筋トレは分割法より全身法?初心者〜上級者の回数・1週間の頻度のおすすめを解説!

【パーソナルトレーナー監修】筋トレの日程の組み方で『分割法』と『全身法』があるのはご存知ですか?今回は分割法と全身法の違いや、初心者〜上級者別の分割回数別のやり方を解説します。筋肉部位の効率の良い組み合わせ方まで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

監修 |パーソナルトレーナー 野上 鉄夫
健康運動指導士 /NSCA-CPT /JATI-ATI /トレーニング指導歴34年/指導人数1万人以上/Twitterフォロワー数15万人/YouTubeチャンネル登録者数1.5万人/ブログ...
健康運動指導士 /NSCA-CPT /JATI-ATI /トレーニング指導歴34年/指導人数1万人以上/Twitterフォロワー数15万人/YouTubeチャンネル登録者数1.5万人/ブログPV300万PV以上

目次

  1. 筋トレの分割法とは?
  2. 筋トレの分割法の問題点
  3. 筋トレは分割法ではなく一度に全身を鍛えるべき?
  4. 筋トレの分割法でおすすめなのは?
  5. 筋トレの分割法のやり方【①2分割法】
  6. 上半身・下半身の日で分割する
  7. 押す・引くの動作で分割する
  8. 2分割法で筋トレを行う場合の頻度
  9. 筋トレの分割法のやり方【②3分割法】
  10. 上半身の大筋群・小筋群、脚で分割する
  11. 上半身を押す・引くの動作+脚で分割する
  12. 3分割法で筋トレを行う場合の頻度
  13. 筋トレの分割法のやり方【③4分割法】
  14. 筋トレの分割法の正しい知識を身につけておこう

筋トレの分割法とは?

分割法とは胸・肩・腕・背中・脚・腹筋の筋肉部位別に分けて、1日の筋トレで数カ所を重点的に行い、1週間かけて全身を鍛える方法です。反対に全身法とは、1日に全ての筋肉部位の筋トレをして全身を鍛える方法となります。

全身法は一回の筋トレにかかる時間が長くなってしまったり、疲労が出てきて後半になるにつれてパフォーマンスが下がってしまうという欠点があります。このようなデメリットを解説するために分割法が生み出されたのです。したがって、現在は週3回以上の筋トレを行う中級〜上級者の方では分割法が一般的になっています。

しかし、正しく理解していなければ分割法にもデメリットが発生してしまいます。それでは、筋トレの分割法の問題点について確認していきましょう。

(筋トレの3分割法については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレは『3分割法』が効率的!その理由〜頻度別の1週間のメニュー例まで解説!

筋トレの分割法の問題点

筋トレで筋肉が分解された後、48時間〜72時間の超回復に筋肉が再合成されて筋肥大していきます。そこで、週3日以内の頻度の方が分割法を使うと、筋トレ後の2〜3日間は超回復がされますが、その後の3日間は何もしていない状態となります。そのため、せっかく筋トレをしても1週間でみてみると維持または退化してしまうのです。

これらのことから中〜上級者でも1部位ごとに分割して筋トレをするのはおすすめできなく、複数部位で分割することが推奨されています。

(超回復×筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

超回復×筋トレの理論!時間・筋肉痛・頻度・プロテイン・食事との関係性など徹底解説!

筋トレは分割法ではなく一度に全身を鍛えるべき?

上記のことを考えると、必ず週3回以上行えない方は全身法がいいの?と疑問に思う方もいるでしょう。これは実際に論文が出ており週3回以下の場合は、全身法の方が筋肥大効果が高いといった結果が出ています。

この論文の実験では3分割法と全身法の2グループに分けて、それぞれ筋トレでの重量・回数・セット数を一緒に設定して1週間3回の筋トレを行いました。この結果、全身法で行ったグループの方が筋肥大効果が高かったのです。このことから週3回以下しか行えない場合は、全身法で行うことが推奨されています。

初心者の方は特に筋トレに対するマインドセットが整っていないため、週3回と決めていても週1回の日が生まれてしまうこともあるでしょう。その場合、分割法を行っていたとすると週一回行った筋肉部位は1週間休めることになり、その他の部位は2週間以上休ませてしまう可能性も出てきます。そのため、週3回以上の筋トレを確実に行えない場合は、全身法で行って置いた方がいいでしょう。

(論文については、下記記事を参考にしてください。)

Influence of Resistance Training Frequency on Muscular Adaptations in Well-Trained Men

筋トレの分割法でおすすめなのは?

各筋肉部位を細かく分割すると、1日で重点的にピンポイントで追い込むことができます。したがって、高い頻度で筋トレを行える場合は、分割すればするほどいいと考える方もいるでしょう。しかし、分割をしすぎると比例して各部位ごとに休みの期間も増えてしまうのです。

このようなことから、筋トレの分割方法でおすすめなのは3分割法と言われています。例えば、週4回で筋トレを行う方が4分割法を採用していれば、1日目に行った筋肉を次に鍛えられるまでに1週間以上ほど空いてしまう可能性が出てきます。前途しましたが、休ませすぎると維持または退化に繋がってしまうでしょう。

しかし、3分割法を採用していれば4日ほどの休みで再度鍛えることができます。超回復の期間が2〜3日間なので、4日ほどの休みを挟むのがベストだということは簡単に理解できるでしょう。この結果、筋肉を休めすぎずに鍛え続けられるので、常に筋肉が成長する状態を作れるのです。次に、筋トレの分割回数別の分割方のやり方について確認していきましょう。

筋トレの分割法のやり方【①2分割法】

これまでは、全身法を使って筋トレをしていたが、扱える重量や負荷が上がって脱初心者に差し掛かった方は、2分割法から試してみることをおすすめします。

それでは、2分割法のやり方を解説していきます。

上半身・下半身の日で分割する

2分割法で筋トレを行う際は、上半身・下半身の日で分割することが簡単でいいでしょう。上半身は胸・腕・肩、下半身は脚・背中の筋トレを行います。下半身の中に背中が含む理由は、デッドリフトにあります。基本的に上級者になるまではBIG3である、ベンチプレス ・スクワット・デッドリフトは必ず行うことが重要です。

その中でデッドリフトは背中を重点的に鍛える種目ですが、下半身の筋肉もかなり使います。そのため、上半身の中に背中を含んでデッドリフトを行うと、脚に疲労が溜まった状態で下半身の日を迎えてしまい、十分に脚を追い込めなくなるのです。したがって、背中は下半身の日に含むことがポイントとなります。

野上 鉄夫

パーソナルトレーナー

記事にあるようにスクワットとデッドリフトは使用される筋肉が酷似しています。したがってスクワットとデッドリフトは2分割の場合、交互に行なって頂いても大丈夫です。例えばスクワットを行った日はデッドリフトは行わず、次のトレーニングでデッドリフトを行いスクワットは行わないと言った感じです。これでも充分にトレーニングの効果は期待出来ます。

押す・引くの動作で分割する

2分割法で筋トレをする際は、押す・引くの動作で分割することもおすすめです。押す系の筋肉は胸・肩・上腕三頭筋、引く系は背中・上腕二頭筋と分類されています。下半身は2分割法で行う場合は押す系の大腿四頭筋(太もも前)、引く系はハムストリングスと考えて行いましょう。2分割で行う段階では、お尻やふくらはぎは副次的に鍛えられるという感覚でOKです、

野上 鉄夫

パーソナルトレーナー

この場合体幹をどちらに振るのか?と言う問題が出ます。背中は足と組み合わせる為トレーニング量が多くなります。したがって2分割の場合体幹トレーニングは胸の日に組み合わせるとトレーニング量のバランスがとりやすくなります。

2分割法で筋トレを行う場合の頻度

2分割法で行う際は、週3回を目安に筋トレを行うことが最適です。週3回で仮定すると「①の日→休み→②の日→休み→①の日」といった感じのように1日ごとに休みを挟んで行う日程の組み方がいいでしょう。鍛える部位を分割しているので、日程上の問題で①②が連続してしまうのは問題ありません。しかし、超回復には2〜3日の日数を要するので、同じ部位を鍛える間隔は必ず3日ほど空けるようにしましょう。

野上 鉄夫

パーソナルトレーナー

もちろん週に4回トレーニング出来る方は4回トレーニングを実施して頂いても大丈夫です。ただしその場合、2回は強度や量を多く行わない、後の2回は少し軽めに実施する様にしてオーバートレーニングを防ぐようにしましょう。

筋トレの分割法のやり方【②3分割法】

次に最も最適と言われている3分割法のやり方について解説していきます。さらに扱える重量や負荷が上がり、2分割法では1日の負荷が高くなってきて、週4回以上は必ず筋トレをする時間が作れる方は3分割法に移行することをおすすめします。

野上 鉄夫

パーソナルトレーナー

スクワットとデッドリフトは下半身の使う筋肉が酷似している為、2分割で行う場合は交互に行う事もも一つの手段です。例えばある日はスクワットを行いデッドリフトは行わず、次の回のトレーニングの時にデッドリフトを行い、スクワットは行わないといった感じの組み方でも充分にトレーニングの効果は期待出来ます。

上半身の大筋群・小筋群、脚で分割する

3分割で筋トレを行う場合は、筋肉の大きさをもとに分割することがおすすめです。大きな筋肉の大筋群は胸・背中、小さな筋肉の小筋群は肩・腕に分類されています。

大きい筋肉から筋トレを行うことが基本ですが、大筋群の筋トレメニューは負荷が大きく、小筋群の筋肉も補助で使われます。その為、大筋群を鍛えた日に小筋群も鍛えようとすると100%の力を出せない状態で行うことになります。その為、上半身は大筋群・小筋群の日で分割して行うことを推奨されているのです。

(大筋群・小筋群について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてください。)

筋トレは大きい筋肉から鍛える!大きさの順番は?各部位の筋トレメニューも!

上半身を押す・引くの動作+脚で分割する

上記のように大筋群・小筋群・脚で分割するのも効果的ですが、負荷の大きい大胸筋群の胸・背中を一緒の日に行うのはキツイという方も少なくないでしょう。その場合は、先ほども解説した通り上半身を押す・引くの概念で筋肉を分割することがおすすめです。胸・上腕三頭筋・肩が『押す』、背中・上腕二頭筋が『引く』に分類されます。

気づく方も多いと思いますが、この方法を取ると大筋群である胸と背中が別日に分けられています。さらに、大胸筋群の胸と背中に関連する小筋群がうまく振り分けられているのです。この方法を採用すると大胸筋群の補助として小筋群にも負荷がかかり、その後に重点的に鍛えるという形になるので、とても効率が高くなります。

特にこだわりがない方は、この分割方法で行うことをおすすめします。

野上 鉄夫

パーソナルトレーナー

ただしこの場合、足の筋肉を押す系と引く系で分割するのはあまり一般的ではありません。記事後半にあるように、足は一つの部位としてまとめてトレーニングし、上半身は押す系と引く系で分割する方が良いでしょう。

3分割法で筋トレを行う場合の頻度

3分割法を行う最低条件である週4日で行うと仮定すると、『①の日→②の日→休み→③の日→休み→①の日』のような組み方をするといいでしょう。このようにすると各部位の休みを4日で抑えられて、超回復を利用した効率の良い筋トレを継続することができます。

(超回復と筋トレについて詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてください。)

筋肉部位別の『超回復』にかかる時間!筋トレ効UPの頻度・プログラムを解説!

筋トレの分割法のやり方【③4分割法】

4分割法はボディビルダーのような上級者向けの分割法です。4分割法の場合は『①胸・上腕二頭筋』『②脚』『③肩・上腕三頭筋』『④背中・腹筋』に分割することをおすすめします。加えて、必ず①〜④の順番で行うことがポイントです。

これまでの解説をしっかり読んできた方は、あることに気づくでしょう。この分割の仕方をみると、大筋群の胸・背中の補助として使う上腕二頭筋と上腕三頭筋がうまく別日に振り分けられているのです。このことによって、補助として使う筋肉もエネルギー切れの状態ではなく100%で追い込むことができます。

上級者になると扱える重量や負荷が増える為、3分割法などでは筋肉の回復が追い付かず全ての日の筋トレ効率が下がってしまいます。その為、週5日ペースで各筋肉部位をピンポイントで鍛えいくことが重要です。

野上 鉄夫

パーソナルトレーナー

この場合大筋群は高重量を使用するので回復には時間がかかりますが、小筋群はそれよりは早く回復します。しかし大筋群を使用する際小筋群も使用される為、この場合小筋群には実質週に2回のトレーニングが実施される為とても効率の良い分割のやり方になります。

筋トレの分割法の正しい知識を身につけておこう

今回は分割法と全身法の違いをはじめ、2〜4の分割数別のやり方を詳しく解説してきました。筋トレの情報は上級者の方が発することが多い為、憧れの方の筋トレ方法を初心者の期間から真似るという方も多いでしょう。筋トレの始めたては、鍛えることが好きになるように楽しむことが重要なので、あまり細かいことは気にせずに継続しましょう。