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筋トレ・運動の知識

筋トレの呼吸法!息を止めるのはNG?種目別のやり方〜メリットを徹底解説!

2020年10月11日

【パーソナルトレーナー監修】しっかりとした呼吸法を身に着ければ、筋トレを今よりずっと効果的に行うことができます。ここでは基本的な筋トレ時の呼吸法から、そのメリットやベンチプレス 、スクワット、腹筋、腕立て伏せなど種目別の呼吸法まで紹介していきます。

【監修】パーソナルトレーナー 野上鉄夫

健康運動指導士/NSCA-CPT/JATI-ATI/トレーニング指導歴34年/指導人数1万人以上/Twitterフォロワー数15万人/YouTubeチャンネル登録者数1.5万人/ブログPV300万PV以上

筋トレ時は呼吸も意識すべき?

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みなさんは筋トレ中、呼吸を意識していますか。筋トレをはじめたばかりの方の中には、呼吸を全く意識せずに行っている方も少なくないでしょう。また呼吸は大事と分かっていても、実際にどうやって行えばよいか分からないという方もいると思います。

一口に呼吸といっても、胸式呼吸なのか腹式呼吸なのか、どのタイミングで吸うのか、どんな感じで吐けばいいのか、といったようにいろいろな方法が考えられます。

ここではそんな疑問に答えるべく、安全で効果的な筋トレを行うために、正しい呼吸法を詳しくさまざま角度から紹介していきます。ぜひこれを機会に筋トレの呼吸法をマスターしてみましょう。

筋トレで呼吸を止めるのはNG?

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結論から言うと、筋トレ中に呼吸を止める行為は初心者の方にはおすすめできません。特に体が弱い方や心臓の弱い方はNGです。筋トレ中に呼吸を止めてしまうと、体に酸素が回らなくなり血圧が上昇します。血圧が上昇すると、心臓や血管に負荷がかかってしまい、最悪の場合、失神に繋がるおそれがあります。

また筋トレ終了後に一気に血圧が戻ることによって、血流不足で失神してしまうケースもあります。筋トレ初心者の方や心臓の弱い方は必ず呼吸を意識しながら筋トレをするようにしましょう。

しかし、なかには例外もあります。それは「バルサルバ法」という呼吸方法です。これは中級者、上級者向けの呼吸方法で、一瞬呼吸を止めることによって最大限の力を発揮することができる特別な方法です。「バルサルバ法」については記事の後半で詳しく述べます。

筋トレ時の正しい呼吸法

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それでは筋トレ時の正しい呼吸法を見ていきましょう。正しい呼吸法を覚えて安全で効果的な筋トレを行うようにしていきましょう。

筋肉が伸びるときに吸って、筋肉が縮むときに吐く

筋トレ時は息を吸うタイミングと吐くタイミングが大切です。これを意識しないとバラバラに呼吸をしてしまいます。

息を吸うタイミングはメインとなる筋肉が伸びるとき、息を吐くタイミングは縮むときです。この「メインとなる筋肉」の伸び縮みを意識しながら行わないと、でたらめなタイミングで呼吸をしてしまう可能性があります。

メインの筋肉を意識するためにも、事前にこのトレーニングはどこ部分の筋肉を鍛えるものなのか理解しておくようにしましょう。

腹式呼吸

筋トレ中は腹式呼吸を行うようにしましょう。腹式呼吸は横隔膜を上下に動かすことによって行う呼吸法です。肋間筋を動かす胸式呼吸とは異なり、深呼吸をするときや歌うときなどによく使われます。

鼻から吸って口から吐く

鼻から吸って口から吐くようにしましょう。このとき激しく「スーハア、スーハア」と吸うのではなく、鼻からゆっくりと吸って、口から強く吐き出すように意識することが大事です。

(動画で説明を見たい方はこちら)

筋トレ時の呼吸法をマスターするメリット

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筋トレの呼吸法をマスターすることにはさまざまメリットがあります。きちんとメリットを理解したうえで呼吸法を取り入れれば、より効果的に筋トレを行うことができます。

筋肉に酸素を送ることができる

メインとなる筋肉が伸びているとき(力が抜けているとき)に吸って、筋肉が縮むとき(力を入れるとき)に吐く、また筋肉が伸びているとき(力が抜けているとき)に吸ってと繰り返すことで、酸素を取り込むサイクルが出来上がります。

筋トレ中の酸素のサイクルを作ることができれば、しっかりと筋肉に酸素を送ることができ、より効果的なトレーニングを行うことができます。

血圧の上昇を抑えることができる

筋トレ中は交感神経が優位な状態となっています。交感神経は主に体が活発に動いている時や緊張した時などに優位となる自律神経で、心拍数を上げ、血圧を上昇させる効果があります。

ただし、筋トレ中に急激に血圧を上昇させてしまうと、場合によっては失神してしまうおそれもあります。そこで大事なのが呼吸です。特に腹式呼吸は胸式呼吸とは異なり、副交感神経を刺激し体をリラックスさせる効果があります。げんに腹式呼吸は睡眠時などにみられ、血圧を下げることに役立ちます。

体幹が固定される

筋トレ時の呼吸には、息を吐くことによって腹筋がしまり、体幹が固定されるというメリットもあります。体幹が固定されれば、安定したフォームで筋トレができることはもちろんのこと、重りや自重に対してしっかりと力を入れることができます。

このように腹筋をしめて体幹を固定させるためには腹式呼吸が大事です。肺周辺だけ動かす胸式呼吸では上手く腹筋をしめることができません。

モチベーションアップ

これは呼吸というよりは心理的なものなのですが、息を吸ってスタンバイすることによって筋トレのモチベーションを上げるという効果もあります。例えば重量のある重りを上げる時などに、息を吸ってスタンバイすることによって「よし上げるぞ」という気持ちが沸き、これから始まる辛いトレーニングに対して高いモチベーションで挑むことができます。

筋トレ上級者は呼吸を止める『バルサルバ法』も効果的?

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上記でも少し触れましたが、筋トレ中級者、上級者がより効果的な筋トレを行うための呼吸法として、「バルサルバ法」というものがあります。これは簡単に言えば「いきむ」動作で、息を止めることによって、限界または限界以上の力を出すことができます。

実はこの「いきむ」動作は筋トレに精通していない方でも、普段の生活の中で無意識に行っています。例えば便通時や重たい荷物を持つときなどに、自然と人は息を止めいきんで力を入れようとします。

筋トレ中この呼吸法をしっかりと理解したうえで能動的に行えば、限界に近いまたは限界をこえた重量や回数を行うことができるため、より自分を追い込みたい方にはおすすめの呼吸方法です。

バルサルバ法のやり方と注意点

①息を吸う
②一番力をいれるタイミング(例えば上げる瞬間)で息を止める
③ある程度重りが上がったら息を吐く

バルサルバ法を効果的に利用するためには息を吸う必要があります。また胸式呼吸ではなく腹式呼吸で息を吸わなくては効果が表れません。そのため事前に基本的な呼吸方法をマスターしておく必要があります。またある程度重りが上がったら、安全のために必ず息を吐くようにすることが大切です。

この方法は呼吸を止めている間はどうしても血圧が上昇してしまいます。そのため筋トレに慣れている方でないと思わぬトラブルが発生してしまう可能性があるので注意しましょう。

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野上 鉄夫パーソナルトレーナー

バルサルバ法で最初に息を吸う理由の一つに息を吸う時は横隔膜が下がる為お腹の中の圧力が一時的に高まります。その状態から腹筋に力を入れて凹ますと多方向から腹部に圧力がかかる為、腹圧を効果的に高める事が出来ます。

(動画で説明を見たい方はこちら)

筋トレの種目別の呼吸法のコツ

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それでは次に種目別で呼吸法を見ていきましょう。どの種目でも言えることは、筋肉が縮んでいるときに息を吐き、伸びているときに吸うことです。しっかりとマスターして安全で効果的な筋トレを行えるようにしていきましょう。

腕立て伏せ【筋トレ時の呼吸法のコツ】

【息を吸うタイミング】上体を下げるとき(腕をまげるとき)
【息を吐くタイミング】上体を上げるとき(腕を伸ばすとき)

やり方にもよりますが、腕立て伏せで鍛えられる筋肉は主に大胸筋(むね)と上腕三頭筋(二の腕のうしろ)と三角筋(肩、腕のつけ根)です。それらの筋肉がしっかりと縮んだり伸びたりしていることを意識しながら、筋肉の動きと連動するように呼吸をしていきましょう。呼吸は胸式呼吸ではなく、必ず腹式呼吸です。

大胸筋を特に鍛えたい方は、手を肩から手のひらひとつぶん外に広げて行うと効果的です。


(動画で見たい方はこちら)

(腕立て伏せについては以下の記事も参考にしてみてください)

腹筋【筋トレ時の呼吸法のコツ】

【息を吸うタイミング】上体を下げるとき(お腹が縮むとき)
【息を吐くタイミング】上体を上げるとき(お腹が伸びるとき)

腹筋にもさまざまな方法がありますが、大事なことは腹筋を縮めるときに息を吐いて、腹筋を伸ばすときに息を吐くことです。これさえ意識すれば足上げ腹筋にも横腹筋にも応用させることができます。

上体を上げることよりも、筋肉が伸び縮みしていることを意識すると効果的です。

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野上 鉄夫パーソナルトレーナー

お腹を意識的に凹ましながら息を吐くドローインと言うエクササイズがあります。腹筋運動して行う際にこのドローインを併用すると、腹直筋だけでなくその内側にある腹横筋と言う体幹のインナーマッスルも同時に鍛える事が出来ます。

(動画で見たい方はこちら)

スクワット【筋トレ時の呼吸法のコツ】

【息を吸うタイミング】上体を下げるとき(ひざを曲げるとき)
【息を吐くタイミング】上体を上げるとき(ひざを伸ばすとき)

スクワットは主に大腿四頭筋(太ももの前)、大臀筋(お尻)、ハムストリングス(太ももの裏)、内転筋(太ももの内側)などを鍛えることができます。それらが縮んだり伸びたりしていることを意識しながら、呼吸をするようにしましょう。

体重は踵に体重を乗せるようにすると正しいフォームで行うことができます。上げるときも踵から蹴るように意識しましょう。

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野上 鉄夫パーソナルトレーナー

スクワットの際、初心者によく見られるエラーとして「下を向きすぎる」傾向があります。このフォームだと正しい呼吸の妨げになりますので充分注意してください。

(動画で見たい方はこちら)

(スクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)

懸垂【筋トレ時の呼吸法のコツ】

【息を吸うタイミング】体を下げるとき(肘を伸ばすときとき)
【息を吐くタイミング】体を持ち上げるとき(肘を曲げるとき)

懸垂は主に広背筋(肩甲骨のつけ根からお尻の部分)を鍛えるトレーニングです。広背筋を意識しながら、体を持ち上げるときに息を吐いて、体を下げるときに息を吐くようにしましょう。下げるときはゆっくりと体を下げることを意識して、息もそれに合わせてゆっくりと吸うようにすると、より効果的です。

腰から下は力を入れず、腕と背中だけで上げるようにすると効果的です。また真っすぐに上げることが大切です。

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野上 鉄夫パーソナルトレーナー

背中の筋トレでは、胸郭を広げながら行う動作が基本となる為、筋トレ本の中にはこの記事とは逆に力を入れる時に息を吸うと書いてある物もあります。しかし私もこの記事にあるように力を入れる時に息を吐く事が基本と思っています。息を吸いながらは力は出ないですよね。

(動画で見たい方はこちら)

ベンチプレス【筋トレ時の呼吸法のコツ】

【息を吸うタイミング】バーを下げるとき(ひざを曲げるとき)
【息を吐くタイミング】バーをを上げるとき(ひざを伸ばすとき)

ベンチプレスで鍛えられる筋肉は主に大胸筋、上腕三頭筋、三角筋です。ベンチプレスはどうしても呼吸を止めてしまいがちですが、酸素を取り込むためにもしっかりと呼吸をするようにしましょう。

バーを下す位置を大胸筋の下の辺りにすると安全で効果的です。また手首が寝てしまわないようにしましょう。

(動画で見たい方はこちら)

デッドリフト【筋トレ時の呼吸法のコツ】

【息を吸うタイミング】上体を下げるとき(ひざを曲げるとき)
【息を吐くタイミング】上体を上げるとき(ひざを伸ばすとき)

デッドリフトは主に脊柱起立筋(背中の中心部、頭から骨盤まで)や僧帽筋(背中中心の上部)、広背筋、ハムストリングス、大臀筋などを鍛えることができるトレーニングです。デッドリフトはしっかりと息を吸って腹圧をかけることがケガの防止にも繋がります。また腹圧をかけるためにも胸式呼吸ではなく、腹式呼吸を行うようにしましょう。

骨盤を前傾させてでっちりの態勢をつくると、ケガなく安全に行うことができます。

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野上 鉄夫パーソナルトレーナー

スクワットやデッドリフトは前傾姿勢となる為、背骨に「剪断力」という負荷のかかり方が起こります。これは背骨を前方にずらす方向にかかる負荷です。これに対抗して背骨(腰)を守る為にも背骨の前方にある体幹部の圧力を高めておく事はとても大切です。

(動画で見たい方はこちら)

レッグエクステンション【筋トレ時の呼吸法のコツ】

【息を吸うタイミング】足を下げるとき(ひざを曲げるとき)
【息を吐くタイミング】足を上げるとき(ひざを伸ばすとき)

レッグエクステンションは大腿四頭筋を鍛えるトレーニングです。大腿四頭筋の伸び縮みを意識しながら、それに合わせて呼吸をするようにしましょう。

足を持ち上げることよりも、大腿四頭筋の伸び縮みを感じながら行うと効果的です。

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野上 鉄夫パーソナルトレーナー

呼吸に関する質問は初心者のお客様によく頂きます。しかしあまり意識しすぎると特に初心者の方は筋トレの動作中よく分からなくなってしまい、正しい呼吸と「逆に」なってしまう方がいらっしゃいます。事前に何回か軽い負荷で練習してから本番のトレーニングに進むと良いでしょう。

(動画で見たい方はこちら)

呼吸法を意識して筋トレ効果UPを感じた人の体験談

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メインとなる筋肉がのびているときに息を吸って、縮んでいるときに息を吐く、この呼吸法によって効果がUPしたという体験談は多くみられます。また筋トレが苦しくなく楽になったという声も見られ、しっかりと酸素を取り入れることの大事さがうかがえます。

筋トレ中の呼吸法は著名な方も意識して取り入れています。筋トレ初心者の方はより意識して筋トレを行うようにしましょう。



上の体験談から分かる通り、筋トレを続けていく上で呼吸法は非常に大事な要素のひとつとなっています。また下の体験談のように「筋トレの呼吸法は大事」だという声も多くみられます。



筋トレの成果を早く出すには呼吸も意識すべき!

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筋トレは呼吸を意識するこっとによって安全で効果的に行うことができます。反対に呼吸を止めて筋トレをすると血圧が上昇し、場合によっては思わぬトラブルが起こってしまう可能性があります。

一口に筋トレといってもさまざま種類のものがありますが、大事なことは「メインとなる筋肉が伸びているときに吸い、縮んでいるときに吸う」ことです。これさえ意識していれば、ここで紹介しきれなかった種類の筋トレにも応用させることができます。

また胸式呼吸ではなく、腹筋がしまり且つ副交感神経を刺激する腹式呼吸で呼吸をすることも大事となってきます。呼吸法をマスターしてよりよい筋トレライフを送れるようにしましょう。