ランニング中の脇腹の痛みは何？原因〜即効性のある対処法＆予防策を解説！

ランニングをしていたら、急に脇腹が痛くなった経験は誰にでありますよね。脇腹の痛みは走ることで体が慣れていないことや準備運動が不足していることを知らせています。痛くなる原因や痛くなったときの対処法、走る前の予防策を知って快適なランニングをしましょう。

ランニング中に脇腹が痛くなるには必ず原因があります。一体どんなような原因があるのかを詳しく見ていきましょう。

右側の脇腹が痛くなっている場合は、内臓が揺れて横隔膜が引っ張られています。横隔膜とは呼吸をする際に重要な筋肉で、酸素を急激に取り込もうとしたり、内臓が揺れていたりすると上手く機能せずに痙攣（けいれん）を起こしてしまいます。

人間の右側にある内臓は、肝臓や胆のうがあり、そのなかでも肝臓は最も大きい内臓です。走ることによって、肝臓が激しく揺れてしまい、横隔膜が引っ張られて痛みが発生します。また呼吸筋が活発になることで、横隔膜が激しく動いてしまって痛みが生まれることもあります。

左側の脇腹に痛みがあるときは、主に脾臓から血流が一気に押し出されて、血液の循環が早すぎることにあります。脾臓とは、肋骨の下にある臓器で血液を貯蔵して血糖値を下げる働きをしています。左脇腹に痛みが生まれるのは、激しい運動をすることによって脾臓が血液を送ろうとして活発に動いてしまうからです。

ウォームアップが不十分だったり、ランニングのペースをいきなり上げたりすると普段血液をためている脾臓が慌ただしく動き始めるため、脇腹に痛みが出やすくなります。

ランニングをする直前に食事をしていると、お腹の中にある食べ物が脇腹を圧迫してしまうことがあります。胃が血液を集めて消化活動を促していきますが、十分に消化がされないまま走り出すと、胃に血液が集まらずに消化不良を起こすからです。また胃や腸内にあるガスや便が横隔膜を引っ張っていき、結果的に脇腹に痛みを起こすことがあります。

フォームを維持する筋力が不足していると結果的にランニングのフォームが崩れ、脇腹に負担がかかって痛めてしまいます。特にお腹周りの筋肉、つまり腹筋などの体幹が弱いと内臓が激しく揺れてしまったり、重心がどちらか一方に偏って負担をかけてしまったりと脇腹に痛みを起こしまうからです。

内臓が揺れてしまった結果、横隔膜が引っ張られてしまうのは、お腹周りの筋肉が不足していることが多いです。体幹が弱いと姿勢が悪くなり、脇腹以外にも痛めるところが多くなりますから注意しましょう。

ランニングのペースが自分の体が走れるペースよりも速いと、呼吸が浅くなり、血液の循環が激しくなって脇腹を痛めやすくします。横隔膜などの呼吸筋がより多くの酸素を取り込もうと活発に動いたり、内臓や筋肉などに血液を送ろうとして脾臓が過剰に働いたりして、横隔膜の疲弊や血液の過不足が起きて脇腹に痛みが生じるからです。

横隔膜が引っ張られることやお腹の中の血流が激しくなることを防ぐには、呼吸が十分な深さで行えるペースを知る必要性があります。

走っている途中で脇腹が痛くなったとき、どのように対処すれば痛みが和らぐか知りたいですよね。脇腹が痛くなったときの対処法を紹介します。

脇腹に痛みがあるときは、呼吸がしっかりできなかったり、フォームが崩れやすかったりと体が対応していないペースで走っていることが多いです。十分な深さで呼吸できるペースに落として、脇腹の痛みが引くまでゆっくりと走りましょう。お腹の中の血液がまんべんなく行き渡り、酸素もしっかり取り込めることができるからです。

ただし痛みが引いたからといって、急にペースを上げてはいけません。また呼吸が浅くなり、血液が足りないところが出て痛みが再発するからです。またハイペースで走っている疲労から体の軸がブレていることがあり、重心がどちらか一方に傾いて負担をかけてしまっていることもあります。

痛みが引いたとしても、急に飛ばすようなことはせず、少しずつ上げるとよいでしょう。

深呼吸も有効な対処法ですよ。脇腹の痛みの多くは横隔膜が引っ張られてしまっていることが原因として挙げられています。一旦落ち着いた状態で腹式呼吸を行うと、横隔膜を始めとした呼吸筋のリラックスができます。浅くなった呼吸を整えることができるため、脇腹に痛みが出たときは、深呼吸して呼吸を落ち着かせるのもよいでしょう。

横っ腹に痛みが出ているのは、横隔膜だけでなくお腹周りの筋肉が緊張して固まっている可能性もあります。痛みがないほうに体を倒して深呼吸をするだけで、お腹周りの筋肉がリラックスして痛みが和らぎますよ。伸ばす際のポイントは以下の通りです。

・痛いほうの手を上げて痛くないほうに体を倒していく
・倒すときはなるべく遠くに倒れていくようにイメージする
・息をゆっくり長く吐きながら倒す
・姿勢を戻す際は息を吸いながら戻していく

痛くないほうへ体を倒すと、緊張で固まった横隔膜などの呼吸筋やお腹周りの筋肉が伸びて、ほぐれていきます。またこの際に深く呼吸を行うと、浅くなった呼吸を整えることができて、メンタル面でも落ち着きます。痛みがある場合は、痛くないほうに体に倒して伸ばすストレッチをしてみてもよいでしょう。

痛みが出ているところを押してマッサージするのも脇腹が痛くなったときに有効ですよ。マッサージすることで筋肉の緊張をほぐし、痛いの緩和に繋がります。詳しいやり方は以下の通りです。

・痛みがあるところに手を当てる
・息を吸いながら肋骨に向けて押していく
・息を吐きながらゆっくりと押しているところを開放する

マッサージする際のポイントは深く呼吸をすることです。深く呼吸することにより、体中に十分な酸素が行き渡り、筋肉の緊張状態を解くことができます。また深呼吸を繰り返すことで呼吸が整い、気持ちも落ち着いていくため、マッサージするときは深く呼吸することを意識しましょう。

どうしても脇腹の痛みが気になる場合は、立ち止まって深呼吸したり、水分補給をしたりして休憩をしましょう。無理して走っても姿勢が改善されないままのため、脇腹の痛みが激しくなってしまいます。さらにフォームが崩れていたり、十分に酸素が取り込めていなかったりするとダイエット効果も減少して成果が出にくくなります。

立ち止まって休息を取って、落ち着いたらゆっくり走り出したり、ウォーキングに切り替えたりとその日の体調に合わせてランニングを楽しみましょう。

ランニング中によく起きてしまう脇腹の痛みですが、事前に予防することができます。さっそく予防策を見てましょう。

体幹を鍛えることで上半身がブレにくくなり、脇腹の痛みを予防することができます。上半身のブレがなくなれば、内臓が揺れて横隔膜が引っ張られることが少なくなるからです。体幹を鍛えるにはいくつかのニューがありますが、中でもオススメなのはプランクです。時間がない人でも手軽に鍛えられますよ。プランクの詳しいやり方は以下の通りです。

・うつぶせになって肘で体を支える
・体が水平になるようにお尻の位置を調整する
・20秒～30秒キープ

この時にお尻の穴を締めることを意識すると、よりお腹のインナーマッスルが鍛えられ、体幹トレーニングの成果が出やすくなります。頻度としては1日に2～3セット行うだけで十分に鍛えらます。腹筋を鍛えることで正しいフォームを維持することができ、脇腹の痛みに悩まされるが少なくなるので積極的に行いましょう。

（筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください）

直前に食事をすると食べ物の消化が間に合わず、脇腹を圧迫して痛みを生み出してしまいます。また消化系の器官に血液が集中してしまうので、脾臓が新しく取り込んだ酸素を筋肉に届けようと何とかしようと慌ただしく動いてしまい、脇腹の痛みが生まれてしまいます。

十分に消化ができるように2～3時間前までには食事を取りましょう。消化がよい食べ物でも食物繊維が多いものはなるべく控え、糖質が多いものを摂るのがオススメです。ランニング前の食事にはバナナやトースト、おにぎりなどを食べるとよいでしょう。

他にも携帯食やドライフルーツなどもオススメですよ。食物繊維が多いものは走る際に胃に負担がかかってしまい、結果的に脇腹の痛みの原因となってしまいます。走る前の食事はエネルギーになりやすく、消化のよいものを食べるとよいでしょう。

食事以外にも水分補給もランニングを行う上では欠かせません。水分補給をせずに走り出してしまうと、内臓に負担がかかって脇腹の痛みへ発展することがあります。血液の循環が悪くなり、脾臓が新しく酸素を届けようと過剰に働いてしまうからです。

ランニング前に飲むのにオススメなのは、水やスポーツドリンクです。特にスポーツドリンクは水分と一緒に失われる糖分を補給できます。水分補給をする際は、一度に多くではなくこまめに取ることを心がけましょう。一気に飲んでしまうと逆に排出しようと体に負担がかかり、結果的に脇腹が痛くなることがあります。

（水分補給のタイミング・量・飲み方についてはこちらの記事も参考にしてみてください）

十分なウォームアップができていないと、血流が悪かったり、筋肉がほぐれていなかったりと体に負担がかかって脇腹の痛みにも繋がります。血流が悪いと脾臓が送ろうと過剰に動いて激しく収縮運動をするからです。筋肉が固まっていると本来の機能を果たせず脇腹へ痛みが出てしまいます。ケガの予防も含めてウォームアップは十分に行いましょう。

急に走り出して、体が慣れないペースで走り続けると内臓や筋肉に負担がかかってしまいます。最初はできるだけゆっくりと走り出して、少しずつペースを上げるように意識していきましょう。特にランニングを始めた頃は正しいフォームの維持や長距離を走る体力がついていないため、いきなり飛ばしてしまうと体へ十分に酸素が行き渡らずに痛みを出してしまいます。

深い呼吸ができるペースと十分に走り切れる距離を知って、ランニングを行っていきましょう。

（ランニングのペースの目安については以下の記事も参考にしてみてください）

正しいフォームで走ることで脇腹の痛みの予防だけでなく、ダイエット効果の向上も期待できます。ランニングをする際に意識するポイントは以下の通りです。

・顎を引いてまっすぐ遠くを見つめる
・頭から腰のラインは一直線に
・腕は前に出すように振らない

重心がどちらか一方に偏ったり、上半身が揺れていたりすると横隔膜や重心が傾いてい側の筋肉に負荷がかかって痛みが発生します。特に疲れているときはフォームが崩れてくるので要注意です。疲労を感じてきた際は、正しいフォームを思い出して意識するように心がけましょう。

ランニング中に脇腹が痛くなったという、という方の体験談をいくつか紹介します。

走り出してからすぐに脇腹が痛くなって、ランニングを中止してしまい、気持ちも落ち込むことがありますよね。

脇腹の痛みが原因でタイムが伸びないということに繋がるので、早期に解決することが重要ですね。

走っている最中に脇腹が痛くなったら無理をせず、その日の体調に合わせてゆっくり歩きながら深呼吸をして痛みを和らげるのも対処法の一つですよ。

体が追いつけないペースで走っていることで、脇腹に痛みが発生している可能性がありますから、脇腹に痛みを感じた際はペースダウンも有効です。

ランニングの中の脇腹の痛みは事前に予防するだけで痛みを軽くしたり、痛める頻度減らしたりすることができます。またランニングを行っている最中に痛みが起きても落ち着いて対処すれば、痛みを緩和してランニング集中することができます。脇腹の痛みは放っておくとストレスとなって効果が激減してしまうため、早めに解決して楽しくランニングを行いましょう。