遅く長く走る『LSDトレーニング』の目的・効果は?正しいやり方〜体験談まで紹介

今回は、LSD(ロングスローディスタンス)トレーニングについて解説していきます。正しいフォームからランニング中の速度や心拍数、毎日行うかどうかの頻度や先輩たちの体験談まで紹介します。サッカーなどランニング力が必要なスポーツをされている方も必見です。

監修 |パーソナルトレーナー 柴山智幸
『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。 【所属】 出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表 【資格】 ...
『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成+機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。 【所属】 出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表 【資格】 NCCA 全日本コンディショニングコーチ協会認定フィジカルトレーニングコーチ ADVANCE メンタルコンディショニングコーチ BASIC フィジカルトレーニングコーチ養成講師 HP Instagram Twitter

目次

  1. LSD(ロングスローディスタンス)とは?
  2. LSDトレーニングの目的と効果
  3. 全身持久力が向上する
  4. マラソン向きの体質に
  5. ダイエットに効果的
  6. ランニングの習慣化・差別化
  7. 効率的なフォーム取得
  8. LSDトレーニングの正しいやり方
  9. LSDを行う頻度は週に1回程度
  10. 1kmを7分ほどのペースで走る
  11. 腕を振る幅は10cmくらい
  12. 足はフラットに接地する
  13. 体幹を意識する
  14. 音楽でも聴きながらゆっくりと
  15. 綺麗な姿勢やフォームを保つ
  16. LSDトレーニングを取り入れた人の体験談
  17. 持久力がつく
  18. 疲れにくいからだになる
  19. ダイエットに有効
  20. 初心者に向いている
  21. 効果はすぐには出ない
  22. ランニング能力が向上する
  23. LSDランニングを取り入れてみよう!

LSD(ロングスローディスタンス)とは?

LSDは「Long」「Slow」「Distance」の頭文字をとった言葉で「長く」「ゆっくり」「距離を」走るトレーニング方法のことです。

具体的には、1kmを7分くらいのスピードで1時間以上走り、心拍数が120~130拍/分以下のゆっくりしたペースで行います。ひとりで走るなら早歩きより少し速いくらいの、音楽を口ずさんだり景色を眺めたりできるスピードをイメージしてください。友人と一緒の場合だと、おしゃべりできるほどのペースで走りましょう。

ダイエット目的の人やランニング初心者でも行いやすい上に、トップレベルのマラソンランナーも積極的に取り入れるほどの効果が期待できるトレーニングメニューです。

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LSDトレーニングの目的と効果

ここでは、LSDトレーニングを行う目的や効果を解説していきます。マラソンのタイムを向上させる以外にも様々なメリットがあるので、しっかり把握した上で取り組んでください。

全身持久力が向上する

LSDトレーニングは長い距離をゆっくり走るため、全身の持久力アップに効果があります。さらに心肺機能や筋力の向上が見込め、ランニング効率が高まることでランナーとしてのレベルアップに繋がるのです。

また、マラソンや長距離走だけでなく、サッカーやラグビー、バスケットボールなどといった持久力が必要なスポーツを行っている人にも効果的なトレーニングとなっています。

マラソン向きの体質に

無駄な脂肪がついていたり速筋繊維の割合が多いスプリンター体質の人は、マラソン向きの体質ではありません。しかし、有酸素運動であるLSDトレーニングを続けることで脂肪燃焼を促進し、遅筋繊維が発達していくためマラソン向きの体質へと変えることが可能なのです。

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ダイエットに効果的

LSDトレーニングは脂肪燃焼に効果的と先程言いましたが、さらに比較的負荷が軽めの有酸素運動のためダイエットに向いています。ゆっくりしたペースで走れて毎日行う必要がないため、普段走らない人や継続することが苦手な人でも続けやすいメニューです。

LSDトレーニングを行う頻度は人によって様々ですが、ダイエット目的やランニング初心者の人は週に1回を目安に行うことをおすすめします。他の日は普通にランニングやジョギングをしたり、他のトレーニングに時間を費やすことで、さらなるレベルアップやダイエット効果が見込めるでしょう。

ランニングの習慣化・差別化

きついランニングや有酸素運動を継続して行うことは意外と難しいものです。その点LSDトレーニングはゆっくりと走ることができるため、初心者でもランニングが習慣化しやすいメリットがあります。

すでにランニングが習慣化している人は、普段どおり走る日の合間にLSDトレーニングを取り入れてみてください。マンネリ化を防ぎ、違う刺激を与えることでレベルアップを見込めます。

効率的なフォーム取得

LSDトレーニングを行う際にペースを上げることは厳禁で、一定のペースで走り続けることが大切です。速く走る必要がないので変に力むことなく脱力した状態で走れます。そうすることで、筋力ではなく重心移動を使った効率的なフォームが取得しやすくなるのです。

次に説明する正しいフォームややり方を意識・取得して走ることで、LSDトレーニングの効果を最大限発揮しましょう。

LSDトレーニングの正しいやり方

LSDを行う頻度は週に1回程度

LSDトレーニング自体の負荷は有酸素運動としては軽めですが、普段走っているときとは違う箇所に刺激が与えられます。従ってLSDトレーニング初心者は、膝関節や股関節まわり、背中などが筋肉痛に。しかし、それはLSDトレーニングを正しく行え、普段とは違う筋肉に刺激や意識がいっている証拠なのです。

通常のランニングとは違う、さまざまな刺激を与えることでランナーとしてのレベルアップを図ることができます。例えば、土曜日はいつも通りのスピードや距離のランニングを行って日曜日にLSDトレーニングを行うなど、週に1回程度トレーニングに取り入れると効果的です。


1kmを7分ほどのペースで走る

LSDトレーニングはその名の通り、長い距離をゆっくり走ることです。1km7分くらいのペースを保ち、1時間から1時間20分ほど走りましょう。慣れてきたらスピードを上げるのではなく、走る距離や時間を伸ばすことが重要です。

大切なことはペースを上げないことです。スピードを上げたくなっても我慢して、1km7分ほどのペースを守ることでLSDトレーニングの効果が正しく発揮されます。

腕を振る幅は10cmくらい

ランニング中の腕の振りは小さく10cmくらいで十分です。上体をしっかり起こして、腕を引くように振ることを意識してください。

足はフラットに接地する

着地する際は足をフラットに接地することが大切です。腕の振りと同様に歩幅も狭くすることで、足がフラットに接地しやすくなります。

ゆっくりとしたペースで走っているので息が上がりにくい反面、フラット着地で長時間ランニングをすることで足への疲労が大きくなり刺激がしっかり伝わるのです。従って、心肺を使う練習をした翌日にLSDトレーニングを取り入れるといいでしょう。

体幹を意識する

LSDトレーニングは腕の振りや歩幅を狭くして小刻みに足を踏み出すため、体幹を意識して小さなジャンプをくりかえすイメージで行ってください。そうすることで首まわりや体幹も同時に鍛えられます。

音楽でも聴きながらゆっくりと

友人と走る場合はおしゃべりしながら、ひとりで走るときは音楽を聴くなどしてゆっくり走りましょう。何度も言いますが、LSDトレーニングで大切なのはペースを上げないこと。ゆったりリラックスしながら、目標の時間がくるまでペースをキープしてください。

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綺麗な姿勢やフォームを保つ

ランニング中は背中を丸めることなく腹筋や太ももなどへの意識を忘れず、綺麗なフォームを保ちましょう。綺麗なフォームや姿勢を保とうとするだけでからだへの負荷が増し、より効果的なトレーニングになります。

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LSDトレーニングを取り入れた人の体験談

ここでは、実際にLSDトレーニングを取り入れた人たちの体験談を紹介していきます。リアルな声を参考にして、LSDトレーニングを行うかどうか決めてみてはいかかでしょう。

持久力がつく

LSDトレーニングの効果が絶大なようで、持久力がついたと実感できるようです。やはり何事も「継続は力なり」の格言が響いてきます。

疲れにくいからだになる

ヤフー知恵袋

男性 会社員

LSDはゆっくり長く走るというより
身体を動かし続けるということです。

ですから途中歩いても全然構いません。

ゆっくり動き続けることで毛細血管が発達して
疲れにくいからだになっていきます。

はじめたばかりのころは疲れたら歩いてもOKで、止まらずにからだを動かし続けることの方が大切なようです。LSDトレーニングを続ける内に歩かなくても大丈夫になって、疲れにくいからだが実感できます。

ダイエットに有効

LSDトレーニングは脂肪燃焼効果が高いので、ダイエットに向いています。男性だけでなく女性でも取り組みやすいのがLSDトレーニングの利点のひとつです。

初心者に向いている

ヤフー知恵袋

男性

走る事そのものが初心者レベルの方で、「長距離走を始めたい」や「長距離を走れる体にしたい」や「同時に体重も落としたい」等の場合は、LSDはかなりの効果が期待出来ると思います。

取り組みやすくて継続しやすく、さらに長距離を走ることができるからだを作ってくれるLSDトレーニング。ランニング初心者にとって強い味方になってくれます。

効果はすぐには出ない

筋トレやダイエットで即効性のあるものはほとんどありません。即効性のあるものは、逆に言えばすぐに反動がやってくる可能性が。LSDトレーニングは、コツコツ継続して行うことでからだの内側から徐々に変化を加えてくれるため、やり続けることが大切になってきます。

ランニング能力が向上する

ヤフー知恵袋

男性

LSDは一流ランナーから初心者まで有効ですよ。
長い距離をゆっくり走ることによって、全身の持久力を高めることにあります。
長い距離を走るにはゆっくりしたスピードで、できれば1時間以上走り続けるといいです。
心拍数で言うと、120~130拍/分以下のゆっくりしたスピードです。
友人と会話しながら走れるスピードと言えます。
LSDはランニング効率を高めてくれます。心肺機能や持久力、筋力も向上させます。
ペース走やインターバルなどでさらに鍛えることができますが。
まずはLSDなどが一番有効です。

初心者から一流ランナーまで、LSDトレーニングはレベルに関わらずランニング能力を向上させてくれるようです。ランナーにだけでなく、ランニング能力が必要なサッカーやらバスケなど多くのスポーツにも効果的なトレーニングとなっています。

LSDランニングを取り入れてみよう!

ランナーとしてのレベルアップを図りたいのなら、LSDトレーニングをぜひ行ってください。さまざまな効果やメリットによって、通常のランニングとは異なるメニューとして活躍してくれます。ゆっくりとしたペースを保ち続けることで、いつものランニングコースが違って見えることも。からだにはしっかり負荷がかかるので、心はゆったり楽しみながら走りましょう。