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ディップスが全然できない…原因は?誰でもできる練習やフォームのコツを解説!

2020年11月06日

ディップスは、上半身を効果的に鍛える筋トレとして人気ですが、全然できないという方も多いようです。ここではディップスができない原因を考えながら、トレーニングチューブを補助に使った練習法やディップスを成功させるための筋力強化の方法を紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー 柴山智幸

『身体の全てを整えて生活を豊かに』というコンセプトで目標達成+機能改善トレーニングを提供しています。猫とお酒が好きです。
【所属】出張パーソナルトレーニングジム5toolgym代表
【SNS】HP / Instagram / Twitter

効果的と言われるディップスが全然できない

ディップスとは、上半身の大胸筋下部・三角筋・上腕三頭筋に効果が期待できる筋力トレーニングです。ディップスを行うと、胸板が厚く、腕も太くなるので初心者から上級者にまで人気の筋トレとなっています。しかし、自分の体重を負荷として前傾姿勢で行うため、正しいフォームが維持できずに全然できないという方も多いようです。その原因は何なのでしょうか?

ディップスができない原因とは?

ディップスができない原因は、主に3つ考えられます。ここからは順を追って原因を説明します。

1.筋力不足

ディップスができない原因に、力こぶと表現される上腕二頭筋や二の腕とも呼ばれる上腕三頭筋の筋力不足が理由に挙げられます。ディップスは「上半身のスクワット」とも呼ばれ、自分の体重を腕2本で支えて行う筋トレなので、両腕や肩回りの部位にある程度の筋力が必要となってきます。

2.体重が重い

ディップスができない2つ目の原因は、自身の体重が重すぎることです。ディップスは自身の体重を負荷として行う自重トレーニングなので、体重が重すぎると肩の可動域に大きな負荷がかかり、上半身を支えることが難しくなります。これではディップスの際に肩をスムーズに動かすことができません。筋トレにおいて負荷が大きすぎることは、ケガの原因にもなります。

3.前傾姿勢ができない

ディップスができない3つ目の原因が、前傾姿勢ができていないことです。ディップスを行う時、前傾を意識するあまり足が伸びきってしまい、反対に上半身が立ってしまうことがあります。これではディップスのターゲットである大胸筋に十分な負荷がかからず、ディップスができているとは言えません。前傾姿勢を維持できれば、ケガを避けることにもつながります。

それでは、これら3つの原因を踏まえながら、できなかったディップスを効果的にできるようになるにはどうすれば良いのでしょうか?

ディップスができない時はチューブで補助

ディップスができない原因である筋力不足をカバーしつつ、自身の体重の負荷も軽減する手段として、トレーニングチューブを補助として使うディップスがあります。このディップスは、ディップスの要となる前傾姿勢を感覚的に覚えることもできるのでおすすめです。ここからは、そのやり方や注意点を紹介します。

▼トレーニングチューブを補助としたディップスのやり方

①トレーニングチューブを半分に折る
➁スタンドの両レバーにチューブをひっかける
③チューブの上に脛の真ん中をひっかけて乗る
④体重をかけて身体を下ろす
⑤身体を上げる
⑥④と⑤を繰り返す

▼トレーニングチューブを補助としたディップスの注意点

・身体を上げる時、後ろに傾かないようにする

自身の体形や身体の柔軟性によってトレーニングチューブの上に片足しか乗せられない場合は、片足のみでディップスを行っても構いません。自分のできる範囲や回数で練習を続けることが重要です。

ディップスができない時は上腕三頭筋の強化も重要

ディップスができない理由に筋力不足がある場合には、自身の体重を支えるために上腕三頭筋(二の腕)の強化も別途必要になってきます。ここでは、上腕三頭筋の筋力アップに効果的なトレーニング方法を紹介します。後半には負荷が大きい上級者向けの筋トレ方法も紹介するので、自身の筋力や柔軟性に合わせて挑戦してみてください。

1.リバースプッシュアップ

リバースプッシュアップは、腕立て伏せの改良版です。腕や肩回りの上腕三頭筋や三角筋の強化に効果があります。自宅などでも気軽に行える筋力トレーニングなので初心者からでも簡単に挑戦できます。

▼リバースプッシュアップのやり方

①フラットベンチや椅子の上に後ろ手で手をつく
➁肘を曲げて身体を下ろす
③反動を使わずに肘を伸ばして、身体を上げる
④②と③を繰り返す

▼リバースプッシュアップの注意点

・手の指先でベンチや椅子のヘリを掴む
・運動中は、上半身はまっすぐ起こす
・運動中は、下を見ないようにする

手をつく際はベンチや椅子のヘリに手の平の下部を置くようにすると手首が痛みにくくなります。また、身体を下ろす時は、両鎖骨の中央から胸を開く感覚で行うと肩を痛めにくいです。負荷を小さくしたい場合は、足の膝を直角に曲げて行うと良いでしょう。

可能であれば、回数は10~15回続けてみましょう。上腕三頭筋強化の効果を得るためには、週に1回、3セットが目安です。もし慣れていなければ、手首や肩を痛めない範囲の回数で止めても問題はありません。

(もっと詳しく知りたい方はこちら)

2.【上級者向け】加重ベンチディップス

加重ベンチディップスとは、上腕三頭筋への効果を上げるために、基本のベンチディップスに重しで負荷を加えた筋トレ方法です。基本のベンチディップスでは負荷がもの足りないという上級者向けのメニューとなっています。

▼上級者向け加重ベンチディップスのやり方

①ベンチに後ろ手で手をつく
➁足の位置を高くする
③両太ももの上に重しを載せる
④肘を曲げて身体を下ろす
⑤肘を伸ばして身体を上げる
⑥④と⑤を繰り返す

▼上級者向け加重ベンチディップスの注意点

・肩回りの柔軟性や可動性が必要
・肩回りのウォーミングアップを入念に行うこと

足の位置を高くしたり、両足に載せる重りを重くすることで負荷を増やすことができます。上腕三頭筋の筋力アップのためには、回数は10回こなせる範囲の重しを載せて3セットから始めてみましょう。

3.【上級者向け】バランスボールを使ったベンチディップス

こちらはバランスボールを使って足の位置を高くすることで足場の不安定さが負荷となり、上腕三頭筋だけでなく体幹も鍛えることがきる上級者向けのベンチディップスです。

▼バランスボールを使ったベンチディップスのやり方

①ベンチに後ろ手で手をつく
➁バランスボールに足を乗せて位置を高くする
③肘を曲げて身体を下ろす
④肘を伸ばして身体を上げる
⑤③と④を繰り返す

▼バランスボールを使ったベンチディップスの注意点

・肩回りの柔軟性や可動性が必要
・肩回りのウォーミングアップを入念に行うこと

セット回数は、10~15回を3セットから始めてみましょう。このベンチディップスは体幹も鍛えることができるので、体幹を鍛えれば前傾姿勢のバランスが取り易くなり、ディップスの正しいフォーム維持にもつながります。

(もっと詳しく知りたい方はこちら)

ディップスができない時はフォームの見直しを

ディップスは、主に大胸筋下部を鍛え、それに連動して三角筋、上腕三頭筋などにも効果がある筋トレです。しかし、ディップスの主なターゲットである大胸筋に負荷をかけるためには、前傾姿勢を維持しながら行う必要があります。もしディップスができなかったり、回数がなかなか増やせないのなら、ここからディップスの正しいフォームを見直してみましょう。

▼ディップスの正しい前傾フォームとやり方

①ディップススタンドのバーを肩幅より少し大きめの幅で握る
➁バーに上半身を載せるように足を浮かせる
③足は後ろでクロスして、上半身を前傾させる
④肘を曲げ、身体を下ろす
⑤肘を元の位置に戻し、身体を上げる
⑥可能であれば、④と⑤を繰り返す

▼ディップスの正しい前傾フォームの注意点

・前傾姿勢の時に腰を曲げない
・身体を下ろす範囲は、みぞおちと両手首を繋いだラインまで
・前腕はディップススタンドのバーに対して垂直になるように維持する

上半身を立てたままディップスを行うと肩を痛めやすくなるので、前傾姿勢の維持を心がけましょう。両鎖骨の中央から胸を開く感覚で身体を下ろすと良いです。また、肩関節の可動域が狭い場合、前腕の角度をつけすぎるとケガの原因になるので、前腕は常にバーに対して垂直なるよう気を付けてください。

(もっと詳しく知りたい方はこちら)

ディップスができない方も練習すれば必ずできる!

この記事では、ディップスができない原因を挙げて、その対策となる筋トレ方法や効果的なディップスを行うための正しいフォームを紹介してきました。

「ディップスができない!」を克服するためには、まず回数は気にせずに前傾姿勢を維持しながら正しいフォームで行うことに意識を向けてください。正しいフォームでディップスをすれば、回数をこなすよりも効果的に上半身を鍛え上げることができます。

徐々に負荷を上げて練習を繰り返せば、必ずディップスはできるようになります。無理はせずにケガを避けながら、ぜひディップスに挑戦して、分厚い胸板や逞しい腕を手に入れてくださいね。