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ランニングの距離は長ければいいものではない!
健康のためにランニングを始めようという人も多いのではないでしょうか。ランニングは「走る」だけの手軽な運動であり始めやすいですが、実際にどんなふうにどれくらい走ればいいのかと悩む方も多いでしょう。
そもそも、ランニングと似た言葉に「ジョギング」というものがあります。厳密にいうと、ジョギングのほうが軽い運動でランニングはそれ以上に筋肉負荷をかけることもあります。どのような目的でどのように走るか、が大切なのです。正しいランニング・最適なペースとは何なのかを知っておきましょう。
初心者に最適なランニングの距離は?
では、初心者に最適なランニングの距離やペースは一体どのくらいなのか。これにははっきりとした正解はありません。その人とその目的にによって異なるのです。詳しく見ていきましょう。
目安となるのは距離よりも時間
初心者は、どうしても“距離”で目標設定しがちです。それは、「○○kmを走った」、という目に見えた成果が、モチベーションにつながりやすいからです。しかし、これが無理をしてしまう要因。距離より、“時間”に目を向けてみましょう。
時間で測るのも、十分目に見える成果です。「○○分間走った」でも、モチベーションになりますよね?では次は、どのくらいのペースで走るかです。
目安時間はだいたい20分以上
初心者に最適とされるランニングの時間は、20分以上です。なぜならランニングのような有酸素運動では、運動を始めてから20分経ったころから脂肪燃焼の効果が出るとされているからです。
このときの走るペースですが、決して無理のない範囲にしてください。ランニングは走るだけとはいえ、体に負荷のかかる運動でもあります。無理に早く走ろうとすると、全身の筋肉にも負担がかかり怪我をすることもありますので、気持ちいいなと思う程度がよいでしょう。
20分以上の時間が目安といっても、目的によって細かい距離の目安は変わってきます。「ダイエットが目的だから脂肪燃焼したい、消費カロリーを上げたい」、「筋トレとして筋肉をつけたい」、「健康のため」など様々なものがあると思います。次からは、それぞれの目的ごとに最適な距離やペースについて見ていきましょう。
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出典:Slope[スロープ]
ランニングに最適な距離【①ダイエット・減量】
ランニングはダイエットや減量を目的とする人にも、手軽に始められます。ところで、なぜランニングがダイエットに効果的なのかご存知ですか。仕組みを見てみましょう。
「有酸素運動」と脂肪燃焼の関係
ダイエットには、脂肪燃焼させることが必要です。そこでまずは、今までにも登場してきているワードである「有酸素運動」とは、そもそもどういうものなのか見ていきます。有酸素運動とは、体に酸素を取り込んでエネルギーを消費する運動のことです。逆に、例えば筋トレのように酸素を取り込む間もなく短時間に負荷をかける運動を「無酸素運動」といいます。
無酸素運動では、もともと筋肉にある糖質を消費することで、エネルギーを作っているのですが、有酸素運動では、運動中に取り込んだ酸素を使ってエネルギーを消費します。このとき使用されるのが、体に蓄えられている脂肪なのです。酸素を使って脂肪燃焼させる、というイメージと言えます。
ランニングよりもジョギングのほうが軽い運動です。ジョギングは有酸素運動とされる一方、ランニングは、それ以上に負荷をかけることもあることから、有酸素運動というより筋トレのような無酸素運動とされることがあります。つまり、ダイエットにおいては「ランニング」よりも、酸素を取り込んで脂肪燃焼する「ジョギング」が適切なのです。
また、普段使うエネルギーとして、「基礎代謝」というものがあります。これは、特に何もしていないときにも消費されるエネルギーのことで、実に1日の総消費エネルギーの60~70%を占めるとされています。ダイエットでは、この基礎代謝を増やすことでさらなる効果が期待できます。
そのために必要なのは、筋肉です。筋肉が大きく発達しているほど基礎代謝は上がるので、ジョギング・ランニングを通して少しずつ筋肉アップを目指しましょう。この時、運動後にプロテインを摂取するのもおすすめです。さらに筋肉アップが狙えます。
また、単純なことですが、消費カロリーが摂取カロリーより多ければダイエットにつながります。ダイエットのためには、消費カロリーだけでなく摂取カロリーにも意識を向けるのがよいでしょう。
(たんぱく質の摂取の仕方については、以下の記事も参考にしてみてください)
有酸素運動後にもプロテインは必要!理由〜摂取するタイミング、食事との兼ね合いも!
出典:Slope[スロープ]
ダイエットのためのランニングの時の距離は?
ダイエットのためのランニングの最適距離は3~5kmであることが多いです。というのも、ダイエットには効率よく脂肪燃焼させることが一番の目的となりますが、最初に示したように脂肪燃焼が活発になるのは開始20分以後だからです。この時のペースの目安は、「なんとか話ができるくらいのペース」。距離にすると、3~5㎞となるわけです。
最初は20分という時間でも長く感じるかもしれませんが、距離にとらわれず無理のないペースで続けましょう。頻度としては、毎日というよりも週に3回程度がよいです。なぜなら、毎日走ると疲れが抜けないまま走ることになり、体に大きな負担となってしまうからです。慣れてきて、筋肉がついてきたらすこしずつ回数を増やし、毎日の習慣にしていくのもよいです。
距離に応じた消費カロリーの計算方法
ダイエットにおいて、脂肪燃焼させるためにも消費カロリーの計算はとても気になるところです。ここまでエネルギー消費について話してきましたが、実は消費エネルギー、つまり消費カロリーは次の公式で簡単に計算できます。
消費カロリー(kcal) =METs×運動時間(h)×体重(kg)×1.05
METs(メッツ)とは活動の強度を表す単位で、運動によって異なります。なにもしていない時のエネルギー消費量を1とした時、その運動によって何倍のエネルギーを消費するかを示す値になります。ここでは、ランニングでのMETsを挙げておきます。
・時速6.4kmのとき 6.0 METs
・時速8.0kmのとき 9.0 METs
・時速9.7kmのとき 9.8 METs
・時速10.8kmのとき 10.5 METs
ランニングの消費カロリーを計算!他の運動との比較〜脂肪1kg落とす量まで解説!
出典:Slope[スロープ]
消費カロリーの計算例
ダイエットにおいて、脂肪燃焼させるためにも消費カロリーの計算はとても気になるところです。ここまでエネルギー消費について話してきましたが、実は消費エネルギー、つまり消費カロリーは次の公式で簡単に計算できます。
例えば、体重50kgの人が4kmの距離を時速8.0kmで30分間走った時の消費カロリーを計算すると、以下の式となります。消費カロリーを計算することで脂肪燃焼へのモチベーションもあがりますので、試してみてください。
9.0(METs)×0.5(h)×50(kg)×1.05=236.25kcal
(消費カロリーについては、以下の記事も参考にしてみてください)
ウォーキングの消費カロリーは高い?計算方法〜他の運動との比較まで徹底解説!
出典:Slope[スロープ]
ランニングに最適な距離【②心肺機能向上】
ランニングは身体の血液循環を促し、負荷をかけることで心臓のポンプ役割を強化させます。心臓も筋肉の一種なので、心臓の筋肉を鍛えるイメージです。これが心肺機能の向上につながるのです。有酸素運動のポイントしても大切なところとされます。ここでは、「心拍数」をポイントとして考えていきます。
ランニング時の心拍数
心肺機能の向上には、適度な運動強度で有酸素運動を行うことが必要です。そこでまず、最大心拍数(高い運動負荷で一番頑張った時の心拍数)を求めます。健康増進・心肺機能向上のためには、その60~70%を目指して運動を行うことが適切とされています。最大心拍数は次の式で求められます。
最大心拍数(回/分)=220-年齢
▼30歳の場合の目標心拍数
220‐30=190(最大心拍数) × 0.6~0.7 = 114~133(回/分)
(心拍数については、以下の記事も参考にしてみてください。)
脂肪燃焼×有酸素運動は心拍数が肝!目安〜計算式&セルフで測る方法など解説!
出典:Slope[スロープ]
心拍数と距離の実際例
例えば、先ほどと同じ30歳の人を例にとりましょう。最大心拍数は190(回/分)、目標心拍数は 114~133(回/分)でした。
6kmの距離を30分でランニングしたとしましょう。直後の心拍数が160回であれば、やや心臓に負荷がかかりすぎています。無酸素運動、つまり筋トレになってしまっているともいえます。少しペースを落とし、5kmの距離を30分でランニングした直後の心拍数が125回であれば、その速さと走行距離は適正です。
しばらくそのペースでランニングを続け、1か月後に同様に心拍数を計測したときに、110回になっていれば、その分心肺機能が向上したといえるわけです。最近はスマートウォッチなど、人気のアイテムが多数あり、自分でも心拍数やタイム・時間を管理する機器もあるので活用してみてください。
(おすすめアイテムなどについては、以下の記事も参考にしてみてください)
有酸素運動は心拍数の意識で効果倍増!計算方法〜目的別の最適値まで解説!
出典:Slope[スロープ]
ランニングに最適な距離【③健康・メンタルヘルス】
ランニングは、身体だけでなく、精神的にも健康を増進させる手段の一つです。実はこの目的もランニングが人気である理由の一つ。ここでは、ランニングが精神面にもよいとされる仕組みを見ていきます。
ランニングとうつ病の関係
ランニングには、うつ病を軽減させる効果があるというのをご存知でしょうか。その理由の一つに、神経伝達物質の「セロトニン」を分泌してくれることがあります。セロトニンは「しあわせホルモン」ともいわれ、幸福感を生み出してくれます。抗うつ薬などでも用いられる物質です。ランニング後に、このセロトニンが多くなるということが研究で示されています。
(セロトニンの詳しい効果については、以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレでセロトニンを分泌!活性化の理由〜幸せホルモンの効果を徹底解説!
出典:Slope[スロープ]
メンタルヘルスのためのランニングの距離は?
メンタルヘルスのためのランニングでは、はっきりとした距離の目安はありません。あくまでセロトニン分泌のためなので、まず有酸素運動であることが必要です。そのため、あまり速度を求めて走るのはやめましょう。ジョギング程度でも大丈夫です。
走っていて自分が気持ちいいと思える距離がよいでしょう。
ランニングのコースの決め方
さて、ここまで目的別におすすめのランニングのペース・時間・距離について紹介してきました。ここからは、実際のランニングコースの決め方についてお話していきます。ちょっとしたコツで、ランニングが継続しやすくなります。
コース作りのコツ
コツといってもどれも簡単なものです。
・自分の好きな場所を入れる
・開けた場所を入れる
この2つだけ。好きな場所を通ることで気分をあげることができますし、開けた場所(公園など)を入れることで休憩もできます。
コースや距離を決めるときのおすすめサイト
実際に走る前に、「シュミレーションをしておきたい」という方のためにも、走ったあとにレビューがしたいという方のためにも、おすすめのサイトがあります。
このサイトは「ジョギングシュミレータ―」といい、一見ただの地図に見えますが、距離と走行時間、体重を入力することで、消費カロリーや平均速度などのデータを算出してくれる機能がついています。ぜひ使ってみてください。
出典:ジョギングシミュレーター
ランニングの距離に関する体験談
ここまで読まれてランニングに興味を持った方も多いのではないでしょうか。ここで、いくつか体験談を紹介します。
体験談①走り続けて-14㎏!
60代
走り始めて15年目になります、最初は100m走っては、歩いて、また100m走っては歩く、この繰り返しでだんだん距離が伸びてきて、1月後には5km走れる用のなり3ヶ月頃から10km走れるようになりました、3ヶ月で14キロダイエット成功です、今も月に200km走ってます、体重は維持してます。
こちらの方は15年もランニングを続けられている方です。最初は距離が伸びなかったのが、徐々に長距離を走られるようになったようです。ダイエットにも成功されています。
このように、最初はきついと思えるランニングも、無理せず続けることで結果につながることがわかります。
体験談②2週間で体脂肪率減少!
ピータン
毎日5㎞を目標に二週間継続中。
早朝ジョギングの気持ちよさに
思いの外はまっています!
体重は全く変わっていませんが
体脂肪は1%減りました。
毎日5㎞を走るというピータンさん。続けることで気持ちよさも感じられているようです。また、体脂肪率も少しですが減少されているようですね。
ランニングで脂肪燃焼もできるということがわかります。このように、ランニングを始めると気持ちよくてハマる人も多いようです。
体験談③毎日2㎞走って-2㎏!
30代
朝起きて、2キロだけ走るのを毎日続けたら食事制限などしなくても2キロ痩せていた
この方は、2㎞という短い距離ですが毎日続けられています。短距離であっても、継続することで体重減少につながることがわかります。
ランニングの効果を出す為に必要な距離の目安を理解!
目的によって必要なランニングの距離やペースについて、紹介してきました。ランニングは、誰でも始められる上に、脂肪燃焼や心肺機能・筋肉の向上、メンタルヘルスにも効果的なスポーツです。
体力や筋力に自信がなくても、自分のペースで始め徐々に効果を上げていくことも可能です。その仕組みとして、消費カロリーや心拍数などを説明してきました。これらの仕組みを理解して、効果的なランニングを行ってみて下さい。