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キラーパスの意味とは?スルーパスと違う?動画で初心者向けに簡単解説!

2021年06月19日

キラーパスは言葉だけみると悪い意味だと思われがちですが、マスターすればこの上なくかっこいいパスの出し方でもあります。そんなキラーパスについて今回は初心者向けに解説していきましょう。スルーパスとの違いは?キラーパスのデメリットは?などもチェックしてください。

キラーパスの意味とは?

サッカーで使われるキラーパスはその名の通りKiller Pass、つまり殺し屋のパスです。つまり相手の動きを殺すようなパスのことを指します。相手を追い込み、敗戦させるためにこちらの得点に結びつくような決定的なパスという意味合いもあります。

同時に悪い意味で味方も殺してしまうキラーパスになる場合があります。味方が猛ダッシュしても間に合うかどうかというパスは見方から見るとキラーパスとなりうるのです。

キラーパスとは具体的にどんなパス?

サッカー以外でも聞かれるようになったキラーパスという単語ですが、具体的にサッカーではどのようなパスを指すのかも見ていきましょう。キラーパスというのはその試合の行方を決める、得点につながるパスや見ている人が全員ため息をつくような見事なパスのことを指します。

これは直接味方にパスすることだけを意味するのではありません。絶体絶命な状況でありながら、可能性が広がるスペースを瞬時に見極めてパスを出すのもキラーパスとされます。また、ゴールに直接つながるようなパスのこともキラーパスといいます。図から解説しましょう。

まず、青のボールを持っていない人がダッシュし、開いている場所へと移動します。この際、敵の赤はボールを持っている青をマークしているため、ダッシュする青は無防備状態です。そこへタイミングを見計らって青のボールを持っている人がパスを出します。これをうまく受けてゴールできればキラーパス成立となるのです。

キラーパスとスルーパスの違いは?

キラーパスと混同されがちなものとしてスルーパスがあります。スルーパスもキラーパスもディフェンスを躱して空いているスペースを開拓するという意味では同じです。しかしキラーパスはゴールに直結するパスのことを指します。つまりスルーパスの中の特に高度で得点につながるものだけがキラーパスと呼ばれるのです。

キラーパスの効果・使いどき

ではキラーパスの効果や使いどきについて見ていきましょう。キラーパス自体は相手のオフサイドラインがまだ遠く、スペースが広がっているときに使うのがベストです。そのうえでのキラーパスの使い時は大きく分けて2つあります。

・決定的なチャンスを作りたいとき
・守備を崩したいとき

それぞれの使いどきにどんな効果が得られるのか確認しましょう。

決定的なチャンスを作りたいとき

キラーパスにはチャンスを生み出す効果があります。ただのチャンスではなく得点につながる決定的なチャンスです。サッカーにはサイドから攻撃を仕掛けて中央へセンタリングをあげる、ディフェンスからボールを奪ってカウンターを仕掛ける、などさまざまなセオリーがあります。しかし試合時間が90分間もあるので、場合によっては流れが停滞することもあります。

そんな停滞した流れに新たなリズムを作り出す突破口になるのがキラーパスです。キラーパスを仕掛けると、相手ディフェンスもキラーパスが来ることを考慮して動かなくてはならなくなるため、試合に動きが付きやすくなるのです。

守備を崩したいとき

キラーパスは相手の守備を崩す効果が期待できるため、鉄壁の守備を築かれてしまったときにも有効です。ディフェンスというのは相手のゴールを向きながら守っている状態が正常です。しかしキラーパスを出すと相手のディフェンスはボールを追うと自分のゴールの方を向かざるを得なくなるため、守備が崩れてしまうことになります。

結果として守備を崩したいときはキラーパスが起死回生の一手となるのです。

キラーパスにはデメリットも?

キラーパスは悪い意味では仲間の動きを殺してしまうこともあります。キラーパスにはメリットだけでなくデメリットもあるということです。そのデメリットを大きく分けると次の2つになります。

・イメージが合致しないと失敗する
・相手にボールを取られる

では詳しく確認していきましょう。

イメージが合致しないと失敗する

攻撃にチャンスを生み出したり、守備を崩したりする効果が期待できるキラーパスですが、失敗をすると味方殺しのパスとなってしまうハイリスクハイリターンなパスでもあります。これはパスを出す人のイメージとパスを受ける人のイメージが合致していないと起こりやすいのです。

つまり、パスの受け手の走る速度やディフェンスの位置、空いている場所などを離れた状態でほとんど同じイメージを持ちながらそれぞれが動かないとなしえないということです。キラーパスに失敗した場合は、パスの受け手が非常に体力を消費しただけという結果に終わってしまいます。

相手にボールを取られる

キラーパスを成功させるにはいくつかの条件が同時に揃う必要があります。パスを出す人の視野の広さはもちろん、キックの制度、パスを受ける人が走り出すタイミングやスピードです。これらのどれかがかけてしまうと、それはただの相手キーパーへのパスになってしまいます。

さらにオフサイドラインについても考えなくてはなりません。ボールを受ける位置が少しでもずれるとオフサイドラインに入ってしまい、相手にフリーキックのチャンスをプレゼントしただけという結果になることもあります。キラーパスが悪い意味にもとれるという理由はこういうリスクの高さにあります。

(サッカーが上手くなる筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

キラーパスが代名詞のサッカー選手

ではキラーパスが代名詞といわれるサッカー選手を日本だけでなく海外の選手を含めて10人紹介していきましょう。

中田英寿

日本の選手でキラーパスが代名詞なのは中田英寿を於いて他にいません。その視野の広さやパスの正確さはほかに類を見ないものです。中田英寿のキラーパスは味方がそのスピードやイメージについていけず、悪い意味でのキラーパスになってしまうこともしばしばありました。中田英寿が世界を見ていたため、彼のレベルについていける選手が当時はいなかったためです。

中田英寿は引退後の現在はサッカーから離れ、日本酒の魅力を海外に発信するなど日本酒を中心としてあらゆる日本文化を紹介しています。また、テレビやラジオ番組などにも積極的に出演し、2020年には東京国立近代美術館工芸館の名誉館長にも就任しています。

(中田英寿の筋肉については以下の記事も参考にしてみてください)

清武弘嗣

清武弘嗣はJリーグセレッソ大阪に所属しているMF、FWです。日本代表選手として活躍した経歴も持ちます。またニュルンベルクやハノーファー、セビージャなど海外のクラブにも参加しました。こちらはそんな清武弘嗣の信じられない距離からのキラーパスです。ボールコントロールの正確さや空いているスペースの見極めが瞬時に行われていることが分かります。

小野伸二

小野伸二は日本代表を務めたこともある北海道コンサドーレ札幌所属の選手です。ゲームメーカー、チャンスメーカーとしても知られ、ボールコントロールがかなり正確なのでボールと会話ができるのではと噂されることもしばしばあります。またパスは的確ながら優しく、受け手の受けやすさも考慮されています。

こちらの動画からもそんな小野伸二のボールテクのすごさを感じることができるはずです。2:13~はため息が出るほどきれいなキラーパスが見られます。

中村憲剛

中村憲剛は川崎フロンターレで活躍した選手です。MFとして活躍し、海外に移籍することなくそのまま川崎フロンターレで17年間プレーして引退をしました。現在は川崎フロンターレのFROに就任し、さらに日本サッカー協会のロールモデルコーチにも就任しています。U-17日本代表コーチをするなど若手の育成を行っています。

そんな中村憲剛のキラーパスが見られるのは1:07~です。距離は短いですが、的確なボールさばきとパスの受け手とのしっかりとしたイメージの共有が行われている、お手本のようなキラーパスといえます。

(日本人サッカー選手のヘアスタイルについては以下の記事も参考にしてみてください)

シャビ・エルナンデス

ここからは海外のサッカー選手を紹介していきましょう。シャビ・エルナンデスはスペインのサッカー選手で、ティキ・タカとよばれるパスの細かな連携によって組み立てるプレースタイルを採用しています。またこぼれ球への対応も素早く、そこから得点につなげるようなプレーも多く見られます。

こちらはシャビのキラーパス動画ですが、しっかりと狙ったところにボールをコントロールしている様子がよく分かります。ボールをとる前から状況を俯瞰して冷静に判断し、得点につなげています。

リオネル・メッシ

リオネル・メッシはアルゼンチンのサッカー選手です。多くのサッカー関係者や選手にサッカー史上最高の選手と呼ばれていることもあり、2011年には世界で最も影響力のある100人にも選出されました。そのプレースタイルは瞬発力と俊敏性やボールコントロールの正確さ、シュートセンスに寄り支えられています。

こちらの動画でメッシがキラーパスを繰り出すのが3:06~です。また3:57~も見どころの一つです。

(メッシの筋肉については以下の記事も参考にしてみてください)

フアン・ロマン・リケルメ

フアン・ロマン・リケルメはアルゼンチンのサッカー選手で、そのプレースタイルはほぼ自分のポジションから動かずに制度の高いパスをして味方を動かすというスタイルでした。現在のサッカー界からは絶滅したプレースタイルだったことから、あだ名は恐竜でした。現役引退後は政治に関わっています。

こちらの動画では、見事なボールさばきを見ることができます。コントロール力で何人ものディフェンスをかわしてしまう、見ていて飽きないプレーです。2:20あたりから華麗なキラーパスを確認してみてください。

カカ

カカはブラジルのサッカー選手でそのイケメンぶりから貴公子とあだ名されたこともあります。現役時代はMFでブラジル代表としても活躍していました。引退後はアルマーニの広告モデルを務めたり、ゲームソフトのカバーを飾ったりとモデルとしての活躍も目立ちます。

こちらの動画ではカカの無敵すぎるスーパープレーを見ることができます。特に1:30~、1:40~のキラーパスは必見です。

ホセ・マリア・グティエレス・エルナンデス

ホセ・マリア・グティエレス・エルナンデスは通称グティと呼ばれます。スペイン出身のサッカー選手で、高速スルーパスを得意としていました。現役引退後は監督に就任しm監督業をこなしていましたが、その後解任されています。

こちらはそんなグティの神業パスが見られる動画です。最初からキラーパスのオンパレードなので、気持ちいいキラーパスをたくさん見たい人には特に見てほしい動画になっています。

スティーヴン・ジェラード

スティーヴン・ジェラードはイングランドのサッカー選手で、MFでありながら中盤エリアならどこでも行けるというユーティリティー選手でもありました。引退後はスコットランドのレンジャースFCの監督に就任しています。

こちらはプレミアリーグのリヴァプールvsニューカッスル戦でのキラーパスです。0:29あたりから解説者も思わずうなるほどのキラーパスを見ることができます。

(海外サッカー選手のヘアスタイルについては以下の記事も参考にしてみてください)

キラーパスを出せるように日々練習を頑張ろう

キラーパスを出すには、出す本人の視野の広さや前後の距離感を正確に見る力が何よりも必要になってきます。ぜひ試合を俯瞰してみるように心がけてみてください。またキラーパスには方向やスピードに関しても正確なボールコントロールが必要になってきます。キラーパスを出せるように日々練習に励んでいきましょう。