プロテインの飲み過ぎは危険!太るし抜け毛も?摂りすぎの目安まで解説

筋トレに欠かせないプロテインは、飲み過ぎると危険です。太る・下痢・抜け毛など副作用が出るという噂もありますし、肝臓や腎臓に負担がかかることで病気になるリスクもあります。今回はプロテインの飲み過ぎの危険性と、安全に飲めるよう摂りすぎの目安まで解説します。

監修 |パーソナルトレーナー Riku
instagramTwitterHPTRIGGER POINT Performance Therapy 認定トレーナー2ndpass認定トレーナーBODYBOSS認定トレーナー 法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。王様のブランチなどメディアにも複数出演。お客様のパートナーとして食事管理やトレーニングの指導はもちろんのこと日常生活や仕事での悩みなど身体&精神的な不調に関わることに対してサポート致します。

目次

  1. プロテインの飲み過ぎには恐ろしい危険がたくさん
  2. プロテインの飲み過ぎ(過剰摂取)による副作用
  3. 下痢などの腹痛トラブル
  4. カロリー過多で太る
  5. 抜け毛が増える?
  6. 吐き気など胃のトラブル
  7. ニキビなどの肌荒れ
  8. プロテインの摂りすぎとなる摂取量の目安は?
  9. タンパク質の摂取量の目安
  10. プロテインの摂取回数の目安
  11. プロテインの飲み過ぎで副作用が出た人の体験談
  12. 腸内環境が悪化した
  13. プロテインで太ったかも
  14. プロテインの飲み過ぎでお腹を壊した
  15. プロテインで胃もたれがする
  16. プロテインの飲み過ぎでニキビができた
  17. プロテインは飲みすぎず最適な量を摂取しよう

プロテインの飲み過ぎには恐ろしい危険がたくさん

プロテインの飲み過ぎには、恐ろしい危険がたくさんあります。プロテインの主成分はタンパク質ですが、タンパク質は摂り過ぎると下痢や吐き気などお腹・胃腸のトラブルにつながる可能性も。

とはいえ、プロテイン自体はとても有効なものです。タンパク質には筋肉・髪の毛・皮膚・臓器・血管など人間の体内のさまざまな場所で活躍する栄養素で、欠かすことはできません。タンパク質が足りないと病気になりやすくなるので、積極的に取りたい栄養素です。

特に筋トレで消費が激しい場合には、必要量を食事から補うのは難しいので、プロテインで補うと効果的です。重要なのは、摂取量を守ること。そこで、プロテインの飲み過ぎにはどのような副作用があるのか、摂取量はどれくらいなのか、詳しく見ていきましょう。

(プロテインの割り方については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインは牛乳or水どっちが効果的?各メリット〜目的別の使い分けを解説!

プロテインの飲み過ぎ(過剰摂取)による副作用

プロテインの飲み過ぎによる副作用として考えられるものは、主に5つあります。

・腹痛トラブルが起こる
・太る
・抜け毛が増える
・胃のトラブルが起こる
・肌荒れにつながる

ですが、中には副作用と思われているだけで実際にはプロテインとは関係がないものも。そこで、プロテインの副作用として挙げられる問題について詳しく見ていきましょう。

下痢などの腹痛トラブル

プロテインの過剰摂取は、下痢などの腹痛トラブルの原因になる可能性も。タンパク質を摂り過ぎると腸内環境が悪化し、それが原因で下痢などが起こることがあります。腸内には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌という3種類の菌が住んでいて、このバランスが良ければ腸内環境がいいと言います。

腸で一度に吸収できるタンパク質の量は限られているので、プロテインを過剰摂取すると吸収しきれなかったタンパク質が腸内に蓄積され、悪玉菌の餌になってしまいます。悪玉菌は下痢・便秘・腹痛などの原因になる菌なので、プロテインの過剰摂取が下痢などの腹痛トラブルを引き起こすのです。

プロテインの過剰摂取で吸収しきれなかったタンパク質は、肝臓で脂肪に変換されて体脂肪になったり、尿素として尿と共に排出されたりします。この過程で肝臓や腎臓に負担がかかって病気のリスクが高くなるので、プロテインの過剰摂取は避けるべきです。

(プロテインとお腹のトラブルの関連性については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインで腹痛・胃痛・下痢に…。原因〜即効性のある対策を解説!

カロリー過多で太る

プロテインを過剰摂取すると、カロリー過多で太る可能性があります。タンパク質のカロリーは1gあたり4kcalで、これは糖質と同じカロリーです。意外にカロリーがありますね。例えば「マイプロテイン」の「THE ホエイ」という商品を例に見てみると、1食当たりのタンパク質量は25gで112kcal、100gあたりのタンパク質は86gで387kcalです。

体重が65kgの人が30分運動をした場合の消費カロリーは、腕立て伏せや腹筋などの筋トレで85kcal、ランニングで240kcal、サンドバッグを叩くボクシングで188kcal程度。筋トレを30分した場合、1食分のプロテインのカロリーの方が高く、摂取したカロリーが消費しきれない可能性もあります。

タンパク質を多く摂るためにプロテインを飲み過ぎると、消費カロリーよりも摂取カロリーの方が多くなって太る原因に。必要な量だけ飲んでいれば太ることはないので、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないよう注意しましょう。

(プロテインで太るについては以下の記事も参考にしてみてください)

『プロテインで太る』は嘘!ただ飲み方次第で脂肪がつくことも!体験談あり

抜け毛が増える?

プロテインを摂取していると抜け毛が増えると言われることがありますが、これに関しては否定的な意見が多く見られます。毛髪治療の専門医療機関としての治療実績を多く持つ東京スカルプクリニックによると、健康な髪を育てるためにはタンパク質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取することが重要だと言います。

プロテインには髪の成長に必要なタンパク質が多く含まれていて、商品によってはビタミン類が添加されているものも。そのため、抜け毛を促進するのではなく逆に髪の健康を保ってくれると考えられます。

プロテインは髪の成長に必要なタンパク質はもちろん、製品によっては各種ビタミンが添加されているものもあります。そのため”髪が生える”とまでは言えないものの、プロテインはむしろ髪の健康を維持するために役立つサプリメントと言えるでしょう。

プロテインではなく筋肉増強剤のアナボリックステロイドを使用すると、薄毛の原因になる可能性もあります。男性ホルモンと同じ作用があり、タンパク質の合成を促すことで筋肉を肥大させる効果がありますが、副作用が大きいため使用を避けたい薬剤です。この筋肉増強剤と勘違いされて、プロテインが抜け毛の原因と言われるようになったとも考えられています。

(プロテインと抜け毛の関連性については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインの副作用による『抜け毛』は根拠なし!むしろ予防・改善に役立つ?

吐き気など胃のトラブル

プロテインを摂取すると吐き気などの胃のトラブルが起こる方は、アレルギーがあるか乳糖不耐症であるか、どちらかの可能性があります。

アレルギーの場合は、プロテインの成分である乳製品・大豆・人工甘味料が関係していることも。乳製品アレルギーの方はガゼインやホエイが入っていないプロテインを選ぶ、大豆が原因の方はソイプロテインを避けるなど、プロテインの種類を変えたり飲む量を減らしたりする対策ができます。

乳糖不耐症の方は乳糖を消化できない状態なので、乳糖が含まれていないプロテインを選んだり、牛乳ではなく水でプロテインを割ったりすると改善される場合があります。

(プロテインによる吐き気や胃もたれの対策法については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインで吐き気・胃もたれに…。原因〜即効果の出る対策を解説!

ニキビなどの肌荒れ

約4万7千人を対象として、ニキビと乳製品の種類、摂取量を調査した研究では、牛乳を含む乳製品の摂取とニキビとの間に関連性があると報告されています。

また、ホエイプロテインの摂取によってニキビが悪化した症例もいくつか報告されています。

プロテインは、ニキビなどの肌荒れに関連するという指摘もあります。肌のクリニック高円寺麹町によると、牛乳や乳製品とニキビとの関連性が指摘されています。ホエイプロテインの摂取が、ニキビの悪化に関連している例も。

乳製品が関連しているので、ニキビが気になる方はプロテインを牛乳ではなく水で割る・摂りすぎに注意する・ホエイプロテイン以外のプロテインを選ぶなどの対策をするといいでしょう。

プロテインの摂りすぎとなる摂取量の目安は?

プロテインの摂りすぎとなるのは、どのような時なのでしょうか。摂取量の目安について見ていきましょう。

タンパク質の摂取量の目安

過剰摂取を避けるには、プロテインの摂取量の目安を知っておく必要があります。厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を基にすると、タンパク質の1日あたりの推奨摂取量は15歳~64歳の男性で65g・65歳以上の男性で 60g・15歳~17歳の女性で55g・18歳以上の女性で50gです。

筋トレなどをする場合、さらに多くのタンパク質が必要とされます。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では身体活動別にタンパク質の目標摂取量も示していますが、それによると以下の例のように年齢と性別を元にかなり細かく1日あたりの目標量が示されています。

・18歳~29歳の男性:レベルⅠ75g~115g、レベルⅡ86g~133g、レベルⅢ99g~153g
・18歳~29歳の女性:レベルⅠ57g~88g、レベルⅡ65g~100g、レベルⅢ75g~115g
・30歳~49歳の男性:レベルⅠ75g~115g、レベルⅡ88g~135g、レベルⅢ99g~153g
・30歳~49歳の女性:レベルⅠ57g~88g、レベルⅡ67g~103g、レベルⅢ76g~118g

身体活動レベルはレベルⅡがふつうとされていて、多くの健康な日本人がレベルⅡに当てはまります。筋トレをする場合は、レベルⅢを目安にするといいですね。推奨量はほとんどの人が必要な量を満たす量、目安量はある集団でその栄養素が不足する人がほとんどいない量を言います。十分な科学的根拠があるのは、推奨量の方です。

(タンパク質の必要量については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレに必要なタンパク質の摂取量は?タイミング〜効果の高い食材まで紹介!

プロテインの摂取回数の目安

腸で一度に吸収できるタンパク質の量は限られているので、1日に必要な量のタンパク質をまとめて摂取する方法はおすすめできません。プロテインの摂取回数は、1日に3回程度が目安となります。食事と合わせて5回か6回タンパク質が補給できる回数を目安にしましょう。

吸収できる量以上のタンパク質を一度に摂ると吸収できない分は体外に排出されるので意味がありませんし、肝臓や腎臓に負担をかける原因になります。プロテインの量を計算する際は、パウダーの量ではなくタンパク質の量に注目しましょう。パッケージの成分表を見て、タンパク質の含有量を確認する必要があります。

(プロテインの1日の摂取量については以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインの1日の摂取量は?何回飲むべき?女性・男性別の目安を解説!

プロテインの飲み過ぎで副作用が出た人の体験談

プロテインの飲み過ぎで副作用が出た経験を持つ方は実際にいます。タンパク質の摂りすぎでどのような問題が起こる可能性があるのか、体験談を見てみましょう。

腸内環境が悪化した

こちらの方は、プロテインの飲み過ぎで自分でも腸内環境が悪いと感じる状態になっているとのことです。タンパク質の摂り過ぎで、一度に吸収できる量を超えていると考えられます。やはりプロテインの摂りすぎには注意が必要です。

プロテインで太ったかも

他の食事を変えていないのにプロテインを多めに摂ったところ、BMI値が20を超えた経験を持つ人もいます。その結果、プロテインの量を調節したとのことです。別の方も、プロテインを摂りすぎると太ると感じていることがわかります。プロテインを控えたところ痩せたので、プロテインの過剰摂取は太る原因になると言えます。

プロテインの飲み過ぎでお腹を壊した

プロテインを飲んだらお腹を壊してしまったという声もありました。プロテインの飲み過ぎを考えられる原因として挙げているので、飲み過ぎたと感じたときにお腹を壊していると言えますね。腸で一度に吸収できるタンパク質の量は限られているので、多く摂ると悪玉菌の餌になって悪玉菌が増え、腹痛などのトラブルにつながります。

プロテインで胃もたれがする

こちらの方は、プロテインを飲むと胃もたれを感じています。過剰摂取にならないよう、自分で注意しながら摂取することで対策しているようです。体質的にプロテインが合わなくても、量を工夫するなどの方法で上手に取り入れることが可能になります。

プロテインの飲み過ぎでニキビができた

なかなか治らないブツブツができたところ、ニキビだったという経験を持つ人も。自身でプロテインの飲み過ぎによる副作用と分析しています。なかなか治らないとのことなので、プロテインとニキビに関連性があると考えられます。

プロテインは飲みすぎず最適な量を摂取しよう

プロテインは適切な量を摂取すると、筋肉づくりにも健康づくりにも役立ちます。ですが摂取しすぎると太る・ニキビの原因になる・腹痛や下痢を引き起こすなどのトラブル原因になることも。吸収しきれなかったプロテインを分解・排出する過程で肝臓や腎臓に負担がかかるため、病気リスクも高まります。プロテインは適切な量を摂取して、筋トレに役立てましょう。