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寝る前のBCAAは寝れない原因に?睡眠障害で太る?正しいタイミングも解説

2021年02月03日

BCAAは筋肉痛や疲労回復に効果がありますが、飲むタイミングや過剰摂取によって寝れないということが起こりえます。特に寝る前に摂取すると、睡眠障害で仕事や筋トレ、ダイエットの効果が見込めないです。ここでは、寝る前にBCAAを摂取しない方がいい理由を説明します。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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BCAAを寝る前に飲むのはダメって本当?

BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンの総称で運動時の筋肉エネルギー源になるものです。これらは必須アミノ酸であるため、体内でつくることができません。ですから運動時にBCAAを積極的に摂取しましょう。BCAAは疲労回復、運動時のパフォーマンスの維持、筋損傷の軽減などの効果があります。そのため、翌日の筋肉痛も緩和され、仕事にも影響が出にくいメリットがあります。

しかし、BCAAを寝る前に飲んでしまうと寝れないといったことが起こりえます。睡眠障害が起きてしまうと、筋トレやダイエットはもちろんのこと仕事にもよくありません。

(寝る前の筋トレ効果については以下の記事も参考にしてみてください)

BCAAを寝る前に飲むのはダメと言われる理由は?寝れない?

BCAAを寝る前に飲むのはダメと言われる理由は、BCAAに含まれるイソロイシン、バリン、ロイシンの働きが寝れない状況を生み出すからです。

ここでは、BCAAの働きや特徴からなぜ睡眠障害が起こってしまうのか、そして睡眠障害がダイエットやボディメイクにどのような悪影響を及ぼすのかを説明します。現在、BCAAを寝る前に飲んでいる人で寝つきが良くない人はぜひ参考にしてみてください。

イソロイシンが交感神経を刺激する

睡眠が妨げられるしくみとしては、BCAAを摂取するとイソロイシンの効果で、交感神経が優位に働き、脳が興奮状態(集中力が高まる状態)になります。

引用元:https://selfcarefit.com/bcaa-cant-sleep-before-going-to-bed

BCAAに含まれるイソロイシンは、成長を促進する働きと肝機能を高める働き、神経の働きをサポートする役割を担っています。食材ではかつおに多く含まれていて、夏バテにはかつおを食べたほうが良いとされているのはこのためです。

イソロイシンは、興奮系の神経伝達物質の材料のため脳が興奮して集中力を高めてしまうのです。寝る前に集中力を高めてしまっては、寝つきに支障がでてしまいます。

BCAAがセロトニンの産生を抑制

BCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれる。筋肉中に多く含まれ、運動時のエネルギー源として重要な働きをする。運動後の筋肉細胞の回復に役立つともいわれ、スポーツ飲料に利用されている。また、神経伝達物質の産生にかかわり、眠気のもととなるセロトニンの産生を抑える。

引用元:https://www.fujiyakuhin.co.jp/contact/health/h0041.php

BCAAは神経伝達物質の産生に関わっていて、セロトニンという脳内物質の産生を抑える働きがあります。

セロトニンとは、三大神経伝達物質の1つで脳にストレスや緊張を与えられると分泌され、自律神経を保とうとします。そして、セロトニンは睡眠の質を高めるメラトニンというホルモンを作ります。つまり、セロトニンの産生を抑えるBCAAを寝る前に飲んでしまうと寝れないということになります。

(筋トレとセロトニンの関係については以下の記事も参考にしてみてください)

過剰摂取はお腹を下す

アミノ酸は消化の必要がないため、胃には殆ど留まらず、急速に小腸まで辿り着きます。すると小腸内でのアミノ酸の濃度が急激に高まるため、浸透圧を調整しようとして、小腸内に水分が大量に流れ込んできます。このため、お腹の調子が悪くなって下痢などが起こるのです。

引用元:https://www.dnszone.jp/magazine/2013/14272

BCAAを一度に大量に摂取すると、浸透圧性の下痢を引き起こす可能性があります。BCAAは胃で消化する必要がないため、小腸に素早く届きます。そのため、アミノ酸の吸収と同時に体が浸透圧を調整しようと水分も一緒に吸収するのです。

結果、下痢を引き起こすので寝る前に飲んでしまうと、せっかく寝付いた頃に腹痛やトイレに足を運ばないといけないかもしれません。また、プロテインも合わせて摂取している人は特に気を付けましょう。

(プロテインでの腹痛については以下の記事も参考にしてみてください)

睡眠不足は筋トレの敵

個人差はあるものの全体としては睡眠時間の短縮が主観的負担に現れていることがわかったと言える。また、各群別に見ると、主観的負担は相対的に眠気感や不快感に大きく表れ、起床時や午後(13時半・16時)の作業時間帯ではとりわけ睡眠時間が短いと主体的負担感が大きくなることがわかった。

引用元:https://ci.nii.ac.jp/naid/130000070094

睡眠不足で筋トレを行っても良いことがありません。その理由は4つ挙げることができます。

・筋トレの回数や重量が扱えなくなるため効率性が落ちる
・集中力の低下による怪我のリスク
・筋肉を分解するホルモンが出る
・空腹になるホルモンが出る

しかし、せっかく筋トレが習慣化したのに寝不足だからと言って休むのは勇気がいるかもしれません。そこで寝不足でも筋トレを続けたい場合は、アルコールを控える、ハードに筋トレをやりすぎない、仮眠をとるということを心がけましょう。

寝る前がダメならBCAAはいつのタイミングで飲めばいいの?

BCAAを飲むタイミングは、運動の前中後、食後、そして朝が良いでしょう。運動の30分前に飲むようにすると、運動中の疲れや運動後の筋肉痛や筋疲労を防ぐことができます。食後は、筋肉の分解が進みやすい状態のためBCAAで防ぐことができます。また夜は成長ホルモンの影響で体内のアミノ酸が使用されるので朝にBCAAを補給しましょう。

(BCAAを飲むタイミングについては以下の記事も参考にしてみてください)

その他、BCAAに関する記事もチェック

この記事以外にも、BCAAの効果や取り扱い方をまとめた記事があるので紹介します。筋肉をつけたい人やダイエットをしている人の中には、BCAAの摂取を検討している人も多いはず。正しい取り扱い方を知って、より早くボディメイクの目標を達成しましょう。

BCAAは疲労回復・筋肉痛に効果的

BCAAには普段の仕事で溜まった疲れを緩和させたり、筋肉痛を和らげるといった疲労回復効果があります。筋トレをしていない人でも、毎日飲む時間を決めて習慣化することを推奨します。

(BCAAは疲労回復・筋肉痛に効果的については以下の記事も参考にしてみてください)

BCAAの効果

BCAAの主な効果は、以下の4つです。

・筋タンパク質合成促進&分解抑制効果
・疲労回復・筋肉痛の軽減効果
・持久的運動パフォーマンスの向上
・ダイエット&美容効果

しかし、過剰摂取に注意しなければ肥満や下痢、内臓機能の低下を招きます。正しいタイミングで適切な量を飲むように心がけましょう。

(BCAAの効果については以下の記事も参考にしてみてください)

BCAAは作り置きOK

BCAAはプロテインと違って作り置きができます。常温保存、冷蔵庫保存、水筒のどの状態でも大丈夫。しかし、一般的な飲み物としての衛生管理はきちんと行いましょう。さらに、溶かす前の粉状の時の管理にも注意が必要です。正しい取り扱い方で安全に摂取しましょう。

(BCAAの作り置きについては以下の記事も参考にしてみてください)

寝る前のBCAAは寝れない原因にもなるので今すぐ辞めよう

疲労回復効果のあるBCAAを寝る前に飲むと、睡眠障害を引き起こす可能性があります。それはBCAAに含まれている必須アミノ酸が、交感神経を刺激する働きがあるから、さらに睡眠ホルモンの分泌を妨げるからです。

寝れないことが続くと仕事にも支障がでますし、ダイエットにおいてもよくありません。快適な睡眠をとれるよう、BCAAを摂取するタイミングは運動前中後と食後と朝がおすすめです。適切な量と正しいタイミングで摂取し、ボディメイクに役立ててください。