目次
大胸筋の構造・作用
大胸筋は胸の前面にある扇状の大きな筋肉で、筋トレにおいてあ鎖骨についている上部、胸骨あたりを起始とする中部、腹直筋を起始とする下部の3つの部位に分けて考えることができます。大胸筋の各部位は、以下のように肩関節を動かして腕を上げたり下げたりするはたらきがあります。
・大胸筋上部:腕を前に上げる
・大胸筋中部:胸の前で腕を閉じる
・大胸筋下部:腕を下ろす
さらに、大胸筋の筋肥大を考えるのならば、内側と外側についても知っておくとよいでしょう。筋肉が密集している大胸筋の外側に比べて、大胸筋内側は筋肥大しにくい構造になっています。デカい大胸筋を目指すのであれば内側に負荷をかけるトレーニングも取り入れて、バランスよく鍛えていきましょう。
(大胸筋上部の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
大胸筋上部の筋トレメニュー!短期間で服がピチピチになる鍛え方のコツを解説
出典:Slope[スロープ]
大胸筋を筋トレで鍛える効果
大胸筋の筋トレを行うことで、どのような効果が得られるのかを見てみましょう。ここまでで解説した大胸筋の構造や大きな筋肉であるという特徴から、以下のような効果が得られます。
・逞しい上半身
・基礎代謝が上がる
・パフォーマンスの向上
理想とする体型を手に入れるだけでなく、その後の筋トレやダイエットを効率よくおこなうのにも役立ちます。
逞しい上半身
鍛えられた上半身のボディメイクには、大胸筋を肥大化させて分厚い胸板つくることが必須となります。肩や腕の筋肉も同時に鍛えていく必要がありますが、面積の大きい大胸筋は効果を感じやすい部位といえます。Tシャツやスーツを着たときのシルエットにも影響することから、日常生活においても自信につながることでしょう。
また女性の場合、大胸筋はバストの土台となる部位ですので、バストアップにつながります。男性と同様に理想の上半身のボディメイクに欠かせない筋肉といえます。
基礎代謝が上がる
大胸筋は体の中でも特に大きな筋肉ですので、鍛えることで効率よく筋肉を増やすことができ基礎代謝のアップが狙えます。基礎代謝が上がればエネルギー消費量も増えるので太りにくい体になれます。
(基礎代謝を上げる筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
基礎代謝を上げる筋トレ7選!鍛えるべき筋肉〜痩せやすくなるなどメリットまで解説
出典:Slope[スロープ]
パフォーマンスの向上
大胸筋は腕を動かす動作に関係する筋肉です。そのため、大胸筋を鍛えることでスポーツや重たいものを持ち上げるなどの日常生活の動きがスムーズにできるようになります。けがの予防にもつながるでしょう。また、筋トレにおいても重量を上げて負荷の高いトレーニングに取り組めて、効率よく鍛えることができるようになります。
【ウェイト版】大胸筋の筋トレメニュー&鍛え方のコツ
ここからは、大胸筋の筋トレメニューを、鍛え方のコツとともに解説します。まずはバーベルやダンベル、マシンを使ったウエイトトレーニング10種目を紹介します。
・バーベルベンチプレス
・インクラインベンチプレス
・デクラインベンチプレス
・ダンベルプレス
・ダンベルプルオーバー
・インクラインダンベルプレス
・デクラインダンベルプレス
・ダンベルフライ
・ケーブルクロスオーバー
・チェストフライ
これらは後で紹介する自重トレーニングよりも大きな負荷をかけられる種目ですので、ジムに通っている人や家に器具がある人は、ぜひ取り入れてみましょう。
大胸筋の筋トレメニュー①バーベルベンチプレス
ベンチプレスは、大胸筋、三角筋前部、三頭筋などの押す筋肉を鍛えられる人気のある筋トレ種目です。とくに大胸筋中部を外側から内側までまんべんなく鍛えるのに最適です。バーはボトムポジションで前腕が床と垂直となる手幅を標準として握り、肩甲骨を寄せ胸を張りながらみぞおちよりも少し上のラインにバーを降ろします。
大胸筋をしっかりと働かせることがベンチプレスの重量を伸ばしていくキーになり、そのためには肩甲骨の動きが非常に重要になってきます。降ろすときに肩甲骨を寄せて、上げるときは自然に外に出るように肩甲骨を柔軟に動かすようにしましょう。
▼バーベルベンチプレスのやり方
①ベンチ台に仰向けに寝て、バーベルをラックアウトする
②バーベルを下ろす
③バーベルを上げて元の姿勢に戻る
筋力アップは1回~6回、筋肥大は8回~12回、筋持久力アップでは15回以上を限界がくる重量で行うことが効果的です。ただし、筋肥大であれば高重量でなくても限界の回数まで行うことで同等の効果を得られます。初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度の頻度で行うのが良いでしょう。
ベンチプレスに慣れてくると筋肉痛も軽減してくるので、ベンチプレスをバンバンやりたいという方は中1日の休息日で行ってもかまいません。
▼バーベルベンチプレスのコツ&注意点
・バーがみぞおちよりも少し上につくくらいまで下ろす
・ブリッジは肩甲骨の少し下あたりに手の平が入るくらいが自然
・肩甲骨を寄せ、肩を下げたフォームで動作を行う
・サムレスグリップでは行わない
・初心者の方はスミスマシンで行うベンチプレスもおすすめ
パワーリフティングにおいては円弧の軌道が理想的とされていますが、トレーニングとして行うベンチプレスは垂直に上下する軌道が良いでしょう。
ずーみー(泉風雅)
ベンチプレスは人気種目のため「ベンチプレスだけを伸ばしたい」「筋トレはベンチプレスだけでいい」という方も少なくありません。しかし、ベンチプレスを伸ばしていくためには背中のトレーニングも必要になってくることを頭に入れておきましょう。
(バーベルベンチプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
ベンチプレスのやり方!正しいフォーム&効果UPのコツ!初心者向けに回数・重量なども徹底解説!
出典:Slope[スロープ]
(動画で見たい方はこちら)
大胸筋の筋トレメニュー②インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスは、インクラインベンチで行うベンチプレスで、大胸筋上部を鍛えたいという人におすすめの筋トレ種目です。ベンチを30~45度くらいに調整し、通常のベンチプレスよりも狭めの手幅でバーを握り、鎖骨の少し下あたりを目安にバーベルを下ろします。
▼インクラインベンチプレスのやり方
①インクラインベンチ台に背中をつけて座る
②バーベルをラックアウトする
③鎖骨の少し下あたりにバーを下ろす
④バーベルを上げて元の姿勢に戻る
筋力アップは1回~6回、筋肥大は8回~12回、筋持久力アップは15回以上で限界のくる重量で行うのが基本です。筋肥大であれば高重量でなくても限界の回数まで行えば同等の効果を得られます。初心者の方は3セット週1回、上級者の方は6セット週2回程度の頻度を目安にしましょう。
▼インクラインベンチプレスのコツ&注意点
・鎖骨の中心から胸を開くように横アーチを作る
・肘が常にバーベルの真下に来るようにする
・脇を開きすぎて肩をすくめない
・バーを下げるときは肩甲骨を寄せて、上げたときは自然に肩甲骨が出る
・肘が常にバーの真下に来るようする
・バーベルは手首の根元に載せるようなイメージで握る
筋トレ上級者の方は、大胸筋上部の動きが大きいボトムからミッドレンジまでの範囲で往復するテクニックにも挑戦してみましょう。
ずーみー(泉風雅)
大胸筋の上部が発達していなければ胸板の厚みを強調することはできません。大胸筋上部の発達のためにインクライン種目を積極的に取り入れていきましょう。
(インクラインベンチプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
インクラインベンチプレスのやり方!角度・重量など大胸筋上部に効かせるコツを解説
出典:Slope[スロープ]
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大胸筋の筋トレメニュー③デクラインベンチプレス
デクラインベンチプレスは、デクラインにセットしたベンチ台で行うベンチプレスです。デクラインにすることで体に対するバーベルの軌道が変化し、内転という腕を横から振り下ろす動きが強くなるため大胸筋下部の繊維方向と軌道が一致し、大胸筋下部のアウトラインを作るのに最適です。
デクラインベンチを使用するのが安全ですが、設置していないジムも多いため、ここではフラットベンチ台に足を上げて膝から下背部を浮かせたデクラインベンチプレスの方法をご紹介します。
▼デクラインベンチプレスのやり方
①ベンチ台に寝て足を上げ、膝から下背部を浮かせる
②バーベルをラックアウトしたら、お腹側にバーを下ろす
③バーベルを上げて元の姿勢に戻る
筋力アップなら1回~6回、筋肥大なら8回~12回、筋持久力アップなら15回以上で限界のくる重量をセットします。筋肥大ならば高重量でなくても限界の回数まで行えば同等の効果を得られます。筋トレ初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度の頻度で行うことをおすすめします。
▼デクラインベンチプレスのコツ&注意点
・腰を強く反る必要はない
・胸を開いて肩甲骨を寄せる
・トップで肩甲骨が外に出すぎないようにする
・バーベルの重さを手首の根元で受けるようにする
高重量を扱う場合、1人でセットするのが難しい種目のため、補助者がいる場合は手伝ってもらうようにしてください。
ずーみー(泉風雅)
ベンチプレスの共通項目として「降ろすときには肩甲骨を寄せる」「肘は常にバーベルの真下」があります。もちろんデクラインベンチプレスでもしっかりと意識しましょう。
(デクラインベンチプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
デクラインベンチプレスのやり方!角度・下ろす位置などのコツ&代用メニューを解説!
出典:Slope[スロープ]
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大胸筋の筋トレメニュー④ダンベルプレス
ダンベルプレスはフラットベンチに寝て、ダンベルを使ってベンチプレスを行う種目です。大胸筋のほか三角筋前部や三頭筋も鍛えられますが、肩甲骨を柔軟に動かして三角筋に負荷が逃げないようにすることが大切です。
▼ダンベルプレスのやり方
①フラットベンチに寝る
②鎖骨の中心あたりから胸を開くように張る
③みぞおちのあたりにダンベルを下ろし上げる
筋力アップは1回~6回、筋肥大は6回~12回、筋持久力アップは15回以上で限界のくる重量が基本ですが、大胸筋は平らでまっすぐに走っている筋肉なので、ある程度高回数のほうが肥大しやすいと言われています。そのためフォームを保てないような高重量は扱わず、正しくフォームを保てる範囲で10~15回くらいを目安に行える重量を選択するのがおすすめです。
初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度の頻度を目安に行いましょう。
▼ダンベルプレスのコツ&注意点
・オンザニーテクニックを用いてスタートポジションをとる
・軽く脇を閉じて動作する
・肘はダンベルの真下にくるように動作する
・手の根元にダンベルを載せるようなイメージで軽く握る
ダンベルで行うため不安定な動作になりますが、バーベルベンチプレスでは活性化できない筋線維を活性化させることができるほか、肩甲骨を安定させる筋肉の働きも大きくなります。ボトムポジションでダンベルが内側に入ると三頭筋に効いてしまうので注意しましょう。
ずーみー(泉風雅)
肩甲骨はトップポジションで自然に外へ出て、降ろすときには寄せて下げます。降ろすときにグリップを少し緩めると肩甲骨が動かしやすくなります。
(ダンベルプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
ダンベルプレスのフォーム!大胸筋に効くコツ〜種類別の重量・回数などをプロが解説
出典:Slope[スロープ]
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大胸筋の筋トレメニュー⑤ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバーは横向きのベンチに背中を載せてプルオーバー動作を行う筋トレ種目です。大胸筋下部と広背筋にストレッチ負荷を掛ける種目で、上半身を包括的に鍛えることができます。
大胸筋下部や広背筋はミッドレンジ種目が多くなりますが、ストレッチ負荷を掛けられるダンベルプルオーバーは非常に貴重な種目と言えるでしょう。
▼ダンベルプルオーバーのやり方
①横向きにしたベンチのヘリに背中を乗せた姿勢になる
②そのままダンベルを両手で持つ
③頭の上のほうにダンベルを降ろし、また胸の前まで戻す
筋力アップは1回~6回、筋肥大は8回~12回、筋持久力アップは15回以上で限界のくる重量を扱います。筋肥大であれば高重量でなくても限界の回数まで行えば同等の効果を得られます。筋トレ初心者は3セットを週1回、上級者は6セットを週2回程度の頻度で行うことをおすすめします。
▼ダンベルプルオーバーのコツ&注意点
・腰は反りすぎない
・腰の上げ下げでチーティングを使わない
ダンベルプルオーバーは、ライイングトライセプスエクステンションと似た動作となるため上腕三頭筋も鍛えられます。
ずーみー(泉風雅)
プルオーバーでの大胸筋狙いはベントアーム(肘を曲げる)、広背筋狙いはストレートアーム(肘を伸ばル)と言われますが、決してそうとも限りません。大胸筋は肩関節の伸展動作で負荷がかかるため、肘の角度はとくに関係がありません。
ただし、ストレートアームで行うとストレッチポジションでの動作が弱くなってしまうため、基本的にはベントアームで行うプルオーバーをおすすめします。
(ダンベルプルオーバーについては以下の記事も参考にしてみてください)
ダンベルプルオーバーのやり方!大胸筋・広背筋に効くコツ!胸輪拡張効果も!
出典:Slope[スロープ]
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大胸筋の筋トレメニュー⑥インクラインダンベルプレス
インクラインダンベルプレスは、インクラインベンチで行うダンベルプレスで、大胸筋上部を鍛えたいときにおすすめの種目です。インクラインのため大胸筋上部の走行と動作の軌道が一致し、効果的に大胸筋の上部を鍛えられます。
バーベルで行うインクラインベンチプレスよりも不安定感が増すため、バーベルでは活性化できない筋線維を活性化させることができます。ベンチを高くしすぎると三角筋前部に効いてしまうので30度くらいから始めましょう。
▼インクラインダンベルプレスのやり方
①オンザニーテクニックを使ってインクラインベンチに寝る
②しっかりと足を床につけてダンベルを構える
③ダンベルの上げ下ろしを行う
筋力アップには1回~6回、筋肥大には8回~12回、筋持久力アップには15回以上で限界のくる重量をセットします。ただし、筋肥大であれば高重量でなくても限界の回数まで行えば同等の効果を得られます。初心者の方は3セット週1回、上級者の方は6セット週2回程度の頻度を目安に行いましょう。
▼インクラインダンベルプレスのコツ&注意点
・ベンチの角度は30~45度くらい
・脇を開きすぎて肩をすくめない
・鎖骨の中心から胸を開き横アーチを作る
・肘が常にダンベルの真下にくるようにする
1発目のスタートポジションからの挙上は深いところから始めなければいけないので、補助者がいる場合は手伝ってもらいましょう。
ずーみー(泉風雅)
肩よりも内側にダンベルが入ってしまうと負荷が抜けてしまうので注意しましょう。また、ダンベルを上でカチンと合わせる必要はありません。
(インクラインダンベルプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
インクラインダンベルプレスのやり方!大胸筋上部に効く角度・重量など効果UPのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
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大胸筋の筋トレメニュー⑦デクラインダンベルプレス
デクラインダンベルプレスは、デクラインにセットしたベンチ台で行うダンベルプレスで、大胸筋下部を強化したいときにおすすめの種目です。デクラインにすることでダンベルの軌道が変化し、三角筋前部の繊維方向との合致が少なくなるため、しっかりと大胸筋に負荷を乗せることができます。
クラインベンチを設置していないジムも多いため、今回はフラットベンチ台に足を上げて膝から下背部を浮かせたデクラインダンベルプレスの方法をご紹介します。
▼デクラインダンベルプレスのやり方
①オンザニーテクニックを用いてベンチに寝る
②足をベンチの上に上げ、膝から上背部を一直線にする
③みぞおちの高さにダンベルを下ろし上げます。
筋力アップは1回~6回、筋肥大は8回~12回、筋持久力アップでは15回以上で限界の重量が基本です。ただし、筋肥大であれば高重量でなくても限界の回数まで行えば同等の効果を得られます。初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度の頻度で行うことをおすすめします。
▼デクラインダンベルプレスのコツ&注意点
・肘はダンベルの真下にくるようにする
・肩甲骨を内側に寄せて外に少し出る動きに、わずかに上下の動きが加わる
・動作中に滑り落ちそうなときは、滑り止めを背中に敷く
1人でセットするのが難しい種目のため、補助者がいる場合は足を掴んでもらいましょう。
ずーみー(泉風雅)
肩甲骨が寄せらず脇が開く状態は、大胸筋に負荷が乗らないばかりか肩の前のほうに負担がかかってしまいます。柔軟に肩甲骨を動かすようにしましょう。
(デクラインダンベルプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
デクラインダンベルプレスのやり方!大胸筋下部に効かせるコツ〜自宅版まで解説
出典:Slope[スロープ]
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大胸筋の筋トレメニュー⑧ダンベルフライ
ダンベルフライは大胸筋の代表的なストレッチ種目で、ストレッチポジションから負荷をかけられるため筋肥大にとても重要です。また、単関節種目のため大胸筋中部の外側にもしっかりフォーカスすることができ、上腕三頭筋の疲労などでセットを中止することがありません。
三角筋に負荷が逃げずにしっかりと大胸筋を動員するためには、鎖骨の中心から胸を開くように肩甲骨を寄せ体幹の横アーチを意識することが重要です。
▼ダンベルフライのやり方
①オンザニーテクニックを用いてフラットベンチに寝る
②ダンベルを向かい合わせに持ち、大胸筋に軽いストレッチを感じるまでダンベルを下ろす
③大胸筋がしっかり収縮するポジションにダンベルを上げる
基本的に筋力アップは1回~6回、、筋持久力アップでは15回以上で限界のくる重量を扱います。大胸筋は平らに伸びた筋肉で高回数で行ったほうが筋肥大しやすいため、12~20回くらいの重量セットで大胸筋の仕事量を増やすようにフルレンジを意識すると良いでしょう。初心者は3セット週1回、上級者は6セット週2回程度の頻度を目安にしましょう。
▼ダンベルフライのコツ&注意点
・手の向きは基本向かい合わせだが逆ハの字型でもよい
・肘は伸ばしすぎない
・収縮ポジションでダンベルを併せる必要はない
フリーウェイトのダンベルフライは、バタフライマシンなどよりストレッチポジションでの負荷が相対的に強くなります。
ずーみー(泉風雅)
「大胸筋を鍛えるときは肩甲骨を寄せる」いう言葉ばかりが一人歩きしていますが、実際には「大胸筋を伸ばすときは肩甲骨を寄せる」であり、収縮ポジションでも寄せた状態をキープしようとすると大胸筋の働きは逆に悪くなってしまう場合がありますので注意してください。
(ダンベルフライについては以下の記事も参考にしてみてください)
ダンベルフライのやり方!大胸筋に効かせるフォーム〜重量・回数など効果UPのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
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大胸筋の筋トレメニュー⑨ケーブルクロスオーバー
ケーブルマシンで行うケーブルクロスオーバーは大胸筋に収縮をかけたいときにおすすめのコントラクト種目です。ただし、ケーブルマシンは立ち位置やプーリーの位置によって、大胸筋のどこに効くのか、収縮負荷なのか、ストレッチ負荷なのか、など鍛えるポジションや可動域が変わってきます。
基本的には大胸筋中部と下部の収縮種目として用いられることが多いため、今回は大胸筋中部の内側と外側、大胸筋下部のの内側と外側を狙った一般的なケーブルクロスオーバーをご紹介します。
▼ケーブルクロスオーバーのやり方
①ケーブルマシンのプーリーの位置を頭よりも高い位置に設定する
②片手ハンドルを両方につけて一歩前に出る
③大胸筋の下部をしっかりと収縮させながらフライ動作を行う
筋力アップには1回~6回、筋肥大には8回~12回、筋持久力アップには15回以上を限界のくる重量をセットします。ただし、筋肥大であれば高重量でなくても限界の回数まで行うことで同等の効果を得られます。1部位あたり初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セット程度がおすすめです。
▼ケーブルクロスオーバーのコツ&注意点
・大胸筋の走行と負荷の方向が一致する立ち位置と姿勢
・ケーブルの軌道上に肘がくるフォーム
・ボトムポジションでケーブルが前腕に巻き付くようなフォーム
収縮感を重視するときは、先にグリップをカチンと合わせた状態から初めて、大胸筋で動かせる可動域で動かしてみるとよいでしょう。
ずーみー(泉風雅)
ケーブルマシンで上部を狙うにはロープーリースタイルもありますが難易度が高いため上級者向けです。上部狙いのコントラクト種目ならペックマシンを前傾した状態で行うペックフライなどがおすすめです。
(ケーブルクロスオーバーについては以下の記事も参考にしてみてください)
ケーブルクロスオーバーのやり方!大胸筋に効かせるコツ〜自宅代用メニューまで解説
出典:Slope[スロープ]
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大胸筋の筋トレメニュー⑩チェストフライ
チェストフライは大胸筋にストレッチポジションで負荷を乗せることのできるストレッチ種目です。単関節種目のため大胸筋の外側にもしっかりフォーカスすることができ、最後までしっかり収縮させることで内側にも効果的です。
チェストフライにはダンベルとマシンを使ったやり方がありますが、今回は初心者でも取り組みやすいバタフライマシンを使ったチェストフライをご紹介します。
▼チェストフライのやり方
①グリップが腕を真横に広げた状態よりもやや下にくるようシートの高さを調節する
②左右のグリップを握る
③ゆっくりと腕の開閉動作をする
筋力アップには1回~6回、筋持久力アップには15回以上を限界のくる重量をセットします。筋肥大ならば、大胸筋は高重量低回数よりも10~12回の少しハイレップ気味で鍛えるほうが効果的です。初心者の方は週1回3セット、上級者は週2回6セット程度を目安に行いましょう。
▼チェストフライのコツ&注意点
・肩甲骨を寄せ、体幹の横アーチを意識する
・腕を開いたとき少しストレッチ感がある位置から開始する
・ハンドルを合わせるように最後まで収縮させる
肘をピンピンに伸ばしたまま動作する必要はありませんが、ダンベルよりもマシンのほうが肘は開いたフォームになります。
ずーみー(泉風雅)
多くのマシンでは可動域を設定することができます。ただし、無理に可動域を広くせず少しストレッチ感があるくらいの位置に設定しましょう。
(チェストフライについては以下の記事も参考にしてみてください)
チェストフライのやり方!マシン・ダンベル別!プロが綺麗な大胸筋を作るコツを解説!
出典:Slope[スロープ]
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【自重版】大胸筋の筋トレメニュー&鍛え方のコツ
ここからは、自分の体重を使った大胸筋の筋トレ種目を紹介します。よく知られた種目も多いですが、正しいフォームやコツを理解して、大胸筋を効率よくデカくしていきましょう。
・プッシュアップ
・膝つき腕立て伏せ
・インクラインプッシュアップ
・ワイドプッシュアップ
・ナロープッシュアップ
・ダイヤモンドプッシュアップ
・デクラインプッシュアップ
・バランスボール×腕立て伏せ
・ヒンズープッシュアップ
・ディップス
自宅で筋トレをしている人も始めやすいものばかりですので、ぜひ参考にしてください。
大胸筋の自重筋トレメニュー①プッシュアップ
腕立て伏せ(プッシュアップ)は、大胸筋や上腕三頭筋、三角筋の前部など「押す筋肉」を鍛えることができます。広く知られている種目のひとつでもあり、自宅でも手軽にできる筋トレ種目としても人気があります。しかし、一方では間違った方法で行っている人も多く、効果が出ないと苦しんでいる人も少なくありません。
ゆえに正しいフォームで行うことが重要な筋トレでもあり、基本の腕立て伏せのフォームは腕立て伏せのバリエーション種目でも役立つのでしっかりと身につけておく必要があるでしょう。
▼腕立て伏せ(プッシュアップ)のやり方
①床に膝と手をつく
②手幅を肩幅の1.3~1.5倍程度に開き、手とつま先で体を持ち上げる
③胸が床につく手前まで、ゆっくりと体を沈める
④肘を伸ばし一気に体を持ち上げる
自分の体重で行う自重トレーニングは「正しいフォームが保てる限界の回数」を基準に考えます。筋肥大を狙う場合には8~12回の負荷を用いるのが標準ですが、それよりも軽い負荷であっても限界まで行うことで同等の筋肥大効果が期待できます。頻度に関しては初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。
▼腕立て伏せ(プッシュアップ)のコツ&注意点
・体を一直線にして、手、肩、足で直角三角形の形をつくる
・肩がすくまないようにする
・体の重さを手首の根元で受ける
・胸を開いて床を迎えにいくように肩甲骨を寄せる
体を降ろしたときに手首を結んだラインにみぞおちか、やや上になるポジションで前腕が床と垂直になるフォームが理想です。
ずーみー(泉風雅)
正しいフォームで限界まで行っていれば回数は関係ありません。エゴや自己満足は捨てて自分と向き合うことが一番の近道です。
(腕立て伏せについては以下の記事も参考にしてみてください)
腕立て伏せの効果&フォームを種類別に!呼吸法・回数などのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
大胸筋の自重筋トレメニュー②膝つき腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せは、通常の腕立て伏せができないとき、膝をついて負荷を下げて行うやり方です。通常の腕立て伏せと同様に大胸筋や上腕三頭筋、三角筋の前部を鍛えていくことができます。
膝から頭まで体をまっすぐにし、あとは通常の腕立て伏せと同様の動作を行っていきます。通常の腕立て直後の追い込みとしても利用できます。
▼膝つき腕立て伏せのやり方
①床に膝と手をつく
②手幅を肩幅の1.3~1.5倍程度に開き、手と膝で体を持ち上げる
③胸が床につく手前まで、ゆっくりと体を沈める
④肘を伸ばし一気に体を持ち上げる
自重トレーニングは「正しいフォームが保てる限界の回数」を基準にします。筋肥大を狙う場合は8~12回の負荷を用いるのが標準ですが、それよりも軽い負荷であっても限界まで行うことで同等の筋肥大効果が期待できます。頻度に関しては初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットがおすすめです。
▼膝つき腕立て伏せのコツ&注意点
・体を一直線にして、手、肩、膝で直角三角形の形をつくる
・肩がすくまないようにする
・体の重さを手首の根元で受ける
・胸を開いて床を迎えにいくように肩甲骨を寄せていく
膝立ち腕立て伏せは、女性や初心者の方には負荷が大きすぎる通常の腕立て伏せの負荷を下げて行うことができる種目です。
ずーみー(泉風雅)
通常の腕立て伏せで正しいフォームが保てないときは、はじめは膝つき腕立て伏せで構わないので正しいフォームを保てる限界まで行うことが重要です。
(膝つき腕立て伏せについては以下の記事も参考にしてみてください)
膝つき腕立て伏せの効果&やり方!筋トレ初心者もできるフォームのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
大胸筋の自重筋トレメニュー③インクラインプッシュアップ
インクラインプッシュアップは手を台の上に載せて行うプッシュアップです。通常の腕立て伏せと同じように大胸筋や上腕三頭筋、三角筋の前部などの押す筋肉を鍛えることができますが、大胸筋の下部にかかる負荷の割合が大きくなるのが特徴です。
動作についても手を台の上に載せるだけで通常の腕立て伏せと同じです。また、通常のプッシュアップに比べて負荷が小さくなるため通常のプッシュアップができない人向けの種目でもあります。
▼インクラインプッシュアップのやり方
①肩幅の1.3~1.5倍程度の手幅で台の上に手をつく
②手とつま先で体を持ち上げて、体をまっすぐに伸ばす
③胸が台につく手前まで、ゆっくりと体を沈める
④肘を伸ばし一気に体を持ち上げる
自重トレーニングは「正しいフォームが保てる限界の回数」が基本です。インクラインプッシュアップは、体の角度によって強度が変わりますので、8~12回で限界がくる角度に調整しましょう。初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットの頻度で行いましょう。
▼インクラインプッシュアップのコツ&注意点
・体を一直線にして、手、肩、足で直角三角形の形をつくる
・肩がすくまないようにする
・体の重さを手首の根元で受ける
・胸を開いて台を迎えにいくように肩甲骨を寄せていく
手を乗せる台の高さが高くなるほど負荷は小さくなりますので、高いところから徐々に高さを下げていくようにしましょう。
ずーみー(泉風雅)
体幹部が安定しないときは、一般的な”上げながら吐く、降ろしながら吸う”呼吸法ではなく、上げるときに息を止めて腹圧を高めるヴァルサルヴァ法という呼吸法を使ってみる手もあります。
ただし、血圧が上がりやすくなるため心血管系リスクを抱えた方にはおすすめできません。ご自身の体調と相談し安全には十分配慮してください。
(動画で見たい方はこちら)
(インクラインプッシュアップについては以下の記事も参考にしてみてください)
インクラインプッシュアップのやり方!大胸筋下部に負荷を掛ける腕立て伏せのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
大胸筋の自重筋トレメニュー④ワイドプッシュアップ
ワイドプッシュアップは手幅を広げ、大胸筋の外側にもフォーカスして鍛えることができる種目です。ワイドプッシュアップでは肘の曲げ伸ばし動作が小さくなり、肩関節の動作の割合が大きくなるため上腕三頭筋への負荷が小さくなり、代わりに大胸筋への負荷が大きくなります。
腕立て伏せの手幅を広げるだけで、動作については通常の腕立て伏せと同じです。手の指先を逆ハの字型に少し開くと手幅を広げても肩甲骨が柔軟に動かしやすくなります。
▼ワイドプッシュアップのやり方
①通常よりも広い手幅で手をつく
②体をまっすぐに伸ばし、手とつま先で体を持ち上げる
③胸が床につく手前まで、ゆっくりと体を沈める
④肘を伸ばし一気に体を持ち上げる
自分の体重を使ったトレーニングは「正しいフォームが保てる限界の回数」を基準にします。筋肥大を狙う場合には8~12回の負荷を行うのが一般的ですが、それよりも軽い負荷であっても限界まで行うことで同等の筋肥大効果が期待できます。頻度に関しては初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安にしましょう。
▼ワイドプッシュアップのコツ&注意点
・体を一直線にして、手、肩、足で直角三角形の形をつくる
・肩がすくまないようにする
・体の重さを手首の根元で受けるようにする
・手を逆ハの字型に開いて床を迎えにいくように肩甲骨を寄せる
ワイドプッシュアップができないときは、膝をついて行う膝付きワイドプッシュアップ、壁に手をついて行う壁ワイドプッシュアップで負荷を落として行いましょう。
ずーみー(泉風雅)
上級者はプッシュアップバーを使うことをおすすめします。プッシュアップバーを使うと手首が楽になるだけではなく、可動域を大きく取れるため大胸筋の外側もしっかり鍛えることができます。
(ワイドプッシュアップについては以下の記事も参考にしてみてください)
ワイドプッシュアップのやり方!大胸筋効くコツ&膝付き・壁など腕立て伏せの種類も!
出典:Slope[スロープ]
大胸筋の自重筋トレメニュー⑤ナロープッシュアップ
ナロープッシュアップは手幅を狭くして、大胸筋の内側にもフォーカスして鍛えることができる種目です。手幅が狭くなるため肘の曲げ伸ばしが大きくなり上腕三頭筋に強い刺激が入るため、上腕三頭筋の種目として取り組む人もたくさんいます。
脇を開いて動作を行うと肩が詰まるようなフォームになりがちなので、脇を締めて腕を畳むように動作すると大胸筋の内側が収縮する感覚が掴みやすくなります。
▼ナロープッシュアップのやり方
①肩幅程度の手幅で床に手と膝をつく
②体をまっすぐに伸ばし、手とつま先で体を持ち上げる
③胸が床につく手前まで、ゆっくりと体を沈める
④肘を伸ばし一気に体を持ち上げる
自重トレーニングなので「正しいフォームが保てる限界の回数」を基準に行いましょう。筋肥大を狙う場合には8~12回の負荷を用いるのが標準的ですが、それよりも軽い負荷であっても限界まで行うことで同等の筋肥大効果が期待できます。頻度に関しては初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安にするのが良いでしょう。
▼ナロープッシュアップのコツ&注意点
・体を一直線にして、手、肩、足で直角三角形の形をつくる
・肩がすくまないようにする
・体の重さを手首の根元で受ける
肩甲骨は自然に動かすほうが強い動作を行えるので、結果的に上腕三頭筋や大胸筋内側に強力な刺激を与えることができます。
ずーみー(泉風雅)
ナロープッシュアップができないときは、可動域を狭めたり、膝立ちで行ったりすることで負荷を減らすようにしましょう。
(ナロープッシュアップについては以下の記事も参考にしてみてください)
ナロープッシュアップのやり方!三頭筋に効かせるコツ〜手首・肘が痛い時の対処法まで解説
出典:Slope[スロープ]
(動画で見たい方はこちら)
大胸筋の自重筋トレメニュー⑥ダイヤモンドプッシュアップ
ダイヤモンドプッシュアップは、ナロープッシュアップよりも手幅を狭くして行う腕立て伏せです。両手の親指と人差し指で菱形(ダイヤモンド)をつくる手幅で動作を行います。どちらかと言うと上腕三頭筋の種目として広く知られていますが、大胸筋の内側もしっかり鍛えることができます。
通常の腕立て伏せでは手首を結んだラインあたりにみぞおちが落ちてくるように降ろしますが、ダイヤモンドプッシュアップでは肘の動きを大きくして、手首と鎖骨の交点の少し下を近づけるようなイメージで降ろすようにしましょう。
▼ダイヤモンドプッシュアップのやり方
①親指と人差し指で菱形をつくって床に手をつく
②体をまっすぐに伸ばし、手とつま先で体を持ち上げる
③胸が床につく手前まで、ゆっくりと体を沈める
④肘を伸ばし一気に体を持ち上げる
自重トレーニングは「正しいフォームが保てる限界の回数」が基準になります。筋肥大を狙う場合には8~12回の負荷を用いるのが一般的ですが、それよりも軽い負荷であっても限界まで追い込むことで同等の効果が期待できます。頻度に関しては初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。
▼ダイヤモンドプッシュアップのコツ&注意点
・体を一直線にして、手、肩、足で直角三角形の形をつくる
・肩がすくまないようにする
・体の重さを手首の根元で受けるようにする
ダイヤモンドプッシュアップは大胸筋の内側と上腕三頭筋を同時に鍛えたいという方にもおすすめです。
ずーみー(泉風雅)
ダイヤモンドプッシュアップの負荷が強すぎるときは、膝をついて行う膝付きダイヤモンドプッシュアップに変更しましょう。初心者や女性の方はもちろんですが、ハイレップで刺激したい人にもおすすめですのやり方です。
(ダイヤモンドプッシュアップについては以下の記事も参考にしてみてください)
ダイヤモンドプッシュアップのやり方!二の腕を鍛えるコツ〜肘が痛い悩みまで解説
出典:Slope[スロープ]
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大胸筋の自重筋トレメニュー⑦デクラインプッシュアップ
デクラインプッシュアップは足を台の上に載せて行う腕立て伏せです。こうすることで負荷が大きくなり大胸筋の上部にかかる負荷が大きくなります。腕立て伏せの基本姿勢がマスターできていれば、後は足を台の上に乗せるだけでデクラインプッシュアップのフォームの完成です。
足を乗せる台の高さが高ければ高いほど負荷は大きくなりますので、低いところから徐々に高さを上げていくのが良いでしょう。ただし、高くなりすぎると逆立ちのようになってしまい、大胸筋上部に効かせられる領域を超え、三角筋の種目となってしまいますので注意しましょう。
▼デクラインプッシュアップのやり方
①足を台の上に載せて床に手をつく
②手幅を肩幅の1.3~1.5倍程度に開き、体をまっすぐに保つ
③胸が床につく手前まで、ゆっくりと体を沈める
④肘を伸ばし一気に体を持ち上げる
自分の体重で行う自重トレーニングは「正しいフォームが保てる限界の回数」を基準にします。ただし、デクラインプッシュアップは足を上げる高さによって強度が変わりますので、8~12回で限界がくる高さに調整するのが良いでしょう。頻度に関しては初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。
▼デクラインプッシュアップのコツ&注意点
・体を一直線にして、手、肩、足で直角三角形の形をつくる
・肩がすくまないようにする
・体の重さを手首の根元で受ける
・胸を開いて床を迎えにいくように肩甲骨を寄せていく
さらに負荷を上げたいときは、リュクに本などを詰めて背負って行う方法もおすすめです。
ずーみー(泉風雅)
体が30度くらいになるデクラインプッシュアップをマスターしたら、それ以上は角度を上げず、可動域を広げたり、バーベルを使うインクラインベンチプレスに移行しても良いでしょう。
(デクラインプッシュアップについては以下の記事も参考にしてみてください)
デクラインプッシュアップのやり方!効果のある部位&適切な高さ・回数など徹底解説
出典:Slope[スロープ]
(動画で見たい方はこちら)
大胸筋の自重筋トレメニュー⑧バランスボール×腕立て伏せ
インクラインプッシュアップのバリエーション種目にバランスボールを使った腕立て伏せがあります。バランスボールを使うことで動作が不安定になり、通常のインクラインプッシュアップとは違った筋繊維を刺激していくことができます。大胸筋のほかに三角筋や上腕三頭筋、体幹のインナーマッスルにも効果的です。
バランスボールのサイズ(※標準は直径65cm)やデザイン(楕円形タイプなど)によって体にかかる負荷が変わりますので、扱いやすいサイズのものを選択してください。
▼バランスボール×腕立て伏せのやり方
①バランスボールに手をつき、体をまっすぐに保つ
②胸がボールにつく手前まで、ゆっくりと体を沈める
③肘を伸ばし一気に体を持ち上げる
自分の体重で行う自重トレーニングは「正しいフォームが保てる限界の回数」を基準にします。筋肥大を狙うなら8~12回の負荷で行うのが標準的ですが、それよりも軽い負荷であっても限界まで行うことで同等の筋肥大効果が期待できます。初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットの頻度を目安に行うのが良いでしょう。
▼バランスボール×腕立て伏せのコツ&注意点
・体を一直線にして、手、肩、足で直角三角形の形をつくる
・肩がすくまないようにする
・ボールを迎えにいくように肩甲骨を寄せていく
ボールの反発力を補助として使うことができるため、筋力に自信のない初心者や女性の方でも取り組みやすい種目です。
ずーみー(泉風雅)
バランスボールを使った大胸筋の種目には、足をバランスボールに乗せて行うデクラインプッシュアップもあります。不安定なうえに上半身にかかる負荷がかなり大きくなるため比較的強度の高い種目になります。
バランスボールやチューブなどの補助器具を上手に活用すれば自重トレーニングでも簡単に強度を上げることができます。
(バランスボールを使った腕立て伏せについては以下の記事も参考にしてみてください)
バランスボール腕立て伏せがメリット多数!正しいやり方〜負荷調整・回数・セット数まで解説!
出典:Slope[スロープ]
大胸筋の自重筋トレメニュー⑨ヒンズープッシュアップ
ヒンズープッシュアップは腕立て伏せの変形バージョンのような種目で、ネガティブのショルダープレスから、脚の力を借りて体を上げていく動作を繰り返します。こうすることで大胸筋はもちろん、三角筋前部や上腕三頭筋など体幹部の筋肉にくまなく負荷を掛けていくことができます。
頭から体を下げる動作で大胸筋上部、体を持ち上げる動作で大胸筋下部、体を戻す動作で大胸筋中部と、一連の動作を行うことで大胸筋をバランスよく鍛えることができるのが特徴です。
▼ヒンズープッシュアップのやり方
①基本の腕立て伏せの姿勢になる
②お尻を突き出し体が股関節から折れ曲がった姿勢をとる
③腕の間に通すように体を沈めていく
④体が腕の間を通り抜けたら元の姿勢に戻る
ヒンズープッシュアップは回数に挑戦する方法が好まれていますが、しっかりと地面すれすれを身体が通るようにすることが重要です。基本的に自重トレーニングなので「正しいフォームが保てる限界の回数」を目安にしましょう。頻度としては通常のトレーニング同様に48~72時間の間隔を空けることをおすすめします。
▼ヒンズープッシュアップのコツ&注意点
・地面すれすれを体が通るようにする
・動作に合わせて肩甲骨を柔軟に使う
足幅を大きく広げ、体が大きく屈曲するほど大胸筋前部と三角筋前部にかかる負荷が大きくなります。
ずーみー(泉風雅)
ヒンズープッシュアップは、インド式レスリングで広く行われていた腕立て伏せのやり方で、プロレス界でも広く行われているようです。
(ヒンズープッシュアップについては以下の記事も参考にしてみてください)
ヒンズープッシュアップのやり方!大胸筋・三頭筋に効果的な腕立て伏せのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
(動画で見たい方はこちら)
大胸筋の自重筋トレメニュー⑩ディップス
ディップスは体を浮かせた状態で腕立て伏せに似た動作を行う種目です。大胸筋下部を効果的に鍛えることができるストレッチ種目で、大胸筋の外側にもフォーカスできます。大胸筋下部の走行方向と負荷の方向が一致することが特徴で、手が向かい合わせなので肩甲骨を柔軟に使うこともできます。
ディップスは前傾姿勢をキープした状態で動作しないと肩関節に痛みが出やすい種目なので、正しいフォームを意識して行うことが大切です。
▼ディップスのやり方
①肩幅よりも少し広めの幅でディップスバーを持つ
②足を浮かせ前傾姿勢をとる
③みぞおちが両手首を結んだライン上にくるまで体を降ろす
④大胸筋下部のストレッチを感じたら切り返し元の姿勢に戻る
自重トレーニングは「正しいフォームが保てる限界の回数」を基準にします。筋肥大を狙う場合には8~12回の負荷を用いるのが一般的ですが、それよりも軽い負荷であっても限界まで行うことで同等の筋肥大効果が期待できます。頻度に関しては初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安にしましょう。
▼ディップスのコツ&注意点
・足を後ろに組んで前傾姿勢をとる
・前腕は垂直に保ったまま、体を前傾しながら下ろしていく
・鎖骨の中心から胸を開くイメージで体を下ろす
正しいフォームで行えないときは可動域を狭くしたほうが良いでしょう。エクササイズに慣れるにしたがって可動域は広がってくるので焦らずに取り組みましょう。
ずーみー(泉風雅)
ディップスができないという人はアシスト機能がついたディップスマシンを使う手もあります。初心者は体重の半分くらいの負荷の腕立て伏せをある程度こなせるようになってからディップスに挑戦したほうがスムーズです。
(ディップスについては以下の記事も参考にしてみてください)
ディップスのやり方&効果!大胸筋&三頭筋をデカくするコツ!自宅・加重版も!
出典:Slope[スロープ]
(動画で見たい方はこちら)
理想の大胸筋を作る筋トレのポイント
理想の大胸筋を作る筋トレのポイントを解説します。各種目のフォームのポイントはここまでの解説を参考にしてください。ここでは、共通のポイントや筋トレの動き以外で注意したいこととして以下の内容を紹介します。
・肩甲骨の動きを意識する
・メニューの組み方
・バランスよく鍛える
・適切な回数・重量・頻度で
・バランスの良い食事でタンパク質摂取
筋トレをがんばっているのに大胸筋がなかなか大きくならないという人は、一度これらのポイントを見直してみましょう。
肩甲骨の動きを意識する
各種目の解説でもポイントとしていますが、大胸筋を鍛えるトレーニングは肩甲骨を寄せる、動かすという意識が重要になります。肩甲骨を柔軟に動かすことができていないと、大胸筋ではなく肩や腕の筋肉に効いてしまいます。
しかし、意識しすぎて変に力が入ってしまうこともあります。動画などで正しいフォームや動きをよく見て、大胸筋への負荷を感じながら丁寧に動作するようにしましょう。
メニューの組み方
大胸筋の筋トレメニューを組むなら、ストレッチ種目、コントラクト種目、ミッドレンジ種目の3つを取り入れたPOF法(Position of Flexion)が効果的です。
ストレッチ種目は筋肉が伸びた状態で一番負荷がかかる種目で、ダンベルフライなどが該当します。コントラクト種目は筋肉が縮んだ状態で一番負荷がかかる種目で、ケーブルクロスオーバーがあります。ミッドレンジ種目はストレッチと収縮の中間で一番負荷がかかる種目で、バーベルベンチプレス、チェストプレスなどを指します。
基本的には、ミッドレンジ種目→ストレッチ種目→コントラクト種目の順番でメニューを組んでいきます。
バランスよく鍛える
最初に解説した通り、大胸筋は上部、中部、下部の3つの部位に分けることができ、さらに内側と外側も意識する必要があります。それぞれ担う動きが違うことから、一つのトレーニングですべてを鍛えることはできません。理想の大胸筋を手に入れるには、各部位をバランスよく鍛えるようにトレーニング種目を選びましょう。
適切な回数・重量・頻度で
筋肥大を狙うならば、軽い重量でも限界を感じるまで回数を多くすることで効果が得られるとされています。無理な重量でトレーニングを行っても、フォームが崩れたり怪我につながったりしてかえって効率が悪くなるおそれがあります。
ウエイトトレーニングは8~12回で限界が来る重量で、自重トレーニングは正しいフォームが保てる回数で行いましょう。毎日同じ部位をトレーニングするのではなく、休息日も設けましょう。
バランスの良い食事でタンパク質摂取
筋肉を鍛えたいときには、食事にも気をつかいましょう。栄養バランスの良い食事を心がけ、肉や魚、大豆や卵でタンパク質を摂取するのが効果的です。特にトレーニング後に必要になるため、プロテインを取り入れてもいいでしょう。
大胸筋を鍛えて分厚い胸板を手に入れよう
ボディメイクにおいて大胸筋の筋トレは欠かすことのできない種目です。大胸筋が大きくならいという人は、大胸筋を上部、中部、下部に分け、さらに大胸筋中部は外側と内側と、各部位を細かなパートに分けて丁寧に鍛えていくことがポイントです。
また、ジムで行うフリーウェイト種目とマシン種目、自宅でも行える自重種目など、さまざまなメニューがあるので、しっかりとしたトレーニングプランを立てて取り組んでいくようにしましょう。大胸筋の筋トレで分厚い胸板を手に入れられるよう、コツや注意点を意識してトレーニングしてみてください。