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筋トレ・運動の知識

筋トレの時間帯はいつが効果的?朝・夕方・夜?食事とのタイミングの関係についても解説

2020年08月22日

【パーソナルトレーナー監修】筋トレの時間帯はいつが効果的なのかと疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、論文を元に筋トレを行う最適な時間帯や、朝・夕方・夜など時間帯別の特徴、食事とのタイミングの関係についてまで解説していきます。

【監修】パーソナルトレーナー 野上鉄夫

健康運動指導士/NSCA-CPT/JATI-ATI/トレーニング指導歴34年/指導人数1万人以上/Twitterフォロワー数15万人/YouTubeチャンネル登録者数1.5万人/ブログPV300万PV以上

筋トレに効果的な時間帯はある?

仕事や学校などで夜しかできないなど筋トレを好きな時間帯にできないという方も少なくありません。そのような状況下に「筋トレに効果的な時間いつ?今のままで大丈夫か?」と疑問に思っている方も少なくないでしょう。

そこで今回は、筋トレに効果的な時間帯について論文を交えて詳しく解説していきます。

(朝の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレの効果が最も出る時間帯

出典:http://change-body.com/long-time-muscle-training/

結論から言うと筋トレの効果が出る時間帯に関しては、様々な意見の論文が出ており明確にはなっていません。しかし、様々な論文から確証に近いデータも多く出ているので、今回は論文の実験データや一般論の観点から解説をしていきます。

筋トレの効果が最も出る時間帯の論文について

人間には24時間の中で生理現象が変わる概日リズムというものが存在します。いわゆる生活リズムや体内時計といったものです。この概日リズムという人間の仕組みを元に実験動物を使用した研究から、筋トレに効果的な時間帯のデータが多数論文にまとめられています。

しかし、その他の実験で『午前中に筋トレを行った方が良い』『夕方の方が良い』といった様々な論文が出ており、明確に筋トレの効果が最も出る時間帯については明らかになっていません。

したがって、筋トレを午前中に行った方が効果が出やすい人、午後の方が出やすい人の両方が存在するということがわかります。これは、いわゆる『朝型』『夜型』と呼ばれているものです。筋トレに限らずこのように午前・午後で調子の善し悪しを感じた方も少なくないでしょう。

概日リズムと筋トレの関係性

人間の概日リズムの中で、2時〜6時が最も筋力が向上する時間帯とされており、逆に低下してしまう時間帯が朝の6時と夜の10時だということは立証されています。

さらに、筋肉は体温が上昇することによりコンディションが上がる傾向があり、人間の体温が上昇するのは早朝と夕方というデータから筋トレの効果が出る時間帯も同じ可能性が高いのです。オリンピックでも午後に新記録が出る傾向があることにより、この説に関しては信憑性が高いと言われています。

ただ、概日リズムは各人の就寝・起床時間や睡眠時間により変わってきます。つまり、各人で筋肉のコンディションが上がる時間帯や体温が上昇する時間帯も変わるということがわかるでしょう。したがって、筋トレに最適な時間帯は一概には言えないという結論に至ります。

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野上 鉄夫パーソナルトレーナー

この晦日リズムには交感神経と副交感神経にも大きく影響があります。交感神経が優位に働くと人間は活動的になります。交感神経は午後から夜に向かい活動的となり就寝前に急に失速します。この事からも夕方付近でトレーニングすると高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。

概日リズムのセルフ調整方法

各人によった概日リズムが存在し、それによって筋トレに効果的な時間が変わってくるということがよく分かったでしょう。しかし、概日リズムは起床と就寝の時間を変えることにより調整することが可能なのです。

概日リズムは1周24時間10分で区切られており、明るさと暗さによって体の調子のリズムが変わっていきます。この特徴を利用して、睡眠・就寝の時間を変えることにより概日リズムを自分で操作できることが可能になるのです。

したがって、筋肉のコンディションが高い早朝6時前または2〜6時の間の夕方に合わせて筋トレを行うといいでしょう。しかし、人間は起床から4時間立たないといいパフォーマンスを出せない傾向があります。よって、早朝に行う場合は1時〜3時に起きなくてはいけないことになり非現実的になります。

上記の解説を参考にして自分に合った筋トレを行う最適な時間帯を研究しましょう。

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起床時間の調節によりこの晦日リズムを調整出来るのは有名な話です。最近のオリンピックやW杯はスポンサーの国のTVの時間に合わせて試合の開始時間が行われる事も多く、そのため選手やコーチは一定期間を設けてこのリズムの調節に苦心することが多いです。

筋トレを行う時間帯別の特徴【早朝・朝・昼・夕方・夜】

筋トレを行う最適な時間帯は概日リズムよって操作できるということがわかりました。そこで次は、筋トレを行う時間帯別のメリット・デメリットを理解する必要があります。

それでは、筋トレを行う各時間帯の特徴について確認していきましょう。

早朝の時間帯に筋トレを行う場合

人間の体温が上がるのは早朝と夕方ですが、起床してすぐは体温が低く筋肉が硬くなっています。前途した通り高パフォーマンスを出すには起床後4時間経過している必要がある為、起床時間を毎日を1〜3時にする必要があり一般的な生活をしている方にはおすすめできません。

朝に仕事が終わる方や、どうしても朝に終わらせたいという方は概日リズムを調整して試してみてください。

朝の時間帯に筋トレを行う場合

早朝ではなく朝に行うの起床から時間が経っていれば問題ありませんが、仕事や学校があるという方がほとんどでしょう。この場合、休日にしかできないので1週間の中で筋トレを行う時間帯がバラバラになってしまいます。

可能な限り体のコンディションに合わせて同じ時間帯で行う方が良いとされています。したがって、毎回朝に出来ないという方にはおすすめできません。

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朝にトレーニング出来る時間があれば有酸素運動を行う事をお勧めします。食事前の時間に有酸素運動を行うと、就寝からの時間も考えると最も空腹な状態でトレーニングする事になります。この時が最も「今ついている脂肪を燃やせる」ゴールデンタイムなのです!

昼の時間帯に筋トレを行う場合

筋力が最も向上する時間帯は2時〜6時の間なので、一般的には筋トレを行う最適な時間とされています。

しかし、仕事や学校で昼休憩中にしかできなく、その場合は昼食を食べてすぐに行うか筋トレをしてすぐ昼食を取ることになるでしょう。食事前後すぐに筋トレを行うと消化不良などを起こす可能性があり、筋肉以外に問題が発生するリスクがあるので注意しましょう。

夕方の時間帯に筋トレを行う場合

夕方は筋力が最も向上する時間帯かつ、体温も最も上昇する時間帯なので筋トレを行う時間帯に最も適していると言われています。オリンピックの新記録もこの時間帯に多く出るというデータもあるのです。

人間は昼から十型にかけて『筋力』『酸素消費量』『肺活量』が上がり夕方にピークを向けるので、運動をするのに最も最適な時間帯と言えます。さらに、仕事・学校終わりの時間帯でもあるので特に事情がない限りは夕方に筋トレをするといいでしょう。

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この時のワンポイントアドバイスとして3時頃に吸収速度の遅いプロテインを飲むと、筋トレ中に体内にタンパク質が充分な状態で筋トレを行う事が出来ます。すると筋トレによるカタボリックを防ぐ効果が期待出来ます。

夜の時間帯に筋トレを行う場合

夜に行うこと自体は問題ありませんが、睡眠直前に筋トレを行うと交感神経を刺激して睡眠の質が落ちてしまいます。一般的な就寝時間は22時〜24時と言ますが、この時間帯に就寝する方は夜に筋トレを行うのは避けた方がいいでしょう。

しかし、前途した通り概日リズムによって最適な時間は変わってきますので、夜に行いたいという方は自分で起床・就寝時間を調整をしましょう。

筋トレのタイミングと食事の関係性

出典:https://neutral-men.com/kinntore-eiyou/

筋トレに最適な時間帯を探していると食事の時間帯と上手く調整する必要が出てきます。そこで、食事前・後に筋トレを行う場合のコツ&注意点を解説していきます。

食事前の時間帯に筋トレを行う場合

食事前の体の状態は栄養不足の状態でエネルギーもありません。よって、食事前に行ってもフルパワーを出せないほか筋肉中のタンパク質が分解されている状態なので筋トレの効果が落ちてしまいます。

どうしても食事の前に筋トレを行わなくてはいけない場合は、ドリンクゼリーなどで最低限の栄養を補給してから行いましょう。

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筋トレ後にプロテインを飲んでいる方も多いと思いますが、このプロテイン摂取と食事の間隔があまりに短くなってしまうと、食事でのタンパク質の吸収効率がやや悪くなります。筋トレ後にプロテインを飲む際に糖質も同時に補給し、やや時間をあけてから食事をして頂くと効率的な栄養補給となります。

食事後の時間帯に筋トレを行う場合

食事後は消化活動を行った状態で筋トレをすることになり、場合によっては消化不良を起こし体調を崩してしまうので危険です。

さらに、食事をたくさん摂り満腹になると副交感神経が刺激されリラックス状態になります。よって、集中力や活気が落ちてしまい充実した筋トレができなくなるでしょう。

どうしても食事後に筋トレを行いたい方は、出来る限りの休憩時間を取ってから行いましょう。

(筋トレのタイミングと食事の関係性について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。)

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野上 鉄夫パーソナルトレーナー

あくまで筋トレを行うタイミングは「どの時間に行なうのが効率的か?」ではなく、自分の生活リズムの中で筋トレを実施しやすい時間に行うようにしましょう。効率が悪いからと言う理由で筋トレをやらない事が最も非効率ですので

筋トレを行う最適な頻度

筋トレを行う時間帯や食事とのタイミングを意識するのはもちろんですが、筋トレを行う頻度についても意識する必要があります。筋トレの最適な頻度について理解しておらず、好きなように行っている方は下記の記事を参考にして1週間のプログラムを組み直しましょう。

一回の筋トレにかける最適な時間

筋トレを行う頻度を理解できたら一回の筋トレにかける最適な時間についても知る必要があります。しかし、初心者やただジムにいる時間が好きで筋トレを行っている方は好きなように行って楽しむことが一番です。そうではなく目的を持って筋トレに本気で取り組んでいる方は、一回の筋トレにかける時間についてまで意識することが成長の近道になります。

まだ、一回の筋トレにかける時間を理解できていない方は、下記の記事を参考にして調整しましょう。

筋トレは時間帯やタイミングも意識すべき

筋トレの効果が最も出る時間帯や、各時間帯別の特徴、食事のタイミングと筋トレを行う時間帯の関係性について詳しく解説してきました。前途した通り初心者の方やただジムにいる時間が好きでなんとかく筋トレを行っている段階では、あまり細かなことは意識せず楽しめていればいいでしょう。

しかし、目的を持って本気で筋トレに取り組んでいる方は筋トレを行う時間帯など細かなことまで意識することが成長の近道です。本気でやっていたつもりでも知らないことが多いと感じた方は、この記事を読み直して自身の筋トレを見直しましょう。