ランニングでの膝痛の種類&原因。痛みが出た際の対処法〜予防策まで解説

ランニングをしていて膝に違和感を持ったり、膝を曲げると痛いと思ったことはありませんか。ランニングの初心者だけでなく経験者も悩むことがある膝痛について解説していきます。膝の外側・内側、お皿の周囲と痛みの部分に応じて症状と予防策を紹介します。

監修 |パーソナルトレーナー Riku
instagramTwitterHPTRIGGER POINT Performance Therapy 認定トレーナー2ndpass認定トレーナーBODYBOSS認定トレーナー 法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。王様のブランチなどメディアにも複数出演。お客様のパートナーとして食事管理やトレーニングの指導はもちろんのこと日常生活や仕事での悩みなど身体&精神的な不調に関わることに対してサポート致します。

目次

  1. ランニングをすると膝が痛い…。
  2. ランニングで起こる膝痛の種類&原因
  3. ランナー膝(腸脛靱帯炎)
  4. 鵞足炎(がそくえん)
  5. 膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)
  6. 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
  7. ランニング中に膝痛を感じた際の対処法
  8. 安静にする
  9. アイシング
  10. テーピング&サポーター
  11. ランニングでの膝痛を事前に防ぐ予防策
  12. ストレッチ
  13. 大腿四頭筋の強化
  14. ランニングフォームの改善
  15. ランニングによる膝痛に関する体験談
  16. 初心者は膝痛が起きやすい
  17. ケアが大切
  18. 正しいフォームで走る
  19. ランニングでの膝痛に関する知識をつけておこう

ランニングをすると膝が痛い…。

それまで軽快にランニングが出来ていたのに、急に膝が痛くなり辛い思いをしたことはないでしょうか。膝の痛みと言っても膝の外側・内側・裏側・膝のお皿と色々な部分の痛みがあり、全力でスポーツに打ち込めなくなってしまいます。この記事では、そのような膝の痛みについて種類や原因、対処法を紹介します。

現在膝の痛みを感じているなら、この記事を参考にして痛みを和らげ、痛みが出ないように予防に役立ててください。もちろん、医療機関などで適切な処置を受けることも大切です。

ランニングで起こる膝痛の種類&原因

実際にランニングをしていて起きる膝痛にはどのような種類があるのでしょうか。曲げると痛いという膝の痛みの種類について症状や原因を解説していきます。

ランナー膝(腸脛靱帯炎)

出典:http://www.hanamomo-nogi.net/blog/2020/02/post-28-720499.html

ランナー膝とも呼ばれる腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)はランニングの初心者だけでなく、長距離ランナーにも見られる症状です。膝の曲げ伸ばしをするときに膝の外側に感じる痛みが特徴で、ひどい時には歩行するだけでも激痛が走ります。

ランナー膝になる原因は腸脛靭帯が硬直してしまうことであると考えられています。硬直してしまう原因は様々で、強い負荷をかけたトレーニングや使い過ぎなどとがあり、硬直した腸脛靭帯と大腿骨外顆との間で摩擦が起こります。その結果筋・靭帯、骨膜・骨液包が炎症を起こし、違和感や痛みとなって現れるのです。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)

鵞足炎(がそくえん)

出典:https://cho-seikotuin.com/news/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E2%91%A3%EF%BC%88%E9%B5%9E%E8%B6%B3%E7%82%8E%EF%BC%89/

鵞足炎が起きると膝の内側に痛みを感じます。鵞足とは膝を曲げる筋肉が付着している部分のことで、ここには縫工筋・薄筋・半腱様筋といった筋肉が付着していて、ガチョウの足のような形になっていることから鵞足と呼ばれます。鵞足炎はこの鵞足と脛骨上端が擦れ合い、炎症を起こすことで痛みを感じるのが症状です。

鵞足炎の原因は足を後ろに蹴るようにする動作や、方向転換をすばやく行う動作によって、膝の内側に負担がかかることです。膝を曲げ伸ばしした時や指で押した時、太ももの内側や裏の筋肉が伸びる時に痛みがあります。

またラクビーのような横方向への移動を頻繁に行う競技や水泳においては、競技に慣れない初心者のうちに膝に大きく負担をかけてしまうことが原因で、初心者は鵞足炎にかかりやすいといわれます。

ランニング障害④(鵞足炎)

膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)

出典:https://www.dk-sc.com/sports/jumper.html

膝のお皿の上部分に痛みを感じるのが膝蓋靭帯炎の症状です。膝蓋靭帯炎は別名ジャンパー膝とも呼ばれ、バレーボールやバスケットのように競技中にジャンプをするスポーツをしている人に多く見られる膝痛です。この症状で痛めているのは膝のお皿のすぐ下にある膝蓋腱という筋肉で、繰り返される屈伸運動が原因で炎症が起きると考えられていています。

また膝蓋靭帯炎の発症は血管の増加も原因として考えられていています。ジャンプをしたり着地をするといった屈伸運動をすることによって、膝蓋腱に負担がかかり腱自体に小さな損傷が発生します。この損傷を修復するために血管が生成されるのです。

通常なら損傷の修復と同時に血管は消滅しますが、繰り返し損傷していくことによって血管が増加していきます。血管が増加するのと同時に神経線維も増加しますので、より微細な痛みを感じやすくなってしまうのです。

ジャンパー膝(膝蓋腱炎(膝蓋靭帯炎)/大腿四頭筋腱付着部炎)

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

出典:http://hizaita.everlifegroup.jp/word/gonarthrosis/

変形性膝関節症は膝のクッションの役割を担う関節軟骨がすり減っていくことが原因で、関節が変形して痛みが発生します。また関節内で炎症を起こすといった症状も見られるでしょう。主に膝の内側に痛みを感じますが、外側や裏側にも痛みを感じることがあります。

関節軟骨のすり減りは加齢とともに進行するので高齢者に多く見られ、比較的に女性の発症率が高い症状です。また加齢以外にも肥満や筋肉の衰えが原因と考えられていています。初期の頃には立ち上がりや歩行時に痛みを感じますが、だんだんと階段の上り下りが困難になり、末期には歩行も困難になってしまいます。

変形性膝関節症 膝の痛み用語集

ランニング中に膝痛を感じた際の対処法

膝の痛みの原因には色々な種類の症状があることが分かりました。痛みが出る箇所は膝の内側・外側・裏側、お皿の周囲と様々ですが、もしもランニング中に膝の痛みを感じた時にはどのような対処法があるのか解説していきます。

安静にする

痛みを感じた時には無理をせずに、まずは痛みが引くまで安静にしましょう。安静にしている間に、膝の外側・内側・裏側・お皿の周囲といった痛みを感じる箇所を確認することが必要です。痛みを感じる箇所によって痛みの原因となっている疾患の判別を付けることができます。

安静にしている時には、患部に湿布を貼ることも効果的です。湿布には炎症を抑え、鎮痛作用があります。しかし安静にしていても痛みが長引いたり、改善しない時には整体や整骨院を受診することも検討しましょう。

アイシング

出典:https://www.rbone.jp/Icing

痛みや炎症が起きている場合には、患部をアイシングすることによって症状を和らげることができます。アイシングで患部が冷やされることで、患部の腫れや内出血が抑えられ症状の改善が早まります。また神経の活動が抑えられることで、鎮痛作用があるのです。

氷と水を入れたアイスバックやビニール袋で、15分~30分を目安に痛みを感じる箇所を冷やしましょう。あまり長時間し過ぎると凍傷の原因となりますので注意が必要です。

テーピング&サポーター

痛みを感じた時にはテーピングをしたり、サポーターを使用することも効果的です。テーピングやサポーターの使用によって膝の関節が固定され屈伸運動を補助する効果や、幹部を圧迫することで一時的に痛みを和らげる効果があります。

サポーターは容易に装着できますが、テーピングには巻き方といった専門的な知識が必要です。膝のお皿の上・お皿の下を固定するような難し巻き方もありますので、正しい方法で対処してください。

ランニングでの膝痛を事前に防ぐ予防策

膝痛は一度起きてしまうと日常生活にも支障があります。ランニングをしていて辛い膝痛にならないためにも、事前に膝痛を防ぐことができる予防策を紹介します。ランニング初心者から経験者まで、痛みを感じることなくランニングをしていけるように参考にしてください。

ストレッチ

ランニング前にはしっかりとストレッチを行いましょう。ランニングだけでなく運動全般に言えますが、凝り固まった筋肉をストレッチによって事前にほぐすことが、膝痛の予防になります。膝の外側・内側・裏側や膝のお皿の周囲などのストレッチを入念に行うことで、腸脛靱帯炎・鵞足炎・膝蓋靭帯炎になることを防ぐことができます。

またストレッチは事前だけでなく、ランニング後も行うようにしてください。ランニング後のケアを疎かにすると、膝だけでなく他の部分を痛める原因となります。

(大腿四頭筋のストレッチについては以下の記事を参考にしてみてください)

大腿四頭筋のストレッチ!固い太もも前の筋肉を伸ばすメニュー&コツを大公開

大腿四頭筋の強化

出典:https://ameblo.jp/afroq/entry-12377969836.html

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は太もも前にある筋肉で、人間の体の中で最も大きな筋肉です。この筋肉は膝の屈伸運動をする時に作用しますので、大腿四頭筋を鍛えると膝の動きがスムーズになります。また膝にかかる負担が軽減されるので、膝の外側・内側・裏側にある筋肉を痛めずに済むようになるでしょう。

ランニングをしていると大腿四頭筋も鍛えられますが、スクワットなどで大腿四頭筋を鍛えることができます。変形性膝関節症の予防にもなりますので、ランニング初心者の場合はランニングとスクワットを組み合わせて大腿四頭筋の強化に努めましょう。

(大腿四頭筋の筋トレメニューについては以下の記事を参考にしてみてください)

大腿四頭筋の筋トレメニュー!自重〜ジムまで!太もも前を鍛えるコツを徹底解説!

ランニングフォームの改善

膝を痛めないためにも、まずは膝が痛くならない走り方である正しいランニングフォームで走ることを心掛けましょう。体のバランスが崩れてしまったり重心が偏るようなフォームではなく、初心者のうちから正しいフォームで走ると、膝に違和感を感じたり痛みとなって現れることは減少します。

しっかりと腕を振り、また足首は内股やガニ股にならないように、まっすぐ前を向くように意識しましょう。

ランニングによる膝痛に関する体験談

ランニングをすることで膝痛が起きている人の体験談を紹介します。初心者から経験者まで膝の外側・内側・裏側・お皿の周囲など痛みが出る部分は様々ですが、体験者の対処法も参考にしてみましょう。

初心者は膝痛が起きやすい

ランニング初心者の場合は鵞足炎になることが多いようです。膝の負担が増えていくとランナー膝になったり、競技によっては膝蓋靭帯炎になる可能性もありますので注意しましょう。

ケアが大切

膝痛がひどくてストレッチ不足を実感したという体験談です。ランニングによる膝痛は予防ができますので、ランニングの前後にはストレッチやアイシングをして、膝を十分ケアしましょう。

ランニング後にストレッチは必要?効果〜タイミング・時間・メニューまで紹介!

正しいフォームで走る

正しいフォームは膝が痛くならない走り方の基本です。体験談では膝痛は感じたがフォームの意識が定着してきたとあるように、正しいフォームで走れるようになると膝を痛める可能性は減少していくでしょう。

ランニングの正しいフォーム!効果倍増で疲れにくい理想の走り方を解説!

ランニングでの膝痛に関する知識をつけておこう

ランニングで起きる膝痛について解説しました。外側・内側・裏側・お皿の周囲といった色々な部分で膝痛が起きる可能性がありますが、事前に予防策を取ることができます。また膝痛が起きた場合は、対応策があることが分かりました。もしも膝痛が起きても慌てずに正しい知識の元で適切な処置をしましょう。