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裸足ランニングが流行中!メリット〜正しい走り方のコツ&注意点まで解説!

2020年11月23日

近年、通常のランニングシューズを使わずに走る「裸足ランニング(ベアフットランニング)」が徐々に広がりを見せています。この記事では裸足ランニングについてよく知らない方のために、裸足で走ることで得られるメリットや正しい走り方、注意点まで詳しく解説していきます。

【監修】パーソナルトレーナー 柴山智幸

『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成+機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。
【所属】出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表
【SNS】HP / Instagram / Twitter

裸足ランニング(ベアフットランニング)とは?

出典:http://1968senno.com/archives/4294

裸足ランニング(ベアフットランニング)とは、その名前の通り裸足でランニングすることを意味します。英語ではBarefoot Running(ベアフットランニング)と呼ばれ、アメリカでは日本よりもずっと前からその効果が注目され取り入れられてきました。

ではその裸足ランニングでどのような効果が得られるのか、始めるにあたって正しい走り方や注意点なども紹介しますので順に見ていきましょう。

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裸足ランニングで得られる効果

裸足ランニングをすることによって得られる効果はいくつかありますが、ここでは身体に変化をもたらす効果を三つ紹介します。

怪我のリスクが減る

裸足でランニングをすることによって怪我のリスクが減るといわれています。それは走るときに足本来の機能を使うことによって着地の時の衝撃を和らげ、身体への負担を軽減させることができるためです。

靴を履いて走るとき、多くの人はかかとから着地します。そのため、特に初心者向けのランニングシューズはかかと部分のクッション性が高いのが特徴です。しかしクッションで吸収しきれなかった衝撃はそのまま骨と関節に伝わるために負担がかかり、結果として膝などの故障につながります。

一方裸足ランニングでは、つま先から着地します。そうすることで足裏のアーチが使われ、衝撃を和らげることができるのです。またアーチを使うとアキレス腱やふくらはぎが伸び、ここでも衝撃を分散させることができます。このように足本来の機能をきちんと使うと骨や関節への負担を減らすことができるため、怪我のリスクが減るということです。

(ランニングにおける膝の痛みについては以下の記事も参考にしてみてください)

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無駄のない走り方が身につく

裸足ランニングでは、無駄のない走り方を身につけることができます。普段靴を履いているときは感じることのなかった小さな衝撃も、裸足の時はしっかりと感じ取ります。そのためどのように身体を使えば痛くないか、負担をかけずに楽に走ることができるかを感覚で学ぶことができるのです。

また着地の時の衝撃を利用して身体を動かすことができるため、衝撃のエネルギーを無駄にせずに走ることができます。筋肉は伸びたら縮むという性質を持っているので、着地で伸びた筋肉が縮むことで足が勝手に前に出ます。このように足の本来の機能を使って走ることが裸足ランニングの特徴です。

(ランニングの正しいフォームについては以下の記事も参考にしてみてください)

パフォーマンスが向上する

裸足ランニングによって、運動の際のパフォーマンスが向上するという効果もあります。これにはおもに二つ理由がありますが、一つは足本来の機能を使うことによって今まで使っていなかった筋肉が鍛えられるためです。

もう一つの理由は、足のセンサーを使うことによって身体のバランスを取る力が鍛えられるためです。足裏には体勢や地面の状態を感知するセンサーがあり、これが刺激されることで脳から身体のバランスを取るための指令が出されます。バランスを取る力を鍛えることで足の指までしっかり使った身体の動かし方を身につけることができます。

また、筋肉が鍛えられることによって疲れにくくなったり膝の痛みがなくなったり、脛(すね)の内側の炎症であるシンスプリントも引き起こしにくくなるといわれています。

裸足ランニングの正しい走り方

裸足ランニングの正しい走り方について紹介します。正しい走り方ができていないと身体に負担がかかり怪我のもとになります。少しづつ身体を慣れさせていきましょう。

重心を先に移動する

まずは基本の身体の動かし方からです。普通歩くときは足が先に出ますが、足が身体の前につくことによってブレーキがかかってしまいます。また膝が伸びてしまうので、着地の衝撃がかかとから足首・膝関節・股関節というように関節に衝撃が伝わり負担がかかってしまいます。

裸足ランニングでは、先に前に出るのは足ではなく重心です。重心が先に出て足が後からついてくるイメージを持つようにしましょう。そうすることで身体の真下に足が着くのでブレーキもかからず、膝を曲げて関節を柔らかく使うことができるようになります。

身体のバネを使う

次に身体のバネの使い方を学びましょう。伸びた筋肉が縮もうとする伸張反射を使って身体を動かす練習をします。その場でジャンプするとき、一回衝撃を吸収してから自分の力で上がろうとしてしまいますが、バネを使うということは着地のエネルギーを使って上がるようにするようになります。飛び方の違いは動画で確認するとわかりやすいです。

足はまっすぐに引き上げる

走るときは地面を蹴って走らないようにします。地面を蹴って走ると足が身体の後ろに流れますが、地面を蹴ってしまうことで足の裏に摩擦が起きエネルギーロスになります。また、裸足ランニングにおいては摩擦があると足を痛めてしまうので特に注意が必要です。

摩擦が起きないようにするには、足をまっすぐ引き上げて走ります。もも上げになってしまうと足は前に出てしまうので気をつけてください。足は常に身体の真下にあるように意識しながら走りましょう。

身体を柔らかく使って走る

以上のポイントを頭に置きながら、とにかく身体を柔らかく使って走るようにします。まずはその場で数回ジャンプしてみて、膝のバネをしっかりと使えているか確認しましょう。次にその場で走るように足を交互に上げ、真上に引き上げているか確認します。二つができたところで、そのまま重心を前に移動させて足が勝手に前に出るようにして走り出します。

裸足ランニングを始める際の注意点

裸足ランニングを始める際にはいくつかの注意点があります。正しいフォームで走ったからといっていきなり効果が出るわけではないので間違えないようにしましょう。

足元に十分注意する

靴による保護がないので、当然石などを踏んでしまったら痛いです。場所を選ぶ際には地面に落ちているものがないかをよく確認し、走っているときも足元には十分注意する必要があります。

起こり得る怪我について理解しておく

怪我のリスクが減るなら怪我をしないのではと思われるかもしれませんが、裸足ランニングを始めることによって逆に起きる可能性のある怪我もあります。しかしこれは今までと違う走り方をすることで、身体の違う部分を使うようになるためです。

一番多いとされているのが、中足骨疲労骨折です。中足骨とは足の甲にあたる部分の骨のことで、裸足ランニングにおいてつま先からの着地を意識するあまり、負担がかかりすぎてしまうために起こるといわれています。また足のアーチを使うようになるために、アーチの部分にあたる足底筋の炎症(足底腱膜炎)を引き起こす可能性があります。

他にもアキレス腱炎やふくらはぎの肉離れも起こる可能性がありますが、これは着地の衝撃を吸収するためにアキレス腱やふくらはぎを使うようになるためです。つまりこれらは、本来は使うはずの部分を今まで使ってこなかったために起こる怪我であるといえます。

少しずつ慣らしていく

前述の通り裸足ランニングでは今まで使ってこなかった部分を使うようになるため、負担がかかってしまい怪我を引き起こす可能性があるのも事実です。裸足ランニングで大切なことは、少しずつ身体を慣らしていくということです。

また大人は特に、長く生きてきた中で自分の身体が覚えている走り方があります。それをいきなり変えることはとても難しいことです。裸足ランニングは、今までほとんどの人が行ってきた走り方とは違ったものなので初めは違和感を感じたり、今までの癖が抜けないという人もいるでしょう。

いきなり靴を脱いで走り出すのではなく、まずは歩くところから始めましょう。慣れてきたら少し走ってみて、時間も短めにします。もう少し走り方に慣れたら、徐々に時間や走る距離を伸ばしていくようにしていきます。このように少しずつ身体に覚えさせながら負荷をかけていくことが大切です。

固い地面で直感的に学ぶ

裸足ランニングを始めるとき、まずは砂浜や芝生などの足が痛くないところでやりたいという人は多いはずです。地面で裸足になるのは抵抗があるという人もいるでしょう。しかし、日本ベアフット・ランニング協会代表理事の吉野剛さんは、走り方を身につけるには最初はアスファルトなどの固い場所で行うことを勧めています。

その理由は、固い場所の方が着地した時に足の裏への感覚が伝わりやすいためです。まずはその感覚を掴むために、固い地面で歩いたり軽く走ってみるという事ですね。身体をどのように使えばよいかを直感的に学ぶことができるということです。

裸足ランニング初心者はベアフットシューズでもOK

出典:https://www.barefootinc.jp/vibram-fivefingers/v-run/20M7001

いきなりアスファルトで裸足になるのには抵抗がある人は多いでしょう。そんな裸足ランニング初心者には、裸足感覚のシューズ「ベアフットシューズ」がおすすめです。裸足ランニング用のサンダルなどたくさんの種類がありますが、おすすめを一つ紹介します。

(ランニング用のサンダルについては以下の記事も参考にしてみてください)

【Vibram Five Fingers(ビブラム ファイブフィンガーズ)V-Run】

出典:https://item.rakuten.co.jp/mischief/10047669/

Vibram(ビブラム)のFive Fingers(ファイブフィンガーズ)にはいくつかのタイプがありますがV-Runはランニング用です。靴底が薄いのはもちろんですが、このシューズの特徴は名前の通り五本指のシューズであること。指が分かれていることで指の機能も使うことができます。

ベアフットランニングと同様の効果を得るためには、ベアフットシューズはできるだけ裸足に近いものであることが大切です。Vibram(ビブラム)のFive Fingers(ファイブフィンガーズ)は、靴底がとても薄くまさに裸足のような感覚で走ることができます。またグリップ性の高いラバー素材を使用しているため滑りにくくなっています。

五本指に分かれているため、特に外反母趾や内反小趾の人は指の機能をしっかりと使って鍛えることができるのでおすすめです。このようなトラブルがない人も指まで足全体を使って走ることでよりベアフットランニングの効果を期待できます。

サイズ選びの目安としては、かかとの中心から一番長い指までの長さ0.7~1cmプラスし、Vibramの公式サイトにて「日本人向けサイズ」を参考にするとよいでしょう。あくまで目安になるということに注意してください。

(ジョギングシューズのおすすめについては以下の記事も参考にしてみてください)

裸足ランニング(ベアフットランニング)を試してみよう!

大人は特に、裸足で外を走ることには抵抗を感じてしまう人が多いものです。しかし、ベアフットランニングは、足本来の機能を取り戻して健康的な身体を手に入れることができるおすすめのトレーニングです。まずはベアフットシューズを取り入れ、少しづつ始めてみませんか?