インナーマッスルは筋肉痛にならない?
「インナーマッスルを鍛える」「体幹を鍛える」というのは、最近よく耳にするのではないでしょうか。インナーマッスルとは、身体の深いところにある筋肉で深層筋を指します。一方で体幹は、頭と両手足を除く胴体部分を指します。インナーマッスルは筋肉の「深さ」、体幹は「場所」のことなので、まったく違うものです。
インナーマッスルは腹部の筋肉という印象がありますが、体幹筋や上肢、下肢の深層筋も含まれます。肩にもインナーマッスルはあります。
インナーマッスルも筋肉なので、筋肉痛になります。しかも、インナーマッスルは普段の生活ではあまり使わない筋肉なので、少しの筋トレでも筋肉痛になりやすいです。
(筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレのやりすぎは危険。病気などのリスク〜オーバーワークの基準&対策を徹底解説
出典:Slope[スロープ]
インナーマッスルが筋肉痛になっている症状
インナーマッスルが筋肉痛を起こしているときの症状を紹介します。
症状:腰痛
お腹には、腸腰筋(深腹筋)と呼ばれるインナーマッスルがあります。名称の通り腰やお腹にある筋肉です。ヒップアップや下腹を引っ込ませたい人は、トレーニングしたい部分ではないでしょうか。また、このインナーマッスルを鍛えることで腰痛予防にもなります。
しかし、やり過ぎたり間違った方法で筋トレをしてしまうと痛みを感じることがあります。
(スクワットでの腰痛の原因については以下の記事も参考にしてみてください)
スクワットでの腰痛の原因はコレ!嘘のように改善する簡単な対策を解説!
出典:Slope[スロープ]
症状:肩の痛み
肩関節の周りには、ローテーターカフ(腱板)と呼ばれるインナーマッスルがあります。このインナーマッスルには関節を安定させる働きがあり、腱板は肩関節をいろんな方向から支えているのです。また、鍛えることで運動能力の向上や肩を強くし、肩こりや四十肩などの痛みの予防や改善も期待できます。
肩は、インナーマッスルとアウターマッスルがバランスよく動くようにできています。そのため、筋トレをするときもバランスよくトレーニングをしなければなりません。ベンチプレスなどのアウターマッスルのトレーニングばかりしてしまうと、痛みが生じることがあります。
(ローテーターカフの筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
ローテーターカフ(回旋筋腱板)の筋トレ!構造・作用〜鍛え方のコツまで解説
出典:Slope[スロープ]
症状:腹痛・胃痛
腹部の筋トレを始めると、腹痛や胃痛になることがあります。アウターマッスルの筋肉痛とは違うので勘違いをしてしまうかもしれませんが、インナーマッスルが筋肉痛になっている可能性が高いです。
インナーマッスルの筋肉痛は、腹痛や胸やけのような症状の場合もあります。しかし、インナーマッスルの筋肉痛だった場合は、胃薬などの薬を服用しても効果はありません。筋トレや有酸素運動をした後に腹痛や胃痛を感じたときは筋肉痛を疑ってみましょう。
症状:下痢
筋トレした後は筋肉の疲労しか注目されませんが、実は内臓にも負担がかかっています。筋トレをすると全身の血液の流れが筋肉に集中し、内臓にまわる血が少なくなるのです。
運動をするには多くの酸素や栄養が必要で、筋トレなどをすると筋肉へ流れていきます。食後に身体を動かすとお腹が痛くなることがありますが、それは胃腸に十分な血液が届いていないからだといわれており、これにより便秘や下痢を引き起こすとされています。
インナーマッスルが筋肉痛になったときの対処法
インナーマッスルが筋肉痛になったときの対処法を紹介します。そのままにしてもそのうち治るかもしれませんが、できれば早く治したいですよね。自身で痛みを緩和できる方法を紹介します。
対処法:睡眠
筋肉の回復には、しっかり睡眠をとることが大切です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは筋肉の疲労を回復させてくれます。十分な睡眠時間を確保し良質な睡眠がとれるように工夫しましょう。
筋トレをした日だけではなく、毎日決まった時間に寝て起きて身体のリズムを整えることが理想です。
対処法:水分補給
筋肉痛には水分補給が大切です。人間の身体は約60%〜70%の水分でできていますが、その水分は筋肉に一番多く含まれているのです。筋肉に栄養を運んだり、老廃物を排出したりするのに約90%の水分が使われています。
筋肉量が多いほど筋肉に蓄えられる水分量も多くなります。また、疲労物質を流すためにも水分は必要です。不足すると筋肉痛の原因になる脱水による循環不全を引き起こします。
(筋トレと水分補給の関係については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレ前も筋トレ後もしっかり水分補給をしましょう。1度にたくさん飲むのではなく、コップ1杯の水をこまめにゆっくり飲むのがおすすめです。
筋トレは水分補給で成長速度UP!理由〜必要な量・タイミングまで解説!
出典:Slope[スロープ]
対処法:栄養を摂る
筋肉痛を和らげるには、栄養補給が大切です。筋トレをした後は筋肉をつくるために、たんぱく質をの多い食品を摂ることを心がけましょう。たんぱく質は肉類、大豆、乳製品などに多く含まれています。豚肉にはたんぱく質とビタミンB1が含まれているのでおすすめです。
ビタミンB1にはエネルギー代謝と疲労回復の効果が期待できるといわれています。また、レモンやグレープフルーツなどのビタミンCも体内の有害物質を外に出す作用があるので、あわせて摂ってみるといいでしょう。
対処法:冷やす
筋トレをした後は筋肉が熱をもっている場合があります。スポーツ選手が試合が終わった後に冷やしているのを見たことがあるのではないでしょうか。そのような時には、氷や冷却スプレーで熱をもっている部分を冷やしましょう。だいたい15分〜20分くらいです。冷やし過ぎるのはよくありません。
対処法:お風呂に入る
普段はシャワーですませている人も筋トレをした日はゆっくりお風呂につかりましょう。温度は38℃〜39℃くらいの少しぬるめにして肩までつかります。
お風呂に入りながら、筋トレで疲れた箇所をマッサージするもの効果的です。そのときはあまり強い力を加えずに、やさしくマッサージすることをおすすめします。
(筋トレ後のお風呂については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレ後のお風呂で筋肉が成長!疲労回復は別?何分後に何分が効果的など入り方まで解説!
出典:Slope[スロープ]
対処法:軽い運動をする
筋肉痛が痛いからといって、なにもしないでじっとしているのはよくありません。動かないと血行もよくならないので、筋肉が回復しないからです。
筋肉痛は普段使わない筋肉を動かしたときに起こりやすくなります。普段から体を動かして血行をよくして、酸素や栄養を循環させることが大切です。
無理のない範囲でストレッチや軽い運動をしましょう。ただし、痛みがひどい場合やストレッチをして違和感を感じた場合は安静にすることをおすすめします。
対処法:薬を飲む
筋肉痛がひどいときは市販の解熱鎮痛剤を服用する方法もあります。一時的に痛みを緩和してくれるだけですが、どうしても痛みが我慢できない場合の対処法の1つです。
インナーマッスルの筋肉痛とうまく向き合おう
お腹周りを引き締めたり、下腹を引っ込ませたりするためにインナーマッスルのトレーニングは定番となっていますが、今までやってこなかった人は筋肉痛になる可能性が高いです。
筋肉痛になってもそのままにせず、自分でできる範囲で対処しましょう。なかなか治らない場合は病院へ行くことをおすすめします。
筋肉痛になることで回復時に筋肉がよりパワーアップします。筋肉痛とうまく向き合って理想の筋肉を育てましょう!