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山本 舜パーソナルトレーナー
人間は未知の体験や経験には本能的に恐怖を感じるように出来ています。 これもまた人間の持つ、立派な防衛本能の働きで、人間が生存競争に打ち勝つ為の武器です。 人間の本能に打ち勝つ事は並大抵ではありません。
生理的な限界
ベンチプレスの重量は純粋に筋力だけでなく、腕の長さや関節の形、腱の長さなど様々な要因によって決まります。そしてそれぞれ要因には当然人間としての限界があるのです。
例えば、発揮できる筋力を増やそうとしても筋肉のサイズはある程度の場所で頭打ちします。扱える重量が増えてくれば、関節や腱が限界を迎えて痛みを感じ始める可能性もあります。
このように生まれ持った身体的な限界に近付いた時にもベンチプレスの停滞期が訪れるのです。ただし、これはベンチプレスを突き詰めた上級者が当てはまる人が多い原因です。初心者や中級者レベルであれば、他の原因が多いので特に心配する必要はないでしょう。
怪我
ベンチプレスのMAX重量が上がらない原因には怪我も含まれます。怪我をしている最中であれば、当然最高記録以上の重量を持ち上げられません。それだけでなく怪我をすると通常の筋トレメニューが出来る回数が減り、筋力・筋量が増えないですし、最悪の場合減ってしまうケースもあります。
また怪我の原因がベンチプレスのフォームだった場合、筋肉に上手く刺激を与えられていない可能性が考えられます。そして筋肉を刺激できていないと当然筋力や筋量も効率よく増えませんから、それによって停滞期が起こる場合もあるのです。
山本 舜パーソナルトレーナー
怪我は確実に重量の停滞、低下に繋がります。 怪我の原因としてベンチプレスフォーム不良が挙げられますが、骨格的要素を加味せず見よう見まねで強い人のフォームなどの真似ると怪我のリスクが高くなります。 高重量帯になればなるほどフォーム不良は怪我に繋がります。 高重量を挙げるためのフォームに固執より、自信がスムーズでストレスなく挙動出来るフォームの方が長い目で見ると安全に重量を伸ばすことが出来ます。
(ダンベルプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
ダンベルプレスのフォーム!大胸筋に効くコツ〜種類別の重量・回数などをプロが解説
出典:Slope[スロープ]
オーバーワーク
ベンチプレスを早く伸ばしたいからと毎回のトレーニングで大胸筋や上腕三頭筋、肩などを何十セットと激しいトレーニングを行う人は案外少なくありません。しかし、激しいトレーニングを続けると疲労が抜けずにオーバーワークに陥る可能性があります。そして一度オーバーワークになると成長が止まるどころか低下する場合もあるのです。
またオーバーワークの状態が続くと怪我をしてしまったり、日常生活にすら支障をきたすケースもあります。いつも疲労が抜け切る前に次のトレーニングを行っている人は特に注意が必要でしょう。
山本 舜パーソナルトレーナー
ベンチプレスが強い人はエブリベンチプレスというルーティンを取り入れている人が多くいます。 エブリベンチプレスでは必要以上に三頭筋や肩などのベンチプレスでの共同筋は追い込みません。 エブリベンチプレスを行う場合はベンチプレス以外のトレーニングは極力行わない、ないし強度に気をつけましょう。 計画的にエブリベンチプレスを取り入れるようにしてください。
(オーバーワークについては以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレのやりすぎは危険。病気などのリスク〜オーバーワークの基準&対策を徹底解説
出典:Slope[スロープ]
ベンチプレスのMAX値が上がらないときにすべきこと
ベンチプレスが伸びない主な原因について解説しましたので、次にその伸びない停滞期にすべきことを紹介します。
筋肉量の増加
ベンチプレスの記録が上がらない停滞期になった時は、筋肉量の増加を目指しましょう。特に最初の1、2ヶ月あたりで神経系や学習効果によって停滞期になった人には筋肉量の増加が停滞期脱出するために最も効果的な方法の1つと言えます。
筋肉量を増やすためには回数×重量で計算できるボリュームの大きさを増やすためセット法やメニューを組むのが重要です。またそのトレーニング後に筋肉を増やすための食事や睡眠を取る必要もありますので、忘れずに確保しましょう。
またベンチプレスで使う胸や肩、腕の筋肉だけではなく、背中、脚などの全身の筋肉も鍛えるようにしてください。全身の筋肉・筋力を鍛えておくとより安定した効果的なフォームが作りやすく、それによって重量も増えやすくなります。特に体がまだ出来上がっていない初心者は、今後の怪我の予防という意味でも意識してバランス良く鍛えるようにしましょう。
(筋肥大については以下の記事も参考にしてみてください)