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ラックプルとは?デッドリフトとの違いは?
ラックプルは、ハーフデッドリフトのことで和製英語です。そのため、英語圏ではハーフデッドリフトと言っても通じません。言葉の通りラックを引くという意味で、デッドリフトとはまったく別の種目として認識している人も多いです。デッドリフトには、何種類ものバリエーションがあります。
基本動作は、バーベルを床から持ち上げることを繰り返すことです。背中全体の筋肉を鍛えることができ、刺激を与えることができます。デッドリフトは、大きな動作であることが特徴です。日本でハーフデッドリフトと呼ばれるラックプルは、バーベルをすねの辺りや膝上から上げることとなります。
そのため、デッドリフトよりも膝の関節や腰への負担が軽減され、下半身への負担が少なく背中の筋肉を鍛えられることが大きな違いです。背中を集中して鍛えたい人に効果的でおすすめと言われています。
(デッドリフトについては以下の記事も参考にしてみてください)
デッドリフトの平均は?最適な重量・回数がわかる!体重・初心者〜上級者に分類して解説
出典:Slope[スロープ]
ラックプルのメリット
ラックプルで筋肉を鍛えるメリットとは、どんなことがあるのでしょうか。デッドリフトにくらべて、可動域が少ないことからデッドリフトとは違うメリットがあります。ラックプルで筋トレを行うメリットについて、みていきましょう。
背中だけを鍛えることができる
ラックプルで鍛えるメリットは、背中だけを集中的に鍛えることができることです。デッドリフトと違って、ほとんどハムストリングスを使いません。背中だけを意識して鍛えることができるため、背中に高い負荷をかけ筋肉に刺激を与えることで筋肉が発達します。
背中の筋肉は肥大しにくいと言われていますが、ラックプルは背中の筋肉だけに刺激を集中するように高い負荷をかけるので鍛えた結果が出ます。はじめてラックプルを行う場合は、どこに効果があるのか感覚がわからないこともあるでしょう。正しいフォームで鍛え、背中を意識して鍛えることがコツです。
他の部分と比べて背中は広いので負荷をかけて、意識的にトレーニングを行いましょう。
(背中の筋肉の名前については以下の記事も参考にしてみてください)
背中の筋肉の名前&作用!画像付きで解説!部位別の筋トレメニューも!
出典:Slope[スロープ]
腰への負担が少ない
ラックプルは、デッドリフトに比べて腰への負担が少ないことがメリットとなります。なぜなら、ハムストリングを使ってバーベルを床から上げるデッドドリフと違って、腰への影響が少ないためです。腰を痛めるリスクが少なく怪我のリスクが低いことから、多くのボディービルダーたちが利用しています。
腰を痛めた経験がある人でも、ラックプルは安全に行えるため取り入れている人も多いです。腰への負担が少ないとはいえ、絶対に腰を痛めないというわけではありません。もし、間違ったフォームでラックプルを行った場合は、腰への負担をかけてしまうことになります。
特にはじめての人で、背中よりも腰のあたりに刺激を感じている場合は腰に負荷がかかってしまっている可能性が高いです。バーベルを持ち上げるときに、腰を反ってしまうと怪我の原因にもなります。腰への負担が少ないメリットを活かすためには、腰を反らずにまっすぐ行いましょう。
重い重量でも扱える
ラックプルは、膝上やスネのあたりからバーベルを持ち上げるため、バーベルの重量が重くても扱うことができます。そのため、デッドリフトよりも平均以上の重量で強い刺激を与えて鍛えることが可能です。床からバーベルを持ち上げるデッドドリフではレンジが長いため無理な重量でも、ラックプルならレンジが短いためできます。
重量が重いバーベルを扱えることが、ラックプルの醍醐味でもあるので挑戦してみると良いでしょう。ただし、重量ばかりにこだわりすぎて無理をしてしまうと怪我のリスクがあるので、適正の重さをクリアしながらトライしてください。
ラックプルの正しいやり方
ラックプルを行うときは、正しいフォームを心がけることが重要です。ラックプルの正しいやり方は、以下となります。
▼ラックプルのやり方
①バーベルは膝上くらいの高さにセッティングし、グリップ幅は腕をだらんとした状態をグリップ幅にする
②脚の真ん中がバーベルの真下にくるようにし、股関節を引いてバーベルをつかむ
③お腹に力を入れて広背筋や憎幅筋の下部にしっかり力を入れ、肩甲骨が外転しないようにしっかり力を入れる
④バーをなるべく身体から遠ざけず身体に沿うように引き上げる
⑤同じ軌道を通ってゆっくりバーを戻す
ラックプルを行う適した回数や重量は、トレーニングの目的によって変わります。筋力をアップしたい人は1~6回、筋肥大を目指す人は6~12回、持久力を高めたい人は15回以上で限界が来る重量を使うことが目安です。頻度・セット回数については、初心者は1つの部位を週に1回を3セット、上級者は1つの部位を週2回6セットを心掛けましょう。
▼ラックプルの呼吸法のコツ&注意点
・基本の呼吸方法は、上げながら吐いて下げながら吸う
・お腹に力を入れて息を止めながら上げ下げする「バルサルバ法」
ラックプルを行うときに推奨されている呼吸法は、上げながら吐いて下げながら吸う方法です。血圧を上げることを回避することができるため推奨されています。しかし、実践レベルではお腹に力を入れて息を止める呼吸法を取り入れている人が多いです。その方が、力が入りやすく扱える重量も大きくなることが理由となります。
しかし、血圧が上がりやすいデメリットもあるので特に血管系の疾患がある人は注意が必要です。どちらの呼吸方法が良いのかはメリットとデメリットを考えて選び、不安な人は医師の判断をあおいでください。
(ハーフデッドリフトのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
ハーフデッドリフトのやり方!腰を痛めず背中に高負荷を与えるコツをプロが解説
出典:Slope[スロープ]
ラックプルはスミスマシンで行うのもおすすめ
ラックプル初心者の人におすすめの「スミスマシン」を使ったやり方を解説します。スミスマシンは、バーベルが固定されているためバランスが取りやすいことが特徴です。使い方がわからない初心者の人でも、軌道が限定されているため安全にトレーニングすることができます。スミスマシンで行うときのやり方は、以下を参考にしてください。
▼ラックプルをスミスマシンで行うやり方
①スミスマシンのセーフティーバーを適切な高さに調整する
②脚の中心がバーベルの下にくるようにする
③股関節を引いてバーベルを掴む
④バーを上げ下げする動作を繰り返す
スミスマシンを使ってラックプルを行うときは、筋トレの目的に合わせた回数を行うようにしましょう。筋力アップを目指す人は1~6回、筋肥大を目指す人は6~12回、持久力を高めたい人は15回以上で限界がくる重量までが目安となります。セット回数は、初心者は1部位につき週1回3セット、上級者は1部位につき週1回6セットを意識しましょう。
▼ラックプルをスミスマシンで行うときのコツ&注意点
・間違ったフォームでもできてしまうことが弱点
スミスマシンは、通常のバーベルで行うよりもバランスを取る必要が少ないため難易度が下がります。そのため、力さえ入っていればバーベルを上げることが可能なので間違ったフォームでもできてしまい正しい筋トレができないことや、怪我のリスクがあることがリスクです。
(スミスマシンの使い方については以下の記事も参考にしてみてください)
スミスマシンの使い方!初心者もわかるメニュー&やり方!向きに要注意?
出典:Slope[スロープ]
ラックプルを行う際のコツ&注意点
ラックプルの正しいフォームで行うためには、コツや注意点があります。正しいフォームややり方を行わないと怪我の原因となるので、しっかり理解して行うようにしましょう。
バルサルバ法とはバルサルバ効果とも呼ばれる生理現象で、呼吸を止めていきむことで自律神経のうち副交感神経が緊張し、血圧が上昇・心拍数が増大し、筋力も通常よりも大幅に高まる現象です。イタリアの解剖学者であるアントニオ・マリア・バルサルバ氏にちなんで命名されました。nnバルサルバ効果は、古くから体験的に知られており、日本においても「火事場の馬鹿力」と呼ばれている現象がこれにあたります。
▼ラックプルのコツ&注意点
①重量を上げすぎて握力を潰さないために、パワーグリップを使ってサポートする
②脊柱起立筋に刺激を与えるため、ラックプルとスクワットを連続してトレーニングしない
③肩甲骨を外に開いた状態だと、腰が曲がりぎっくり腰のリスクが高まる
④正面にある鏡を見すぎていると顎が上がってしまい、腰が反ってしまう
⑤広背筋や憎幅筋にしっかり力を入れて、肩甲骨を外転しない
➅基本呼吸法かバルサルバ法どちらにするかは、よく考えて決める
ラックプルを行うときのリスクは腰にあります。間違ったフォームで行うと腰が反ってしまったりぎっくり腰を引き起こす原因となるので、正しいフォームをマスターしましょう。ラックプルを行う人の中には、腰のあたりが張ってしまい腰が反る人がいます。続けていると僧帽筋や広背筋上部が鍛えにくくなるので、背中全体を鍛える意識を持つようにしましょう。
ラックプルはハーフデッドリフトのことだった!
ラックプルのやり方や注意点・コツなどを解説しました。ラックプルと言われるとなんだろうと思ってた人も、ハーフデッドリフトのことだとわかれば理解することができたのではないでしょうか。背中の筋肉を集中して鍛えたい人は、ラックプルが効果的です。正しいフォームを覚えて、安全にしっかり鍛えていきましょう。