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筋トレ中こそ白米を食べるべき?摂取量〜玄米・雑穀米との使い分けまで解説!

2020年11月18日

【パーソナルトレーナー監修】筋トレ中に白米を我慢している方はいませんか?実は、筋トレ中こそ白米を食べるべきなのです。この記事では筋トレ中に白米を食べたほうが良い理由やどれくらいの量をどのタイミングで食べれば良いか、玄米・雑穀米との使い分けなどについて解説します。

【監修】パーソナルトレーナー 富山周祐

【所属】BEYOND立川
【経歴】フィンスイミングの現役日本代表選手と並行してボディメイクコンテスト(BEST BODY JAPAN日本大会)出場。
【SNS】Instagram / YouTube

筋トレ中は白米を食べていいって本当?

「白米は糖質が多く含まれているから、筋トレ中は食べないほうが良いのでは?」と疑問に感じている方もいるでしょう。実は、筋トレ中には白米を食べても良いのです。この記事では、筋トレ中に白米を食べて良い理由や必要な摂取量、白米を食べる適切なタイミングなどについて説明します。

筋トレ中に白米を食べるべき理由

糖質を多く含む白米ですが、なぜ筋トレ中に食べるべきだと言えるのでしょうか?まずは、白米を筋トレ中に食べるべき理由について解説します。

効率良く筋肉を付けられる

タンパク質が筋肉の材料になるためには、タンパク質以外の食品から必要な分のエネルギーを十分に摂取出来ていなければいけません。エネルギーが十分であれば必要最低限のタンパク質でも効率的に筋肉の素にすることが出来ます。そして、そのタンパク質以外のエネルギー源として十分な糖質が必要です。

しかし、エネルギーを十分に摂取出来ていないと、タンパク質が分解されてエネルギー源として消費されてしまいます。そうすると筋トレをしても筋肉が作られるどころか筋肉量が減少してしまうのです。また、分解されたタンパク質を合成するのにもエネルギーが必要になります。

白米を食べてしっかり糖質を摂ると、十分なエネルギーを摂取することが可能です。さらに糖質を摂って血糖値が上がると、インスリンが分泌されてアミノ酸の合成を促すことが出来ます。つまり、糖質を含む白米を食べるとタンパク質の分解を予防でき、筋肉の合成も促されて筋トレの効果を高められるのです。

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富山周祐パーソナルトレーナー

インスリンの分泌中は、タンパク質の合成だけでなく脂質の吸収も高まるので、同時に摂取するものについては注意が必要です。

高強度運動後の早期回復を目指した 栄養補給に関する研究

出典:酪農学園大学大学院酪農学研究科

消費されたエネルギーを補える

強度が高く持久力が求められる筋トレでは、筋肉や肝臓に蓄えられている糖質がエネルギー源です。糖質はグリコーゲンという形で筋肉や肝臓に蓄えられていて、厳しい筋トレでは特に消費されます。

筋トレで消費された筋肉や肝臓のグリコーゲンを回復させるには、糖質をしっかり摂ることが重要です。日頃から厳しい筋トレを行っている方は十分に糖質を摂り、筋肉や肝臓のグリコーゲンを維持することで持久力の上昇にも繋がります。

アスリートの栄養摂取と食生活

出典:日本スポーツ協会

脳の栄養になる

脳のエネルギー源は糖質のグルコースですが、これが不足すると集中力が落ちてしまいます。そういった状況で筋トレをすると、怪我や正しい筋トレが出来ないといったことに繋がりかねません。白米を食べて糖質をしっかり摂れていれば、集中して筋トレに取り組むことが出来るでしょう。

筋トレ中の白米・玄米・雑穀米は結局どっちがいいの?

「玄米や雑穀米は健康に良い」「白米は栄養価が低い」といった話を聞いたことがある方もいるでしょう。では、筋トレ中には白米と玄米・雑穀米のどちらを食べれば良いのでしょうか?ここでは、栄養価やそれぞれの利点、トレーニングの目的による使い分けに焦点を当てながらどちらを食べれば良いのかについて解説していきます。

(筋トレと玄米の関係については以下の記事も参考にしてみてください)

栄養価

まずは、100gあたりのそれぞれの栄養価について見ていきましょう。食品成分表2019を参考に白米と玄米の栄養素を比較しました。白米は玄米を精米して作られています。カロリーは100gあたり白米168kcal、玄米165kcalでほとんど変わりませんが、ビタミンやミネラルなどの栄養価は玄米の方が高いものが多いです。

ビタミンB1は白米に0.02mg、玄米に0.16mg、ビタミンB6は白米に0.02mg、玄米に0.21mg含まれています。マグネシウムは白米7mg、玄米49mg、鉄は白米0.1mg、玄米0.6mgがそれぞれ含まれていて、その差は数倍です。不溶性食物繊維も白米は0.6g、玄米は1.2gと2倍もの差があります。

雑穀米は混ぜた雑穀の種類によって、カロリーも栄養価も異なります。混ぜた穀物の栄養素をプラスで摂ることが可能なので、摂りたい栄養素を含む雑穀米を選ぶと良いでしょう。

玄米や雑穀米の利点

玄米に白米より多く含まれているビタミンB群は、タンパク質代謝やエネルギー代謝に関わるものが多く、筋肉の合成を助けてくれます。また不溶性食物繊維は、便通改善の効果を期待することが可能です。以前は白米と玄米の総食物繊維の数値に差がありましたが、2018年に水溶性食物繊維の基準が変わり、数値が新しくなったので今ではその差はほとんどありません。

また、玄米や雑穀米は白米よりよく噛む必要があるので満足感が得られることも利点の一つです。食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果もあるので、健康が気になる方にもおすすめ出来ます。

では、白米はどうでしょう。白米は素早く消化吸収されエネルギーになります。例えば、すぐにエネルギーを補給したい場合や、胃腸が弱っている場合には白米を食べるのがおすすめです。

(筋トレとビタミンとの関係については以下の記事も参考にしてみてください)

トレーニング目的による使い分け

玄米や雑穀米、白米にはそれぞれ良いところがあります。それぞれの特徴を理解して使い分けるのがいいでしょう。具体的には「タンパク質やエネルギー代謝を助ける栄養素を多く含む」「便通改善が期待できる」「満足感が得やすい」といった利点のある玄米・雑穀米はダイエット目的でトレーニング中の方に向いています。

一方、素早く消化吸収され、エネルギーになる白米は筋肥大目的でトレーニングをしている方の糖質補給に向いています。このように白米と玄米や雑穀米は、トレーニングの目的や食べるタイミングによって使い分けるのがおすすめです。

筋トレ中に白米を食べていい量は?

筋トレ中に摂取する白米の適切な量はどれくらいなのでしょうか?実は、糖質の必要摂取量は筋トレで取り組む種目によって異なります。

持久系の種目の運動をしている方は「体重(kg)×7~10g」の糖質を摂ることが推奨されています。例えば体重60kgの方なら、必要な糖質は420~600gです。筋力・瞬発系の種目の運動をしている方は「体重(kg)×6g」の糖質を目安にしましょう。例えば、体重60kgの方であれば必要な糖質は360gです。

持久系の種目は主にランニングなどの有酸素運動、筋力・瞬発系の種目は筋トレなどの無酸素運動です。筋肉には赤筋と白筋があり、主に赤筋は持続的な運動で、白筋は瞬発的な運動で使用されます。ランニングや筋トレなど、種目によって使う筋肉が違うので糖質の必要量が変わるのです。

そして白筋は赤筋よりも、筋肉のグリコーゲン量を素早く回復することが可能です。筋トレなど筋力・瞬発系の種目の運動をした後は、早めに糖質を摂ると筋肉のグリコーゲンを素早く回復出来ます。

筋トレ中の糖質の必要摂取量は意外と多いように感じますが、糖質は白米以外にも含まれています。パンや麺類と言った他の主食はもちろん、間食のお菓子や果物、肉や野菜にも含まれているのです。大切なのは1日の合計の糖質摂取量なので、食べる他の食品の糖質の量も考えながら白米の量を調整しましょう。

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富山周祐パーソナルトレーナー

持久系の運動(ランニングや水泳など)では、糖質だけではエネルギー供給が尽きてしまうので、脂質からのエネルギー代謝も必要となります。 そのためマラソンなどをやられる方は極度に脂肪を削る事には注意しましょう。

筋トレ中に白米を食べる最適なタイミング

「筋トレ中に白米を食べるなら、筋トレの効果を上げるタイミングで食べたい」と思う方も多いでしょう。では、筋トレ中に白米を食べる最適なタイミングはいつなのでしょうか?

白米を食べる最適なタイミングのひとつが朝です。私たちは睡眠中にもエネルギーを使っています。そのため朝はエネルギー不足の状態です。朝にエネルギー源になる糖質を摂らずに筋トレを始めると、筋肉をエネルギー源として消費してしまいます。

白米は消化吸収しやすいので、短時間でエネルギーに変化します。朝食に白米を食べることで、エネルギー不足の体に素早くエネルギー補給を出来るのです。

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富山周祐パーソナルトレーナー

朝はカタボリック状態(筋分解が起きている状態)なので、糖質でエネルギーを補給するのと同時にアミノ酸も摂取し、筋肉への補修作業も促すと良いでしょう。

(筋トレ中の朝食については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレ前

筋トレ前に白米を食べると筋トレで使うエネルギーになります。筋トレは主に糖質を使う運動です。白米を食べて糖質補給をしておくと、筋肉のグリコーゲンの量を増やし、強度が高い筋トレや長時間の筋トレをしやすくなります。

糖質を摂らず、筋肉のグリコーゲンの量が不足してしまっていると、筋肉を増強するエネルギーも足りない状況になります。そうすると適したトレーニング強度の負荷をかけることが出来ず、筋肉を育てにくくなってしまいます。

また、糖質を摂ると筋トレで筋肉をエネルギー源として分解しなくなるため、効率良く筋肉をつける事が可能です。白米を食べるタイミングは摂取後に消化吸収され、血中に糖が行き渡る時間を考えて筋トレの3~4時間前が良いでしょう。

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富山周祐パーソナルトレーナー

トレーニング前に糖質をとっても、トレーニング中に枯渇し集中力がきれる危険性もあります。 マルチデキストリンなどで常に糖質を補給できる工夫も必要でしょう。

(筋トレ前の食事については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレ後

筋トレ後はエネルギーを消耗しています。このタイミングで白米を食べると、筋肉の分解を防ぐことが可能です。筋トレ後30分は栄養素を吸収しやすくなるので、白米と一緒にタンパク質を摂ると良いでしょう。糖質を含んだ白米とタンパク質を含む食材を一緒に食べることによって、タンパク質をしっかり筋肉の材料に出来ます。

また、筋トレの後すぐ糖質を摂ることで筋肉のグリコーゲンの回復が期待出来ます。すぐに食事を摂れない場合は、おにぎりやバナナなどを食べるのがおすすめです。間食によって筋肉の分解を防ぎ、2時間以内にちゃんとした食事を摂ると良いでしょう。

(筋トレ中の間食については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレ中に白米を食べる際の注意点

糖質補給に向いている白米ですが、筋トレ中に食べる際にはいくつかのことに注意しなければなりません。最後に、筋トレ中に白米を食べる際の注意点について解説します。

食べ過ぎは禁物

白米を食べて良いといっても、食べ過ぎてはいけません。食べ過ぎによって摂取エネルギーが消費エネルギーより多くなると、脂肪になって体重が増えてしまいます。筋トレなどの運動で消費しきれるエネルギー量、筋肉や肝臓がグリコーゲンとして使う糖質の量を考えて、適量を食べるようにしましょう。

数回に分けるのがおすすめ

空腹状態のようなエネルギー不足の時間が長いと、筋肉の分解に繋がります。そのためエネルギーは一気にではなく数回に分けて摂り、エネルギーが不足している時間を短くする方が良いでしょう。一日6回の食事を推奨している方や、間食を朝食と昼食の間、昼食と夕食の間に摂っている方もいます。

偏りなくエネルギー補給するために、白米も数回の食事に分けて摂ることをおすすめします。例えば朝食に白米を食べ、トレーニング前後の間食に白米のおにぎりを食べるなど2~3回に分けると良いでしょう。

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富山周祐パーソナルトレーナー

食事の回数を増やし血糖値の乱高下を防ぐことは、筋トレだけでなく生活の質を向上させるのにも一役かいます。 なるべく血糖値スパイクを起こさないようにするのが、非常に重要となってきます。 急なドカ食い、高血糖な炭水化物の摂りすぎには要注意です。

白米の特徴を理解して筋トレ中も効率よく摂取しよう

白米は糖質を多く含み、消化吸収が良いため効率良くエネルギーを補給出来ます。また、筋肉をつけるにはタンパク質だけでなく、エネルギー源となる糖質も必要です。糖質が不足していると筋トレの効果が十分に発揮されません。筋トレ中の糖質補給にぴったりな白米を適切な量・タイミングを守って摂取し、筋トレの効果を高めましょう。