小胸筋とは?
小胸筋とは大胸筋の裏側にあり、肩の付け根〜肋骨にかけてついている筋肉です。大胸筋と同じような作用があるように思えますが、全く異なる動きをする特徴があります。
小胸筋の作用は、肩甲骨の外転・下方回旋・下制です。小胸筋の働きが悪くなると、巻き肩になっていき猫背になってしまいます。毎日デスクワークやスマホを見る生活をしている現代人は凝りやすい部位で、小胸筋の不調が原因で肩こり・猫背などを引き起こしてしまうのです。さらに、小胸筋の不調が悪化すると、肩甲骨の可動域が狭くなり呼吸まで苦しくなってしまいます。
それでは、さらに詳しく小腰筋の筋トレをするメリットを確認していきましょう。
小胸筋の筋トレをするメリット
小胸筋を筋トレで鍛えると日常生活〜スポーツでのパフォーマンス向上まで、幅広いメリットを期待できます。
それでは小胸筋の筋トレをして鍛えるメリットを詳しく確認していきましょう。
①姿勢の改善
前途した通り小胸筋が発達していなければ、肩が丸まっていくことにより猫背になって姿勢が悪くなります。小胸筋を鍛えて働きを活発化させることによって、肩甲骨の外転・下方回旋・下制ができるようになり、自然と正しい姿勢を保てるようになるのです。
②肩こり・首こりの改善
小胸筋を鍛えて正しい姿勢が保てるようになると、肩こり・首こりなどの改善も期待できます。猫背になって悪い姿勢が続くと、頭が前に出てしまい肩や首に大きな負荷がかかってしまいます。そのことにより慢性的な肩こり・首こりを発症してしまうのです。この状態になってしまうとマッサージなどをしても意味がなく、姿勢改善をしない限り解消できません。
筋トレメニューからみたい方はこちら③運動能力UP
小胸筋の筋トレをして筋肉が発達すると、肩甲骨の動きがよくなります。肩甲骨の可動域が広くなることによって、腕を上げて振り下ろす動作がしやすくなりスポーツなどでのパフォーマンス向上に繋がるのです。
④見た目が良くなる
小胸筋は肩の付け根〜肋にかけてついている為、大胸筋を斜め上方向に引き上げる働きがあります。そのことによって、張りのある大胸筋に仕上げることが可能です。女性にとってはバストアップ効果も期待できるので、鍛えるメリットは大きいでしょう。
それでは早速、小胸筋を鍛える筋トレメニューを確認していきましょう。
小胸筋を鍛える筋トレメニュー
小胸筋は深層にある筋肉であり主動筋として働かない為、小胸筋を特化して鍛える筋トレ種目はありません。ただ、大胸筋や、上腕三頭筋を鍛える筋トレメニューで小胸筋をしっかり鍛えることができます。
それでは、小胸筋を鍛える筋トレメニューを確認していきましょう。
①リバースプッシュアップ
リバースプッシュアップは主に上腕三頭筋に負荷がかかる筋トレですが、小胸筋も鍛えることができます。実際に行ってみると、上体を下ろした際に、胸筋と肩の境目がストレッチされている感覚がわかるでしょう。
▼リバースプッシュアップの正しいやり方
①フラットベンチや椅子を後ろにして手を付く
②上体を真っ直ぐな状態で下ろしていく
③腕の力で押し上げて肘を伸ばしていく
④動作を繰り返す
▼リバースプッシュアップのコツ&注意点
・上半身は真っ直ぐを保つこと
・目線は真っ直ぐで下を向かないこと
・肩甲骨からしっかり動かすこと
(リバースプッシュアップについて詳しく確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
リバースプッシュアップのやり方!二の腕(三頭筋)に効くコツで効果UP!初心者も簡単!
出典:Slope[スロープ]
②ディップス
ディップスは上腕三頭筋に負荷がかかるように見えますが、小胸筋も鍛えることができます。後述しますが垂直に動作をしてしまうと、三頭筋に効いてしまうので前傾姿勢で動作を行うことが小胸筋に効かせるポイントです。
▼ディップスの正しいやり方
①バーを握って体を浮かす
②膝を曲げて足をクロスさせる
③前腕はバーに対して垂直にして、前傾しながら上体を下ろす
④肘を戻す
⑤動作を繰り返す
▼ディップスのコツ&注意点
・足は真っ直ぐせずに曲げること
・真下に下りると三頭筋に効くので、前傾になること
・前傾する際に前腕を垂直にキープすること
(ディップスについて詳しく確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
ディップスのやり方&効果!大胸筋&三頭筋をデカくするコツ!自宅・加重版も!
出典:Slope[スロープ]
③ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバーも上腕三頭筋を鍛える動作のように見えますが、小胸筋を鍛えることができます。肘の動きでダンベルを上げると上腕三頭筋に効いてしまうので、肩甲骨から動かして小胸筋をストレッチさせることがポイントです。
▼ダンベルプルオーバーの正しいやり方
①横向きにしたベンチに頭〜肩周辺まで乗せる
②膝下と膝上〜頭を90度になる姿勢をとる
③ダンベルを真上に上げてセットする
④ダンベルを後ろに下ろしていく
⑤元に戻す
⑥動作を繰り返す
▼ダンベルプルオーバーのコツ&注意点
・肘を真っ直ぐに伸ばしきらないこと
・ダンベルを上げる際に肘を起点にするのではなく、肩甲骨から動かすこと
(ダンベルプルオーバーについて詳しく確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
ダンベルプルオーバーのやり方!大胸筋・広背筋に効くコツ!胸輪拡張効果も!
出典:Slope[スロープ]
④ダンベルフライ
ダンベルフライは大胸筋を鍛える代表の筋トレメニューですが、小胸筋も鍛えることができます。ダンベルを持って胸筋を外側に広げていく際に、小胸筋が大きくストレッチされるので効いている感覚も掴みやすいでしょう。
▼ダンベルフライの正しいやり方
①ベンチに仰向けに寝る
②ダンベルを顔の上に持ってセットする
③肘を曲げながら肩甲骨を寄せてダンベルを下ろす
④肩の内側にダンベルが入らないように戻す
⑤動作を繰り返す
▼ダンベルフライのコツ&注意点
・肘が開きすぎないこと
・肩甲骨が動いていないと肩に負荷が逃げるので注意
・ダンベルを外側に持っていきすぎると、強く握ってしまい腕に負荷がかかってしまうので注意
(ダンベルフライについて詳しく確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
ダンベルフライのやり方!大胸筋に効かせるフォーム〜重量・回数など効果UPのコツを解説
出典:Slope[スロープ]
⑤ワイドプッシュアップ
ワイドプッシュアップは胸の外側に負荷が入るので、小胸筋を鍛えることができます。大胸筋の筋トレメニューで手幅をワイドにすると小胸筋に負荷を入れることができるので、自重では負荷が足りない方はワイドグリップベンチプレスなどでも構いません。
▼ワイドプッシュアップの正しいやり方
①腕立て伏せの基本のフォームになる
②手幅をゆっくり広げて、手の向きを逆八の字にする
③体を真っ直ぐ保って上体を下ろしていく
④肘が伸びきらないギリギリまで戻す
⑤動作を繰り返す
▼ワイドプッシュアップのコツ&注意点
・肩甲骨をしっかり寄せること
・手の向きを逆八の字にすると肩甲骨を動きやすくなる
・上体を上げる際にお尻から上がらないこと
・肩より後ろに手をつかないこと
(ワイドプッシュアップについて詳しく確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
ワイドプッシュアップのやり方!大胸筋効くコツ&膝付き・壁など腕立て伏せの種類も!
出典:Slope[スロープ]
小胸筋はストレッチ・マッサージで柔軟性を上げることも重要
小胸筋は筋トレで鍛えて、肩甲骨の動きを活発化させることがとても重要です。さらに、小胸筋はストレッチやマッサージをして柔軟性を保つことも重要となります。
それでは、小胸筋のストレッチ・マッサージの方法を紹介していきます。
小胸筋のストレッチ
こちらの動画では、姿勢改善に特化した知識を持っているトレーナーが小胸筋の仕組みとストレッチ方法について詳しく解説しています。小胸筋のストレッチ方法だけを見ても、実際に効かせられているかがわかりません。したがって、小胸筋の仕組みを理解して、ストレッチでしっかり効いているのか自分で確認できるようになることが重要です。
小胸筋のマッサージ
こちらはマッサージで小胸筋をほぐしていく方法です。小胸筋は毎日デスクワークやスマホを見る生活の現代人は、ほとんどの確率で凝り固まっています。さらに、普段運動やストレッチを全くしない方は、凝りの程度がひどく腕を上げるだけでも違和感を感じるでしょう。
こういった症状が重い方はストレッチだけでは物足りなくマッサージでほぐしていく必要があります。ただ、マッサージをするにしても小胸筋をピンポイントで触れる方は少ないでしょう。この動画では、小胸筋を自分で見つける方法〜マッサージの方法まで解説されているので、とても参考になります。動画ではトレーナーに施術してもらっていますが、場所を理解すれば自分でも行うことができます。
小胸筋の筋トレをして巻き肩・肩こりを予防!
今回は、小胸筋の構造&作用〜筋トレをして鍛えるメリット、小胸筋の筋トレ・ストレッチ・マッサージの方法まで詳しく解説してきました。小胸筋は知名度の低い筋肉部位ですが、筋トレで鍛えることによって日常生活〜スポーツでの動きがよくなるので侮れません。肩こりや猫背が気になるといった方は、小胸筋の筋トレ・ストレッチ・マッサージを試してみてください。