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ベンチプレスでMAX値が伸びない…。
逞しい胸板を作り、さらにBIG3の種目としても有名なベンチプレスはジムでは人気がある種目です。最近ではテレビ番組などでも有名人がベンチプレスの記録に挑戦するシーンなどが放送されるなどして、その人気はさらに高まっています。
しかし、ベンチプレスは初心者の頃は順調に重量を伸ばせても、中級者以上のレベルになると突然重量が伸び悩む人が増え始めるのです。いわゆる停滞期と呼ばれる時期ですが、停滞期は正しい対策をしないといつまで経っても抜け出せません。
この記事ではベンチプレスのトレーニングで重量が停滞してしまう原因と解決策、また目標のMAX値別にするべき筋トレや習慣などを解説します。無理して怪我をする前に一度参考にしてください。
山本 舜パーソナルトレーナー
筋トレをしていると人に言うと十中八九聞かれることが「ベンチプレス何kg挙がるの?」では無いでしょうか? 特に最近ではテレビでベンチプレスの回数を競う番組が放送されていたりとベンチプレスは筋トレの中で最もメジャー種目です。 ベンチプレスは上半身の筋肉のみならず体幹、脚などの全ての筋肉を使うハードトレーニング! 「ベンチプレス何kg?」と言われた時に堂々と100kgオーバーの数字を言えるようにしましょう!
(有名人のベンチプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
有名人のベンチプレスMAX重量まとめ!芸能人・アスリートなど重さ別に全網羅!
出典:Slope[スロープ]
ベンチプレスのMAX値が伸びない原因
ベンチプレスのMAX値が伸びない原因はいくつもあります。これから代表的な原因を解説しますので、まずはどの原因に当てはまっているのかチェックしてみましょう。
中枢神経系の抑制力と学習効果の頭打ち
ベンチプレスのトレーニングを始めたばかりの初心者は毎回のように重量を伸ばせるでしょう。しかし、あるところで伸び悩み始めます。そしてその最初の1、2ヶ月停滞期の原因に多いのが中枢神経系の抑制力と学習効果の頭打ちなのです。
実は筋肉は中枢神経系が抑制をしていて、100%の筋力を出せないようになっています。しかし、トレーニングを重ねると抑制の力が低くなり、それによってより大きな力が発揮できるのです。その結果、重量が伸びるのですが、当然発揮できる割合には上限があります。その上限に近付くと重量が伸びづらくなってしまうのです。
そしてもう1つの学習効果とは、文字通り動きを学習して慣れ、無駄な力を使わずに効率的に動作ができる効果を意味します。特にベンチプレスなどの複雑な動きでは影響が大きく、慣れれば慣れるだけ重量を伸ばせます。しかし、効率性も上限がありますから、動作に慣れるに従って学習効果による成長も遅くなり、いずれ停滞期になってしまうのです。
山本 舜パーソナルトレーナー
人間が100%の力を発揮できないのは、防衛本能が働く為です。 人間の身体は賢く設計されていて、怪我や身体が傷つくと感じた場合は反射的に力の発揮を抑制したり、その危機的状況を回避する動作を行います。
筋肉のサイズが変化していない
筋力の発揮は筋肉の断面積と正の相関、つまり筋肉の断面積が大きいほど高い筋力を発揮できる関係性は既にいくつかの実験で明らかになっています。この結果からもわかる通り、筋トレをしているのにも関わらず大胸筋や上腕三頭筋、三角筋等の筋肉のサイズが変化していないと発揮できる筋力も変化せず停滞期に陥る可能性があるのです。
一般的に筋力を伸ばすためには筋力向上目的の重量・回数を扱う筋トレがおすすめされます。そのトレーニングでも筋肉のサイズは大きくなりますが、筋肥大に特化した高ボリュームのトレーニングよりは発達しません。
つまりベンチプレスの重量が伸びないからと筋力特化の筋トレばかり続けていると潜在的な筋力向上も少なく停滞期に陥る可能性があるわけなのです。ちなみに筋量を増やすために必要な食事からの栄養や睡眠が不足するのも筋肉のサイズが変化しない理由なので、一度見直しておくと良いでしょう。
山本 舜パーソナルトレーナー
神経系が発達している人は軽量でも爆発的な筋力を発揮しますが、それはごく一部のケースで、重量を伸ばすためにはそれ相応の筋肉を付ける必要があります。 また重量に見合う筋力があれば、怪我のリスクを減らす事にも繋がります。 筋肥大期→神経系強化期→筋肥大期のようにピリオダイゼーションを組むのも良いでしょう。
(大胸筋や上腕三頭筋の筋肥大に効果的なベンチプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
リバースグリップベンチプレスのやり方!大胸筋上部に効かない際のコツまで解説!
出典:Slope[スロープ]
心理的な影響
心理的な影響もベンチプレスの重量が伸びない原因の1つです。筋肉はそれぞれ潜在的に発揮できる筋力がありますが、前述の通り人は神経からの抑制を受けるのでその筋力を最大にまで発揮できません。訓練をしていても最大で85%から90%程度だと研究からわかっています。
しかし、例え訓練をしていてもこの85%や90%まで発揮できるわけではありません。なぜなら高重量を持ち上げる時にどこまで集中して筋力を使えるのかはその時の心理や精神状況で変わるからです。例えば、肉体的には100kg持ち上げられるポテンシャルがあっても、無理と考えてしまって筋力を50%や60%しか発揮できずに持ち上げられないケースも珍しくはありません。
反対にトレーナーなどから声掛けがあって、本来よりも20%や30%も強く筋力を発揮できたケースもあります。このように心理的な影響は良い方向にも悪い方向にも働くので、それがもし悪い方向に働いた場合にはベンチプレスが上がらない原因になる可能性があるのです。