プロテインが体に悪いって噂は嘘?
近頃は、健康意識や美容意識が高まりプロテインを摂取する人が増えています。そもそもプロテインとはタンパク質のことで、骨格・筋肉・内臓・毛髪などの材料となっています。人体の15〜20%を占める欠かせない栄養素です。
タンパク質を食事のみで摂取しようとすると、肉や魚・豆類・卵・乳製品などをかなりの量食べなければ1日の必要摂取量に達しません。そこで粉を溶かして飲むタイプのプロテインや、おやつ感覚で手軽に食べられるプロテインバーなどはタンパク質の摂取に便利なのです。しかしプロテインは肝臓や腎臓などの内臓や体に悪いと噂されることも多いです。
その噂のようにプロテインは過剰に摂取するなど間違った使い方をしてしまうと、副作用が出て内臓や体に負担がかかることがあります。健康や美容のためにはメリットだけではなく副作用などのデメリットも理解したうえで、正しく安全に取り入れていきたいですよね。以下でプロテインの副作用について確認しましょう。
(プロテインの副作用については以下の記事も参考にしてみてください)
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出典:slope[スロープ]
プロテインが体に悪いと言われる理由
健康や美容のために摂りたいプロテインが内臓や体に悪いと言われてしまうのはなぜなのか、その理由や副作用を確認しましょう。
過剰摂取すると内臓に負担がかかる
タンパク質を摂取すると、肝臓で必要なタンパク質が合成され、不要なタンパク質も肝臓で分解されます。そのためプロテインを過剰に摂取すると肝臓が疲弊してしまうのです。また、タンパク質が代謝されて尿素窒素に分解されたものは腎臓で排泄されています。つまりプロテインを過剰に摂取すると、尿素窒素が過剰となり腎臓も疲弊してしまうのです。
さらに肝臓でタンパク質を分解する際に毒素が排出され、毒素の含まれた血液を腎臓が濾過しています。腎臓が疲弊して濾過が遅くなると、毒素が血液中を廻り尿毒症になってしまったり、糖尿病のリスクが高くなったりしてしまう危険性もあります。プロテインを過剰摂取することで肝臓や腎臓などの内臓に負担がかかり、病気のリスクが高まってしまうのです。
ただし内臓に負担がかかり健康被害が出やすくなるのは、体重1kgにつき2.8g以上の過剰なタンパク質を毎日摂取した場合だと言われています。この量を毎日摂ってしまうことはなかなか考えられませんが、肝臓や腎臓の機能を正常に保つために摂取目安量を意識してプロテインを過剰摂取しないようにしましょう。
体との相性で体に悪い場合がある
プロテインにはさまざまな種類があります。摂取するタイプによって、下痢を起こしやすかったり吐き気を感じたりするなど、体質との相性が悪い場合があるのです。しかし現在のところ、アレルギー検査のようにプロテインの種類で調べる方法はなく、合うか合わないか飲んで試してみる必要があります。
初めてプロテインを取り入れる際は、他の生活スタイルをなるべく変えずにプロテインによる体の変化を感じてみましょう。体に不調を感じた場合は別の種類のプロテインに変えることをおすすめします。
また、プロテインを飲むと抜け毛が増えるという噂もありますが、プロテインによる抜け毛の増加は科学的な根拠が確認されていません。抜け毛の増加に関してはプロテイン以外の原因があると考えるべきでしょう。
(プロテインによる不調については以下の記事も参考にしてみてください)
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出典:slope[スロープ]
プロテイン以外の体に悪い成分が混入している
販売されているプロテイン商品には、タンパク質以外にも人工甘味料や添加物・保存料・防腐剤などが含まれている場合があります。添加物などは摂取し続けると体に悪影響があるので、成分表や原材料などをチェックしてなるべく少ないものを選びましょう。
また一部の海外製品には、ヒ素・カドミウム・鉛・水銀などの重金属が混入している場合もあるので、購入の際は国内製品が安心だと言われています。
腸内環境の乱れに繋がり体に悪い
ホエイプロテインなど動物性タンパク質を過剰に摂取すると、吸収されなかったタンパク質がそのまま腸に送られてしまいます。タンパク質は腸で悪玉菌の餌になってしまい、悪玉菌が増えることで腸内環境が乱れやすくなるのです。
また、悪玉菌が増えると腸の活動が弱まり、食中毒や病原菌による感染のリスクが高まってしまいます。腸に残ったものが腐敗して口臭や体臭の原因になったり、発がん性物質になったりする危険性もあります。
腸内環境を正常に保って病気などのリスクを増やさないためにも、プロテインの過剰摂取には注意しましょう。
(プロテインによる体臭などについては以下の記事も参考にしてみてください)
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体重が増えやすく体に悪いイメージがある
プロテインを飲むと体重が増えやすくなってしまうというイメージから、ダイエット中の人などには体に悪いと思われることが多いようです。しかし、タンパク質の摂取量が少ないと疲れやすかったり病気になりやすいので、必要量は摂取した方が体に良いと言われています。
ただしタンパク質のエネルギーは1gあたり4kcalなので、過剰摂取するとたしかに体重は増えやすくなってしまいます。体重を減らす目的がある人は特に摂取量に注意しましょう。
プロテインの正しい飲み方
プロテインの副作用やデメリットがわかったところで、正しい飲み方や推奨摂取量などを確認しましょう。
プロテインの推奨摂取量
タンパク質の必要摂取量は、体重や運動量によって変わります。運動しない日は体重1kgに対して1gのタンパク質摂取が推奨されています。また、筋トレなど運動をした日は体重1kgに対して1.5g〜2gのタンパク質の摂取がおすすめです。仮に60kgの人だと筋トレしない日は60g、筋トレした日は90g〜120gのプロテインを摂取するとよいでしょう。
1日の推奨摂取量を一度に摂取するというよりは、朝晩に分けたり筋トレ後と食事中に分けたりするほうが体に負担をかけずに吸収されやすいです。特に運動後は、体重1kgに対して0.25~0.4gの摂取が推奨されています。つまり60kgの人だと筋トレ後に15g〜24gのプロテイン摂取がおすすめということになるのです。
また、飲むタイプのプロテインは1杯で平均20gのタンパク質が摂取できるので、1日に1〜3杯飲むのが推奨されます。不足分は食べ物で摂取するなど組み合わせることで、プロテインの過剰摂取を避けて推奨摂取量を守りやすくなるでしょう。
プロテインの種類の選び方
プロテインにはホエイ・カゼイン・ソイ・ピーなど、さまざまな種類があります。
・【ホエイプロテイン】
吸収が早く筋トレ後の筋肉修復や筋肉増強におすすめな、水に溶けやすい牛乳タンパク質です。
・【カゼインプロテイン】
効果が長続きしやすく、腹持ちもいいのでダイエットにおすすめされています。固形で水に溶けない牛乳タンパク質です。
・【ソイプロテイン】
大豆イソフラボンが含まれ美肌効果がある大豆のタンパク質です。
・【ピープロテイン】
乳不耐症や牛乳・大豆アレルギーの人でも安心して飲めます。エンドウ豆のタンパク質です。
それぞれ効果や原材料が違うので、自分の体や目的に合う種類を選びましょう。
プロテインを飲むタイミング
・【運動後なるべく早く】
筋トレなどの運動をすると、刺激や負荷により筋肉の破壊と分解が起きます。その筋肉を修復する時にタンパク質が必要になるのです。また、筋肉を構成しているたんぱく質の合成は運動の数時間後が活発です。そのため運動後はなるべく早く、30分以内プロテインを飲むのが効果的と言われています。
・【食事と一緒に摂る】
体内で糖質不足が起こると、エネルギーの不足分を補うためにタンパク質が使われてしまいます。つまり、プロテインでタンパク質を摂取しても、糖質が不足しているとプロテインの効果が出にくくなってしまうのです。それを防ぐために、食事の際に炭水化物と一緒にプロテインを飲むのがおすすめです。
また、筋トレの前に飲んだり次の食事までの間食をプロテインに換えるのも効果的です。特に、筋トレをする1時間くらい前にプロテインを飲んでおくと、筋肉の分解を防ぐことができます。
・【寝る1〜3時間前】
筋肉量を増やす役割をする成長ホルモンは、寝ている間に多く分泌されます。そのため寝る前にプロテインを飲んでおくことで、タンパク質の吸収が高まり筋肉量が増えやすくなるのです。
ただし寝る直前の飲食は消化器官や内臓に負担がかかるため、寝る前の1~3時間にプロテインを飲むようにしましょう。毎晩は飲めないという場合には、特に運動した日の夜に飲むのがおすすめです。
(プロテインを摂取するタイミングや理由については以下の記事も参考にしてみてください)
有酸素運動後にもプロテインは必要!理由〜摂取するタイミング、食事との兼ね合いも!
出典:slope[スロープ]
体に悪い影響が出るプロテイン摂取の注意点
プロテインの副作用やデメリット・正しい飲み方がわかったところで、プロテイン摂取の際に特に大切な注意点について紹介します。
成分や原材料をチェック
原材料や成分を確認し、アレルギー食品が使われていないか・添加物が多すぎないかなどを確認してから摂取しましょう。体に合わないと感じた場合は無理に摂取せず、違うタイプのプロテインに変えてみることをおすすめします。
目安量を知り適正量を摂取する
運動量や体重によって推奨されるプロテイン摂取量が違うため、自分の摂取目安量をきちんと確認しましょう。過剰摂取による副作用やデメリットが多いので、目安量を守って摂取することが大切です。
プロテインは飲み方次第で体に悪いこともある
プロテイン自体が体に悪いわけではありませんが、飲み方次第で内臓に負担がかかるなど副作用が出てしまいます。正しく摂取すれば理想の体づくりや健康の強い味方になるので、プロテインの副作用や正しい飲み方を理解したうえで取り入れていきましょう。