目次
ペックデックとは?
ペックデックとは、主に大胸筋を中心として三角筋も一緒に鍛えられるトレーニングです。特徴としては大胸筋の最大収縮時に最も負荷をかけられる点です。これはペックデックが開閉動作であるのが理由ですね。外側から内側に絞っていくことで、大胸筋の内側までしっかりと負荷をかけられます。
ベンチプレスなどのプレス系は多くの筋肉を使うことが目的の多関節種目です。ペックデックはそれらに比べ、水平屈折と呼ばれる大胸筋の肩関節だけに動きを絞っている単関節種目です。動きを絞ることで大胸筋の可動域を大きく広げ、集中的に鍛えられます。
似たようなトレーニングにダンベルフライがあります。ダンベルフライの場合はダンベルを上げた際に床と垂直になりやすく、負荷が抜けやすいので初心者には少し難しいです。それに比べてペックデックマシンは腕の軌道が決まっています。負荷も一定で保たれているためフォームが崩れにくく、初心者にもオススメになっています。
また、ペックデックマシンは大胸筋を鍛える筋トレ器具ではありますが、身体の向きを変えて背当てに胸を当てながら使用することで、肩と背中を鍛えられるリアデルトマシンとして使うこともできます。
(ダンベルフライのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
ダンベルフライのやり方!大胸筋に効かせるフォーム〜重量・回数など効果UPのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
ペックデックマシンで鍛えられる筋肉部位
ペックデックマシンがどんなものなのかはわかったところで、次はペックデックマシンで鍛えられる筋肉部位について解説していきます。また、鍛えることでのメリットも一緒に解説していきましょう。
(僧帽筋強化におすすめのダンベルシュラッグのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
ダンベルシュラッグのやり方!僧帽筋上部を鍛えて背中の肥大・肩こり改善を促すコツを解説
出典:Slope[スロープ]
大胸筋【ペックデックマシンで鍛えられる筋肉部位】
ペックデックでは大胸筋を主に鍛えられます。大胸筋の中では上部、下部、外部、内部といった4つの部位に分かれており、ペックデックはその筋肉すべてを鍛えられます。中でも内部の筋肉を重点的に鍛えることが可能です。
大胸筋を全体的に鍛えることによって男性は胸板を厚く逞しいものに、女性は胸の土台が出来上がりバストアップ効果もあります。また、大胸筋は身体の中でも面積の多い筋肉なので、鍛えることで基礎代謝が上がり、高いダイエット効果も得られます。
(大胸筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
大胸筋の筋トレ20選!急激にデカくなる鍛え方のコツをプロが解説
出典:Slope[スロープ]
三角筋【ペックデックマシンで鍛えられる筋肉部位】
三角筋は肩関節を覆っている三角形の形をした筋肉です。三角筋は3つの部位に分けられ、それぞれ前部、中部、後部と呼ばれます。大胸筋ほどではないですがペックデックでは前部を鍛え、リアデルトでは後部を重点的に鍛えられます。
三角筋は面積自体は少ない筋肉だが体積がかなり大きいため、ダイエットなどの基礎代謝を上げるために鍛える筋肉として最適です。肩こりの原因でもある筋肉の凝り固まりを防ぐこともでき、肩関節を支える力も強くなるので、肩関節の怪我を防ぐ効果もあります。
(三角巾の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)
三角筋の鍛え方!肩が急激にデカくなる筋トレメニュー&ストレッチの方法を解説
出典:Slope[スロープ]
僧帽筋【ペックデックマシンで鍛えられる筋肉部位】
僧帽筋は首から肩甲骨付近まで繋がっている背中の筋肉です。首回りの筋肉の中では一番大きく、肩甲骨のバランスを支えています。僧帽筋は上部、中部、下部の3つの部位からできていて、主に肩甲骨を動かす際に使われています。リアデルトではメインではなくサブとして、三角筋の後部と同時に鍛えることが可能です。
僧帽筋を鍛えることで血行が促進され、体温の上昇によって肩こりが改善されます。背中だけではなく肩や胸回りにも厚みがつくので、上半身のビルドアップにも期待できますね。また、僧帽筋の衰えは姿勢のバランスにも影響するので、美しく自然な姿勢を保ちたい方にも鍛えてもらいたい筋肉です。
(僧帽筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)
僧帽筋の鍛え方!自重〜器具使用の筋トレメニュー&背中をデカくするコツを解説
出典:Slope[スロープ]
ペックデックマシンの使い方【ペックフライ編】
それではペックデックマシンの使い方を具体的に解説していきましょう。まずはペックフライでの使い方です。正しい使い方を身につけないと上手く鍛えられなかったり、無理な負担が掛かり肩や腕が痛いといった原因になります。トレーニングする際の参考にしてみてください。
▼ペックデックマシンの使い方
①イスの高さを調整する
②肘を少し曲げてグリップを握る
③腕を閉じた状態を作る
④腕を少し開き負荷を乗せる
⑤負荷が抜けないギリギリまで腕を開く
⑥負荷が抜けない範囲で収縮させる
イスの高さは腕を絞った時にみぞおち付近にくるよう初めは調整し、そこから徐々に鍛えたい部位に合わせてイスを調整するのが効果的です。また、腕を閉じる際に胸を大きく張ることで、さらに胸の筋肉に負荷を乗せることもできます。
ペックデックマシンを使う際のコツ&注意点【ペックフライ編】
ペックフライをする際のコツ&注意点を紹介します。コツや注意点を知っておくことで効果的に鍛えられたり、怪我のリスクを減らすことができます。安全にトレーニングするためにもぜひ意識しましょう。
肩甲骨を閉じる
腕を閉じる際に肩甲骨が開いてしまうと、腕を閉じやすくはなるが大胸筋への負荷が逃げてしまいます。肩甲骨を内側に寄せるのを意識し、腕を閉じる際も胸を張った状態をキープすることで大胸筋への負荷が逃げてしまわないようにしましょう。
肩を下げる
肩が上がってしまうと、動きの方向がずれてしまい大胸筋への効果が薄くなります。大胸筋を集中的に鍛えられるように、肩甲骨を寄せながら肩を下げることを意識してトレーニングしましょう。
肘の真ん中を正面に向け、合わせるように動作する
肘の真ん中が上を向いた状態でトレーニングすると肩に負担がかかり、フォームが崩れて肩が痛いといった原因になります。肘の真ん中を正面に向けて真ん中同士が合わさるように動作することで、肩への負担が減ります。フォームも崩れにくくなるのでトレーニングの際には肘の向きを意識しましょう。
胸を張り、背中をアーチ状にする
姿勢が前に倒れてしまうと大胸筋への負荷が腕や肩の筋肉に乗ってしまったり、フォームが崩れて肩やひじ関節に負担が掛かり怪我をする原因にもなります。肩甲骨を寄せ胸を張ることで背中がアーチ状になり、最も大胸筋に負荷をかけられるフォームになります。これを意識することで効果的に鍛えられるので、ペックフライをする際は必ず意識してください。
重量にこだわらない
多くの筋肉を使う多関節種目と違い、ペックフライは一部の筋肉を使ってトレーニングをする単関節種目であるため、あまり重量を扱うことができません。重量の上げ過ぎはフォームの崩れる原因になり、かえって大胸筋に負荷をかけにくくなります。重量にこだわらず、大胸筋に負荷をかけることを意識する方が結果的に効率よく鍛えられます。
ペックデックマシンの使い方【リアデルトフライ編】
次はリアデルトフライのやり方を紹介します。ペックデックマシンはペックフライだけでなく、リアデルトフライも行うことのできるトレーニング器具です。二つのトレーニングを覚えることでペックデックマシンを最大限に有効活用できます。ペックデックマシンを使う際には、ぜひリアデルトフライもトレーニングに取り入れてみてください。
▼リアデルトフライの使い方
①イスの高さを調整する
②腕を遠くに伸ばしながらグリップを握る
③肘を少し曲げる
④腕を少し開き負荷を乗せる
⑤負荷が抜けないギリギリまで腕を開く
⑥負荷が抜けない範囲で収縮させる
リアデルトフライをする際は、可動域を大きく動かすと負荷が抜けやすくなるので、ちゃんと負荷が乗っていることを意識しながらトレーニングことが大切です。また、重量を増やすよりもトレーニングの頻度を上げる方が効率良く三角筋後部を鍛えられます。
ペックデックマシンを使う際のコツ&注意点【リアデルトフライ編】
リアデルトフライのコツ&注意点を紹介します。初心者にも使いやすいマシンですが、その分注意がそれてしまいがちです。それが原因で怪我に繋がることもあるので、注意点はしっかり覚えておきましょう。
肘や脇を広げる
肘や脇が閉じた状態でトレーニングしてしまうと、三角筋よりも僧帽筋や広背筋といった背中の筋肉に負荷がいってしまいます。肘や脇を広げて肘の高さを肩と合わせることで、三角筋の負荷を重点的に乗せられるので、トレーニングの際は注意しましょう。
(三角筋強化におすすめのフロントレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)
フロントレイズのやり方!三角筋に効くコツをダンベル・バーベル・ケーブル別に解説
出典:Slope[スロープ]
背中を丸める
上半身がのけぞらないよう、腕を後ろに引く時には注意が必要です。肩甲骨が寄らないように胸を背当てに当て、背中を丸めながら腕を後ろに引きましょう。丸めることで肩に負荷を乗せやすく、背中に負荷が逃げにくくなります。負荷が掛かっている感覚も掴みやすくなるので、姿勢を意識しながら行いましょう。
小指側につめてグリップを握る
グリップを中心で握ると、握ることを意識してしまい腕に余計な力が入ってしまいます。小指側につめて外側のグリップを握ることで、余計な力が抜け三角筋に負荷がかかりやすくなります。握るグリップにも注意を払えるとさらに効果のあるトレーニングに繋がりますね。
肘の角度を固定し、弧を描くように引く
肘が固定されずに動作を行うと、上腕三頭筋に負荷が逃げ、三角筋を集中的に鍛えられません。肘の角度を一定に保ち、腕を引く際に弧を描くように引くことが大切です。肘を固定することで三角筋への負荷を集中させ、上腕三頭筋に負荷が逃げるのを防ぎます。肘への負担も減るので、怪我をするリスクを抑えるためにも心掛けてトレーニングに取り組みましょう。
重量に気をつける
ペックフライと同様に単関節種目であるため、重すぎる重量は他の筋肉に負荷を逃がしてしまい、効率を下げることに繋がります。重量よりもトレーニングの頻度を上げることで、無駄なく三角筋を鍛えられますので、重量には気をつけましょう。
ペックデックマシンで筋トレ効率UP
ペックデックマシンは使い方やコツをしっかり覚えれば、初心者にも使いやすく大胸筋や三角筋を鍛えたい人にとっては大きな味方になります。男女ともに大胸筋を鍛えて得られるメリットは大きいので、ぜひ正しい使い方を学んで効率の良いトレーニングを取り入れてみてください。