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超回復×筋トレの理論!時間・筋肉痛・頻度・プロテイン・食事との関係性など徹底解説!

2020年10月29日

筋トレで効率的に筋肉を増やすと言われる「超回復」。しかし近年、超回復理論は嘘だという説も出てきました。超回復は嘘なのかを筋肉痛や頻度、食事やプロテインの摂取の関係性などから解説していきます。また、部位別の筋トレによる効率的な方法も解説していきます。

【監修】パーソナルトレーナー 高津諭

トレーニング指導歴22年。大阪・兵庫を中心に活動するパーソナルトレーニングを提供しています。現在、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のマスタートレーナーとして、またJOTスポーツトレーナー学院の校長として後進の育成、指導にも尽力している。HP / ブログ / Twitter

筋トレ後に起こる『超回復』とは?

運動や筋トレなどによって筋肉を使うと、筋肉は疲労し筋線維が傷つきます。超回復理論とは、筋トレ後に適度な間隔を空けて傷ついた筋肉を休息させ、回復後のタイミングに筋トレを行った方が、間隔を開けずに筋トレを行うよりも筋力がアップするというものです。

この記事ではその超回復と筋トレの理論について徹底解説していきます。

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高津 諭

超回復理論は「疲労」と「回復」の関係のみをみていますが、トレーニングの効果は一方ではパフォーマンスをみないといけません。間が開けば開くほど「回復」はしますが、休みが長くなるとパフォーマンスは下がります。パフォーマンスと疲労の両面からみた「フィットネス疲労理論」という考え方もあり、アスリートのトレーニング計画においてよく用いられています。


(超回復理論の真偽については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレ後の超回復に必要な時間は?

筋トレ直後から筋肉を休息させ、超回復に至るには一般的に48〜72時間かかると言われています。これよりも前に再度筋トレなどを行っても筋力アップの効果が上がらないというのが超回復理論。ただしこの時間は個人差や損傷した筋肉の部位によっても異なると言われています。

一方で休息を長く取り過ぎれば筋肥大にはマイナスになります。筋トレ終了後から、72時間を過ぎると今度はせっかく付けた筋力が低下していくので、この超回復期のタイミングで筋トレを続けていくことが、筋力アップの秘訣とされているのです。

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最初から何時間開けるという考えより、最初は詰めてやってみて都度のパフォーマンスを見ながら頻度を減らしていくのが良いでしょう。トレーニング強度や量が増せば自然と感覚を空けざるを得なくなります。初心者のうちは一回にそれほど追い込めないので高頻度でも可能なケースが多いです。


(超回復の時間については以下の記事も参考にしてみてください)

筋肉痛で筋トレをしたら超回復に悪影響?

いわゆる筋肉痛とは、専門的には「遅発性筋痛」と言います。筋肉痛がなぜ起こるのかは実はまだ科学的に明確な理由がわかっていません。筋肉痛は筋トレだけでなく、ランニングなどの運動でも起こります。

筋肉痛の原因は、以前は筋肉を使うことで疲労物質である乳酸が筋組織内に生成されて溜まることで起こるという説が一般的でした。しかし近年では、筋肉痛の原因は乳酸ではなく、筋線維の損傷による炎症によって生じるという説が主流です。

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現在は、乳酸は疲労物質である!というのは完全に否定されています。筋肉痛が出やすいケースは、慣れない運動や久しぶりの運動の場合がほとんどです。初めてやるもの久しぶりにやることに関しては不十分すぎるくらいの量やキツさで導入することが大切です。

遅発性筋痛は人によって起こるタイミングが異なりますが、数時間〜数日で起きるので、超回復期前の十分に筋肉の休息が取れていない状態で筋トレを行うことは超回復には悪影響と言えます。上記の論文においてもトレーニング後の休息と次のトレーニングまでの間隔が筋トレの効果を上げるために重要な要素であると結論づけています。

では、筋トレ終了から48〜72時間後の超回復期に入って筋肉痛だった場合はどうでしょうか。筋肉痛が筋肉の損傷によって起きた炎症によるものと言う説に立てば、筋肉が回復し切っていないため、多少の悪影響はあるかもしれません。しかし概ね筋肉痛と超回復期はリンクしてくるので、どちらもおさまるタイミングでトレーニングを行うことが最も効果的でしょう。

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筋肉痛が長引きすぎるようならそれは現在の自分のレベルを越えてやり過ぎている可能性があります。101%でよいという考えのもとに、強度や量をコントロールすることを心がけましょう。 量に関しては一部位あたりトータルレップスが70前後が目安です。

(筋肉痛のときに筋トレを休むかどうかについては以下の記事も参考にしてみてください)

超回復を狙った筋トレの頻度、日程の組み方

超回復を狙った筋トレでは、部位別の筋トレを1週間のサイクルの中で日にちを分けて行うのが有効です。例えば鍛える部位を分割してトレーニングメニューを組む方法があります。このように全身を部位別に分けて鍛える筋トレを「分割法」と言います。2分割や3分割、4分割と分けて行うことで、自分に合った筋トレのプログラムを組んでいくのが良いでしょう。

部位別の1回のトレーニングでは、最低でも2〜3部位を鍛える方が効率的です。組み合わせは自由なものの、関節の動きや使う筋肉がある程度近い方が各筋肉にしっかりと回復期間を与えられます。休息時は筋疲労を取り除くことに集中し、ストレッチなどを挟むのも良いでしょう。

分割法を利用した筋トレの具体例

▼1週間のサイクルで上半身と下半身の2つの部位に分けた筋トレ例

月曜日 上半身を中心に鍛える①    休息(24h)
火曜日 休息(24h)         下半身を中心に鍛える①
水曜日 休息(24h)         休息(24h)
木曜日 上半身を中心に鍛える②    休息(24h)
金曜日 休息(24h)         下半身を中心に鍛える②  
土曜日 休息(24h)         休息(24h)
日曜日 休息(24h)         休息(24h)

超回復理論に従って、月曜日の上半身のトレーニングから48時間後の木曜日に再度上半身を鍛えます。そして同様に火曜日の48時間後の金曜日に下半身を鍛えれば、超回復に必要なインターバルを取りながら、効率的に全身を鍛えることが可能です。

筋トレ後に起こる超回復とプロテイン・食事の摂取

「ゴールデンタイム」というのをご存知でしょうか? 筋トレ直後は筋肉に強いストレスがかかることで、体内では筋タンパク質の合成反応が高まっています。筋トレをする人たちの間では、この状態を「ゴールデンタイム」と呼んでいます。

ゴールデンタイムに筋肉のもととなるプロテインなどのタンパク質を補給することは筋肥大にとても有効です。ゴールデンタイムでは、普段よりもタンパク質の吸収がよく、筋肉に届きやすくなっているのです。特にドリンク状のプロテインは消化吸収速度が早いので、より効果的です。

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トレーニング直後はまだ血液が筋肉など末梢に多くあり、胃に少ない状態です。プロテインと言えど胃を通過し、吸収されるにはある程度の間隔が必要になります。 トレーニング後30分で液体で補給し、1時間以降に固形物を食べるという手順が良いでしょう。また、回復という面から考えるとタンパク質の4倍程度の炭水化物を一緒にとること。回復に真っ先に必要なのは材料より燃料です。

食事から三大栄養素をしっかり摂ることで効率的に筋力アップ

一般的にゴールデンタイムは筋トレ終了直後から約3時間程度と言われており、そこまでに筋タンパク質合成に必要な栄養素を含んだバランスの良い食事を摂取できれば理想的です。筋タンパク質合成には、タンパク質だけでなく、三大栄養素である糖質と脂質の摂取も重要です。

筋力アップには糖質の摂取が欠かせない

筋トレをすると筋肉中に貯められている「筋グリコーゲン」がエネルギーとして使われ、不足した状態になります。すると身体は筋肉を分解して筋グリコーゲンを作ろうとするため、筋肉の合成が促進されにくくなってしまいます。そのため、不足した筋グリコーゲンを補給するのに糖質の摂取は欠かせないのです。

また、糖質を摂取することで体内ではインスリンが分泌されます。インスリンには血糖値を下げる働きの他に、筋タンパク質の合成を促進する働きもあるのです。

(バルクアップに効果のある粉飴については以下の記事も参考にしてみてください)

筋力アップのホルモンは脂質から作られる

脂質に含まれるコレステロールは、筋肉の成長を促すホルモン「テストステロン」のもとにもなるので、食事から脂質を摂取することも大切です。筋トレ以外にダイエットも兼ねている人は脂質の摂取を避けがちですが、筋トレ後から超回復までは筋肉が損傷を受けて栄養が不足している状態です。食事についてもしっかりと栄養を補給し、筋肉を回復させましょう。

筋トレ後に起こる超回復と漸進性の原則について

トレーニングには5つの原則があり、この原則を知っておくだけでも筋トレの効果は上がります。原則とはトレーニングをする上での考え方や心構えのようなもので、意識性、反復性、全面性、個別性、斬新性の5つがあります。このうち超回復と合わせてぜひ押さえておきたいのが斬進性です。

漸進性の原則と超回復で筋トレを継続的にする

漸進性とは、トレーニングの負荷を徐々に上げると体力が向上していくことです。5つの原則のうち「斬新性」の原則と超回復をセットで組み合わせて筋トレを行うことが、効率的な筋力アップにつながります。

なぜ超回復と漸進性の原則に基づいて適度な頻度で筋トレを行うと効率的なのか? そうすることで筋力が向上していくのを実感しやすく、筋トレの継続的なモチベーションに繋がるからです。

筋トレを継続するためには、定期的に鏡を見て筋肉がついていくのを実感することやバーベルなどの重さを徐々に上げていくことも効果的です。また、可能であれば体組成計などで体内の筋力量がどのように変化していくのかを定期的に測るのもおすすめ。このように斬新性の原則に基づいて筋肥大が実感できると、筋トレを一層楽しく取り組むことができるでしょう。

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高津 諭

漸進性過負荷が必要になります。過負荷(オーバーロード)がなければ成長はありません。2週ごとに使用重量、トータル反復回数、を見直し10%程度ずつ上昇するようにプログラムを見直しましょう

筋トレと超回復の理論を理解して効率をUP

ここまで見てきたように、筋トレは超回復理論に基づいた間隔で行うことが効果的な筋力アップに繋がりそうですが、近年ではこの超回復理論とは異なり、回復期を挟まずに筋トレ後すぐに同じ部位の筋トレを行う方法なども登場しています。人によっては3週間、三角筋の筋トレを毎日行い、1週間の休息で筋力アップを実感したと言う人もいます。

しかし、超回復が嘘なのかと言えばそうとは言い切れません。少なくとも栄養学的には筋トレ後にはさまざまな栄養素の不足によって、筋肉の分解が進みやすくなっており、糖質やタンパク質をはじめとした栄養素を十分に補給しないと筋タンパク質の合成は優位に働きません。また、休息や睡眠を取ることで筋肉の合成は進みます。

これらを総合すると諸説あるものの、超回復で言われている48〜72時間後に筋トレを行うと効果的と言うのは、必ずしも嘘とは言えず、むしろ効果的であると言えます。特に忙しい現代人にとっては紹介した分割法を自分なりにうまく取り入れることで、理想的なボディメイクがよりしやすくなるでしょう。

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高津 諭

オーバートレーニング症候群に陥る要因はトレーニングのやり過ぎや間隔が詰まりすぎていることだけでなく、栄養状態や睡眠時間など、また、その他社会生活上のストレスなどが影響します。 寝不足の週はトレーニング間隔を空けたり、予定をスキップするなど、頻度も固定化せず、柔軟に対処しましょう