有酸素運動は心拍数を意識するのが効果的!
有酸素運動とは、軽〜中程度の負荷を継続的にかける運動のことです。運動の最中に体内で酸素を利用して脂肪を燃焼させることから、有酸素運動といいます。代表的な有酸素運動としては、ウォーキングやジョギング、サイクリングや水泳などがあげられます。
ダイエット目的で運動を始める際は、結果を求めるあまりガムシャラに運動をすればいいと思われがちですが、息が上がるほどの運動は長時間続けることはできないしダイエット効果としては薄いでしょう。大切なのは、安静時の心拍数より少し上の心拍数を長時間維持して、消費エネルギーを増やし、脂肪燃焼することです。
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出典:Slope[スロープ]
まずは心拍数の計算方法をチェック!
脂肪燃焼に効果的な心拍数とはどのくらいを指すのでしょう。
ポイントは、「息が上がり過ぎず」「心拍数が普段より高く」「長時間連続でできる程度」の運動をすることです。
一番効果的な心拍数を出す為の、心拍数の種類を解説します。
最大心拍数
「最大心拍数」とは、運動の最中に最もストレスがかかった状態での心拍数を指します。
おおよその数値の計算として「220-年齢」で求められます。
ただし個人の体力やトレーニング経験によって変わるため、目安と考えてください。
安静時心拍数
「安静時心拍数」とは、横になるか座るかで安静にした状態で測った自分の普段の心拍数のことです。
セルフチェックの方法としては、手首の親指側を通っている橈骨動脈(とうこつどうみゃく)に反対の手の薬指・中指・人差し指をあてて20秒間の脈拍の回数を3倍にして計算します。
また、年代別の安静時心拍数の平均値は以下となります。
・10代 男性:70 女性:71
・20代 男性:63 女性:69
・30代 男性:66 女性:69
・40代 男性:67 女性:69
・50代 男性:68 女性:68
目標心拍数の計算式
有酸素運動で効率よく脂肪を燃やすために保つ心拍数を「目標心拍数」といいます。
有名なのが、カルボーネン法による計算式です。
目標心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数
例:35歳男性で安静時心拍数65の人が有酸素運動(少しきつい運動:60%)をする際の目標心拍数
↓
(220-35-65)×0.6+65=137(目標心拍数)
出典:keisan
運動強度
有酸素運動の運動強度の目安としては、「少しきついけど続けられる」程度がいいでしょう。
ゼェゼェ息切れするほどの運動強度は、有酸素運動ではなく無酸素運動となります。ダイエットや脂肪燃焼に有酸素運動が支持される理由として、有酸素運動の最中に呼吸から酸素を多くカラダに取り入れ、代謝を促すことで脂肪燃焼を促進するものとなります。
心拍数が上がりすぎる激しいトレーニングは呼吸が整わず疲労も溜まり、運動自体を続けることが難しくなってしまいます。逆に、心拍数が上がらない軽すぎる運動では呼吸が浅く十分に酸素が取り入れられずに脂肪燃焼の効率が落ちてしまいます。継続できる程度の強度と時間で運動を続けていきましょう。
有酸素運動の具体例
有酸素運動の強度は低〜中程度とされています。全力のダッシュや筋力トレーニングのように、長時間続けることが難しい無酸素運動とは異なり、長時間続けて行えるトレーニングのこととなります。身体への負担が小さい為、数十分間でも行えます。
有酸素運動の一例として、ウォーキング・ジョギング・サイクリング・水泳があります。いずれの種目も運動の強度を上げると無酸素運動となるため、あくまで長時間に渡って軽すぎない強度を保てるように心拍数を目安に運動を行う必要があります。
運動を行うと、疲労物質である乳酸が発生し筋肉に蓄積されると言われています。適度な強度での有酸素運動は、呼吸から酸素を取り込むことで乳酸を取り除ける為、長時間の運動を続けることができるようになり脂肪燃焼へ大きな効果が期待できます。
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出典:Slope[スロープ]
有酸素運動の目的別の心拍数
運動をする目的は人それぞれとなります。
ダイエット・体力向上・健康といった目的別の心拍数の目安を紹介します。
ダイエット目的
ダイエット目的での有酸素運動では、ファットバーンゾーン(少しきついなと感じる程度)を目指しましょう。
脂肪を燃焼しやすい強度は最大心拍数の60%程度と言われています。
最大心拍数(220-年齢)×0.6で計算するといいでしょう。
年代別の心拍数の目安としては以下となります。
・10代 126
・20代 120
・30代 114
・40代 108
・50代 102
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出典:Slope[スロープ]
体力向上目的
ランニングを続けているうちに「大きな大会に出てみたい」といった、心境の変化や新たな目標を見つけることもあるでしょう。
持久力の向上や心肺機能の強化を目的とした強度は最大心拍数の70%程度、レース出場を目的とした強度は最大心拍数の85%程度とされています。
大まかな目安として、トレーニングを始めた最初の時期は心拍数140程度から、徐々に強度を上げて心拍数160程度を目指すとよいでしょう。
レースを目標とした際の年代別の心拍数年の目安としては以下となります。
・10代 178
・20代 170
・30代 161
・40代 153
・50代 144
健康目的
運動経験のない人や、運動前のウォームアップ・運動の際に上がった心拍数を下げるクールダウンに適した心拍数は最大心拍数の50%程度となります。
健康目的の年代別心拍数の目安は以下となります。
・10代 105
・20代 100
・30代 95
・40代 90
・50代 85
有酸素運動時の心拍数を測るおすすめアイテムが多数!
日常的に身体を動かしたり、集中してトレーニングに励んだりと色々なシーンで運動をする時に、どのように心拍数を管理するのがいいのでしょうか。スマートフォンが普及して以降、飛躍的にデータの管理は簡単になりました。
また、自分がこつこつと積み重ねてきたデータが目で見えるとモチベーションにもなります。こちらで紹介する方法で、毎日の運動データを管理してみましょう
センサーバンド
胸部分に巻きつけて心拍数を計測できる、心電式の心拍計です。スマートウォッチの普及以降は手首式の心拍計が主流となっていますが、まだまだ心電式の精度には及ばないのが実情です。大会目的など、精密な計測が必要な人向けとなります。
腕時計型
AppleWatchの発売以降、一気に市場の広がりを見せたスマートウォッチ。日常的に身に付けることができ、見た目にも非常にスマートです。また心拍計機能以外にもさまざまな機能がある為、自分の目的に応じて価格や機能の選択幅もあります。
使い勝手の良さでは非常に優秀ですが、心電式に比べ光学式の測定方法は「あくまで推測値」という面もあります。
指タッチ式
指を機器に通して脈拍を計測する機械です。1台を家族で共有でき、運動をしない人の健康管理目的にも利用できます。
スマートフォンアプリ
スマートフォンで利用できるアプリは数多くあり、端末の加速度センサーを利用して歩数の計測を行ってくれるアプリがたくさんあります。また、食事管理機能や自宅でできるトレーニングを動画で紹介してくれるなど、さまざまなアプリがあります。
毎日持ち歩くスマートフォンの機能を利用して、継続できそうとなれば目的に合わせて他のデバイスを追加するのがいいでしょう。運動を始めたばかりで続けられるかわからない‥‥‥という人は、まずは無料アプリから始めてみてはいかがでしょうか。
出典: Google Play
出典: App Store
心拍数を意識した有酸素運動で効果を上げよう
脂肪を燃焼させる有酸素運動は、息が上がりすぎない程度の強度のトレーニングを続けていくことになります。「有酸素運動は20分以上続けないと効果がない」のですが、10分の有酸素運動を日に数回などの細切れの有酸素運動でも効果があるとされています。
まとまったトレーニングの時間が取れなくても、少しずつ身体を動かして積み重ねることによって身体に変化が表れるものです。通勤や移動の際に普段より少し早く歩くなど、意識して消費カロリーを増やしていきましょう。