プロテインは高カロリーで太る?タンパク質含有量が高い食品と比較して検証!

プロテインはカロリーが高いから飲むと太ると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。この記事では、他の食品のカロリーと比較して、プロテインが太る原因になるのか検証しています。プロテインを試したいけど、カロリーが気になる人は是非参考にしてみてください。

監修 |パーソナルトレーナー Riku
instagramTwitterHPTRIGGER POINT Performance Therapy 認定トレーナー2ndpass認定トレーナーBODYBOSS認定トレーナー 法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。王様のブランチなどメディアにも複数出演。お客様のパートナーとして食事管理やトレーニングの指導はもちろんのこと日常生活や仕事での悩みなど身体&精神的な不調に関わることに対してサポート致します。

目次

  1. プロテインは高カロリーで太るものって本当?
  2. 消費・摂取カロリーについて
  3. 消費カロリー
  4. 摂取カロリー
  5. 三大栄養素のバランスとプロテイン摂取量について
  6. プロテイン摂取量について
  7. タンパク質含有量が高い食材とプロテインのカロリー比較
  8. プロテインは高カロリーで太るものではないから安心して!

プロテインは高カロリーで太るものって本当?

プロテインは効率的に栄養補給ができる優れたサプリメントです。昔はアスリートやボディビルダーが飲んでいるイメージが強かったプロテイン。最近では健康増進のためお年寄りが飲んだり、美容目的で女性が飲むということも増えています。

一方で、プロテインはカロリーが高いので、飲み続けると太るもしくは太ったという話を聞いたことがある人もいるかもしれません。これは間違った認識で、プロテインのカロリーだけが要因で太ることはありません。プロテインのエネルギー量(カロリー)や他の栄養成分の割合などを理解し、正しい飲み方を心がけることが大切です。

プロテインは高カロリーで太るものではないということを、他のタンパク質を含んだ食品のカロリーと比べて検証しました。


(プロテインを飲んでいて太ってしまう人の特徴については以下の記事も参考にしてみてください)

『プロテインで太る』は嘘!ただ飲み方次第で脂肪がつくことも!体験談あり

消費・摂取カロリーについて

そもそも人はなぜ太るのでしょうか。この事を理解するために、まずカロリーについて解説していきます。

カロリーは生きるために必要なエネルギー量(熱量)の単位です。具体的にいうと1kcalは1Lの水の温度を1度上昇させるのに必要なエネルギー量の事を指します。スマートフォンが電気エネルギーを充電して消費するように、人間のカロリーにも消費カロリーと摂取カロリーがあります。それぞれどんなものなのか説明していきます。

消費カロリー

消費カロリーとは、基礎代謝(生命維持)や運動や仕事で消費されるエネルギーのことです。基礎代謝は、呼吸や心臓の動き体温維持といった生命活動を維持するために使われる消費エネルギー量のことを言います。

基礎代謝は個人差があり、筋肉量が多い人ほど基礎代謝が高いとされています。
基礎代謝量は、性別・身長・体重・年齢を公式に当てはめることで算出することが可能です。日本では「ハリス-ベネディクト式」が良く使われますが、計算は少し複雑です。インターネット上にある計算ツールなどを利用すると良いでしょう。

(基礎代謝については以下の記事も参考にしてみてください。)

基礎代謝を上げる筋トレ7選!鍛えるべき筋肉〜痩せやすくなるなどメリットまで解説

摂取カロリー

摂取カロリーとは口にした物で体内に入ってくるエネルギーの事です。食品の中でカロリーを持つのは「タンパク質」「炭水化物」「脂質」の3つの栄養素でこれらの総和を摂取カロリーとしています。それぞれのカロリーは以下の通りです。

・タンパク質:1グラムあたり4kcal
・炭水化物:1グラムあたり4kcal
・脂質:1グラムあたり9kcal

人が太ってしまうのはこの摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうからです。例えばプロテインは牛乳で飲んだ方が水で飲んだ場合よりも摂取カロリーが高いので、それだけ消費カロリーをオーバーして太ってしまう危険性があります。元々大食いだったり、運動を全くしない人もカロリーオーバーの状態になっている可能性が高いです。

(プロテインを牛乳または水で割った場合の効果については以下の記事も参考にしてみてください)


プロテインは牛乳or水どっちが効果的?各メリット〜目的別の使い分けを解説!

三大栄養素のバランスとプロテイン摂取量について

消費カロリーよりも摂取カロリーを低くすれば体重を減らすことは可能ですが、軽率に摂取カロリーを減らすのは危険です。また、三大栄養素のうち、どれか一つを抜くというのも止めておいた方が良いでしょう。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では1日の推定エネルギー必要量が記載されています。このエネルギー量を下回った場合、集中力不足や肌や髪のツヤが悪くなってしまうこともあるので、行き過ぎたカロリー制限は控えましょう。

また、三大栄養素の目標摂取比率はそれぞれ炭水化物50~65%、タンパク質13~20%、脂質が20~30%が理想となっています。この比率でバランス良く摂取することが大切です。この割合はエネルギー量での算出となっています。重量に換算して、1日2000キロカロリー摂取する場合の摂取量は、タンパク質約100g、脂質44.4g、炭水化物300gとなります。

推定エネルギー必要量(kcal/日)

性 別         男 性         女 性
身体活動レベル1   Ⅰ   Ⅱ   Ⅲ    Ⅰ   Ⅱ   Ⅲ
18~29(歳)   2,300 2,650 3,050  1,700 2,000 2,300
30~49(歳)   2,300 2,700 3,050  1,750 2,050 2,350
50~64(歳)   2,200 2,600 2,950  1,650 1,950 2,250

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の表に書かれている身体活動レベルは日常の運動量などで分かれています。

・身体活動レベルⅠ:生活の大部分を座って過ごしたり運動をあまり行わない人。
・身体活動レベルⅡ:座って過ごす事が多いが職場内では移動や立ち作業がある人。また、散歩など軽い運動を習慣にする人。
・身体活動レベルⅢ:移動や立ち仕事が主な仕事の人。または活発な運動やスポーツが習慣の人です。

年齢、身体活動レベル、体重や基礎代謝量によって個人の推定エネルギー必要量を算出することが可能です。

プロテイン摂取量について

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」ではプロテイン=タンパク質の必要量も書かれています。それによると18歳以上の男女に必要なタンパク質量は約40~60gです。この量を1日3回の食事で摂るのは、なかなか大変なことでまず意識しないとできません。

例えば、朝食に食パン1枚と牛乳、ヨーグルト、ゆで卵。昼食にカレーライス。夕飯に肉料理や豆腐料理、ヒジキ。これだけの量を食べて1日のタンパク質摂取量がおよそ60gとなります。もちろんタンパク質だけではなく、他の栄養を摂ることも考えないといけないので、忙しい社会人が毎日準備するのは難しいのではないでしょうか。

1日に必要なタンパク質を効率良く摂取しようとした場合、便利なのがプロテインです。ほとんどの市販のプロテインは一杯で20~30gのタンパク質を摂取することができ、カロリーも約100~130kcalと低く、他の栄養素も摂取できるからです。

タンパク質の推定平均必要量、推奨量(g/日)

性 別          男 性          女 性
年齢      平均必要量  推奨量    平均必要量  推奨量  
18~29(歳)   50     65     40     50
30~49(歳)   50     65     40     50
50~64(歳)   50     65     40     50

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で使われている推定平均必要量とは、ある集団の50%が摂ることができる摂取量を科学的に算出した数値です。残りの50%の人は摂取できないわけですが、この量を不足してもすぐに筋肉が落ちたりするわけではありません。

推奨量とは、この量を摂取すれば97~98%の人は平均必要量のタンパク質を摂取できるとされる数値です。推奨量は平均必要量の値から算出されます。

(プロテインで太ることについては以下の記事も参考にしてみてください)

プロテインバーで太るは嘘!でも間食で食べ過ぎはNG!痩せる食べ方も!

タンパク質含有量が高い食材とプロテインのカロリー比較

タンパク質は牛乳やお肉といった食品から摂取できますが、これらの食品にももちろんカロリーが存在します。タンパク質を多く含む食品はプロテインよりもカロリーが低いのかどうか、それぞれを同量摂取した場合のタンパク質量とカロリーを下の表で比較してみました。

品目タンパク質量(g)カロリー(kcal)
煮干し(カタクチイワシ)64.5332
かつお節77.1356
くろまぐろ26.4125
さば(水煮)20.9190
鱒(マス)28.4233
プロセスチーズ22.7339
卵(鶏卵・生)12.3151
きな粉36.7450
大豆(乾燥)33.8422
ひきわり納豆16.6194
豚足20.1230
ささみ(焼き)31.7147
鶏むね肉(皮なし)38.8195
鶏もも肉(皮なし)25.5161
手羽(皮つき)23.0195
牛乳3.367
牛もも肉(焼き)27.7333
牛リブロース(焼き)20.4511
Grongホエイプロテイン10075407
ザバスホエイプロテイン10071.4395

※100g中りのタンパク質量とキロカロリー
※文部科学省「食品成分データベース」参照

この表から、タンパク質を含んだ食品を同量摂取した時と比べてプロテインのカロリーは低いということが分かります。プロテインはカロリーが高いから太るというのはただの誤解なのです。しかも、プロテインによってはタンパク質だけではなく、ビタミンやミネラルといった他の栄養素も同時に摂取することができます。

プロテインは高カロリーで太るものではないから安心して!

プロテイン一杯分で摂れるタンパク質を他の食品で摂ろうとした場合、カロリーは他の食品の方が高いということがわかりました。プロテインはタンパク質や他の栄養素も効率良く摂れる上に、カロリーも低いので安心して飲んでくださいね。