筋トレで筋肉を成長させるには朝食が必須?
筋トレで筋肉を成長させるなら朝食はとても大切です。筋肉をつけるにはトレーニングだけでなく、食事も重要。必要な栄養素を摂れる大切な食事の機会を逃す手はありません。特に朝はタンパク質を摂ることがとても大事です。
この記事では筋トレに朝食が必要な理由、効果的で具体的な朝食メニュー、朝食を食べるタイミングについて説明します。
筋トレに朝食が必要な理由
では具体的に何故筋トレに朝食が必要なのでしょうか。その理由を説明していきます。
寝ている間にエネルギーやタンパク質を消費している
実は朝は体内のエネルギーやタンパク質が少なくなっています。睡眠中に活性化した成長ホルモンが疲労回復や組織の修復などのためにエネルギーやタンパク質を消費しているからです。夕食でたくさん食べたから大丈夫と思っても、睡眠中に夕食で摂ったカロリーやタンパク質は消費されています。
そのため朝食を摂らないとタンパク質の不足で筋肉の合成が遅れ、エネルギー不足で筋肉がエネルギー源として分解されてしまう可能性があるのです。朝に食事をすることによって、睡眠中に失ったカロリーを摂り、タンパク質を補充することが出来ます。
朝食はその日1日の体調に影響する
朝食を摂らないと脳に栄養が回らず昼間の集中力等を欠いてしまいがち。朝食はその日の体調を整える大切なものです。朝食を摂ることで脳への栄養も補給でき、体力や集中力がアップします。運動と組み合わせるとその効果をさらに上昇させることが可能です。
人は起きてから体温と一緒に代謝が上がっていきます。朝から運動をすると一気に代謝を上げることが出来、体温も血行も上昇させることが可能です。さらに1日中代謝が高い状態で活動することが出来ます。
また、朝食でしっかりカロリーを摂るとその日1日の消費カロリーが増えるという研究結果もあります。
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
前日の夕食の摂取する時間により、次の日の朝食後の脂質と糖質の燃焼効率が変わります。 朝食後の脂質の代謝を上げたい場合は前日の夕食を少し早く取る事がお勧めです。
タンパク質を3食で平均的に摂る必要がある
体を動かす三大要素は炭水化物、タンパク質、脂質です。バランスよく食事に取り入れることが大切ですが、朝食では特に炭水化物とタンパク質をしっかり摂ることが大切。特にタンパク質は20g以上摂るように心がけましょう。
タンパク質は1日の総摂取量と質も大事ですが、筋肉量の維持には朝昼晩の食事で平均的にタンパク質を摂ることが重要であると分かってきました。
日本人の成人男性のタンパク質の推奨量は60gですが、日本人は朝のタンパク質摂取量が不足しているという調査結果が出ています。朝食でタンパク質を摂取しないと、タンパク質が不足した時間が長くなり、結果的に筋肉量が減ってしまうのです。
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
1日に同じ量のタンパク質を摂取していても、夕食に多くタンパク質を食べたグループより朝食でタンパク質を多く摂取したグループの方が筋肉の増え方が多いというエビデンスがあります。朝食でタンパク質を多く食べる事はとても大切だと思います
(筋トレに必要なタンパク質の摂取量については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレに必要なタンパク質の摂取量は?タイミング〜効果の高い食材まで紹介!
出典:Slope[スロープ]
血中ロイシン濃度を上げると筋肉合成のスイッチが入る
タンパク質を摂ると筋肉の合成が促されます。特に必須アミノ酸のロイシンは筋肉合成のスイッチを入れる物質として重要です。朝食で血中ロイシン濃度を上げる食材を食べると筋肉合成のスイッチを朝から入れることが出来ます。
朝食を摂ることで夜に失ったタンパク質を補給し、次の筋トレや運動のためのタンパク質とエネルギーを補充出来ます。質の良い筋肉を効率よくつけるためには朝食はとても大切なのです。
筋トレの効果を高める朝食メニュー
筋トレの効果を高めるためにはバランスの良い食事、特に炭水化物とタンパク質を朝食に取り入れることが大切です。筋トレや運動の効果を高める食品や具体的なメニューを紹介します。
乳製品
血中ロイシン濃度を上げるには乳製品が効果的です。乳製品のホエイタンパク質は体への吸収が早く、血中ロイシンの濃度を素早く上げることが出来ます。
ヨーグルトや牛乳といった乳製品を朝食に取り入れると筋肉の合成のスイッチを素早くいれることができます。脂肪はタンパク質の吸収を阻害してしまう場合があるので低脂肪の商品を選ぶのもおすすめです。
牛乳は飲んでもよし、シリアルにかけてもよし。100gの牛乳を飲むと3.3gのタンパク質が摂れます。ヨーグルトは牛乳より吸収が速いと言われている食品。上澄みの液体にホエイが含まれているので捨てないように注意しましょう。チーズは吸収が緩やかなため、長時間血中タンパク質濃度を保つことが可能です。
卵
完全栄養食品ともいわれる卵。栄養のバランスが良く、タンパク質がとても豊富です。さまざまな調理法があり、手軽に目玉焼きやゆで卵、スクランブルエッグなどにして1品付け加えられるのも魅力。パンとサラダだけの食事に卵料理を1品プラスするとグッと栄養バランスが良くなります。
(ゆで卵と筋肉の成長との関係については以下の記事も参考にしてみてください)
ゆで卵は筋肉の成長に最適!効果〜1日の量やタイミング、レシピも紹介!
出典:Slope[スロープ]
魚
良質なタンパク質と脂質が摂取できる食品。肉とは違い骨まで食べられる魚もいるので、カルシウムなども摂取で出来ます。手軽さを重視するなら鯖缶やツナ缶を活用しても良いでしょう。コンビニで買う場合はパックされている焼き魚でも構いません。
鶏肉
鶏のささみは筋トレ中の人にはなじみがある食品でしょう。高たんぱく低脂質で質の良いタンパク質が摂れます。ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンCを豊富に含んでいるブロッコリーと一緒にメニューに取り入れると食事バランスが良くなります。
それだけではなく、ブロッコリーには筋肉をつきやすくするテストステロンという男性ホルモンを増強する成分を含有。鶏肉とブロッコリーの組み合わせは筋トレで筋肉をつけるのにぴったりなのです。コンビニで鶏肉を買う場合はサラダチキンとして手軽に買うことが出来ます。
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
鶏肉は低カロリー高タンパク質の代表的な食材です。ただし鳥の皮には脂質が多く含まれています。鶏肉は皮は外して食べるようにしましょう。また鳥の胸肉にはイミダゾールペプチドと言う最強の疲労回復物質が多く含まれています。 筋トレで疲労した身体には最適な食材です。
(ブロッコリーについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。)
ブロッコリー×筋トレで成長効率UP!効果的な理由、レシピ、摂取量など徹底解説!
出典:Slope[スロープ]
プロテイン
筋肉を増やしたい人は朝食にプロテインを取り入れるのもおすすめです。睡眠で失われたタンパク質を補い、筋肉の分解を防ぎます。ダイエット目的の人は無理に摂取する必要はありません。
筋肉を増やしたい人はプロテインは朝食を食べるなら20g、プロテインのみなら40gを目安にすると良いでしょう。たくさんプロテインを飲むと朝食を食べられなくなってしまいます。効率的に筋肉をつけたい人はプロテインのみでなく、おにぎりやバナナといった糖質を含む食品を一緒に食べましょう。糖質をエネルギーにするので筋肉の分解を防げます。
ダイエット目的なら朝食をプロテインに置き換えるのもありです。ただしプロテインのみだと空腹感を満たすことが難しいので、腹持ちが良いプロテインを選ぶなど工夫が必要。また、プロテインのみで朝食を済ませる場合は栄養素やカロリー、タンパク質の質なども見てプロテインを選んでください。そして、朝食は毎日摂るものです。毎日飲み続けられる味と価格も考慮しましょう。
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
プロテインを飲んでタンパク質を摂取するのは効率の良いタンパク質の摂取の仕方ですが、ホエイプロテインを牛乳で溶かすとせっかく吸収速度の速いホエイプロテインの吸収速度が遅くなってしまいます。吸収速度にこだわりたい時はホエイプロテインは水で溶かして飲みましょう!
(筋トレ効果の高いプロテインについては以下の記事も参考にしてみてください)
【筋トレ効果の高い】プロテインおすすめランキング22選!筋肥大・細マッチョ目的に!
出典:Slope[スロープ]
炭水化物と脂質
エネルギーが不足するとタンパク質がエネルギーとして消費されてしまうので糖質からのカロリーもしっかり摂ることが必要です。炭水化物は食物繊維が多い雑穀米や全粒粉のパンの方が糖質の吸収を穏やかにしてくれます。
ダイエット中だからといって脂質を全く摂らないと、肌がかさついたりトラブルが起きてしまいます。脂質は質の良いものを摂ると良いでしょう。植物性油のオリーブオイルは中性脂肪を減らしてくれる作用が期待でき、おすすめです。
朝食をあまり食べられない人は
朝食をあまり食べられない人や、時間がない人はバナナ1本などから始めましょう。おにぎり1個、ヨーグルト1カップなどでも構いません。朝食抜きよりはずっと効率的に筋肉をつけられます。作る時間がないなら夜に作り置きしておくのも1つの手です。
タンパク質を手軽にプラスしたいなら目玉焼きなどの卵料理を食事に追加すると良いでしょう。スムージーにプロテインを加えるのも手軽です。
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
朝食でのプロテインプラス糖質を摂りたい場合は、プロテインの種類に一工夫する事で簡単に解決する事が出来ます。プロテインのタンパク質含有量が40〜50%程の製品は糖質が多く含まれているタイプのプロテインです。朝どうしても食事が喉を通らない方はこのようなタイプのプロテインをチョイスする事で気軽に糖質プラスタンパク質を摂取出来る朝食とする事が出来ます。
朝食の具体例
おすすめ食品の食事に取り入れやすい量に含まれるたんぱく質は以下の通りです。文部科学省の食品成分データベースをもとに加熱前の重量で計算しています。
・牛乳コップ1杯(200g)6.6g
・ヨーグルト(200g)7.2g
・チーズ1個(20g)4.54g
・卵1個(50g)6.15g
・鮭1切れ(70g)15.61g
・アジの干物中サイズ1匹(70g)14.14g
・鶏のむね肉(100g)23.3g
・鶏のささみ(100g)23.9g
ご飯やパンにもタンパク質は含まれています。こちらは調理済みの重量です。
・ご飯茶碗1杯(150g)3.75g
・食パン6枚切り1枚(60g)5.34g
こういった食材を組み合わせてタンパク質が20gを超える朝食メニューを考えましょう。
例①ご飯を中心としたメニュー
・ご飯
・鮭の塩焼き
・卵焼き
・ほうれんそうのお浸し
・ネギとわかめの味噌汁
野菜も摂れるメニューです。そこまで食べる余裕がない人は大きめの鮭の切り身を選べば、ご飯と鮭の切り身だけで20g以上のタンパク質とエネルギー源の炭水化物が摂取出来ます。
例②パンを中心としたメニュー
・パン
・チーズ入りオムレツ
・オリーブオイルをかけたサラダ
・牛乳
・バナナ
こちらも野菜が摂れるメニューです。パンと卵と牛乳だけではタンパク質が20gを超えないのでチーズをプラスしています。ご飯を中心としたメニューより脂質が多くなる傾向があるので、低脂肪の商品を選ぶのもおすすめです。
コンビニを利用した朝食
▼コンビニを利用したメニュー
・おにぎりまたはパン
・ゆで卵
・サラダチキン
手軽にコンビニで揃えるならこういった商品がおすすめ。簡単に食べられて、炭水化物とタンパク質が摂取出来ます。おにぎりはもち麦や五穀米、パンは全粒粉のものなどを選ぶと食物繊維も摂れて健康的です。おにぎりの具も鮭などを選ぶとタンパク質がプラスできます。
コンビニ商品は栄養成分表示がされているものが多いのでそちらも見て商品を選ぶと良いでしょう。このメニューにバナナやサラダを追加すると食事のバランスがさらに良くなります。また、どうしても時間がない時はプロテインバーなどを利用するのも一つの手です。
朝に筋トレをする場合は朝食前後どっち?
空腹時の筋トレや運動は筋肉の分解もしてしまうので、筋肉をつけたいなら逆効果になってしまうこともあります。そのため朝食を摂ってから筋トレをしたほうが良いです。しかし食後すぐに筋トレや運動をすると胃に負担がかかり、消化不良などを起してしまうこともあります。食事を消化して吸収する時間を考え、食後1~2時間してから筋トレや運動をしましょう。
筋肉をしっかりつけたいなら朝食でしっかりたんぱく質をとり、筋トレの後もプロテインなどでタンパク質を摂るのがおすすめです。
ダイエット目的ならば脂肪を燃やすために筋トレを朝食前に行うのも選択肢としてはありです。しかし筋肉が分解されやすいので、その前にバナナ1本やおにぎり1個などの消化器官に負担がかからない軽食を摂りましょう。消化吸収がしやすいプロテインや牛乳もおすすめです。それでも20~30分は時間を置いてから運動を行うようにしましょう。
(朝の筋トレに関しては以下の記事も参考にしてください。)
朝の筋トレ効果は?寝起きはNG?最適なメニュー・食事・時間などを解説
出典:Slope[スロープ]
筋トレ効果を高めたいなら朝食をしっかり摂ろう!
筋トレ効果を高めるためには朝食が必要です。睡眠中に消費したエネルギーを補い筋肉の合成を促すためにも、1日の代謝を上げるためにも、しっかり必要なカロリーとタンパク質を摂取しましょう。朝食でタンパク質を摂ることによって筋肉の分解が抑えられ筋トレ効果が高まりますよ!