度筋トレを辞めてしまった方々が、再び筋トレを開始した際の口コミ事例を紹介します。各々に細かい感想があるようですが、共通して再開したことを喜んでいるのが分かります。

怪我のブランクから筋トレを再開した事例



この方の場合アクシデントで肋骨を折ってしまったようです。そのブランクが約一ヶ月半あり久しぶりに筋トレを再開した感想を述べています。やり始めはモチベーションも高くて張りきるものです。しかし焦らずペースを乱さないようにコツコツ続けるようにしましょう。

ブランク明けながらうまくいった事例



筋トレの再開したてはすっかり筋力が落ちているものの、疲労の蓄積を感じにくいのが特徴です。まだ完全に追い込むほど筋肉を使っていないのも理由の一つです。しかし油断はしないようにしましょう。今までのブランクから急に筋肉が目覚め始めているので、徐々に疲労が溜まっていくはずです。

自分のペースを守って筋トレを再開した事例



順調に筋トレの再開を楽しんでいる方の事例です。ここでもポイントは無理をしない状態から始めている点です。とにかくシンプルに、できる範囲内でトレーニングを積み重ねていくことで怪我の防止にもなります。

何よりも継続が大切と悟った事例



筋トレ再開の注意点として、重量や負荷の上げ方が大切です。以前の全盛期にまで取り戻したい気持ちを抑えながら、今現在の自分の力を受け入れていくようにしましょう。とにかく再開した以上は続けることが一番の目標です。

トレーニングとともに重要なこと



筋トレ再開後も必ず十分な休息を摂るようにしましょう。慣れてきたら部位ごとにトレーニングをして分割方式で休息も与えながら続けることで、うまく体全体のローテーションができ上がります。腕を鍛えたら翌日は脚を鍛えながら腕を休ませるといった工夫をすれば、徐々に元のブランク以前の筋肥大に戻っていくでしょう。

筋トレのブランクがある時は焦らずに再開しよう

筋トレを途中で断念してしまう理由とブランクの期間は、人それぞれにあるはずです。1ヶ月や3ヶ月くらいの短期の方もいれば、1年や2年以上の長いブランクを経てという方も考えられます。

ただしそれでも一度鍛えて追い込んだ筋肉にはマッスルメモリーが刻まれているので、計画的に効率を考えて始めれば再び元の状態に戻れますしそれ以上の成果も考えられます。くれぐれも焦らず無理のない再開を心がけてください。