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小胸筋のストレッチで巻き肩・肩こり・痛みが改善!壁・テニスボールを使ったメニューなど!

2020年09月19日

巻き肩、肩こり、痛みでお悩みですか?この記事ではそれらを改善させる、壁やテニスボールを使った小胸筋ストレッチメニューをご紹介します。小胸筋にスポットを当てて、壁やテニスボールを使ったストレッチ方法を、その効果や注意点を交えつつ解説します。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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小胸筋とは?

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「小胸筋(しょうきょうきん)」と呼ばれる筋肉のこと、あなたはご存知ですか?
簡単に言えば、肩甲骨と肋骨を繋いでいる筋肉のことなのです。

小胸筋は一見、胸側の目立たない筋肉のため肩とは無関係のようですが、実は【肩甲骨の動きのバランスを取る】【肺呼吸運動の補助】といった大事な役目のある筋肉です。ここに問題が出ると、【巻き肩】【肩こり】【痛み】など、辛い肩周りのトラブルを引き起こすことが知られています。

つまり、この筋肉をストレッチでしっかりほぐしてあげることで、巻き肩・肩こり・痛みといったトラブルを防ぎ、改善する効果が期待できる、というわけです。
これから、その効果やストレッチメニューについて見ていきましょう。

(小胸筋の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

小胸筋をストレッチすると得られる効果

小胸筋が固くなってくると呼吸が浅くなってきたり、肩が緊張して肩や背中のコリ・痛みに繋がります。小胸筋をストレッチでよくほぐしてやることで、これから紹介していくような様々な効果を得られます。

巻き肩・猫背の改善・予防

出典:https://livedoor.blogimg.jp/shiseisenmon/imgs/b/a/ba6828b7-s.jpg

小胸筋が固くなってくる、つまり縮こまってしまうと、小胸筋が常に肩を胸側に引っ張られて前に出るような状態になり、肩をすくめたような姿勢になってしまう巻き肩になります。更に症状が悪化すると猫背になってしまうことも。

小胸筋ストレッチはこれらを改善、予防する効果があります。しっかりストレッチを続けると、小胸筋がほぐれてしなやかさを取り戻し、肩は本来の位置に自然と戻ります。姿勢が良くなり、体も楽になっていきますよ。

(巻き肩の改善に効果的なリバースプランクのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

肩こりの改善・予防

小胸筋が縮こまってうまく働いてくれなくなると、肩甲骨の動きが制限されてしまいます。これが原因で、肩の関節に余計な負担がかかるようになり、結果として肩こりに繋がっていくのです。

小胸筋ストレッチを行うことで筋肉の緊張が解け、肩甲骨がスムーズに動くようになってくるため、肩こりを改善・予防する効果があります。

肩周りの痛みの改善・予防

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巻き肩や肩こりが悪化すると、それはそのまま肩周りの痛みの発生に繋がります。小胸筋の硬直により、周りの末梢神経が圧迫されたり傷ついたりして、それがだんだん肩の痛みとして表れるわけです。

しかし、これも小胸筋のストレッチをしっかり行うことで改善可能です。他の原因で生じている痛みでなければ、筋肉のほぐれとともに巻き肩や肩こりが改善され、自然と痛みもやわらいでくるのです。

小胸筋のストレッチメニュー

出典:https://yoga-lets.com/app/wp-content/uploads/2019/05/f7383cb16401f92df251f0aad24894cb-e1557215923905.jpg

肩こりや痛みの原因となる筋肉のしこりのことをトリガーポイントと呼びます。このトリガーポイントをどうやって効果的にリリースする(解きほぐす)かが大事なポイント。トリガーポイントの張り具合によって効果的なメニューも変わってきます。

ここでは、主にボール(テニスボールやマッサージボールなど)や壁などを使ったエクササイズメニューをご紹介します。

(小胸筋の構造&作用については以下の記事も参考にしてみてください)

テニスボールを使ってかんたん小胸筋ストレッチ【トリガーポイント柔らかめ】

テニスボールを使用したこちらのメニューは、床に置いたボールがトリガーポイントに当たるように覆いかぶさりながら、簡単な運動を行う内容です。毎日座り仕事が長時間続く方などは小胸筋が固く張ってしまっている場合もあります。このメニューでしっかりリリースしてやることで改善されます。

小胸筋がまだそこまで張っておらず、気持ち少し固くなってるかな…?くらいの状態であれば、まずはこちらのメニューを試してみましょう。

▼「テニスボールを使ってかんたん小胸筋ストレッチ」の手順

①テニスボールを下においてうつ伏せになる
②肩と胸の間の小胸筋のあるあたりにボールを置く
③ボールを置いてそのまま浮いた腕をゆっくり前に伸ばす
④その腕をまたゆっくりと後ろに戻す

▼ポイント

動画を参考に手順を進め、③〜④の動作をゆっくり繰り返しましょう。左右それぞれ60秒から90秒程度の動作を目安にしてください。ボールにしっかり小胸筋のあたりを当てながら圧をかけ、ゆっくり腕を動かすのがポイント。小胸筋が張ってしまっている場合、ソフトボールなどもう少し大きめのボールを使って、しっかり圧がかかるようにするとより効果的です。

(テニスボールで行う筋膜リリース筋肉については以下の記事も参考にしてみてください)

マッサージボールでじっくり小胸筋ストレッチ【トリガーポイント固め】

より張りがひどくて固くなったトリガーポイントをしっかりリリースしたい場合は、テニスボールより大きめのボール(マッサージボールなど)を使用するこちらのメニューが良いでしょう。大きめのボールを使い、固くなったトリガーポイント全体にしっかり圧をかけリリースすることで、よりストレッチ効果が高まります。

▼「マッサージボールでじっくり小胸筋ストレッチ」の手順

①マッサージボールを下においてうつ伏せになる
②小胸筋のあるあたりにボールを置く
③ボールを置いてそのまま浮いた腕をゆっくり横に伸ばす
④伸ばしたまま左右にゆっくり体を動かす(4往復)
⑤腕を伸ばしたまま床から浮かした状態で4回スイングする

▼ポイント

①〜②でボールの当たりどころをしっかり確かめながら、③〜⑤までの動作を左右1セットずつ行ってみましょう。基本的にはテニスボール使用のメニューと共通ですが、大きめのボールでトリガーポイント全体に圧を行き渡らせつつ、腕の動きもバリエーションを持たせてじっくりリリースするのがポイントのメニューです。

(マッサージボールの効果&使い方については以下の記事も参考にしてみてください)

小さめボールで速攻小胸筋ストレッチ【場所・時間に制約のある方向け】

床に寝て行うストレッチ、状況によってはちょっとハードルが高いとお感じの方もいらっしゃるでしょう。荷物で散らかって狭くなった寝室とかなら片付ければ済みますが、さすがに職場とかではちょっと無理ですよね。

この「立ったまま速攻小胸筋ストレッチ」メニューは、テニスボールや小さめのマッサージボールを使って、立ち姿勢や椅子に座ったままでも行える、かんたんかつ一瞬で小胸筋をリリースできる内容となっています。

▼小さめボールで速攻小胸筋ストレッチの手順・前編【肘回転】

まずは左側の小胸筋ストレッチを前提に手順をご紹介します。

①左の手のひらの手首に近い部分を使って、左の小胸筋にボールを押し当てる
②その左手に重ねるようにして、右の手のひらの手首付近を同じように押し当てる
③左右に肘をまっすぐ横に広げ、ボールの位置がずれないようゆっくり左肘を下げていく
④左肘を下げきったら力を緩める
⑤③〜④を何度か繰り返す
⑥次は左肘を下げきったところからゆっくり上げ、これを何度か繰り返す。

▼ポイント

③の肘を下げる際、⑥の肘を上げる際には強くボールを押し当てるように力を入れて、下げきる・上げきるタイミングでふっと緩めるのがポイントです。

▼小さめボールで速攻小胸筋ストレッチの手順・後編【小胸筋またぎ】

前編の肘回転に続いて実施するのは、ボールを押し当てるポイントを小胸筋をまたぐように移動させる動作になります。

①前篇で左肘を上げきったところから少し内側にボールをずらす
②そこから肘を上げた状態のまま、ボールに力を入れる
③そのままボールを外側横方向にゆっくり動かす。
④②〜③の動作を3回程度実行する

▼ポイント

②の動作を実行する時、ゆっくり息を吐きながらボールを押すように移動させるのがポイントです。
同じように右側でも前後編セットで実施します。このメニューをこなすだけでも肩がかなり軽くなりますよ。

壁を使ってかんたん小胸筋ストレッチ【手軽に肩こり解消】

自室や職場の壁を使って気軽に行える小胸筋ストレッチメニューです。手軽なメニューながら、非常にシンプルかつ短時間で効果の上がる内容です。デスクワークのちょっとした空き時間などで、ササッと肩こりを取ってリフレッシュしてみましょう。

▼壁を使ってかんたん小胸筋ストレッチの手順

①脇の角度を真横から約30度の高さになるように腕を上げる
②肘から先は、指先が上になるよう曲げつつ、肘から手のひらまでを壁に当てる
③脇から肘までは壁から浮かせるようにする
④深呼吸してゆっくり息を吐きつつ、②よりも肩が前に出るように体を動かす
⑤①〜④を左右交互に繰り返す

▼ポイント

扉や壁の角を使うとやりやすくて効果的です。
また、④は小胸筋の場所をイメージしながら、そこを20秒程度かけてじっくり伸ばすイメージで、ゆっくりリリースすると良いでしょう。

壁を使って本格小胸筋セルフリハビリ【呼吸法もセットで】

こちらはより本格的なセルフリハビリとして、腹式呼吸とセットになった小胸筋ストレッチメニューです。リハビリと言っても複雑で難しい動作は必要ありません。正しい呼吸の仕方とストレッチ動作を一つ一つ丁寧に行うことで、効果的に改善が期待できるメニューです。

▼壁を使って本格小胸筋セルフリハビリの手順【呼吸法】

まずは腹式呼吸のポイントから押さえましょう。

・息を吸う時は鼻で2秒間・同時にお腹を膨らませる
・息を吐く時は口で4秒間・同時にお腹をへこませる

この呼吸法をこの小胸筋ストレッチの間中行っていくことになります。まずはこの呼吸法を練習してからストレッチに進みましょう。

▼壁を使って本格小胸筋セルフリハビリの手順【ストレッチ】

①壁に手をついて腕を伸ばし、親指の付け根を壁につける
②腕は体に対して少し斜めの外側に向くようにして手をつく
③手の位置はそのまま固定しながら、体を前に倒す体勢をとる
④体を前に倒しつつ、頭も前に傾けて前屈姿勢をとる
⑤そのまま姿勢を維持し、腹式呼吸する
⑥小胸筋のあたりが伸びた感じがあれば、その表面を優しくさする
⑦①〜⑥を左右で実行

▼ポイント

⑤の動作の際には、息を吐くのに合わせるように体をゆっくり壁側へ傾けましょう。そうして腕胸のあたりにかけて小胸筋が一直線となってしっかり伸びるようにすることがポイントです。
無理をせず、伸びてきて気持ち良いと感じるくらいの範囲でゆっくりと行うようにしましょう。

小胸筋をストレッチする際の注意点

ストレッチ共通の注意すべき項目5点

ストレッチを正しい方法で、安全かつ効果的に実施するため、注意したいことが5点あります。小胸筋ストレッチについてというよりは、ストレッチ全般の注意点です。

①ストレッチ動作は20秒以上かけて行うこと

説明に「20秒伸ばす」とあっても、きっちり20秒で終わらせないようにしましょう。最初の数秒から10秒程度は、筋肉の伸びが適度な状態になるまでの準備期間だからです。必ず20秒以上かけて伸ばしましょう。


②リリースしたい部位を適切に選択すること

小胸筋ストレッチメニューのみ実施する際には意識しなくてかまいませんが、いきなり全身をまんべんなくストレッチしようとせず、体の状態やストレッチの目的に応じてリリースしたい部位を決めてから行うようにしましょう。


③伸ばしたい部位をイメージしながら行うこと

ただ手順に従って漫然と動かしたりせず、リリースしたい部位の伸びをイメージしながら行うようにしましょう。


④痛くない、気持ちよく感じる程度に留めること

無理をするとかえって筋肉を痛める場合があります。また、痛くなるほど筋肉をリリースしようとすると、かえって筋肉の硬直化を招いてストレッチの効果が低くなってしまいます。


⑤呼吸を止めないようにすること

ストレッチ動作に合わせて行う呼吸は、血圧を安定させたり緊張を和らげたりしてストレッチの効果を上げるのに必要です。動作によっては呼吸がしづらくなることもありますが、焦らずゆっくりと深呼吸しながらストレッチを行いましょう。

その他の注意点

Slopeには、他にもストレッチ全般のメニューや注意点、コツなどを紹介した記事がありますので、こちらもぜひ一度読んでみて下さい。ストレッチをより効果的なものにするための情報をたくさんご紹介しています。

小胸筋をストレッチして巻き肩や肩こりを改善

ここまで、小胸筋のストレッチで巻き肩や肩こりを改善するストレッチメニューやその効果、注意点などを紹介してきました。正しい手順で効果的なストレッチがご自身でも行えることがお分かりいただけたかと思います。

小胸筋ストレッチはその時の気まぐれや肩がこった時、痛い時などのみ行ったりせず、毎日継続することで肩周りのトラブルを防止する効果もあります。ポイントや注意点を意識しつつ、まずはその場でできるメニューから始めてみてはいかがでしょうか。