中学生・小学生でも筋トレはOK!正しいやり方〜子供の背が伸びない噂の真相まで紹介!

中学生・小学生など、子供の成長期に筋トレをすると体の発達を妨げるという噂を聞いたことがあるかもしれません。でも実は、正しいやり方でトレーニングを行えば、筋トレは子供の成長にとってメリットだらけなんです。今回は子供の成長と筋トレの関係について説明します。

監修 |パーソナルトレーナー Riku
instagramTwitterHPTRIGGER POINT Performance Therapy 認定トレーナー2ndpass認定トレーナーBODYBOSS認定トレーナー 法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。王様のブランチなどメディアにも複数出演。お客様のパートナーとして食事管理やトレーニングの指導はもちろんのこと日常生活や仕事での悩みなど身体&精神的な不調に関わることに対してサポート致します。

目次

  1. 中学生・小学生などの子供は筋トレNG?
  2. 中学生・小学生で筋トレをすると背が伸びないは嘘?
  3. 筋トレは子供の成長にとって悪影響なのか
  4. 中学生・小学生に筋トレをすすめる理由
  5. 中学生・小学生など子供が筋トレをする際のポイント
  6. 幼児期
  7. 小学生
  8. 中学生
  9. 高校生
  10. 小中学生から筋トレをしていたアスリート
  11. 本田真凜
  12. 池江璃花子
  13. 錦織圭
  14. 中学生・小学生など子供でも筋トレはしても大丈夫!

中学生・小学生などの子供は筋トレNG?

多くの人が「成長期の子供、特に中学生や小学生が筋トレをすると背が伸びなくなる」という噂を聞いたことがあるのではないでしょうか。結論から言うと、成長期の子供が筋トレをすると背が伸びなくなるというのは嘘です。ただし、成長期の子供は体に様々な変化が起こるため、その変化を配慮したトレーニング方法を見つける必要があります。

今回は、筋肉が発達することで起きる子供への影響や、年齢別のトレーニングのポイントを解説します。何をすべきか、また、何をしてはいけないのかをこの記事でしっかり確認しておきましょう。

中学生・小学生で筋トレをすると背が伸びないは嘘?

ここでは「中学生・小学生が筋トレをすると背が伸びない」と信じられている原因やその真相、成長期の筋トレが中学生・小学生の体に与える影響について説明します。

筋トレは子供の成長にとって悪影響なのか

中学生・小学生が筋トレをしても、背が伸びなくなることはありません。筋トレをすること自体が悪いのではなく、年齢や個人の運動能力・体に合わない方法で筋トレを行うことが成長に悪影響を及ぼすのです。

例えば、「有名なスポーツ選手が行っている運動をそのまま子供にやらせる」というのはNGです。子供の成長に重要な成長軟骨への負担が強く、背が伸びなくなったり、体を痛める恐れがあります。子供は成長するにつれ、さまざまな変化が体に現れるので、そのことを配慮した筋トレメニューを決めなければいけません。

また、他の競技の選手と比べて、体操やレスリングなどの筋力を重要視するスポーツに小柄な選手が多いことが、この説が信じられている原因の1つだとも言えます。これらのスポーツ選手に背の低い選手が多いというのは事実です。しかし、筋トレをしたから背が伸びなくなったというより、小柄なほうが活躍しやすいために背の低い選手の印象が強いというだけです。

中学生・小学生に筋トレをすすめる理由

成長段階に合わせて適切な筋トレを行うと、子供の成長と発育が促されます。筋トレで筋肉に程よい負荷がかかると体内で起こるのが、成長ホルモンの分泌です。この成長ホルモンは身長を伸ばす働きや、免疫機能を安定させる働きがあります。このように成長期の筋トレは子供の成長を妨げず、むしろ健康的な体づくりをするのに大きく貢献するのです。

また、子供の年齢や体格に沿ったトレーニングで付いた筋肉は骨や内臓もサポートします。もともと筋肉は体を動かすだけではなく、骨や内臓など体の内側を守る役目も果たしています。筋トレで体を鍛えていれば、転んだりして外側から受けるダメージから骨や内臓などを守り、ケガを予防することが可能です。

さらに、筋肉が付けばサッカーやバスケ、野球をはじめとする、さまざまなスポーツでのパフォーマンスの向上も期待できます。体の発達に合わせたトレーニングをすることで、基本的な体の動かし方や姿勢がしっかり身に付き、運動の経験も豊富になります。基本が身についていれば、応用にも対応しやすくなるため、結果として技術の吸収も早くなるのです。

(小学生・中学生もプロテインを飲むべきかどうかについては以下の記事も参考にしてみてください)

小学生・中学生もプロテインは飲むべき?子供によくない?身長の伸びについても!

中学生・小学生など子供が筋トレをする際のポイント

筋トレは、特定のスポーツを習っている・習っていない関係なく、どんな子供にもメリットがあります。特定のスポーツを習っていない子供の場合、心配されるのが運動不足です。運動不足がたたると、姿勢が悪くなる、肥満になる、体が硬くなってケガをしやすくなる、などのリスクがあります。当然、運動不足は筋トレで解決できるので、ぜひ取り組んでみましょう。

特定のスポーツを習っていると、反復練習のために特定の体の部位を重点的に動かさなければなりません。このとき、技術を向上させたり、筋肉や関節の疲労を防ぐためには、他の体のパーツがサポートするように動くことが重要です。筋トレで普段動いていない筋肉も鍛えられれば、体全体の動きや姿勢が良くなるので技術の迅速な習得やケガの予防が期待できます。

今述べた通り、筋トレによって得られるメリットはたくさんあります。しかし、筋トレのやりすぎや筋肉の使い過ぎ、など間違った方法で行うと成長を妨げる原因にもなります。ここでは年齢別の筋トレのポイントについて説明するので、しっかり確認しておきましょう。大前提として、筋トレを行うときは正しいやり方・姿勢を教えることを忘れないでください。

(正しいスクワットのやり方については、以下の記事も参考にしてみてください)

スクワットの効果&正しいやり方!13種類のフォーム、回数・重量などコツも解説

幼児期

幼児期の子供に必要なのは、遊びを通じてたくさん体を動かすこと。ジャングルジムや鉄棒などの遊具で遊んで、手足の動き、体の支え方、バランスのとり方など、体の動かし方を自然と覚えていきます。この時期の子供は姿勢や体の動かし方を教えるよりも、とにかく楽しんで動くことに重点をおきましょう。

小学生

この時期はまだ体が成長途中であるため、自重トレーニングをメインにして運動をします。また、神経が著しく発達する時期なので、敏捷性を強化させるような複雑な動きを体験するのが理想的です。さまざまなスポーツに挑戦させましょう。ただ、一概に小学生といっても低学年と高学年では発達具合が異なるので、慎重にトレーニングメニューを決めることが重要です。

プレゴールデンエイジと呼ばれる小学校1~3年生の頃は骨や関節がまだ柔らかく、無理なトレーニングは骨の変形を引き起こす恐れがあります。筋トレを取り入れる場合は、座った姿勢や寝た姿勢でできる簡単なものにましょう。また、体をよく動かして神経を刺激することが重要です。遊びを通して体を動かすことが効果的だといえます。

小学校4~6年生の頃はゴールデンエイジと呼ばれる時期に当たります。この時期に入ったら自重を使った腕立て伏せや腹筋などを少しずつ取り入れてください。神経の発達はこの頃までにほぼ完了するので、この時期までにさまざまなスポーツや動きを経験させるといいでしょう。

(正しい腕立て伏せの効果&フォームについては以下の記事も参考にしてみてください)

腕立て伏せの効果&フォームを種類別に!呼吸法・回数などのコツを解説

中学生

中学生になると筋肉がほぼ大人と同じものになります。しかし、骨の成長に重要な役割を果たす、成長軟骨への負担を考えると、自重を使った筋トレを中心に行ったほうが良いです。ウエイトを使う場合でも、2~3キロの軽めのものにしましょう。

体の変化が顕著に現れる時期なので、トレーニングメニューを決めるときは気を付けてください。特に、筋トレの頻度や強度などの負荷設定をするときは個人の運動能力や体格、男女の差を考慮することが大切になります。また、この時期の子供に見込めるのが全身持久力の向上です。呼吸・循環系を鍛えられるような陸上競技や球技を積極的に取り入れてみてください。

この頃になると、特に女子は体に丸みを帯びてきて、食事制限などの無理なダイエットをしがちです。体の変化は避けられませんが、筋トレを通して引き締まった体を手に入れることはできます。体の変化を気にしている中学生にも、簡単な筋トレを取り入れるよう勧めてみてください。

(自重トレーニングメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

自重トレーニングメニュー20選!筋肥大・ダイエットなど目的別のコツも解説

高校生

高校生になると成長期もほぼ終わり、大人と同じ筋トレを取り入れられるようになります。これまで以上に正しいやり方・姿勢を意識してトレーニングに励みましょう。骨や筋肉が発達する時期なので、筋力や瞬発力を鍛えられるようなトレーニングに取り組むといいです。

ダンベルなどのウエイトやジムにあるマシンを用いた本格的なトレーニングにも挑戦していきましょう。ただし、成長具合には個人差もあるので無理は禁物です。様子を見ながら少しづつ負荷をかけていくようにしてください。また、無酸素運動のハードなトレーニングにも取り組むとさらに筋力が強化され、パフォーマンスの向上が見込めます。

(有酸素運動と無酸素運動との違いについては以下の記事も参考にしてみてください)

有酸素運動と無酸素運動の違いは?特徴&効果〜順番・時間配分の組み合わせ方を解説

小中学生から筋トレをしていたアスリート

ここでは実際に小中学生の頃から筋トレをメニューに取り入れていたアスリートを見てみましょう。これを読めば筋トレが子供の成長を妨げず、むしろメリットがあることが分かります。

本田真凜

出典:https://imgjapan.com/athlete/marinhonda/

家にトレーニングスペースがあることでも有名な本田選手。妹の本田望結や本田紗来と一緒にバランスボールや縄跳びなどを使って筋トレをしています。3年ほど前からはキックボクシングも導入するなど、しっかり年齢に合わせた筋トレメニューを取り入れています。

最初は鍛え上げた筋肉の重さに苦戦していたようです。しかし、徐々に筋肉の使い方を覚え、ジャンプの精度や軸の安定化に成功しました。慣れるまでは大変ですが、身に着いた筋肉を使いこなせるようになると運動の精度が上がることが分かります。

池江璃花子

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201001/k10012644071000.html

池江選手の母は池江選手が小さいころから鉄棒や雲梯をやらせており、小学5年生の頃には自宅にも雲梯を導入しました。このトレーニングを通して、池江選手は水泳で必要なつかむ感覚や握力などを鍛えたそうです。小学生だった池江選手に教えていた清水桂コーチ曰く「習得が早く、小学1年生にして2,3年生と同じレベルのことが出来ていた」のだとか。

身長も中学校3年間で16センチも伸びました。このように、小さなころから運動をして筋肉をつけても背は伸びるのです。

錦織圭

出典:https://www.keinishikori.com/profile/

小さいころからアメリカでテニスに励んだ錦織選手。どちらかというと小柄な少年だったようですが、15歳ごろから始めた筋トレで足やお尻などテニスには欠かせない筋肉をしっかり付けました。現在は身長も178センチまで伸びています。こうした入念な体づくりも手伝って、18歳ではデルレイビーチ国際テニス選手権で優勝。

小さいころからの正しい筋力トレーニングが実を結んで、世界にも通用するようなアスリートになった例の1人です。成長期から正しい筋トレを続けていれば、しっかりとした体づくりができます。

中学生・小学生など子供でも筋トレはしても大丈夫!

今回は、中学生・小学生の成長と筋トレの関係についてお話ししました。子供の年齢や運動能力に沿った筋トレは、発達や成長を促し、健康的な生活や運動能力の向上をサポートします。それぞれの個人の目的に合わせてトレーニングに取り組み、理想的な体づくりをしましょう。