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筋膜リリースが『効果なし』って本当?フォームローラーが意味なし?エビデンスを調査!

2021年03月08日

最近よく聞く筋膜リリース。フォームローラーを使った筋膜リリースは効果なし、との声が聞かれます。フォームローラーを使った筋膜リリースは本当に効果なしなのでしょうか?胡散臭い、と言われている理由やエビデンスを詳しく解説します。

【監修】パーソナルトレーナー 柴山智幸

『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成+機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。
【所属】出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表
【SNS】HP / Instagram / Twitter

筋膜リリースが効果なしという噂があるけど本当?

フォームローラーを使って自宅で簡単にできる筋膜リリース。肩こり腰痛筋肉をほぐして痛みを軽減させたり、ダイエットにも効果があると言われています。そんな筋膜リリースが実は効果なし、胡散臭いとの声が聞かれます。本当に効果なしなのか、筋膜リリース『効果なし』のエビデンスを調査しました。

(他のエクササイズアイテムについては以下の記事も参考にしてみてください)

筋膜リリースが効果なしと言われる理由

フォームローラーやストレッチポールを使用して筋膜リリースを行うと、実際に肩こりや猫背の改善、痛みが和らいだという体験談をよく耳にします。ではなぜ筋膜リリースに効果なしと言われているのでしょうか?そもそも筋膜リリースとは何なのでしょうか?

筋膜リリースとは

Myofascial Release(筋膜リリース)とは筋膜の単なる伸張ではなく、筋膜のねじれをリリース(解きほぐす)することにある。筋膜制限に適用された隠やかな伸張は、熱を引き出し、リンパドレナージを改善

引用元:https://ci.nii.ac.jp/naid/10019090713

一般的に筋膜リリースとはフォームローラーを使って筋肉と筋膜を引きはがし解きほぐすことと思われがちですが、理学療法科学の文献によると、筋膜のねじれを解きほぐすことです。

筋膜とは

筋膜とは、皮下組織から存在する白く薄い膜n筋肉だけを包む膜ではなく、骨、内臓器官、血管、神経など身体のあらゆる構成要素を包みこみ、それぞれの場所に適正に位置するよう支えています。n人体は、全身が筋膜という容れ物で中身を傷つけないように包まれているのです。

引用元:https://seisen.info/blog/note/note02/

筋膜とは筋肉・骨・内臓器官・血管・神経などを包み込んで支えている薄い膜で、人の体は筋膜で包まれて守られているという訳です。筋膜はコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸・水分でできていて、弾力があります。例えばスーパーで売っている鶏肉の白い薄い膜を想像するとわかりやすいかもしれません。

世間で言われている筋膜リリースは、筋肉と筋膜を引きはがし解きほぐすと言われていますが、筋肉を包み込み守っている筋膜を簡単に引きはがすことは容易ではないでしょう。鶏肉を見るとわかるように、繊維と繊維がくっついていて、フォームローラーなどでゴロゴロしたところで、ずらしたり剥がすことは簡単にはできません。

それではなぜ筋膜リリースを行って様々な効果が得られたのでしょうか?その要因について調べていきましょう。

筋膜リリースの効果とは言えない違う要因

簡単には筋肉と筋膜を引きはがして解きほぐすことはできません。筋膜リリースをすることで肩こりや腰痛、猫背の改善や、体が軽くなったと考えられていましたが、それは筋膜リリースの効果ではなく違うところに要因があると考えられます。それはどんな要因なのでしょうか?

①水和作用
②神経生理学的な影響

この2つの要因が考えられます。ではこの2つの要因について詳しく見ていきましょう。

水和作用

フォームローラーを使って背中をゴロゴロと刺激すると、組織が圧迫されその後解放された時に、血液やリンパが流れ込み潤いができます。組織に水分が減ってドロドロになると筋膜は正常に動作しません。筋膜が潤うことで滑りが良くなり、体も動きやすく可動域が増え、柔軟性が良くなったと考えられます。

神経生理学的な影響