筋トレ×受験勉強で合格者続出って本当?
かつて筋トレは、勉強の成績とは無関係であるとされていました。ところが、筋トレなどの軽い運動を適度に取り入れることが、脳の活性化を促し学習力の向上につながる、といった研究結果が報告されています。
脳科学の観点から、運動する事で体内に分泌されるホルモンの働きが、頭を良くするメカニズムに深く関わっていると証明されています。では、どのような影響があり、運動する事で勉強ができるようになるのでしょうか。受験生など、時間的に余裕がない人にこそ、取り入れるべき筋トレのやり方を紹介します。
筋トレが勉強に与える効果
筋トレが学習能力に密接に関わっているという証拠はあるのでしょうか。ここでは、そのエビデンスを紹介した本や論文などから、筋トレをする事でどのような効果があるのかを紹介します。
脳の活性化
運動を行う事で筋肉が鍛えられる事は周知の事実ですが、筋肉作動物質の「マイオカイン」と呼ばれるホルモンが運動する事で分泌・増加する事がわかりました。このマイオカインは、脳の神経細胞の減少を防ぐだけでなく、増やす働きがあります。
神経細胞が増える事で、脳に送る情報量が増え、脳が活性化して頭が良くなるという理論です。ある程度の筋肉量があれば、マイオカインの量も増えます。筋肉を維持し運動をする事で、脳はフル回転して知識を吸収しやすくなります。
「筋トレは脳を賢くする可能性がある」 石井直方・東大教授の筋トレ談義 | 朝日新聞デジタル&M(アンド・エム)
出典:筋トレは脳を賢くする可能性がある」 石井直方・東大教授の筋トレ談義 | 朝日新聞デジタル&M(アンド・エム)
記憶力の向上
人間の脳にある海馬という領域は、記憶や学習を司る司令塔とされています。海馬は記憶力や注意力、判断力などと密接に関わっているとされ、海馬が萎縮する事で発症する病気がアルツハイマー病です。運動をする事で、この海馬の能力を向上させる事が出来ます。
海馬の機能を向上させるには、10分程度の短い運動でも効果があります。実験では記憶力や認知力に加え、高度な問題を解決できる能力が発達する事も証明されました。学習の際の休憩時間として、勉強の効率化のためにも筋トレを取り入れましょう。
短時間の運動で記憶力が高まる ―ヒトの海馬が関連する機能の働きが 10 分間の中強度運動で向上!―国立大学法人 筑波大学
出典:短時間の運動で記憶力が高まる ―ヒトの海馬が関連する機能の働きが 10 分間の中強度運動で向上!―国立大学法人 筑波大学
筋トレは脳を活性化させて賢くなる?論文を元に記憶力や勉強への効果を解説
出典:Slope[スロープ]
ストレスの解消
運動をする事がストレスの解消につながる事も、科学上証明されています。「PGC-1α1」という骨格筋は運動する事によって誘発され、体内のストレス物質から体を守る働きがあるのです。
人がストレスを感じると「キヌレニン」という物質が体内で作られ、これが脳内に流れ込む事でストレスを感じます。PGC-1α1はこのキヌレニンを、キヌレニン酸という違う物質に変換する働きを持ちます。これにより、キヌレニンは脳内に入り込む事ができなくなり、人はストレスと感じにくくなるのです。
勉強の合間に軽い運動をすることは、気分転換になるだけでなく体の中でストレスの原因になる物質を処理されるという事実があります。筋トレをしてPGC-1α1を増やし、ストレスに打ち勝つ強い体をつくりましょう。
骨格筋PGC-1α1は、キヌレニン代謝を調節し、ストレス誘発うつ病に対する弾力性を媒介する。 – Bibgraph(ビブグラフ)| PubMedを日本語で論文検索
出典:骨格筋PGC-1α1は、キヌレニン代謝を調節し、ストレス誘発うつ病に対する弾力性を媒介する。 – Bibgraph(ビブグラフ)| PubMedを日本語で論文検索
筋トレはストレス解消に効果的!論文を元に軽減できる理由〜体験談まで紹介!
出典:Slope[スロープ]
メンタルの強化
メンタル強化の効果があるテストステロンは気分を高揚させ、やる気や自尊心の向上につながり、不安や焦燥感を抑える働きがあります。また、幸せホルモンのセロトニンやエンドルフィンは気分をリラックスさせる効果があり、心と体を安定させ穏やかな気持ちにしてくれるのです。
更に、セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの材料で、睡眠やホルモン分泌のリズムを調整してくれる働きを持つことでも知られています。良質な睡眠を取る事で、ストレス軽減やネガティブな気持ちを軽減します。運動をする事でストレスに強くなり、ボジティブな気持ちを保ち続ける事がメンタルの強化につながります。
メンタルを強化する事は、仕事や勉強をする上でもとても大切です。問題が発生したときでも、しっかりと向き合い冷静に判断し、解決する事ができるようになります。その結果、物事の優先順位を判断して重要な物事から順番に取り組む事で、期間内に目標を達成出来るようになります。
筋トレがメンタル強化に効果抜群!論文を元に自信がつく理由〜変わらない人の特徴まで解説!
出典:Slope[スロープ]
勉強の効果を上げる筋トレのやり方
筋トレが勉強に良い効果を及ぼすことがわかりました。では、勉強の効果をより効果的に上げる為には、どのように筋トレをすると良いでしょうか。ここでは、どのような筋トレをどんなタイミングでやると効果的なのか、ちょっとしたコツを踏まえながら解説します。
筋トレするタイミング
筋トレをするタイミングは勉強前・勉強中・勉強後がベストです。勉強前の筋トレは、血流を良くし脳を活性化させることができます。やる気ホルモンのテストステロンやドーパミンを分泌させ、勉強へのモチベーションを向上させる効果も期待できると言えます。
勉強中に筋トレをする事も、とても効率の良い方法です。科目によっては、かなりの量を暗記しなければならないことがあります。10分程度の軽い筋トレで海馬が持つ記憶能力はアップするので、息詰まったら筋トレをしてみましょう。リフレッシュにもつながり、落ちた集中力を再び上げる効果もあります。
勉強をした後は、疲れている事はもちろん、ストレスも溜まっている状態です。ストレス物質を減少させる為にも筋トレは効果的です。さらに、体のコリをほぐして血行を良くし、体調を整えてくれます。
勉強中の筋トレの目安の時間はどれくらい?
筋トレが与える学力向上の効果は、10分程度で効き目があるとされています。先ほど紹介した実験結果からもわかるように、10分の軽い運動をする事で、記憶力の向上やリフレッシュにつながります。目安としては勉強前・後なら、10〜20分、勉強中であれば5〜10分程度の筋トレをすると良いでしょう。
勉強中にする筋トレの頻度は?
頻度としては、勉強中であれば30分〜1時間ごとに5分程度の筋トレを休憩時間として挟むのが効果的です。運動をする事で、再度集中力を上げる事が出来る上に、リフレッシュする為の休憩の効果も期待できるでしょう。
この3短い休憩を挟む方法は、「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれ、時間の管理能力と生産性を上げる事でも知られています。人によって集中できる時間は変わるので、自分の集中力に合わせて調節するとより良いでしょう。
勉強中にする筋トレの効果的な負荷は?
勉強をする際の筋トレは、軽めの負荷をかける事が最も効果があります。激しい負荷を与えると体が疲労して、勉強する事が難しくなり逆効果になるので気をつけましょう。
また、激しい運動をすると筋肉の回復に時間がかかり、一時的に免疫力が下がって風邪を引きやすくなるという可能性もあります。体を健康に保つ為にも、軽い負荷を欠けた運動が一番効果的でしょう。
方法としては、スクワットや腕立て腹筋と言った自分の体重を利用する自重トレーニングがお勧めです。15回程度を1セットとして、3セットをゆっくり深く呼吸しながら行いましょう。筋肉がついてきたら、20回で1セットにするなど調整してみてください。
筋トレ×勉強で成績が上がった人たちの体験談
筋トレをする事で、実際に勉強の成績が上がった人たちの体験談を紹介します。論文などで証明されたとはいえ、実際に体験した方はどのように感じているのでしょうか。
毎日が充実して成績アップ
学生10代
「最近筋トレが楽しくてしょうがない。夜眠くても受験勉強した後に筋トレしてお風呂はいって寝るのが楽しい。プロテインもBCAAも美味しいし。目に見えて体が引き締まってくし。充実してるし成績上がるし良いことしかない何より今の自分は結構好き」
筋トレをすることによって毎日が楽しくなったという体験談です。日々の生活が充実することによって勉強へのモチベーションが向上するということがわかります。
筋トレでストレス解消
元家庭教師30代
「昔、家庭教師やってた時に子供がアザだらけになってるのに気付いた。勉強させるのやめて、家庭教師の時間に筋トレさせた。半年で筋肉ムキムキにさせた。あと、パンチの避け方と、ケリへの反撃も教えた。
それから勉強教えた。そしたらめっちゃ成績上がった。なぜだかわかる?」
筋トレをさせたことで、家庭教師をしていた生徒の成績が上がったとのことです。勉強をずっとしているとストレスが溜まってしまうので、適度な運動をすることでリフレッシュでき、成績向上につながったと言えます。
筋トレで集中力が増した
学生20代
「最近筋トレを習慣化してるけど調子良い。集中力増した・メンタル強くなった・寝起きが良い・お腹が凹んだ笑・頭の回転良くなった。良いことばっかり!続けない理由はないね。」
筋トレを始めて頭の回転がよくなったり、集中力が増したという体験談です。メンタル面も鍛えられたとのことです。筋トレは心身ともにメリットがあり、したがって成績も向上していくということがわかります。
休憩時間の使い方が成績に関わる
これほんとに分かる。勉強の合間の休憩時間にゲームするのか仮眠とるのかで記憶の定着率が段違い。誰かが言ってたけれど休みの時間に筋トレとか軽い運動するとそこから勉強の集中力が上がるらしい。
— 魔理沙@大学受験(なかの人)→龍桜@東大現役合格目標 名前変えました (@HYTS40855718) July 12, 2020
私もこれを意識して試験勉強したら成績目に見えて上がった。 https://t.co/22QgjzZIXm
この方は筋トレや運動を取り入れることで成績が上がったとのことです。適度な休憩を挟むことは大切ですが、筋トレは集中力を高めてくれる効果があるので休憩時間をより有効活用することができます。
成績向上に加えてダイエットも成功
みんなが美味しくご飯食べてる時に勉強してる。
— 愚妹 (@sekkakamo) March 7, 2017
みんながダラダラしてる時に筋トレしてる。
だから痩せたし、成績も上がった。
そうゆうこと。
この方も休憩時間に筋トレに取り組んでいます。成績が上がった上に、ダイエットにも成功したりと一石二鳥です。少し日々の生活を変えるだけで様々なメリットが得られるので、ぜひ勉強の効率が下がって悩んでいる方は筋トレを取り入れてみてください。
筋トレと勉強を両立すれば頭が良くなる!
筋トレには、集中力を上げ学習能力を向上させる効果がある他、精神的安定やメンタルを強化する働きもあることがわかりました。筋トレと勉強を両立させる事で、目的達成までの時間もスピードアップします。目標がある受験生や学生の方は、ぜひ筋トレを始めてみてください。