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【上腕二頭筋のストレッチ】肩こり解消効果もあるメニュー&やり方のコツを解説

2020年05月07日

上腕二頭筋は腕の力こぶの部分を形成する筋肉の一つです。長頭と短頭の二頭で構成され、日常生活の中での肘を曲げる・物を持つ動作などに使われる筋肉となります。そのため疲れやすく、こまめなストレッチが必要です。今回は上腕二頭筋のストレッチについて紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー 福田翔馬

【所属】広島県内整形外科クリニック
【経歴】2013年広島大学卒業、理学療法士免許取得。以後広島県内整形外科クリニックにて理学療法士として活動する傍ら、社会人野球チームのトレーナーとしても帯同。現在も小児から高齢者まで幅広い世代のリハビリを行う。

上腕二頭筋が疲れやすい原因

上腕二頭筋は、長頭と短頭という2種類の筋肉で構成されている部位です。上腕二頭筋は日常生活で酷使されがちで、疲れを溜め込みやすい部位といえます。疲れが溜まり硬くなってしまった上腕二頭筋はストレッチやマッサージなどで伸ばしたり、ほぐして緩めることが必要です。疲れを溜めたままにしておくと、身体の不調を引き起こす可能性があります。

(上腕二頭筋の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

日常生活で頻繁に使われている【上腕二頭筋が疲れやすい原因】

上腕二頭筋は二の腕にある筋肉です。主に肘の曲げ伸ばしといった動きに必要な筋肉で、荷物を持つなどの日常の動作でも使われます。パソコンやスマホを使っている時などは、常に収縮した状態となるのです。意識していなくても、酷使されたり全く動かさない状態で放置されています。

日常生活で頻繁に行われる動きに使われる筋肉なので疲れが溜まりやすいのです。また、疲れを溜め込んだ上腕二頭筋は、徐々に硬くなって縮んでしまいます。その結果、血流が悪くなって全身のだるさや重みを自覚するようになるのです。

上腕二頭筋のケアをしない【上腕二頭筋が疲れやすい原因】

上腕二頭筋の使いすぎで筋肉痛を引き起こしているにも関わらず放置していると、筋肉が断裂してしまう恐れもあります。四十肩や五十肩の方の場合、上腕二頭筋が疲労しすぎていることが原因の可能性もあるでしょう。

一度断裂してしまうと、治療としては手術をして治すしかありません。手術後にはリハビリも必要となるので筋肉の断裂を避けるためにも、上腕二頭筋をこまめにほぐしてケアしておくことが大切です。

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上腕二頭筋のストレッチをするメリット

日々忙しく過ごしていく中でついついおざなりになりがちなのが、体の筋肉を緩めることです。しかし、上腕二頭筋の疲れは溜まっていくほど硬くなっていってしまうのです。硬くなった上腕二頭筋は、繋がりのある肩の部位の筋肉にも影響を及ぼします。

そのためストレッチやマッサージを行い、上腕二頭筋の柔軟性を高める必要があります。ストレッチやマッサージをしっかりと行い、硬くこわばる筋肉をほぐしてあげましょう。

腕の疲労の改善につながる【上腕二頭筋のストレッチをするメリット】

腕の疲労の原因は、悪くなった血流や筋肉が固くなり縮んでしまっている状態です。上腕二頭筋をストレッチして、血流をよくしてやり筋肉をほぐして柔軟にすることが疲労の改善に繋がります。

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姿勢の改善につながる【上腕二頭筋のストレッチをするメリット】

上腕二頭筋が硬くなると、姿勢が悪くなってしまいます。上腕二頭筋は肩甲骨に繋がっているので、硬くなると肩甲骨を前方に引っ張ることになるのです。すると背中が丸まってしまったり、肩が前に巻いてしまうこともあります。

猫背や巻き肩の方は上腕二頭筋が硬くなっている可能性があるので、ぜひストレッチを取り入れて筋肉の柔軟性を取り戻しましょう。また肩甲骨も正しい位置に戻せることもメリットの1つです。

肩こりの解消につながる【上腕二頭筋のストレッチをするメリット】

上腕二頭筋が硬くなると、肩こりの原因にもなります。上腕二頭筋が硬いと、肩甲骨を前方や下方に引っ張る方向に負荷がかかるのです。その負荷とバランスを取るために、僧帽筋や肩甲挙筋などの筋肉が張りつめてしまいます。上腕二頭筋のストレッチで筋肉を柔軟にし肩甲骨を正しい位置に戻すことで僧帽筋や肩甲挙筋の緊張を緩和し、肩こりも解消されます。

上腕二頭筋のストレッチメニュー

上腕二頭筋の簡単にできるストレッチをご紹介します。座った状態や立った状態などそれぞれ異なる姿勢で行うストレッチ方法となります。上腕二頭筋を伸ばすと痛い方や筋肉痛を引き起こしている方は、無理をせず気持ちよくできる範囲で自分に合ったストレッチを行ってください。

①腕を捻る上腕二頭筋ストレッチ【上腕二頭筋のストレッチメニュー】

猫背や巻き肩の原因はいろいろありますが、実は上腕二頭筋が硬くなってしまったことが原因になることもあるのです。上腕二頭筋は名のとおり、長頭と短頭という二つの筋肉から成り立っています。上腕二頭筋が固まってしまうと、腕が下におりた状態で肩が前に出てきてしまいます。それにより、猫背や巻き肩に繋がっていくのです。

▼腕を捻る上腕二頭筋のストレッチのやり方

①高さのある台を用意し、台の反対側を向く
②前腕を内側にひねり、手を台にのせる
③肘関節、肩関節をしっかり伸ばす
④そのまま体を落としながら胸を張っていく
⑤鼻から息を吸って口から息を吐いていく
⑥姿勢をキープする
⑦反対側も同様に行う

体を落として胸を張ったらゆっくり4秒間息を吸って、8秒間息を吐きながら行いましょう。

▼腕を捻る上腕二頭筋のストレッチのコツ&注意点

・手は手の甲が下になるようにして台に乗せる

腕や肩の本来動く方向と逆に伸ばすことで効果が出るストレッチです。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

このストレッチは胸が丸くなると、肘まで曲がってしまいやすいです。膝が曲がると上腕二頭筋がストレッチされないので、胸を張るように意識しましょう。

②椅子を使う上腕二頭筋ストレッチ【上腕二頭筋のストレッチメニュー】

椅子を使って、上腕二頭筋と力こぶをほぐせるストレッチです。上腕二頭筋の筋肉が硬くなると、肩ごと一緒に前側に引っ張ってしまいます。そうなると、猫背や姿勢の崩れにもつながってしまうのです。姿勢が気になる方はぜひ試してみてください。

▼椅子を使う上腕二頭筋のストレッチのやり方

①椅子を用意して、椅子を後ろにして座る
②後ろ向きのまま椅子に片手をつく
③体の重心を前に移動して静止する
④反対側の腕も同様に行う

20秒間静止して行ってください。

▼椅子を使う上腕二頭筋のストレッチのコツ&注意点

・椅子には指先を下にして手をつく
・体を前に移動する時は肩が内に入らないようにする
・痛みのない気持ちいい範囲で行う

体を前に移動する時に肩が内に入ってしまうと、上腕二頭筋の長頭にも短頭にも効果が出ないので正しいフォームで行いましょう。

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体を前に倒すとかに、視線が下がらないようにしましょう。視線が下がると体としては屈筋、つまり上腕二頭筋にも力が入りやすくなりますので、背筋を伸ばして視線を上げましょう。

③仰向き上腕二頭筋ストレッチ【上腕二頭筋のストレッチメニュー】

力こぶをつくっている筋肉、上腕二頭筋のストレッチです。球を投げる動作など腕を大きく使うスポーツではこの上腕二頭筋が酷使されるので、運動の前後でこのストレッチを行われることをおすすめします。

▼上腕二頭筋のストレッチのやり方

①床に足を伸ばして座り、両手を後ろにつく
②足の裏を床につけ、お尻を近づけていく
③両腕を後ろに動かし、心地よく伸びるところで静止する

両腕を伸ばしたら20秒間キープします。

▼上腕二頭筋のストレッチのコツ&注意点

・両腕を後ろに動かす時、気持ちよく伸ばせるところまで伸ばす
・背中から伸ばさずに胸を張って伸ばす

両腕を後ろに動かす時に、背中が丸まっていると効果が出ないので注意しましょう。

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しっかりと伸ばしたい時は指を体と同じ方向に向けましょう。そうすると上腕二頭筋と連結がある前腕の屈筋も伸びるため、より効果的です。

④壁を使う上腕二頭筋ストレッチ【上腕二頭筋のストレッチメニュー】

上腕二頭筋の役割は肘を曲げることと、肘関節を外方向にに回すことの2種類です。壁を使った簡単なストレッチをご紹介します。このストレッチでは、通常の上腕二頭筋が行っている動きの真逆の動きを行っていきます。肘を伸ばすこと、肘関節を内方向に回すことが重要です。

▼壁を使う上腕二頭筋のストレッチのやり方

①壁に向かって立つ
②肩のライン上で肘・手首を真っすぐに伸ばす
③親人差し指の側面を壁につける
④肘だけを壁方向にぐるっと回す
⑤力こぶの筋肉が壁に近づいていくように体重をかけて静止する
⑧反対側の手も同様に行う

20秒間静止しましょう。

▼壁を使う上腕二頭筋のストレッチのコツ&注意点

・肩はまっすぐ、肘だけを回転させる
・肘関節を壁方向に回す時に肩関節を回さない
・力こぶの部分だけを壁に近づける
・肩関節が入ってしまうと胸が伸びてしまうので注意する
・力こぶの部分が伸びているかを確認しながら行う

手を当てる位置の高さを変えると伸び感がわかりやすいです。痛みが出るほど行う必要はないので、気持ちよく伸ばせる範囲で行いましょう。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

肩を前に出す意識だと上腕二頭筋に力が入ることがあります。手で壁を押さえつつ、体を捻る意識を持つと上腕二頭筋にストレッチがかかりやすいです。

⑤指でつまむだけの上腕二頭筋ストレッチ【上腕二頭筋のストレッチメニュー】

上腕の筋肉が癒着してしまうと日常的な肩コリに悩まされたり、運動をしている方は肩を動かす際にスムーズに動かせなくなります。また、筋トレを行っても腕まわりの筋肉は発達するのに胸周りの筋肉が発達しにくくなるという状況もおこってくるのです。今回は上腕二頭筋の短頭と長頭を意識しながら腕の筋肉を緩める、ちょっと変わったストレッチをご紹介します。

▼指でつまむだけの上腕二頭筋ストレッチのやり方

①片腕をだらんと下ろし、上腕筋をもう片方の手の指先でぐりぐりとマッサージする
②上腕二頭筋の長頭と短頭を中央にまとめるように指でつまむ
③そのまま左右に揺らし、腕の内側に持っていく
④再度上腕二頭筋をつまみ直し、肘の内側に持っていく
⑥反対側の腕も同様に行う

上腕三頭筋を左右に揺らすときは約10秒間行いましょう。

▼指でつまむだけの上腕二頭筋ストレッチのコツ&注意点

・上腕筋のマッサージは前方に押し出すようにする
・肘の内側に持っていくストレッチは腕を使う運動をする人に特に有効

上腕二頭筋が長頭と短頭に分かれた筋肉であることと、その2つの筋肉部位を1つに合わせている意識をすることが重要です。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

上腕二頭筋の内側頭と外側頭の間には、わずかですが溝があります。優しく触って溝を探し出し、溝に手を入れながら行うとより効果的です。

上腕二頭筋をほぐすセルフマッサージ

上腕二頭筋を使いすぎると痛くなり、四十肩や五十肩の原因となります。痛みがひどくなったまま放置していると上腕二頭筋の腱が断裂してしまうおそれもあります。このマッサージは四十肩や五十肩になってしまった方にも有効なセルフケアです。四十肩や五十肩の方にも、無理のない範囲で行われることをおすすめします。

▼上腕二頭筋のセルフマッサージのやり方

①上腕二頭筋の硬くなっている部分を反対側の手の親指で押さえる
②腕の曲げ伸ばしを行う
③上腕二頭筋で別の硬くなっている部分を探して親指で押さえる
④腕の曲げ伸ばしを行う
⑤反対側の腕も同様に行う

親指で押さえながらの腕の曲げ伸ばし動作は、それぞれ部位ごとに5回程行ってください。

▼上腕二頭筋のセルフマッサージのコツ&注意点

・上腕二頭筋を硬くなっている部分は指で探り当てる
・マッサージは目安として3ヶ所で行うとより効果的

四十肩や五十肩で痛くて腕の上がらない方も、痛い思いをせずにできるマッサージです。痛みを我慢しても効果がでるわけではありません。痛みの出る場合は、専門家の指示を仰いでください。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

膝の曲げ伸ばしの時には、筋肉に必ず緊張が入る瞬間があります。その時に、指を抑えすぎていると筋肉が傷んでしまうので、優しく押さえるようにしましょう。

上腕二頭筋のストレッチをする際のコツ&注意点

上腕二頭筋を伸ばすストレッチをするにも、気を付けておきたいことがあります。それは無理をして、かえって上腕二頭筋を傷つけてしまわないことです。筋肉が傷ついて断裂してしまえば治療にも時間がかかり、痛みも長引きます。せっかくストレッチを行うので、コツをつかんで効率よく筋肉を伸ばしていきましょう。

深く呼吸をしながら行う【上腕二頭筋のストレッチのコツ&注意点】

ストレッチをする時に大事なことは、筋肉を無理なく伸ばすことです。筋肉は、呼吸が浅いと緊張して伸びにくくなってしまいます。深く呼吸を繰り返すと体全体が緩むので、その時にストレッチを行うとよいでしょう。筋肉のこわばりがとれ、伸びやすくなります。息を吐く時に特に脱力しやすいので、息を吐きながら筋肉を伸ばす動作を行いましょう。

(筋トレの呼吸法については以下の記事も参考にしてみてください)

こまめにストレッチを行う【上腕二頭筋のストレッチのコツ&注意点】

ストレッチは、基本的に1日1回以上行いましょう。ストレッチを行うことで筋肉を伸ばし、柔軟性を高めることができます。ストレッチを行っても筋肉が柔軟にならない方は、筋肉を伸ばして硬直を緩める時間よりも、筋肉が縮んで硬直している時間の割合が大きいことが原因でしょう。

1日の始まりの朝に全身ストレッチしておけば、全身につながっている筋肉で体全体が満遍なく緩められます。緩めた後に気になる部位のストレッチを行ことで柔軟性も上がり、不調が解消しやすくなるでしょう。

リハビリ目的のストレッチ【上腕二頭筋のストレッチのコツ&注意点】

怪我による筋肉の損傷からリハビリ目的でストレッチを行う人もいます。早く筋肉を回復させたくて少々きつめの刺激を与えた方がよいのではと考える人もいるでしょう。しかし、痛みを感じるまで無理をしてストレッチを行うことはおすすめしません。特に上腕二頭筋は細く繊細な筋肉部位なので、無理をすると筋肉が断裂してしまいます。

筋肉が断裂すれば、治療方法は手術しかありません。さらに悪化してしまうリスクも高くなるので、軽めのストレッチを行ってください。多少の時間はかかりますが、きちんと筋肉は柔軟になっていきます。焦らずに少しずつでも着実に筋肉を柔軟にし、緩めるようにしていきましょう。

肩こり解消目的のストレッチ【上腕二頭筋のストレッチのコツ&注意点】

硬くなった筋肉はひどい肩こりを引き起こし、肩こり解消のためにストレッチを行う人もいることでしょう。しかし、やり方を間違えてしまうと肩こり改善への効果は弱まり、肩の筋肉を痛めてしまう可能性もあるのです。硬い筋肉は無理に伸ばそうとしないように注意しましょう。

あまりにも肩こりがひどい方は肩の筋肉を伸ばすストレッチではなく、まずは肩まわりの筋肉をほぐすストレッチを行いましょう。すると肩の筋肉も刺激され、温まることで痛みを軽減できます。万が一、痛みが翌日まで続いた際には素人判断で対処するのではなく、専門家の診断を仰いだ方がよいでしょう。

上腕二頭筋のストレッチをして健康な身体へ

上腕二頭筋は腕の上部にある力こぶと呼ばれる筋肉の一部です。腕を伸ばしたり曲げたりする際に働き、物の持ち運びや腕を使って行う運動に関わる大切な筋肉です。

ストレッチを行うことで腕の疲れ解消や運動能力の向上、トレーニングの質を上げることに繋がります。筋肉の疲労からくる痛みや筋肉断裂予防のためにこまめにケアを行い、正しい方法で強化していきましょう。