ボディメイク

ベンチプレス世界王者『児玉大紀』特集!300kgを挙げる練習〜フォームまで網羅解説!

2020年10月15日

世界最強のベンチプレッサー児玉大紀。彼の、気になる練習方法に筋トレ、食事、ベンチプレスを挙げるための正しいフォームなどにも迫ります。フルギア、ノーギアで2冠を達成し300kgのベンチプレスも挙げてしまう世界最強ベンチプレッサーを徹底解説します。

ベンチプレス世界王者『児玉大紀』

児玉大紀は、IPF(世界パワーリフティング連盟)のベンチプレス選手です。現ベンチプレス世界記録保持者であり、世界で唯一フルギア(収縮性の高い専用ウエアを着る)とノーギア(専用ウエアを着ない)の2冠を達成しています。また体重の4倍のベンチプレスを挙げることが出来る日本が誇る最強のベンチプレッサーです。

生年月日1979年4月3日
身長171cm
体重72〜75kg
競技パワーリフティング
SNSTwitterinstagramブログ

児玉大紀は大阪でベンチプレス・パワーリフティング専門のK’s GYMを経営しています。K’s GYMで、トレーニング方法や筋トレ、ベンチプレスを挙げるための正しいフォームについての解説も発信しており現役選手兼トレーナーとしての顔も持っています。

(有名人のベンチプレスMAX重量まとめについては以下の記事も参考にしてみてください)

ベンチプレス世界王者『児玉大紀』の生い立ち

児玉大紀は1979年に大阪府に生まれます。もともと怪力には自信があり、小学校高学年の頃は高校生と腕相撲をしても1度しか負けたことがないといわれています。高校生の頃は水泳部に所属しており、スイミングクラブでのウエイトトレーニングをきっかけにベンチプレスを始めます。

やればやるだけ数字が伸び、その面白さに目覚め、水泳を引退とともに本格的にベンチプレストレーニングを開始します。

23歳で世界チャンピオンに

児玉大紀は、2002年に世界大会で初優勝を果たします。ベンチプレスを始めて2年で世界チャンピオンになるほどだから、天性の素質を秘めていたと言えるでしょう。2003年には現在の妻である児玉裕紀子と結婚し、同年に妻が長女の出産で帰省している間に、黙って勤務先を退職し勢いで自分のジムを開業するというとんでもないエピソードを持っています。

2009年にからは怪我の故障により3年の空白期間があります。2012年に復活し世界大会で260キロを挙げ、復活優勝を果たします。そして2015年には自己ベスト記録となる300.5キロを挙げます。2017年の全日本選手権では250キロを挙げ優勝を果たし、現在までに18回世界チャンピオンに輝いています。

(ベンチプレスの世界記録については以下の記事も参考にしてみてください)

ベンチプレス世界大会での児玉大紀の活躍

日本のベンチプレスのレベルは高いと言われています。その中でも、児玉大紀は格別の存在です。下記の成績はほんの1部ですがノーギアの世界選手権で初代王者になり、必要な技術が異なるフルギアの大会でも優勝したりと2冠は児玉大紀ただ一人です。このような実績により児玉大紀は日本人4人目となる国際パワーリフティング連盟の殿堂入りも果しました。

2002年〜2006年 
75kg級 世界ベンチプレス選手権大会優勝5連覇
2008年     
82,5kg級 世界ベンチプレス選手権大会優勝
2012年〜2019年 
74kg級で世界ベンチプレス選手権大会優勝8連覇
2016年〜2019年 
74kg級で世界クラシックベンチプレス選手権大会4連覇

試合ベスト記録

・フルギア 300kg【74kg級現世界記録】
・フルギア 300.5kg【74kg級現日本記録】
・ノーギア 225kg【74kg級現世界記録】

ベンチプレス王者『児玉大紀』の練習方法

ベンチプレス競技の多くの選手たちは普段、週2,3日の練習から自己記録に挑み体追い込んで、休養日をしっかりとって筋肉の疲労回復を待ちます。そして練習を再開して、その繰り返しの中で記録をのばしていきます。

しかし児玉大紀は今まで言われてきた練習方法と違い、週5,6日の練習を行い自己ベストの8割程度の重量をひたすら挙げ続けるというシンプルな方法です。児玉大紀はベンチプレスが好きで、単純に毎日練習したいと思い誕生した練習方法で、今ではエブリベンチと言われ多くの人に注目されています。

エブリベンチとは

エブリベンチはその名の通り週5回以上でベンチプレストレーニングをすることです。頻度を高めることでベンチプレスの動作を体と脳に染み込ませて、疲労が溜まる場所がかたよらずに全体にバランスよく疲労が溜まるように正しいフォームを固める事が目的です。

そうなる事によって怪我のリスクを減らす事ができ、ベンチプレスの正しい力の伝わり方を身につけれます。

(ベンチプレスのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

児玉大紀のベンチプレス以外の筋トレについて

ベンチプレス以外の筋トレは怪我をしない体を作ることが重要で、児玉大紀は肩を固めるために肩の種目をたくさん行っています。重量はかなり軽く、そして高回数です。

補助種目メニュー

1 ダンベルショルダープレス ×15rep
2 ベンチ台に寝転んでフロントレイズ ×10rep
3 リアレイズ ×10rep
4 ローイング ×20rep
5 フロントレイズ ×10rep
6 サイドレイズ ×10rep
7 キョンシー ×10rep
8 バンドショルダーブレス ×20rep



この8種目を1セットで合計10セット行います。セットの間はサプリメントを摂って体を回復させ、時間があるときはセット数を増やします。そして最後までやりきれるようにかなり軽い重量で繰り返します。

(サイドレイズの種類&フォームについては以下の記事も参考にしてみてください)

ベンチプレス王者『児玉大紀』の食事・栄養摂取

児玉大紀は世界トップクラスのベンチプレッサーなので食事制限も徹底的に管理されているのかというと、意外な事実があります。児玉大紀は、以下のような食事をしている日もあります。

基本食事はビール

・朝 コーヒー
・昼 卵ごはんとビール
・夜 サラダとビール

児玉大紀の毎日の食事は非常に意外なものでした。本人もブログで「食事は好きなものを好きなだけ食べましょう!」と言っています。やはり食事に対しても自分の考えをしっかり持っていました。

筋力と食事は関係ない

児玉大紀は筋力と食事は全く関係ないと言っています。それはまず筋力と筋肉を別のものとし、児玉大紀は筋力はほしいが筋肉はつけたくないと考えているからです。

筋肉をつけないといけないボディービルダーは、筋肉という形あるもの作るために食事も工夫しなければならないですが、筋力という形のないものがほしいのに、果たして食事は必要あるのかということです。

児玉大紀が教える高重量を挙げるベンチプレスのフォーム

児玉大紀が教える高重量を挙げるためのベンチプレスのフォームとは、今まで常識とされていたフォームを覆す内容のものでした。動画にそって解説していきます。

1.肩甲骨の寄せ方

多くの方がベンチプレスをやろうとするときは、まずベンチに寝転んでバーベルを握り、肩甲骨を寄せて決めていきます。しかしそのやり方だと、バーベルを下ろした時に体に負担がかかってしまいます。なので児玉大紀の解説する正しいフォームだと、まずバーベルを握らずに、バーベルを下ろす最も低い位置で肩甲骨寄せて決めていきます。

こうする事によってストレッチがかからずに楽に胸まで下ろす事ができ、バーベルの重さを肩甲骨でしっかり受ける事ができます。

2.正しい寝る位置

寝る位置は遠くだと、バーベルをラックから外しにくくなってしまいますし、近いとラックから外しやすくなりますが、バーベルを持ち挙げた時にラックに当たりやすくなってしまうなど、決め方は人によってさまざまありますが、理想の寝る位置の決め方は、バーベルを挙げ終わったときにラックにバーベルがギリギリ当たらない位置です。

目安としてラックとシャフトの間に指2本分くらいの隙間を作ることです。

3.手首を寝かせる

よく本などには、ベンチプレスのときは手首を立てるように書かれていることがありますが、その状態だと上腕が上がってしまいます。そこからバーベルを下げていくと体に負担がかかってしまい怪我をしやすくなってしまいます。なので正しいフォームだと手首は寝かせた状態でバーベルを下げていくことです。

手首を寝かせた状態だと、シャフトも常に肩甲骨の真上にくるので骨格でしっかりと重量を支えられます。

4.足の位置

足は引きすぎず投げ出しすぎずに、骨盤から真っ直ぐ力が伝わる位置を探して踏ん張りましょう。足の位置が悪いと、骨盤に窮屈感を与えてしまい肩甲骨を固めて違和感があり力が正しく伝わらなくなってしまいます。 

足の位置が正しいと、骨盤に窮屈感がないので肩甲骨が固まらず、バーベルの動きにしっかり連動させ骨格でバーベルの重量を受け止めることができ力が正しく伝わります。

ベンチプレス王者『児玉大紀』は日本人の希望

児玉大紀の魅力は発想力です。他人の思いつかない発想が強さであり、世界で結果を出し続けていきます。考えも常に新しいもので常識を覆していきますが、その考えにたどりつくまでには過去からしっかり学んで、人の何倍も努力してだからこそといえるでしょう。

児玉大紀は今、「みんなにベンチプレスが知れ渡るまで現役でいたい。20年、30年かかるかもわからへんけど」と言っていて自分のことだけどではなくてベンチプレスの競技全体の規模で考えているので、世界最強のベンチプレッサー児玉大紀が、これからも日本のベンチプレス界を引っ張っていき次のレベルに挙げていってくれるでしょう。