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空腹時の運動が脂肪燃焼に効果的?朝ランニング前の栄養摂取の必要性などを解説!

2020年09月19日

朝運動する前に食事を取るか悩んだ経験はありませんか。実際に空腹状態で運動すると体にどんな影響を与え、どのような効果が生まれるのか普段運動をしている方なら気になりますよね。効果的と言われている理由や、逆にNGとされている理由も一緒に紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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朝のランニングなど空腹時の運動が脂肪燃焼に効果的?

空腹状態でランニングなどの有酸素運動をすると脂肪燃焼に効果があると聞いたことはありますか。そこには食事などの栄養からくる糖、エネルギーが大きく関わってきます。実際にランニングなどの有酸素運動を空腹で行った際にどのような効果があるのか、メリット・デメリットと共に紹介します。

(朝ウォーキングのダイエット効果については以下の記事も参考にしてみてください)

空腹時の運動が脂肪燃焼に効果的と言われる理由

空腹時にする運動が脂肪燃焼に効果的と一部では言われているのを知っていますか。食事を摂取しないまま運動をすることで体にどんな作用があり、脂肪燃焼に繋がるのか気になりますよね。ここでは大きく4つに分けてなぜ空腹時の運動が脂肪燃焼に効果的と言われているか理由を紹介します。

脂肪がエネルギーに変わる

空腹時の有酸素運動が脂肪燃焼に効果があると言われている一番の理由が「最も簡単に脂肪がエネルギーに変わるから」だと言われています。体を動かす際エネルギー源である「カロリー」が必要になってきます。通常食事からカロリーを摂取しますが、食事を摂取していない空腹時に運動をすることにより筋肉と脂肪が分解されそこからエネルギーを作り出します。

これにより脂肪が燃えやすくなるので、空腹時の運動は脂肪燃焼に効果があると言われています。

血糖値が下がり脂肪が燃える

脂肪が燃焼する仕組みとして、運動で体温が上がり血糖値が下がると、体内で血糖値を安定させるためにホルモン(グルカゴン)を分泌されます。そこから脂肪分解酵素が生まれます。これにより血糖値が低いと脂肪が燃えやすくなります。

一般的に食事を摂取すると血糖値は上がります。食事を摂取しないことにより血糖値が最初から低い状態で有酸素運動を始めることで脂肪燃焼に効果があります。

インスリンが分泌されない

食事で栄養を摂取すると「インスリン」という成分が分泌され、各細胞にエネルギー源である糖を送り込みます。この働きにより糖をエネルギーとして利用できます。利用されなかった糖は脂肪として蓄えられてしまい脂肪燃焼が抑制されます。栄養を摂取しないことでインスリンが分泌されず、脂肪燃焼が抑制されることもないので、脂肪燃焼されやすくなります。

運動後の栄養吸収が良い

ランニングなどの有酸素運動をした後30分~1時間が最も栄養補給をするのに適している時間とされていて、運動後に失ったエネルギーを補給しようとする体の働きにより吸収率がよくなります。運動前に食事をするより、空腹状態で運動をしその後栄養を補給した方が効率が良いです。

空腹時の運動はメリットばかりではなく、もちろんデメリットも同時にあります。次に、運動を空腹時にした際の危険性も同時に理解しましょう。

空腹時の運動がNGな理由

空腹時の運動が脂肪燃焼に効果的と言われている一方で、空腹時にする運動は危険とも言われています。その理由をいくつかご紹介します。空腹状態で運動することはメリットだけでなくデメリットも同時にあるということと、その危険性についてもしっかりと知りましょう。

筋肉が分解される

脂肪燃焼に効果的と言われている理由の時にも言いましたが、通常食事から得られるエネルギーの代わりとして、脂肪と筋肉が分解されそこからエネルギーを作り出します。運動する際に必要な筋肉もこの時に分解されてしまうのでとても効率が悪く、筋肉量を減らしてしまうのは代謝が悪くなることに繋がりダイエットにも逆効果です。

代謝が悪化

ダイエットや運動をする際「痩せる体を作る」、「筋肉が付きやすい体を作る」というのを聞いたことはありませんか。そのどちらにも代謝が関係してきます。

人間のエネルギー消費の大半を占めるのは基礎代謝です。この基礎代謝は筋肉量によって変化してきます。上記で「筋肉が分解される」と言いましたが、空腹時に運動をし筋肉が減ることで基礎代謝が減り、結果として「痩せづらく太る」、「筋肉が付きにくい」体になります。

(基礎代謝を上げる筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

血糖値が急上昇する

空腹状態で運動した後の食事内容によっては血糖値が急上昇します。食事の度に血糖値が急上昇することで心筋梗塞や脳卒中、がんなどの重大な病気が発病するリスクが高くなります。

そして、血糖値が急上昇することで痩せにくい体へと繋がります。通常、取り込まれた組織内でエネルギーとして使いきれなかったブドウ糖は、中性脂肪として体へと蓄えられます。インスリンはこの時、ブドウ糖が中性脂肪へと合成される働きを促します。

インスリンは血糖値が上昇すると分泌されます。血糖値が急上昇するとその分大量のインスリンが分泌され、ブドウ糖が中性脂肪へと変わりやすくなり、痩せにくい体へと変化していきます。

低血糖になりやすい

空腹時にエネルギー源である糖分が不足した状態のまま、無理やり運動をすることで低血糖状態になる恐れがあります。低血糖状態になるとめまいや立ちくらみなどの症状を引き起こす可能性があり、運動をしている途中で倒れてしまい、倒れた際に怪我をするなどのリスクもあるため十分注意してください。

内蔵疲労が溜まる

空腹状態でランニングなどの有酸素運動をすることで、エネルギーが無いところから無理やりエネルギーを作り出さなければなりません。それにより内蔵に負担がかかり内蔵疲労が溜まりやすくなります。

また、夜人間が寝るように内蔵も休みを取ります。大体の場合食事を取ることで内蔵が起き、活動を始めます。食事を取らず運動をすることで急に起こされ活動が開始されます。これによっても内蔵にかかる負担が大きくなります、

コルチゾールが分泌される

血糖値が下がるとコルチゾールというホルモンが分泌されます。このホルモンも筋肉を分解していまいます。体重と同時に筋肉が落ち、「痩せやすいけど太りやすい体」になっていきます。そしてこのコルチゾールが出ている状態はフラフラするほど極限の状態です。

コルチゾールが分泌される状態が続くことで他にも「肥満」、「月経異常」「筋力低下」「骨粗鬆症」などが引き起こされる可能性がありますので、なるべくコルチゾールの分泌は避けたいですね。

力が入らない

エネルギー源がないため、単純に力が入らなくトレーニングパフォーマンスがとても悪くなります。脳に糖分も行き渡らないのでぼーっとしたり、体がだるく感じます。この状態のまま運動を行うと転倒したり、どこかを傷めてしまう可能性があります。怪我をすると運動を行うことすら難しくなる可能性があるので十分気をつけてください。

運動前に食事を取らないだけで、こんなにもデメリットがあります。運動前の食事が大事だとされている理由が分かりましたね。

満腹時の運動もNG?夕食後の夜ランニングは注意?

空腹時のランニングなどの有酸素運動が体に様々な良くない影響を与えるのが分かりましたね。では逆に、満腹時の運動は体にどんな影響を与えるのでしょうか。そして、どの時間帯でも運動をすればいいという訳ではなく、適切な時間があります。夕食後のランニングがあまり良くないとされている理由も一緒に紹介します。

インスリンが多く分泌される

夕方以降は副交感神経が盛んに働くようになると言われています。そして膵臓からインスリンが多く分泌されるのも夕方以降です。満腹時や夕方以降に運動を行うことにより副交感神経が過剰に働き、内蔵に負担をかけてしまう恐れがあるので注意が必要です。

インスリンが多く分泌されたり、副股間神経が過剰に働くことで、行き場を無くした糖が血液中に溜まり、空腹時の血糖も高くなります。次第に全身の血管を傷つけ、様々な障害をもたらします。

夕食が20時以降になる場合注意

夕食を20時以降にとっていて、その後にランニングなどの有酸素運動を行おうとしていませんか。食後30分~1時間は摂取した食べ物を消化するためにエネルギーが使われるので、この時間は運動を避けたほうが良いとされています。夕食後に運動を行う場合、夜寝る時の寝付きを悪くしてしまう恐れがあるのでなるべく避けたほうがいいです。

一般的に運動に最適とされている時間は昼食を食べた2~3時間後の15時~16時頃と言われています。この時間になるべく運動ができるよう心がけましょう。

空腹時と同じ状態

食後すぐや満腹時は胃に食べ物がある状態です。血液が胃に集まってきて、その状態のまま運動をすることで消化不良が起こる可能性があります。消化不良が起こると、本来取り込まれるはずだった栄養素が体に取り込まれなくなります。結果として空腹時に運動をするのと同じ様に、筋トレの効果を十分に得ることができません。

また、食後すぐに運動をすると食べ物を消化しきっていないために血糖値が上がります。結果空腹時に運動をするのと同じくらい危険な状態になります。このことから食後すぐの運動はなるべく避けましょう。

(食後のランニングがNGかどうかについては以下の記事も参考にしてみてください)

運動前のエネルギー摂取はどうすべき?

「食事をとった後に運動すればいい」だけが重要なのでないのが分かりました。では、運動前のエネルギー摂取はどのように行うべきなのでしょうか。どのようなメニューでどのくらいの量を摂取し、どのくらい時間を空ければいいのかベストなタイミングというものがあるので、いくつか紹介します。

ダイエットの場合は運動後の食事

運動をした後の食事は、摂取した栄養が運動で使われた筋肉への補修に使われることが多いです。このため食べた栄養が脂肪になりにくく、ダイエットをしている方は運動後の食事が向いているといえます。ダイエットをしたい方は運動前には腹四分目程度の食事に押さえ、運動後にしっかりとした食事を摂取するよう心がけましょう。

筋肉を付けたい場合運動前の食事

筋肉量を増やしたい方は運動パフォーマンスの質が重要になってきます。体内の栄養が十分にある状態が一番筋トレに最適なタイミングだとされています。運動を行う前にしっかりとエネルギー摂取を心がけましょう。時間が無い場合でもすぐエネルギーに変換できるおにぎりやバナナなどを摂取してみてください。

運動の10分前

運動の10分前には胃に入ってからすぐエネルギーが吸収できるように、スポーツドリンクや栄養ゼリーなどの半固形状の食事や、液状の栄養機能食品がおすすめです。また、東京慈恵会医科大学・鈴木政登教授の研究では、運動前にカフェインを摂取することで、より効率良くエネルギー消費ができるとの研究結果が出ています。

運動中に脇腹が痛くならないように摂取する量には十分気をつけ、あまり大量に摂取しないようにしましょう。

運動の30分前

あまり多くは摂取せずに、腹四分目の割合で、糖質を中心に摂取しましょう。バナナやメロン、アボカドなどの柔らかい食品がおすすめです。糖質と共に筋肉を正常に保つ「カリウム」という成分が含まれているため、運動前の食事に向いているといえます。

また、栄養価が高く消化吸収のよいとされている
・緑黄色野菜(キャベツ、大根、白菜、ほうれん草、にんじん、カブ、小松菜)
・大豆食品(豆腐、納豆)
・鶏肉(鶏むね肉、ささみなど)
・脂肪分が少ないお肉(赤身肉、ヒレ肉など)
・魚(白身魚、鮭、まぐろ)
・うどん、雑炊
・卵(半熟卵、茶碗蒸し)

などの食材を使用した料理がおすすめです。野菜スープなどでも手軽にこれらの食材を摂取することができます。

運動の1時間前

炭水化物などの比較的消化・吸収が早いおにぎりやサンドイッチなど、そばやうどんなどを摂取しましょう。油を多く使用した食事は消化に時間がかかり胃への負担も増えるため、摂取するのをなるべく避けてください。カロリーメイトやソイジョイなどの固形の栄養補給食品も手軽に摂取できるのでおすすめです。

運動の2時間前

あまり多くのカロリーを摂取しないよう気をつけながら、揚げ物や炒めものなどの油っこい食べ物を避け、炭水化物やたんぱく、ビタミンやミネラルなどのバランスの良い食事を心がけましょう。消化に余計なエネルギーを使わないように満腹になるまで食事をしないように量に気をつけてください。

サプリで補給

どうしても、トレーニングをする前に食事を取ることが出来ない時もあると思います。その場合食事から栄養摂取をするのではなく、BCAAというサプリから摂取するのがおすすめです。このBCAAとは必須アミノ酸である「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3つが入っていて、筋肉がたんぱく質によって分解されるのを防ぐ役目があります。

空腹時にトレーニングをすることで、体は筋肉をエネルギーへと変えます。BCAAを摂取することにより代わりのエネルギーになってくれるので、筋肉が分解し無くなるのを防ぎます。摂取して30分程度で血中濃度が最高値にへと達するので、BCAAを摂取する際は運動する30分前に取るのがおすすめです。

(筋トレ中のサプリの優先順位については以下の記事も参考にしてみてください)

ランニングなどの運動をする際は空腹を避けよう

ランニングなどの有酸素運動を行う際に、空腹時は避けた方が良いことが分かりましたね。食事を取った後に運動することで筋肉量を減らさずに運動の効果を得られます。時間がない時でも食事をしっかりと取り、空腹をできるだけ避けるよう心がけましょう。