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サムレスグリップだと握力が弱くてもトレーニングすることができます。例えば、懸垂のようなプル系トレーニングを例に見てみましょう。懸垂は鉄棒などの棒を握って上体を引き付けるトレーニングになりますが、サムレスグリップで5本の指を棒にひっかけるようにぶら下がることで、握力を最小に抑えてトレーニングすることができます。
サムレスグリップでも懸垂ができない人は、斜め懸垂をおすすめします。斜め懸垂は足をつけて懸垂を行うので、通常の懸垂だと難易度が高いと思う人は斜め懸垂から始めてみましょう。斜め懸垂のやり方については以下の記事も参考にしてください。
斜め懸垂のやり方!初心者の懸垂練習に効果的!自宅版の筋トレメニューも紹介
出典:Slope[スロープ]
目的の筋肉を効果的に鍛えやすい
サムレスグリップでトレーニングを行うと、ターゲットの筋肉を効果的に鍛えられます。例えば、サムレスグリップ以外の持ち方であるサムアラウンドグリップで懸垂を行うことを例にみてみましょう。サムアラウンドグリップだと握力を使うので、握力が疲弊すると懸垂で鍛えたい背筋を鍛えることが難しくなってしまいます。
サムレスグリップであれば握力や上腕二頭筋などの筋肉の疲弊を極力抑えて目的の筋肉を鍛えられるので、筋トレの効率が非常に良くなります。握力や上腕二頭筋ではなく、広背筋に絞って鍛えたいならサムレスグリップで筋トレするといいでしょう。
サムレスグリップのデメリット
サムレスグリップはトレーニングを行ううえで効果的であることを説明しましたが、デメリットも存在します。サムレスグリップのデメリットも理解し、より効果的に筋トレを行いましょう。
ケガのリスクが大きくなる
サムレスグリップを使うとバーベルを持ち上げる際、バーベルの重心を手首の真下で安定的に保持できます。ところが重心が大きくずれてしまうとバーベルが落下して、ケガをするリスクがあります。サムアラウンドグリップだと親指で包み込むような持ち方なので、重心がずれてしまっても親指やその他の指でカバーすることができます。
また、サムレスグリップだと片方に指がそろっているので、指がないほうからバーベルが落下してしまうことがあります。サムレスグリップで筋トレを行う際は、器具の落下に十分気を付けながら筋トレを行いましょう。
柴山智幸
一番の問題点はここです。ラットプルダウン等の種目に関してはそこまで高くないですが、ダンベルプレス、ベンチプレス等の種目は重りの落下に繋がりやすいです。ケガをする事で回復するまでトレーニングの期間が空いてしまうのでそのリスクを頭に入れて重量の設定をしましょう!
高重量ダンベルの扱いが難しくなる
サムレスグリップだと高重量のダンベルを使っての筋トレが難しくなります。前述した通り、サムレスグリップだと握るというよりは棒にひっかける、重荷をのせるといったような感じなので外れやすいリスクがあります。これは鉄棒やバーベルだけではなくダンベルにおいても同じようなことが言えます。
ダンベルカールを例にみてみましょう。サムレスグリップだとダンベルが重くなるほど、自分のほうに向かってダンベルが外れてしまいます。軽いダンベルだとサムレスグリップでもいいですが、高重量のダンベルであればサムレスグリップだと扱いが難しくなります。高重量のダンベルで筋トレを行う際にはサムアラウンドグリップで行うといいでしょう。
ダンベルカールのやり方については以下の記事も参考にしてください。
ダンベルカールのやり方!上腕二頭筋に効かせるコツ〜重さ・回数などもプロが解説
出典:Slope[スロープ]
柴山智幸
先ほども書きましたが、高重量のダンベルをサムレスグリップで扱うことはリスクがかなりあります。基本的にはおすすめしませんが、怪我をするリスクとサムレスグリップでトレーニングするメリットを天秤にかけてメリットの方が大きい場合は実施して良いと思います。
握力の強化は期待できない
前述した通り、サムレスグリップは握力が弱い人でもバーベルを持ち上げたり懸垂を行えます。したがって、サムレスグリップに握力を鍛える効果はほとんどありません。握力も一緒に鍛えたいと考えている人は、サムアラウンドグリップでトレーニングするといいでしょう。
サムレスグリップの使うべき種目は?
サムレスグリップの使うべきトレーニングには、以下の種目があります。
・ベンチプレス
・ラットプルダウン
・ベントオーバーロウ
・アップライトロウ
・ライニングトライセプスエクステンション
・ケーブルプレスダウン
・スクワット
・クローズグリップベンチプレス
サムレスグリップはバーベルや鉄棒などの棒をのせたり、ひっかけたりする持ち方になっており、手首の負担が少なく、ターゲットとしている筋肉に直接負荷をかけやすくなっています。よって、ベンチプレスなどのプレス系のトレーニングはもちろんのこと、懸垂やデッドリフトなどのプル系トレーニング種目でもサムレスグリップを使うほうが良いです。
しかしながら、デメリットの面でも記述した通り落下するリスクが大きいので、筋トレする際には十分気をつけて行ってください。